マンションジャーナル

中古マンション購入・売却、住宅ローンのポイントをお届け!中古マンション売買の専門会社Housmart(ハウスマート)が運営。お得にマンションを買う方法や、住宅ローンの気を付けたいポイント、ヴィンテージマンション、タワーマンション、高級マンションをご紹介。

マンション売却の流れを専門家が徹底解説!【保存版】

この記事では、マンション売却の流れと、各ステップにおける主な注意点について詳しくご説明します。

マンション売却の流れ

針山昌幸(不動産コンサルタント)

この記事を書いている人:株式会社Housmart代表取締役 針山昌幸

一橋大学で経済学を学ぶ。大学卒業後、大手不動産会社で不動産仲介、用地の仕入、住宅の企画など幅広く担当。顧客の利益が無視された不動産業界の慣習や仕組みを変えたいと志す。株式会社ハウスマートを設立し、代表取締役社長に就任。顧客本位の不動産サービスを多数展開している。著書「中古マンション本当にかしこい買い方・選び方」がAmazonランキング・ベストセラー1位(マンションカテゴリー)を獲得。会社経営を執り行う傍ら、テレビや雑誌への出演など、マンション専門家としての活動も行う。

マンション売却の流れ

マンション売却の流れ

マンション売却は、大きく分けて

  1. 価格査定
  2. 売却活動
  3. 契約・決済

の3ステップとなっています。

中古マンションを購入する時と異なり、売却活動においては自ら足を運んで手続きをする機会は多くないです。しかし、1つ1つの決断が成功、失敗を左右します。

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Step1 価格査定・媒介契約締結(約1~2週間)

売却物件の査定イメージ

Step1-1 マンション売却の理由を整理する

佐藤さん

マンションの売却は初めての経験で、どんなことから始めたら良いかわかりません。最初はとりあえず査定からやってみようかなと思っているのですが、これから売却を行っていく上で注意点はありますか?

針山

ご相談ありがとうございます!まずは売却の動機を整理してみることから始めましょう!佐藤さんがマンション売却を検討し始めたきっかけはどういったものでしょうか?

佐藤さん

これまで品川区の2LDKのマンションに嫁と子供(1人)と住んでいたのですが、子供が小学校に入学してからどうも「手狭感」を感じるようになってしまって。そこで、貯金もある程度たまって来たので、住み替えをしてもっと広いマンションに住んで子供に大きなお部屋を与えたいなと思った次第です。

針山

なるほど、お子さん思いのいいお父さんですね。佐藤さんご一家がぴったりな物件に住み替えできるように、順を追ってマンション売却の計画を立てていきましょう!

最初の売却ステップで重要なのは自宅マンションの売却に至る動機を整理することです

まずは売却の理由についてじっくりと考え、本当に売却するべきなのかについて考えてみましょう。

実は、マンション売却は、想像以上にストレスを伴うケースが多いのです。高く売れるような人気マンションであれば、引きが強くすぐに買い手が付く可能性はありますが、通常のマンションの場合、売却にかかる期間は3ヶ月、長くて半年以上かかります。

その間、休日は掃除をして、内覧対応をしたりとなかなか大変で疲れてしまう方も多いです。

実は、賃貸でうまくマンションを資産として運用した方がいいケースも多いのです。

>>>そもそもマンションを売却するべきか、賃貸に出すべきか迷っている方はこちらをお読みください

Step1-2 住宅ローンの残債額を確認する

針山

まず最初に、現時点での住宅ローンの残債がどれくらいあるかを確認しておきましょう。マンションを売却するには、ローン残額を完済し、抵当権を抹消することが必要です。

佐藤さん

つまり、残債が支払えるように売却プランを計画することが重要なのですね!

針山

その通りです!「マンションの売却価格 > 住宅ローンの残債額 + 売却にかかる諸費用」となるように売却計画を立てる必要があります。

佐藤さん

もし売却価格が残債と諸費用の合計を下回った場合、貯金を充てる以外に選択肢はありますか?

針山

不足金額を預貯金で充当できるケースは稀かもしれません。もし株式などの資産をお持ちの場合は、それらを売却して残債の支払いをするケースもありますし、または、買い替えローンを利用して新しい住み替え先の自宅に抵当権を設定し直すことが考えられます。

マンションの価格査定とはこのマンションがいくらで売れるのかという目安の金額を出してもらうことです。価格査定を依頼する前に、住宅ローンの残債がいくらあるのか確認しておきましょう。仮に住宅ローンの残債の方が、実際に売れた金額よりも多かった場合、足りない分を自分で現金で準備しなくてはいけなくなってしまいます。不動産会社の営業マンは、あなたの実際の残債までは把握することが出来ず、また売却依頼を受ける事に必死の為、意外と気づかないものです。

もしマンションを売った金額が住宅ローンの残高に足りなければ銀行は抵当権(住宅ローンが支払えない場合にマンションを銀行が差し押さえる権利)を外してはくれません。もちろん、売却金額に加えて手持ちの現金で住宅ローンの残りと相殺することが出来れば抵当権を外すことが出来ます。

抵当権が外せない場合の一般的な対策方法としては、新しく買う中古マンションに対して抵当権を設定し直すという方法があります。マンションを売却する理由として一番多い理由は「住み替え」になりますので、また新しく中古マンションを購入される方が多いのです。その中古マンションに対して、売却金額の不足分の住宅ローン残債を含めた抵当権を設定することになります。

また、マンションの所有者があなただけでなく複数人いる場合、誰が代表者になって不動産会社とやりとりするのか、いくらぐらいで売却できたらOKなのかということを予め話し合っておきましょう。後から揉めると大変な事になってしまいます。

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Step1-3 必要書類を準備する

マンション売却必要書類

針山

マンション売却に必要な書類の準備もお早めに済ませておくことをおすすめします。特に気をつけたいのは、マンションの引き渡し時に司法書士からもらっているはずの「権利済証」。もし紛失してしまった場合は、別途手続きが必要となります。

佐藤さん

バッチリ、保管しています!

針山

さすがです!加えて、マンションを購入したときの売買契約書なども持っておくとスムーズにいきますよ。

佐藤さん

用意します!

マンション売却に絶対に必要な書類は権利済証、もしくは登記情報識別通知と言われる書類です。マンションの引き渡し後に司法書士から届いた書類になります。もしこの権利済証(登記情報識別通知)を無くしていると、別途手続きが必要となりますので、早めに不動産会社に相談しましょう。

加えて、マンションを買った時の売買契約書・重要事項説明書、パンフレット(チラシ)、住宅ローンの支払い明細などの書類を用意しておくと、不動産会社との相談がスムーズに行きます。

Step1-4 相場勘を掴む

針山

次は相場を把握してみましょう。ポータルサイトなどで、自宅と似たような条件のマンションの売り出し価格を眺めて見ると相場勘が掴めます!

佐藤さん

ポータルサイトの売り出し価格って、どこまで信用していいものなのでしょうか?

針山

佐藤さん鋭い!ポータルに掲載されている価格はあくまでも売り出し価格で、相場よりも大きく上回った金額になっているケースもあります。

佐藤さん

なるほど、あくまで目安なんですね〜。

針山

他にも、カウルライブラリーというサイトはおすすめです。

佐藤さん

どういった特徴があるのですか?

針山

過去の売買事例を一覧で見ることができます。こういった情報はポータルサイトには掲載されていません。

佐藤さん

すごく便利ですね!

実際に不動産会社に価格査定を頼む前に、自分の目で売却の相場をチェックしてみましょう。相場のチェックにはSUUMOやHOME’Sで今実際に売りに出ている物件の価格をチェックしたり、カウルライブラリーで同じマンション内の売出事例を確認するのが便利です。

>>>カウルライブラリーで売買事例を見てみる(無料)

不動産ポータルサイトで売却の相場を調べる時は「駅距離」や「築年数」「階数」「間取り」等がなるべく近しい物件を選び、1平米あたりの価格を確認します。あとは自分のマンションの広さに、1平米あたりの価格を掛け合わせれば、おおよその金額を算出することが出来ます。

なお不動産ポータルサイトに掲載されているのは、あくまで「今売りに出ている物件」ですので、価格が高かったとしても、その金額で売れるかどうかは分かりません。中には相場を完全に超えた高値で販売している物件もありますので「これなら私の部屋もこれぐらいの金額で売れる!」と考えるのは早計です。

Step1-5 金額査定をしてもらう

売却金額の査定イメージ

佐藤さん

針山さん、査定をしてもらう上で注意するべき点はありますか?

針山

ズバリ、査定額を鵜呑みにしないことです!あくまで査定額は参考程度にとどめておきましょう。中には、媒介契約を結ぶ目的で高い査定額を提示してくる不動産会社もあります。

佐藤さん

査定額だけで仲介会社を判断してはいけないということですね。

残債の確認、権利済み証などの必要書類、相場観を把握するなどの下準備が整ったら、早速マンションの査定をしてもらいましょう。不動産会社のWEBページから問い合わせるのもいいですし、近所の不動産会社に行く方法もあります。

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あまりオススメしないのが、不動産売却の一括査定サービスです。一見、理にかなっているように見える不動産売却の一括査定サービスですが、6〜10社程度に見積もり依頼が行く事から、どの不動産会社もライバルに勝つ為本当は売れる事が見込めないような高値で査定金額を出し、結果としていつまでもマンションが売れないということが良くあります。

これが査定金額で必ず不動産会社が買い取ってくれるのであれば話は別なのですが、査定はあくまで「査定」でしかないので、査定金額は高いものの、本当にその金額で売れるかどうかは、また別の話なのです。

一括売却サービスを利用すると、6〜10社から一斉に電話がかかってきてしまい、とても対応出来ませんので(全ての不動産会社に部屋を見せる事になります)、自分で絞った不動産会社1〜3社程度に問い合わせをする方がオススメです。

金額査定の方法

マンションの査定方法はいくつか方法があります。居住用のマンションは殆どのケースが「取引事例比較法」によって査定されます。

  • 取引事例比較法:近隣の取引事例を元に価格を算出する
  • 原価法:物件を建築するコストや耐用年数などを元に価格を算出する
  • 収益還元法:物件から発生する収益と利回りを元に価格を算出する

取引事例比較法の場合、ここ1〜3年の間に取引をされたデータを元に、下記のような視点からあなたの部屋であれば、いくらぐらいで売却できそうか算出していくのです。

  • 広さ
  • 間取り
  • 築年数
  • 室内の状況
  • 眺望
  • 方角
  • 駅からの距離
  • 共用施設
  • 分譲主(ディベロッパー)
  • 施工会社
  • 管理状態
  • 近隣施設
  • 学区
  • マンションの施工会社

より正確な査定のためには、不動産会社に部屋の中を見せる必要があります。お部屋の痛み具合や、日当たり、眺望、通風などは、部屋の中を確認しないと分からない為です。

不動産会社の営業マンに部屋を見せた後、査定金額を出してもらいましょう。査定金額を聞いたら「なぜその金額で売れるのか」という根拠をしっかりと聞く事が重要です。単にこちらの気を引く為、高い査定金額を出してきているのであれば要注意です。

>>>マンションを早く、高く売るテクニックとは?

Step1-6 媒介契約を結ぶ

佐藤さん

先ほどの「媒介契約」とは何ですか?

針山

はい。媒介契約とは、売却を依頼する不動産会社と結ぶ契約のことで、「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」「一般媒介契約」という3種類の契約があります。

佐藤さん

なんだか、難しそうな名前ですね…それぞれどんな特徴を持っているのでしょうか?

針山

とても専門的な用語ですよね…..。それぞれの媒介契約の特徴やメリット・デメリットについて整理してみましたので、ご覧ください!

媒介契約の内容

佐藤さん

なるほど..もっとも縛りがある契約が専属専任媒介契約で、反対にもっとも縛りが緩いのが一般媒介契約なのですね。「どの不動産会社と、どの媒介契約を結ぶか」について、しっかり考えないといけないですね。

針山

実際には、査定額を見るだけで仲介会社の力量を判断するのは至難の技と言えるので、ぜひ一度担当者と会ってみて「査定の根拠」について聞いてみることをおすすめします。

売却活動を依頼する際に結ぶ契約を「媒介契約」といいます。売却活動をお願いする不動産会社の数は一社でも複数社でも大丈夫ですが、媒介契約の種類によっては「ウチの会社にしか売却活動をさせてはいけません」という内容になっているので注意が必要です。

媒介契約には、以下の3つがあります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

一般媒介契約はもっとも緩やかな契約で、指定流通機構(レインズ)への登録や契約期間に決まりがありません。専任媒介契約、専属専任媒介契約の場合、指定流通機構への登録は義務となっていることに加え契約の期間は3ヶ月が上限として決められています。

どんな不動産仲介業者と媒介契約を結ぶのが良いのでしょうか?

不動産仲介業者はマンション売却時に受け取る仲介手数料で利益を得ています。競合の多いマンションの売買仲介においては、不動産仲介業者としてはまずは媒介契約を結ぶことが先決です。不動産仲介業者の中にはこうした競合対策として、最初に査定価格を高く出しておき、まずは媒介契約を結んだ後、どんどん売買価格を下げていくという方法を取る業者もあります。

依頼者は初心者であることがほとんどですから、査定価格を高く出してくれる業者を選びがちです。マンションの仲介を依頼する業者は、査定価格ではなく、実際にどのように活動してくれるのかを見て決めることを強くおすすめします。

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どの会社とどんな媒介契約を結ぶかは、査定金額だけでなく「どのようにマンションを売却するつもりか」「どこがこのマンションのアピールポイントか?」といった売却戦略も確認して選ぶようにしましょう。

営業マンと話した時に「信頼できそう」という印象を受けるかどうかも大事なポイント。実際に買主、もしくは買主側の不動産会社と交渉をするのは、その営業マンになるからです。

以下は、営業マンの力量を試す質問例です。

  1. 「最近、この物件の近くで売却の成約はありましたか?」
  2. 「どのように売却活動をする予定ですか?」

1つ目の質問について。売却するマンションと同じような条件の売却の成約があったかどうか確認しておきましょう。その際にどのような販売戦略を工夫したのかを聞いておきましょう。しっかりとした戦略があれば次も活かせる可能性があります。

2つ目の質問について。より具体的に、あなたのマンションをどのように売却活動を行うつもりか、確認しましょう。

その際、絶対に確認しておきたいのが「レインズに掲載する際に、他の不動産会社に広告の掲載許諾をちゃんと出すかどうか」というポイント。

レインズとは、不動産会社同士が情報交換の為に活用する専用サイトですが、レインズには「その物件を他の不動産会社が広告活動を行って良いか(広告掲載許諾を出すかどうか)」を記載する欄があります。売主にとってみると、多くの不動産会社に広告をしてもらったほうが買主を集める上で圧倒的に有利です。売主は、他の不動産会社の広告費用を負担する必要は一切なく、良いことづくめなのです。

しかし不動産会社によっては「広告掲載許諾」を「不可」にし、他の不動産会社には一切広告を打たせないようにする会社があります。このような会社は要注意です。

↑レインズの広告転載部分が不可になっている例(レインズ利用マニュアルより

こういった「広告掲載許諾」を「不可」にする会社は、たとえ買主が見つかる可能性が低くなろうとも、自社のみで広告活動を行い、両手仲介(売主と買主の両方から仲介手数料をもらう取引)を狙っています。

不動産会社を選ぶ際には「広告の掲載許諾」を出し(レインズの広告転載部分を「広告可」にする)、売主の味方になってくれる会社を選ぶようにしましょう。

>>中古マンションを高く売ってくれる不動産会社の見抜き方とは

不動産仲介会社の3タイプ
街の不動産屋さん

地場の仲介会社とは、地元に根付いた仲介会社で、いわゆる「街の不動産屋さん」です。そんな地場の仲介会社の強みは、なんと言っても街に精通しているという点でしょう。そのため、以下のような状況のときには地場の仲介会社は有利といえます。

  • 今までの担当者が街のアピールができていなかった
  • 周辺環境など立地的な魅力が少ない

たとえば、「朝の○時は電車が混まない」や「あまり知られていないが便利な商店街がある」などの情報は、長い間その土地に根を下ろしている不動産業者でないと分からない情報です。

そのような情報を地場の仲介会社は持っているので、営業トークに活かすことができます。また、周辺環境などのエリア的な魅力が小さいマンションも、地場の仲介会社が持っている情報は大切になってくるのです。

大手不動産仲介会社

次に、大手不動産仲介会社です。大手不動産仲介会社とは、複数の店舗を持っており、広範囲にわたって営業している仲介会社のことになります。

大手不動産会社の強みは、ブランドによる集客力です。また売買に特化しているため、知見も溜まっています。

大手の不動産会社にマンション売却を依頼する際は、必ず「レインズの広告転載部分を「広告可」にしてください」と念を押して依頼するようにしましょう。

実際に、ダイヤモンド社のザイオンラインという金融メディアでは、囲い込みの問題が実際のデータとともに語られています。

囲い込み

webに強い無店舗型仲介会社

新しく出てきたのが、店舗を持たずにWEBやアプリを活用して売却活動を進める企業です。

こういった新しい仲介会社は、これまでの不動産会社とは差別化した売却提案を行うことが特徴です。

WEBとアプリで効率的に集客を行うだけでなく、囲い込みをしない、広告掲載をフリーにするなど、徹底した顧客目線でのサービスが特徴です。

従来型不動産会社で勤務していたベテラン営業マンが業界の課題を解決するべく、こういった企業に入社しているケースも多く、営業マンのレベルも想像以上に高くなってきています。

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Step1のまとめ

  1. マンション売却の理由を明確化する
  2. 住宅ローンの残債額を確認する
  3. マンション売却に必要な書類を準備する
  4. 売却する自宅マンションの相場観を掴む
  5. 金額査定をしてもらう
  6. 媒介契約を結ぶ

Step2 マンション売却活動(約2ヶ月〜1年)

売却物件のイメージ

査定が終わったら、いよいよ売却活動のスタートです。売り出し価格の決定、準備、販売活動、内覧対応、価格交渉など大事な事がてんこもりです。

佐藤さん

針山さん、マンション売却活動のポイントって何でしょうか?

針山

ズバリ、この3つです!

佐藤さん

ふむふむ。まず、最初の「セールスポイントを伝える」とはどういうことでしょうか?

針山

これは、実際にその物件に住んでみて初めてわかる利便性の良さなどを整理して購入希望者に伝えることです!

佐藤さん

確かに、自分がマンションを購入した時も売主さんが懇切丁寧に周辺環境の魅力について教えてくれたのはとても有り難かったです。

針山

また、仲介会社が作成する物件のチラシやポータルサイトにお部屋の写真がたくさん掲載されていることも大事なポイントです!

販売図面例
マイソク
佐藤さん

なるほど!できるだけ写真にできる箇所は写真を撮ってみます!

針山

はい。佐藤様のお部屋は眺望が良く、富士山やスカイツリーが見えるので、晴れた日に撮影してその写真を広告に使ってもらうことも可能ですよ。

佐藤さん

次に、「おもてなし」とありますが、これはどういうことでしょうか?

針山

これは、いかに購入希望者に気持ちよくなってもらうかがマンション売却を成功に導くということです!掃除は絶対にしておきたいですね。

佐藤さん

なるほど!3つ目のポイントは、おもてなしをいかに根気強くできるかということですね?

針山

おっしゃる通りです!毎週末、お客様を受け入れる体制を作れるかどうかは非常に大事です。

佐藤さん

迎え入れる売主側から見ると何度も繰り返しやっている「内覧」ですが、購入希望者の方にとっては初めての「内覧」ですもんね。

針山

いいですね!その心意気があれば、必ずマンション売却で成功できますよ!

Step2-1 売り出し価格を決める

自宅マンションの売却を任せる不動産会社を決めたら、いよいよ実際に売りに出す金額を決めます。基本的には不動産会社の査定金額を元に値付けをします。

>>>マンションの売り出し価格の決め方とは

ここで重要なのは、あまり強気の価格設定をしないこと。相場より少し高め(5%程度)ぐらいが理想です。

販売当初に相場より高く設定して反響がなかった場合、ちょこちょこと細かい単位で価格を値下げするのはおすすめしません。なぜかというと「まだ値下がりするのでは?」というイメージを購入希望者に持たれてしまうからです。マンションを探している方は物件情報を日々ウォッチしているため、価格動向に関してよく把握しています。

そのため、細かい単位での値下げをしていると「この物件また価格が下がったから、もう少し待っていたらまた下がるのでは?」と思われてしまいがちです。逆に大幅な値段改定をした場合は「こんなに下がったから売れてしまうかも!」と焦らせることもできます。

マンションを早く売るためにも、相場を基準に最初の売り出し価格を決めることが重要です!

また、買主の値引き交渉を想定し、希望売却価格に端数分を上乗せすることも有効です。

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Step2-2 掃除をする

販売価格を決めたら、実際に買主候補が来た時の準備をします。大事なのはとにかく掃除です。とにかく物を捨てて、少しでも部屋をスッキリ見せましょう。レンタルスペース、貸し倉庫などを借りて、荷物を移動させるのも有効です。荷物が多いと、せっかく広い部屋も圧倒的に狭く見えてしまいます。

掃除は非常に重要なポイントです。特に玄関、水周り、ベランダ、クローゼット、キッチン、お風呂、トイレなどの水回りは徹底的に掃除しましょう。プロのクリーニング(10万円程度)を一度入れるのがオススメです。

タバコやペットなどで壁紙が汚れている、傷ついている場合や、壁に画鋲などの穴が空いている場合にはリフォームを行いましょう。壁紙の汚れは、想像以上に販売価格に影響します。壁紙リフォームは50〜70万円程度で行うことが出来ます。あくまでマイナスをゼロに戻すようなリフォームは行うべきですが、大規模なリフォームをする必要はありません。

また、お部屋のにおいにも、気をつけましょう。芳香剤を置いておくだけでも購入希望者のお部屋に対する印象はガラリと変わるはずです。

掃除をしたら、写真を撮って不動産会社に送リましょう。売却を依頼された不動産会社は、ネット媒体広告などに物件を掲載して集客活動を行います。その際に写真があるか無いかで反響が大きく違ってきます。

>>売却するお部屋の写真を上手に撮るコツとは?

また、お部屋のインテリアを綺麗にコーディネートしてもらう「ホームステージング」というサービスの利用も検討してみてはいかがでしょうか?何も家具がない状態で内覧をするよりも、実際にコーディネートした状態を見せることで購入希望者もイメージを持ちやすいと思います。

Step2-3 内覧対応をする

実際に売却活動が始まると、見学の依頼が来ます。買主候補が「マンションを見てみたい」といってマンションにやってくるのです。この見学会はあなたのマンションの良さをアピールする最大のチャンスです。徹底的に掃除をし、照明器具を取り替え、全ての部屋を見れるようにし、内覧の前には換気を十分にするようにしましょう。

>>マンションを高く売却するために、抑えておきたい見学のポイントとは?

内覧の依頼は前日や、下手をすると当日に依頼が来る事もあります。「なんて非常識な!」と思うかもしれませんが、極力予定を合わせるようしましょう。「不動産はご縁もの」とは良く言いますが、買主は数ある不動産の中から、たまたま、あなたの物件を見つけ出したのです。前から不動産ポータルサイトを見て気になっていた物件を、たまたま内覧の前日や当日に、不動産会社の営業マンに「あの物件って見れますか?」と聞くことは良くあることです。

今週予定が合わないと、他の物件を購入してしまうかもしれません。1回の内覧には、とてつもない価値があります。なんとかして、全ての内覧を受けるようにしてください。

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Step2-4 買付(購入申込書)を受け取る

マンションが気に入った買主は、書面で不動産会社を通して「買付(購入申込書)」を提出します。この買付(購入申込書)には「どんな条件でマンションを購入したいのか」という情報が書いてありますので、内容をよく確認しましょう。この購入申込書はあくまでも「意思表示」にすぎませんので法的拘束力はありません。キャンセルされることも十分にありますので、相手の熱が冷めないうちに素早く対応方法を決めましょう。

購入申込書

Step2-4-1 引き渡し猶予の交渉をする場合もある

あなたがマンションを売却した後、新しく家を購入して住む予定の場合は引き渡し猶予の交渉が必要となるケースがあります。この交渉が必要となるのは、家を売却した代金で新しい家を購入する「住み替え」の場合です。

通常の不動産取引ですと、家を売却した代金を受け取るのと同時に鍵を買主に渡し、家を引き渡す必要があります。しかし家を売却した後に、新しい家の引き渡しを受ける場合、理想的には下記のような流れになります。

  1. 家を売って代金を受け取る
  2. 新しい家の代金を支払って引き渡しを受ける
  3. 引越し作業を行う

つまり「1.家を売って代金を受け取る」を行った後に、「3.引越し作業を行う」を行うまで買主に居住を待ってもらう必要が発生するのです。この買主に居住を待ってもらうことを引き渡し猶予といい、最大で1週間ほど交渉することが可能な場合があります。

もし引き渡し猶予の交渉ができない場合は、マンスリーマンションなどに一旦住む形になります。

売却中に既にマンションから引越しが終わっている場合は、引き渡し猶予は必要ありません。

Step2のポイント

売却活動のキーワードは、

  1. セールスポイントを明確に購入希望者に伝える
  2. 購入希望者に対するおもてなしを徹底する
  3. 忍耐力を持って売却活動にあたること

売却活動の流れは、

  1. 売り出し価格を決める
  2. 掃除を行う
  3. 内覧対応
  4. 購入申込書をもらう

Step3 契約・決済(約1ヶ月)

マンション売却の契約・決済のイメージ

佐藤さん

針山さんのアドバイスの通りに売却活動をして、素敵な買主さんから購入申し込み書をもらい、無事条件合意しました!

針山

おめでとうございます!最後まで気を引き締めて契約と決済をトラブルなく終えましょう!

佐藤さん

はい!契約と決済で注意点はありますか?

針山

付帯設備の確認を怠ったケースは注意が必要です!

佐藤さん

付帯設備表とは何でしょうか?

針山

付帯設備表とは、そのマンションにはどんな設備があっって、痛み具合などの状況はどうなのかが記載されている書類です。

佐藤さん

なるほど。より具体的にどういう点に気をつければよいでしょうか?

針山

基本的に、設備は付帯設備表に記載している通りに引き渡すことが売主の義務となるので、もし引き渡し時に、契約時と状態が異なっている場合は売主の負担で修復することになります。使っていない部屋のエアコンや、床下暖房などは見落としがちなポイントです。

佐藤さん

なるほど、隅々まで設備の状態をチェックする必要がありますね。

購入申込書の内容で合意すれば、いよいよ契約になります。

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Step3-1 売買契約を締結する

売買契約のイメージ

購入申込書を受け取ってから1週間後が契約を行うタイミングの目安です。契約をする前に必ず買主の住宅ローン事前審査が通っているかを確認するようにしましょう。

売買契約日の前日〜3日前に売買契約書が仲介会社から送られて来ます。なるべく契約書は事前に内容を確認するようにしましょう。

Step3-1-1 売買契約に必要なもの

売買契約日当日までに、準備するものは下記になります。

  • 本人確認書類
  • 実印
  • 印鑑証明書
  • 登記済証(もしくは登記情報識別通知書)
  • 仲介手数料の半金

印鑑は必ず「実印」でなくてはいけません。不動産取引では、本人確認書類だけでは不十分で「登記済証」「実印」「印鑑証明書」「登記済証」の4点セットで、本当に不動産の所有者かどうかを確認するのです。

この中で印鑑証明書だけは、あらかじめ役所にいくか、マイナンバーカードを使いコンビニなどで取得する必要がありますので注意が必要です。

Step3-1-2 売買契約日当日

いよいよ待ちにまった売買契約当日。必要なものを持っていくのを忘れないようにしましょう。売買契約にかかかる時間は全体で1時間半〜2時間。売主は売買契約の途中から参加することが多いので、時間としては1時間弱になります。

>>マンション売却の契約日の手順詳細

売買契約ではマンションの詳細を説明した重要事項説明書、契約条件をまとめた売買契約書、付帯設備表と物件情報報告書を読み合わせ、署名・捺印を行い、最後に手付金の授受を行います。

手付金を受け取ったら、大事に保管する必要があります。手付金は売買代金の一部ですが、引き渡しまでは絶対に使わないようにしましょう。万が一売買契約が白紙となって解約された場合、手付金を全額返す必要があるからです。あくまでも仮のお金として、大事に保管することが必須です。

また、売買契約の際に引渡し日のすり合わせをすることも重要なポイントです。

契約書に記載されている引き渡し日はあくまで「最大に伸びた場合の引き渡し日」という意味ですので、買主によってはもっと早く引き渡しをして欲しい人もいます。

とはいえこちらとしても、引っ越しのスケジュールがありますので、お互いの期待値が擦り合うように話をしておくことが重要です。

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Step3-1-3 売買契約を別々に行うパターンもある

売買契約は通常、売主と買主、売主側の仲介業者と買主側の仲介業者が顔を付き合わせて、一ヵ所に集まって契約を行います。ただどうしても売主と買主のスケジュールが合わない場合は、それぞれ別個に売買契約を行う場合があります。その場合は手付金を仲介会社経由で受け取ったり、振込によって受け取ったりします。

Step3-2 引き渡し日の調整をする

売買契約後、買主は住宅ローンの本審査申込をします。売買契約後から2週間〜1ヶ月後を目安に、買主の本審査通過の連絡が仲介業者を通して来るはずです。買主が本審査を通過すると、住宅ローンを借りられることが確定しますので、引き渡し日の調整を買主と仲介業者を通して行います。

引き渡し日決定の注意点としては、引き渡しを平日の午前中に行う必要があるという点です。これは買主から売買代金の振り込みを受けるために、平日しか決済が行えないからです。またその日中に登記手続きを行う必要があるので、午前中に行うのです。仕事がある方は、午前休などを取る必要がありますので、注意が必要です。

また1度引き渡し日を確定すると、Step3-4でご説明する売主の抵当権抹消書類、買主の銀行とのお金を借りる契約である金銭消費貸借契約の関係で、引き渡し日を変更することは出来ない点も要注意です。

Step3-3 銀行に連絡する

売却予定のマンションに抵当権が付いている場合(住宅ローンの借入がある場合)、引き渡し日が確定したら住宅ローンを借りている銀行に連絡をして抵当権抹消書類を準備してもらいましょう。

抵当権抹消書類とは「この日に住宅ローンの残高を返済してもらうので、抵当権を外しますよ」と銀行が宣言する書類のこと。この書類を銀行に作ってもらうことで、抵当権がない状態で不動産を買主に引き渡すことが出来るのです。

抵当権抹消書類は銀行に依頼してから、約2週間、準備に時間がかかります。フラット35の場合、もっと時間がかかる場合もありますので、お引き渡し日まで時間の余裕を持って銀行に依頼するようにしましょう。

万が一、引き渡し日がズレた場合、抵当権抹消書類を再度作り直すために2週間、時間がかかってしまいます。

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Step3-4 引越し作業を進める

銀行との手続きと同時並行で引越し作業を進めましょう。「Step3-1-1」でご説明した「引き渡し猶予」を使う場合はまだ引越しをする必要はありませんが、荷物は減らすようにしましょう。

残置物が残っていると契約違反になってしまいますので、引越しは確実に終わらせる必要があります。引き渡し日ギリギリの引越しですと引越しが1日で終わらない可能性などもありますので、なるべく早いタイミングで引越しを行うようにしましょう。冷蔵庫、食器棚などは残置物になりますので、買主の依頼がない場合は撤去が必要です。エアコンは、買主との相談によります。

マンション設備の説明書類、分譲時のパンフレットはお部屋の中においたままで大丈夫です。

Step3-5 現地の立会いをする

引越し作業が終わると、売主・買主・売主側の仲介・買主側の仲介立会いのもと、現地の最終確認を行います。荷物が撤去されているか、設備の故障がないかを確認する立会いになります。売買契約時に既に空室となっている場合は、現地の立会いを省略する場合もあります。

Step3-6 引き渡し(決済)

引き渡しのイメージ

いよいよ引き渡し日です。引き渡しの手続きは通常、買主が利用する住宅ローンの銀行で行います。店舗を持たないネット銀行の住宅ローンの場合は仲介会社の店舗で行うケースや、仲介会社の店舗で書類手続きを行い、その後銀行窓口に移動するパターンなどもあります。

  • 引き渡し(決済)の持ち物は下記のようなものです。
  • お部屋の鍵全て(宅配ロッカーも含む)
  • 身分証明書
  • 登記済証(登記識別情報通知書)
  • 印鑑(実印)
  • 印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
  • 住民票(登記名義人変更登記が必要な場合のみ)
  • 振り込み予定の銀行口座の通帳、キャッシュカード
  • マンション設備の説明書類、分譲時のパンフレット ※お部屋に置いた状態でも大丈夫です
  • 仲介手数料の半金(当日、買主からの支払い代金から支払うケースが多いです)
  • 司法書士への報酬(当日、買主からの支払い代金から支払うケースが多いです)

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Step3 契約・決済の流れ

  1. 売買契約
  2. 引き渡し日の調整
  3. 銀行に連絡
  4. 引っ越し
  5. 立会い
  6. 引き渡し

まとめ

マンション売却の流れ、いかがでしたでしょうか。購入の時と違い、自ら動く部分は少ないものの、その分マンション売却の注意点は多いです。ぜひ、ポイントを抑え、マンション売却を成功させてください。

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著者について

(株)Housmart(ハウスマート)代表取締役針山 昌幸
一橋大学で経済学を学ぶ。大学卒業後、大手不動産会社で不動産仲介、用地の仕入、住宅の企画など幅広く担当。顧客の利益が無視された不動産業界の慣習や仕組みを変えたいと志す。  
2011年、楽天株式会社に入社。大手企業に対し、最新のマーケティング・ビックデータ・インターネットビジネスのノウハウを元にコンサルティングを行う。
2014年9月株式会社Housmartを設立し、代表取締役社長に就任。最新のマーケティング手法を駆使した中古マンションの売買を行っている。
著書「中古マンション本当にかしこい買い方・選び方」がAmazonランキング・ベストセラー1位(マンションカテゴリー)を獲得。Housmartの経営を執り行う傍ら、テレビや雑誌への出演など、マンション専門家としての活動も行う。

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