
2022年現在、すでにマンション価格が上がりきっており、購入が合理的ではないエリアが都心部を中心に見受けられる東京23区。
価格上昇の波が既に来ているエリアとそうでないエリアの二極化が進む今、中古マンションを購入するためには「エリア選び」が非常に重要です。
この記事では、将来の住み替えを見据えて中古マンションを購入する際によくある疑問として、
- エリアの資産価値はどのような要素で判断すればいいの?
- 資産価値を考えるならどのエリアの中古マンションを買うのがいいの?
- 各エリアの生活環境はどうなの?
これらに答えながら、2022年現在「買い時」な東京23区の5エリアを紹介します。
今回は板橋エリア編です。ではさっそく見ていきましょう!
>>全5エリアをご覧になりたい方はこちらへ
※各エリアの記事は順次公開予定です。
>>練馬エリア編
>>大山駅エリア編
>>馬込・西馬込エリア編
>>新中野駅エリア編
目次
監修者について
監修者:渕ノ上 弘和
コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社 代表取締役
(保有資格:不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/マンション管理士/管理業務主任者/マンション維持修繕技術者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/マンション建替士)
板橋エリアの資産価値が評価できる4つの理由
「今、買い時」だという判断軸については、下記の4視点で見て総合的に判断しております。
「資産価値を測るにはどの指標を参考値にすればいいのか」
「“資産価値が高い”とはどういうことか?」
などを知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
「今、買い時」の定義
- まだ価格が上がっていない(都内23区でマンション価格の上昇がまだ見られていない(=価格騰落率が低い))
- 今後価格が維持されるもしくは上昇する見込みがある(→再開発計画)
- 住宅需要に応える素地が整っている(→交通利便性、生活利便性)
- 賃料と比較して物件価格が安い
ではまずは、板橋エリアの中古マンションの資産価値が評価できる理由を見ていきましょう。
なお、本記事で取り上げる「板橋エリア」は、新板橋駅・板橋区役所前駅・板橋本町駅の3駅の周辺エリアを指しています。
板橋エリアのマンションの資産価値が評価できる4つの理由
①都心の主要駅にスムーズアクセス
東京駅をはじめとする主要駅へのアクセスは資産価値を左右する重要な要素の一つです。
板橋エリアの各駅には、近隣も含めると都営三田線・東武東上線・JR埼京線が通っており、
- 東京駅(大手町駅)まで乗り換えなし・18分(新板橋駅利用)
- 池袋駅まで乗り換えなし6分(大山駅利用)
- 新宿駅まで乗り換えなし9分(板橋駅利用)
- 渋谷駅まで乗り換えなし15分(板橋駅利用)
でアクセスすることができます。
都内の各主要駅に乗り換えなしでアクセスできるという点は、通勤や通学、ショッピングといった日常生活のあらゆる場面での大きな強みといえます。
②一日に合計10万人超が利用する駅の規模感
その駅の1日あたりの乗降客数によって駅の規模や周辺エリアの住宅ニーズの多寡を推測することができます。駅の規模の大小を測るうえでの一つの目安は3万人です。
板橋エリア各駅の一日あたりの乗降客数は、新板橋駅が約3万人、板橋区役所前駅が約3.5万人、板橋本町駅が約3.6万人(いずれも2019年)です。3駅を合計すると約10.1万人となり、板橋エリアを全体でみると、上述した目安となる3万人を3倍以上上回る規模。十分な駅の利用ニーズがあるエリアと評価できます。
③駅徒歩10分圏内にマンションが多くあり、生活利便施設が充実
最寄駅から10分圏内か否か、これはマンションの資産価値を左右する大きな要素の一つです。そしてそのエリアでの暮らしやすさを担保してくれる生活利便施設があることも重要です。そのため駅徒歩10分圏内にこの両者が揃っていない場合は、資産価値の高いマンションを購入するのは難しいといえます。
板橋区役所前駅から10分ほど歩くと、商店街「ハッピーロード大山」があります。また、新板橋駅から4分ほど歩けばJR板橋駅の駅ビル(JR板橋東口ビル)や駅に隣接する生活利便施設を利用することも可能です。
車の交通利便性でいうと、板橋本町駅周辺は、環七通りに乗りやすく首都高の出入口(板橋本町)があるなど、幹線道路への乗り降りがしやすいという点が強みです。
一方で幹線道路が近いということは、マンションの立地によっては騒音やガス、交通量の多さなどが気になる可能性があるという点に留意しておくといいでしょう。
板橋エリアの各駅から徒歩10分圏内には中古マンションが一定数供給されているので、資産価値の高いマンションを購入できるでしょう。
④板橋エリアの生活利便性やイメージの向上に寄与する再開発が控えている
どのような内容の再開発計画があるかによって、今後のそのエリアの知名度やブランドイメージ、生活利便性がどのように向上するかを予測できます。
板橋エリアの主な再開発計画には以下3つがあります。いずれも板橋駅前のエリア開発です。
- 板橋駅板橋口での大型複合ビルの開発
- 板橋駅西口地区における複合ビル2棟開発
- 板橋駅西口駅前広場の整備
まずJR板橋駅板橋口では、板橋区とJR東日本、野村不動産が共同で実施する「板橋駅板橋口一体開発事業」が計画されています。商業施設や公益施設、住宅施設地上35階・地下3階の高層ビルが完成予定です(24年12月竣工予定)。
参考:JR東日本、野村不/板橋駅板橋口地区再開発(東京都板橋区)/都が施行認可 (建設工業新聞)
西口側では、大京、西松建設らが共同で実施する「板橋駅西口地区再開発」が計画されています。事業予定地は南側のA街区(3,275㎡)・北側のB街区(540㎡)に分かれており、A街区にはオフィスと住宅(386戸)からなる地下2階地上38階建てのビルが、B街区には商業施設とオフィスからなる6階建てのビルが建設される予定です。
参考:板橋駅西口地区再開発(東京都板橋区)/総延べ約4・6万平米規模ビル2棟(建設工業新聞)
また、西口駅前広場の整備も予定されています。駅前広場にあるシンボルツリーのけやきを中心とした植栽計画が施されるほか、ベンチが設けられイベントにも活用できる広場機能が拡充される予定です。バス・タクシーの待合場所も整備され、日常利便性も高まり、住民にとって居心地の良い街づくりが駅前から始まりそうです。
板橋エリアの各駅から本再開発計画のあるJR板橋駅までは、徒歩または電車で10分圏内です。駅の玄関口の整備や複合型タワーマンション等を含む大規模な開発が複数実施されることによって、板橋エリアへの人口流入およびエリア全体の活性化が期待できるでしょう。
板橋エリアの住環境は?夫婦二人・ファミリー世帯目線で分析
板橋エリアは、夫婦やファミリーで住むのに適した街です。その要素を見ていきましょう。
板橋エリアの各駅周辺には生活利便施設が充実
板橋区役所前駅から10分ほど歩くと、「ハッピーロード大山」があります。「ハッピーロード大山」は、1日約3万人もの買い物客が訪れる活気ある商店街です。飲食店、薬局、100円ショップ、カフェなどの店舗が計220店も入店しています。
参考:ハッピーロード大山HP
また新板橋駅から4分ほど歩けばJR板橋駅に行けため、2020年6月に開業した駅ビル(JR板橋東口ビル)を利用することもできます。同ビルにはパン屋や歯科医院、認可保育園、ジムなどが入っています。
加えて、新板橋駅、板橋区役所前駅、板橋本町駅のいずれも駅から500メートル圏内にスーパーが5件以上あります。日常的な買い物で不便に感じることは少ないでしょう。
23区で「最も共働きで子育てしやすい街」
大山駅エリアのある板橋区は、日経DUAL(現・日経xwoman DUAL)と日本経済新聞社が共同で実施した「共働き子育てしやすい街ランキング2021」というアンケート調査において、全国160の自治体の中で11位、東京23区内では1位という堂々たる結果でした。
参考:共働き子育てしやすい街2021 総合編ベスト20(日経xwoman DUAL)
本調査は、認可保育所や学童保育といった「子育て関連施設(インフラ)の充実度」「補助(お金・サービス)」「保育の質を高めるソフト面の取り組み」「移住する子育て世帯への支援策があるか」をはじめとする計43の項目で評価・採点されており、共働き世帯にとっての子育て環境の良さが点数化されて順位付けされています。
具体的に板橋区には子育て世帯をサポートする施策として以下のようなサービスが提供されています。
- すくすくカード事業
すくすくカード(板橋区内に住所を有する妊娠中または3歳未満の子どもを持つ保護者に配布される引換券)と引き換えに、サービスメニューの中から好きなサービスを選んで受けることができるという事業です。受けられるサービスには、育児支援ヘルパーの派遣、乳児ショートステイ事業、一時保育、産後プログラムの利用(ヨガやベビースキンケア等)といったものがあります。
- 赤ちゃんの駅
外出中にオムツ替えや授乳などで立ち寄ることができるように、保育園や商業施設など約180もの施設が「赤ちゃんの駅」に指定されています。
- お迎えサービス付き病児保育
入所する保育所で子どもが体調不良となった際に病児保育施設の看護師が保護者に代わってタクシーで迎えに行き、病児保育施設で預かるサービスです。
加えて、新板橋駅、板橋区役所前駅、板橋本町駅それぞれ500メートル圏内には小児科が3件以上あるため、お子様の体調不良の際にも安心です。(先出の地図を参照)
板橋区での人気学区、金沢小学校・加賀小学校の通学区も
また、子育てを前提でマンションを探している場合にはぜひ念頭におきたいのが、公立小学校事情。
板橋区は、通学区域の学校(入学予定校)への入学を基本としたうえで、入学予定校を変更したい場合には、申請により隣接区域の学校への変更を希望することができる「入学予定校変更希望制」を採っています。
なかでも周辺で人気が高いのが、板橋区立金沢小学校と加賀小学校。特に金沢小学校がある加賀アドレスは、江戸時代に加賀前田藩の下屋敷のあったエリア。石神井川が流れ公園などの緑地も多く落ち着いた住宅街として人気があり、物件価格も少々上がります。
この2校については「入学予定校変更希望制」の適用除外校となっているため、通学区内のマンションでファミリータイプの間取りであれば、資産価値の側面からも期待できそうです。
プロが選ぶ!板橋エリアでおすすめのマンション3選
中古マンション専門の不動産エージェントとして、2022年におすすめできるマンションを3つピックアップしました。
選定基準のポイントは以下4点です。
2:2LDK、3LDK
3:大手ディベロッパー開発・高品質と安心の管理体制
4:価格は5,000万円台〜6,000万円台
※中古マンションの売り出し価格や売り出しタイミングは随時変動します。本記事は、紹介物件の売り出し状況や価格を保証するものではありません。あらかじめご了承ください。
※2022年2月時点の情報です。
①パークホームズ板橋本町ステーションコンフォート
パークホームズ板橋本町ステーションコンフォートの概要は以下の通りです。
・2015年4月築
・14階建
・全78戸
・三井不動産レジデンシャル株式会社、株式会社室町クリエイト
板橋本町駅から比較的大きめな通り沿いに行き来ができるため、女性やお子様の一人歩きの際も安心できるでしょう。また、地域で人気の高い加賀小学校の通学区なのも注目ポイントです。
徒歩5分圏内に2件のスーパー(まいばすけっと)と児童遊園(板橋区立本町児童遊園)があるため、食料品の買い物やお子様と外で遊ぶ際に便利な立地です。ただし、首都高に面しているため騒音や排気ガスが気になる可能性も。自分の許容範囲か、現地で確かめましょう。
②THE ITABASHIレジデンス(サウス棟・ノース棟)
THE ITABASHIレジデンスの概要は以下の通りです。
・板橋本町駅徒歩4分
・2012年7月築
・15階建
・全102戸
・住友商事株式会社・住友不動産株式会社による開発
・板橋本町駅徒歩4分
・2012年7月築
・19階建
・全93戸
・住友商事株式会社・住友不動産株式会社による開発
首都高や環七通りには面しておらず、騒音やガス、交通量の多さに悩むことは少ないといえるでしょう。徒歩1分圏内にスーパー・ドラッグストア・コンビニ・郵便局があり、日常的な生活インフラが至近距離にあるという点も魅力の一つです。
③THE ITABASHI テラス
THE ITABASHI テラスの概要は以下の通りです。
・2012年6月築
・17階建
・全193戸
・住友不動産株式会社による開発
首都高や環七通りには面しておらず、騒音やガス、交通量の多さに悩むことは少ないといえるでしょう。徒歩1分圏内にスーパー・ドラッグストア・コンビニ、徒歩2分圏内に郵便局があり、日常的な生活インフラが至近距離にあるという点も魅力の一つです。一方で、マンションの対面にパチンコ店があるためお子様のいる世帯にとっては懸念材料になるかもしれません。
④シティテラス加賀
シティテラス加賀の概要は以下の通りです。
・2013年10月築
・15階建
・全385戸
・住友不動産株式会社による開発
加賀前田家の下屋敷跡地であり閑静な住宅街として知られる加賀アドレス。2つの公園と石神井川沿いの緑道に囲まれ、マンション敷地内にも豊かな植栽設計がされており、緑に囲まれた落ち着いた住環境を求める方にはぴったりです。
スーパー等は近くにはないため、駅周辺まで行く必要があります。駅からは少し離れますが、徒歩10分圏内。地域の名門公立小学校として名高い金沢小学校の学区であり、図書館が目と鼻の先にあるなど、子育て環境として高く評価できるでしょう。
「このマンション、買っていい?」を知る方法
さて、中古マンションを購入検討する際に迷うのは、「果たしてこのマンションは買ってもいいのか?」ということですよね。
「賃料と比較して物件価格が安い」というのが一つの指標となります(こちらの記事「資産価値を考えて中古マンションを買うならどこ?プロおすすめの東京5エリア」で解説しています)、
賃料と比較して買いなのかって、どうやったらわかるんだ・・・計算が面倒・・・と思った方もいらっしゃるかもしれません。
そこでおすすめしたいのが、中古マンションの資産価値が一目でわかるアプリ「カウル」です。
年齢や年収等のパーソナル情報と自己資金やローン返済期間、居住予定年数などを設定すると、アプリがあなたのローン借入額を計算。それを元に、借りた時と買った時の差額を出してくれます。
5年後〜35年後まで5年区切りで提示できるので、「このマンションは最低何年住んだら得なのか?」が簡単にわかります。
それ以外にも、
- 最長35年後までの推定価格がわかったり
- ●年後に売却した際に手元に残る金額を自動で算出したり
- 同じマンションの過去の売り出し事例も見れたり
・・・中古マンション購入は様々なデータを見て総合的に判断することが必要ですが、このカウル一つで必要なデータがまるっとわかってしまいます。
忙しい毎日の中でいくつもの情報を調べきるのは至難の技。おまけに中古マンションはいつ市場に出てくるか予想がつかず、人気物件はスピード勝負。ぜひ効率の良い情報収集で、理想のマンションをより早く、より確実に手にしましょう!