資産価値を考えて中古マンションを買うならどこ?プロおすすめの東京5エリア

2022.01.31
資産価値を考えて中古マンションを買うならどこ?プロおすすめの東京5エリア
2022年現在、東京23区ではすでにマンション価格が上がりきっており購入が合理的ではないエリアが都心部を中心に見受けられます。価格上昇の波が既に来ているエリアとそうでないエリアの二極化が進む今、中古マンションを購入するためには「エリア選び」が非常に重要です。この記事では、
  • エリアの資産価値はどのような要素で判断すればいいの?
  • 資産価値を考えるならどのエリアの中古マンションを買うべき?
このような疑問にお答えし、
  • エリアの資産価値の見極め方
  • 資産価値の観点で今「買い時」なおすすめエリア
を順番に解説していきます。

監修者について

監修者:渕ノ上 弘和

渕ノ上 弘和プロフィール写真

コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社 代表取締役
(保有資格:不動産コンサルティングマスター/宅地建物取引士/マンション管理士/管理業務主任者/マンション維持修繕技術者/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/AFP/マンション建替士)

「資産価値が高い」とはどういうことか?

「資産価値が高い」とは、言い換えれば「多くの人に求められる」要素を持っている、ということです。 「求められる」とは、(多くの人に)「住みたい」と思われる街である、ということ。 そのための要素を兼ね備えている、もしくは兼ね備えていく予定がある=資産価値が高い、と言えます。
資産価値=「住みたい」と思われる要素があるか、で決まる
ニッチな層に受ける要素を兼ね備えている魅力的な物件や土地もありますが、あくまでも「多くの人に」求められる(求められやすい)ものでなければ、「資産価値が高い」とは言えません。資産価値が高い物件であれば、その物件を手放した際に買い手がつきやすい、つまり負債を抱えにくくなります。資産価値が高い物件を選ぶことは、人生の選択肢を広げてくれることにも繋がるのです。

エリアの資産価値はここで見る! 4つの指標

それでは、エリアの資産価値はどの要素から判断できるのでしょうか?見るべき要素はたくさんありますが、下記4つのポイントをチェックしてみましょう。ある程度、その街の力を測ることができます。
①都心部(東京駅エリア)からの時間 ②駅徒歩分数 ③乗降客数 ④再開発計画
資産価値を決める基本事項は①と②です。 そこに加えて、③の乗降客数で「現在の事項(既に資産価値に反映済み)」、④の再開発計画で「未来への期待(今後の資産価値に反映予定、出口価格への期待)」を加味して測ればほぼ外れることはないでしょう。順番に詳しく解説していきます。

①都心部(東京駅エリア)からの時間

資産価値を決める最重要指標とも言えるのが、交通利便性の高さ。とりわけ都心部、特に東京駅エリア(東京駅、大手町駅、二重橋前駅等)からのアクセスは、そのエリアの資産価値を左右します。東京駅は新幹線および在来線各線のハブとなるビッグターミナル駅ですが、そればかりでなく大手町・丸の内・有楽町といったオフィス街、銀座・日本橋といったショッピングエリアまで徒歩圏内でアクセスできる場所に位置しています。そのため、東京駅までのアクセスが良いと言うことは、そのまま資産価値として高く評価できることに直結するのです。具体的には、東京駅エリアまで30分ないし40分以内にアクセスできるかという基準が目安となるでしょう。

②駅徒歩分数

最寄駅からの徒歩分数も、そのエリアの資産価値を決める重要な要素の一つ。電車文化が根強い都心部では賃貸に限らず売買においても、最寄駅からの徒歩分数によって立地条件の良し悪しが大きく左右されるためです。具体的には、最寄駅から徒歩10分圏内かという基準が目安となるでしょう。

③乗降客数

一日あたりの駅の乗降客数はその駅およびそのエリアの資産価値を見極める要素の一つになります。エリアの資産価値は「そのエリアに住みたい人がどれほどいるか」という点に大きく左右されるため、駅の乗降客数を一つの指標としてそのエリアのポテンシャルを測ることができます。「人が集まっているのか」(現在の資産価値・現在価格)、「人が集まることが想定されるのか」(未来の資産価値・期待値)を測るための、客観的なファクトとなるのです。具体的には、一日あたりの駅の乗降客数3万人を一つの基準値とするのが良いでしょう。3万人以上の人が日々利用する駅であれば一定程度以上の規模がある駅と評価することができます。

④再開発計画

再開発とは、簡単に言えば既存の建物や街並みをつくりかえて価値向上を図る街づくりのこと。多くの場合、行政と民間が連携し、新築マンションや商業施設、公園などの公共空間が一体で設計される大規模な計画となります。再開発が行われることで、そのエリアの生活利便性が上がる→他のエリアから人が流入して住宅ニーズが増える→マンションの資産価値が維持されるという流れが起こるため、再開発計画の有無はエリアの資産価値決定にとって大きな要素です。再開発計画を見るにあたっては、規模よりも内容を重視しましょう。たとえば、企業が多数入居する巨大なテナントビルができたところで街は潤うかもしれませんが、周辺の住宅環境は向上しづらいでしょう。となれば、将来的な居住ニーズは高まりづらくなります。再開発によってそのエリアの生活利便性がどの程度向上するかという観点から評価するのが適切です。

プロおすすめの「今が買い時!」東京5エリア

では、一体東京で資産価値の観点でみるなら、今どこが「買い時」なのか? 不動産のプロとして、いま中古マンションを買ううえでのおすすめエリアをご紹介します。 なお、「買い時」については、下記の基準で選定しています。
「今、買い時」の定義
  • まだ価格が上がっていない(都内23区でマンション価格の上昇がまだ見られていない(=価格騰落率が低い))
  • 今後価格が維持されるもしくは上昇する見込みがある(→再開発計画)
  • 住宅需要に応える素地が整っている(→交通利便性、生活利便性)
  • 賃料と比較して物件価格が安い
上記に当てはまるのが、下記5エリアです。
①練馬エリア ②大山エリア ③馬込・西馬込エリア ④新中野エリア ⑤板橋エリア
では1つずつ見ていきましょう。

①練馬エリア

練馬エリアは都営大江戸線、西武池袋線、西武有楽町線などの練馬駅を中心とするエリアです。練馬区は東京23区の北西部に位置する人口約73.8万人(2022年1月時点)の区で、北側は埼玉県和光市などに隣接しています。 練馬駅から東京駅エリアまでは乗り換え1回・35分前後でアクセスすることができます。加えて、池袋駅まで乗り換えなし・10分〜15分、新宿駅まで乗り換えなし・20分前後でアクセスすることができるため、練馬エリアは都心部へのアクセスが良好なエリアといえるでしょう。練馬駅の一日あたりの乗降客数は約21.6万人(2019年)。先ほど触れた資産価値の高さの判断目安となる3万人の7倍を上回っています。新宿駅や六本木駅まで直通する都営大江戸線、池袋や有楽町まで直通する西武有楽町線(東京メトロ有楽町線直通)などの便利な路線が複数停車することが要因でしょう。練馬駅から徒歩10分圏内のエリアには、駅に隣接する商業施設Coconeri(ココネリ)、西友、エミオ練馬などがあるため、日用品の買い物や外食といった日常生活の利便性は高いといえます。同じエリア内に中古マンションも数多くあるため、生活利便性の高いマンションを購入することができそうです。練馬駅周辺における主だった再開発計画には以下の3つが挙げられます。
  • ハリー・ポッターの体験型施設が新規オープン
  • 都営大江戸線の延伸
  • 練馬駅周辺の再開発
再開発に伴うエンターテインメント性、交通利便性、生活利便性の向上によって練馬エリアは今後さらなる賑わいと活性化を見せるエリアになることが期待できるでしょう。>>練馬駅エリアについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「プロ推薦!資産価値考えてマンション買うなら「今が買い時」な東京エリア【1】練馬駅エリア」をどうぞ

②大山エリア

大山エリアは東武東上線の大山駅を中心とするエリアです。大山駅のある板橋区は東京23区の北部に位置する人口約56.7万人(2021年12月時点)の区で、北側は埼玉県和光市、戸田市などに隣接しています。大山駅から東京駅エリアまでは乗り換え1回・30分前後でアクセスすることができます。加えて、池袋駅まで乗り換えなし・6分、大山駅から徒歩約10分の板橋区役所前駅(都営三田線)を使えば春日駅、神保町駅、大手町駅、日比谷駅といった複数路線への乗り換えができる駅へ22分以内でアクセスすることも可能です。大山エリアは都心部へのアクセスが良好なエリアといえるでしょう。大山駅の一日あたりの乗降客数は約5.2万人(2019年)。大山エリアは大山駅に加えて板橋区役所駅(2019年の乗降客数は約3.5万人)も利用できるということを加味すると、大山エリア全体の乗降客数は9万人近くになるため、エリアの規模は大きいといえます。大山駅から徒歩10分圏内のエリアには、大山駅直結の商店街「ハッピーロード大山」があるため、飲食店、コンビニ、薬局、100円ショップ、カフェといった日用品の調達、外食、軽食には事欠かないエリアです。同じエリア内には商店街を抜けた静かなエリアもあり、高い生活利便性を享受しながらも静かに暮らせる中古マンションが数多くあります。大山エリアにおける主だった再開発計画には以下の2つが挙げられます。
  • 新築マンションや子育て支援施設の誘致等の複合開発
  • 大山駅前広場の整備
ファミリー層の誘致による地域活性化を図る再開発によって、大山エリアは現在のポテンシャルをさらに強く発揮できるエリアになることが期待できるでしょう。>>大山駅エリアについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「プロ推薦!資産価値考えてマンション買うなら「今が買い時」な東京エリア【2】大山駅エリア」をどうぞ

③馬込・西馬込エリア

馬込・西馬込エリアは都営浅草線の馬込駅・西馬込駅を中心とするエリアです。馬込駅・西馬込駅のある大田区は東京23区の南東部に位置する人口約39.8万人(2022年1月時点)の区で、南東側は神奈川県川崎市に隣接しています。馬込駅・西馬込駅から東京駅エリアまでは乗り換え1回・30分前後でアクセスすることができます。加えて、新橋駅まで乗り換えなし・19分、大門駅まで乗り換えなし15分、日本橋駅まで乗り換えなし25分でアクセスすることも可能です。主要ターミナル駅のみならず、羽田空港にも乗り換え1回45分で通じているため、都心部の主要箇所へのアクセスが良好なエリアといえるでしょう。馬込駅・西馬込駅の一日あたりの乗降客数は馬込駅が約3万人(2019年)・西馬込駅が約5万人(2019年)となっており、エリア単位で見ると目安となる3万人の約2.7倍。都心部および羽田空港へのアクセスの良さが馬込・西馬込エリアの人気の一因といえるでしょう。馬込駅・西馬込駅から徒歩10分圏内のエリアには、スーパー・コンビニ・ドラッグストア・飲食店・ホームセンターといった生活利便施設が一通り揃っているため、日常生活で不便さを感じることはないエリアといえます。同じエリア内に中古マンションも数多くあるため、生活利便性の高いマンションを購入することができそうです。馬込・西馬込の周辺エリアにおける主だった再開発計画には以下の2つが挙げられます。
  • 五反田駅(馬込駅から乗り換えなし・5分)周辺の再開発
  • 泉岳寺駅(馬込駅から乗り換えなし・10分)周辺の再開発
いずれも浅草線沿線の大規模な再開発計画であるため、両駅から10分以内で直通アクセスができる馬込・西馬込エリアの生活利便性や知名度、エリア自体の価値の向上に寄与することが期待できるでしょう。>>馬込・西馬込駅エリアについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「プロ推薦!資産価値考えてマンション買うなら「今が買い時」な東京エリア【3】馬込駅・西馬込駅エリア」をどうぞ

④新中野エリア

新中野エリアは東京メトロ丸ノ内線の新中野駅を中心とし、同路線の中野新橋駅・中野富士見町駅を含むエリアです。この3駅のある中野区は東京23区の西部に位置し人口は約33.2万人(2021年12月時点)。東側は新宿区に隣接しています。新中野駅から東京駅エリアまでは乗り換えなし・26分でアクセスすることができます。加えて、新宿駅まで乗り換えなし・6分、赤坂見附駅まで乗り換えなし17分、霞ヶ関駅まで乗り換えなし21分でアクセスすることも可能です。都心部の多くの主要駅を通る丸ノ内線を使うことができるため、通勤やショッピングなどに便利なエリアといえるでしょう。新中野駅の一日あたりの乗降客数は約3.6万人(2019年)、中野新橋駅および中野富士見町駅がそれぞれ各約2万人(2019年)となっており、エリア単位で見ると目安となる3万人の2.5倍以上。新中野駅から徒歩10分圏内のエリアには「鍋横大通り商店街」があり、飲食店、コンビニ、薬局、カフェといった日用品の調達、外食、軽食には事欠かないエリアといえます。新中野エリアには各駅から徒歩10分圏内に中古マンションが数多くあるため、生活利便性の高いマンションを購入することができそうです。新中野の周辺エリアにおける主だった再開発計画には以下の2つが挙げられます。
  • 中野駅ビルの改築
  • 「中野サンプラザ」の建て替え
いずれも中野区における注目度の高い大規模な再開発計画であるため、中野駅エリアに隣接する新中野エリアの生活利便性やイメージ、エリア自体の価値の向上に寄与することが期待できるでしょう。>>新中野駅エリアについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「プロ推薦!資産価値考えてマンション買うなら「今が買い時」な東京エリア【4】新中野駅エリア」をどうぞ

⑤板橋エリア

最後にご紹介する板橋エリアは、都営三田線の新板橋駅・板橋区役所前駅・板橋本町駅の3駅を中心をするエリア。これらの駅のある板橋区は東京23区の北部に位置する人口約56.7万人(2021年12月時点)の区で、北側は埼玉県和光市、戸田市などに隣接しています。板橋エリアの各駅から東京駅エリア(大手町駅)までは乗り換えなし・20分前後でアクセスすることができます。加えて、春日駅、神保町駅、日比谷駅といった複数路線への乗り換えができる駅へも25分以内でアクセスすることも可能です。都営三田線のみならず、新板橋駅は埼京線の板橋駅、板橋区役所駅は東武東上線の大山駅と近接しているため、板橋エリアは交通利便性が高く都心部へのアクセスが良好なエリアといえるでしょう。板橋エリアの各駅の一日あたりの乗降客数は、新板橋駅が約3万人、板橋区役所駅が約3.5万人、板橋本町駅が約3.6万人(いずれも2019年)。板橋エリアの各駅から徒歩10分圏内のエリアには、スーパー、コンビニ、飲食店、薬局といった生活利便施設があるうえ、板橋区役所駅から10分ほど歩くと「ハッピーロード大山」を利用することができ、新板橋駅から4分ほど歩くと埼京線の板橋駅に隣接する生活利便施設を利用することができます。板橋エリアは徒歩10分圏内で利用できる駅および沿線が多いことに加えて、同じエリア内に中古マンションも数多くあるため、高い生活利便性を享受できるマンションを購入することができそうです。板橋エリアにおける主だった再開発計画には以下の3つが挙げられます。
  • 板橋駅板橋口での大型複合ビルの開発
  • 板橋駅西口地区における複合ビル2棟開発
  • 板橋駅西口駅前広場の整備
新築マンションを含む大型複合ビルが複数棟開発され駅前も整備されることで、他のエリアから住民が流入し、板橋エリアのポテンシャルがより一層引き出されエリア全体の価値向上が期待できるでしょう。>>板橋エリアについてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事「プロ推薦!資産価値考えてマンション買うなら「今が買い時」な東京エリア【5】板橋エリア」をどうぞ
株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

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