ライオンズマンション茅場町の管理事例を取材してきました!

2019.05.26
ライオンズマンション茅場町の管理事例を取材してきました!
今後、日本のマンションは長寿化していきます。そんな中、「マンションの管理状態」がますます重要性を増してきています。今回、マンションジャーナル編集部ではライオンズマンション茅場町管理組合理事長清水様にお話を伺いました。築40年を超えたマンションで、どんなことを日々管理組合で議論し管理を行なわれているのか。これからのマンション管理のロールモデルになる事例を紹介します。

自主管理から管理会社の導入までの経緯

清水理事長:もともとこのライオンズマンション茅場町は、「自主管理」の形態でした。日々の管理業務はとても大変なので、役員さんたちには報酬を支払いながら運営をしていたんですね。ただ、みなさん高齢化してきたことで今後も自分たちで管理を続けていけるものなのかと考えていました。ちょうどその頃、「報酬を払うかわりに管理会社を導入するのはどうだろう」という提案がありましたので、本格的に管理会社さんの導入に向けて動き出しました。複数社から相見積もりをとり検討会を行い、大手管理会社の日本ハウズイングさんに管理を委託することに決定しました。清掃や設備点検をお任せした結果、年間数十万単位の管理費削減に成功しました

マンション管理によるバリューアップ事例

清水理事長:以前消防法の改定があり、エントランスに水道管を付け足す必要がありました。配管がむき出しになってしまい、見栄えが良くなかったんです。そこで、大規模修繕の時にうまく隠す方法はないだろうかと設計事務所に相談して違和感のない改修を施しましたもちろん、点検口がありメンテナンスも可能です。渕ノ上:あと、大きな改修事例としてはタイル張りの外観に、上からシートを貼ることで印象を大きく変えました。確かこの事例は、建設系の業界新聞にも掲載されましたね。外壁を綺麗にしたら、女性の賃貸需要が増えましたし、結果として賃料価格が上がったお部屋もあります。また、特に賃貸ニーズを意識して、ゴミ置場の入り口の扉をつけたのも大きかったですね。以前は駐輪場とゴミ捨て場の境界がありませんでしたが、扉がついて明らかに見栄えが良くなったと思います。他にバリューアップの施策として行ってきたのは、「サイネージ」の設置ですね。住民の方々に発信できる貴重な役割を果たしています。清水理事長:マンションの見た目をグレードアップしていくのはマンション管理の重要な役割だと思います。「あ、このマンションいいな」と思えるかは、想像以上にマンションの価値を左右すると思います以上挙げたような管理ができるのは、住民の皆様にしっかりと毎月の管理費納めていただけているから。住民の皆様としっかりコミュニケーションを取り、金額にもご納得いただいています。渕ノ上:キャッシュを持っているマンションであれば、資産価値向上のための施策をどんどん打つことができます。その意味で、修繕積立金や管理費はコストではなく「投資」だと言えます。

いま直面している耐震性の問題

清水理事長:総会では、数年前まで大規模修繕のことを中心に話していました。これまで累計3回の大規模修繕を行ってきました。サイクルは12~15年で行なっています。最近は日常的な管理の改善案に加え、「耐震診断」の実施に向けて慎重な話し合いを進めています。これは今後1年以上かけて意思決定していく事案です。このマンションは、昭和53年築なので築40年を超えています。世間的には「旧耐震」であるため、診断を実施するにあたってまず見積もりを取ろうとしています。渕ノ上:耐震診断について考えるべき理由は、マンションが流通面で支障をきたすからという側面もあります。「旧耐震」であるだけで、消費者からは選ばれにくくなってしまいます。耐震性はマンション価格に大きな影響を与えますし、銀行によっては旧耐震の物件では住宅ローンが組めないケースもあります。清水理事長:診断の結果を見て適宜、補強工事を実施したいとは思っているものの、専有部分に何か影響が出る(お部屋の中に梁が出てしまうなど)可能性もありますので慎重に考えていきたいと考えています。

住民の方に伝えたいこと

清水理事長:ゴミ出しなど、みなさんで気持ちよく生活していくための最低限のルールをこれからも守って行けたらと思います。ゴミ置場を清潔に保つ、設備を傷つけないなどの心構えが、のちの資産価値につながると思います。今後は管理組合としての活動をもっと発信していけたらと考えています。
株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

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