
「住宅を購入するべきか?借りるべきか?」というテーマは、手を変え品を変えながら特集されるまさに「永遠のテーマ」です。
購入と賃貸、それぞれに必要な総コストを計算し、経済合理性によって判断する方もいれば、そうは考えない方もいらっしゃると思います。
今回、マンションジャーナル編集部では「高い論理的思考力」、「合理的思考」を武器として活躍する現役エンジニア170人を対象に、この「賃貸か購入か」というテーマについてどのように考えているのか、アンケート調査してみました!
監修者:針山昌幸
株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)
目次
調査対象
調査対象となったエンジニアのみなさんは、以下のような属性でした。



賃貸派が持ち家派を上回る結果に!
結果は、賃貸派:持ち家派の割合は「6:4」となり、編集部の予想は見事に外れ、賃貸派が多いという結果となりました!
中古マンション売買を生業としている我々にとっては不都合な結果となってしまいましたが(笑)、どういった理由で賃貸を選択しているかについて深掘りしていきます!
賃貸派の方々の理由
賃貸派のエンジニアにとっては、「転居の自由」が圧倒的多数派となりました。
「転居の自由を確保したい」と回答した方々の実際の声
自由回答を集計してみた結果、転居の自由を確保する目的は以下の2つであることが判明しました。
- キャリア形成のため
- 柔軟なライフスタイルの実現
キャリア形成のため
賃貸派エンジニアは、転職やオフィスの移転に合わせて、職住近接を実現したいという傾向が強いようです。
ちなみに、「賃貸か購入か」というテーマと合わせて「海外勤務に関心はあるか?」という設問を実施した結果、以下のグラフに表れているように、エンジニアの海外志向は想像以上に強いということがわかりました。全回答者の約6割が海外志向のキャリアをご検討されているようです。
柔軟なライフスタイルの実現のため
実は、東京都内に限定すれば「マンションを売り出しても売れない」といった事態はほぼないと言えます。値下げをすれば、基本的には2年以内にマンションを売却することは可能です。
ただ、賃貸の方が圧倒的に身軽に引っ越すことができますから、転職してキャリアアップしたいと考える方は賃貸派を選ぶ傾向にあるようです。
年収800万超えの高給エンジニアでもローンへの不安が
ご年収が800万円以上であり、住宅ローンを組むには十分資金力のある方の中にも、ローンのリスクを考慮してあえて住宅を購入しないという選択をしている方もいらっしゃいました。
持ち家派の理由は、「資産形成」と「理想の家を叶えたい」
持ち家派エンジニアの自由回答を、
- 資産形成
- 理想の家を叶えたい
- ライフプラン
- 安心感
という4つのカテゴリーに分類すると、「資産形成」と「理想の家を叶えたい」という理由が圧倒的に多数派となりました。
「資産形成」と回答した方々の実際の声
資産価値の高い不動産とそうでない不動産が二極化する人口減少社会においては、極めて重要な考え方ではないでしょうか。
「資産価値の高い物件」を購入して終わりではなく、購入後は自宅の資産価値を常にウォッチし、資産を減らさないようにする姿勢が求められそうです。
住宅ローンを組む際に加入する「団体信用生命保険」を利用することで万が一に備えてリスクヘッジができるということですね。
中には、こんなロジカルな長文回答も。
価格下落リスクについても、10年の住宅ローンによる控除+10年間後の残債減少分と10年間に支払う賃料を比較すれば、10年間に支払う賃料以上に値下がり(購入価格の1/4)していなければ持ち家のほうが良いと判断した。
10年間で25%下落することは都心及び準都心を含めた5区では立地、大規模マンションを選ぶ、といった条件さえ間違えなかれば過去20年を振り返ってみてもほとんどなく、今後もそこまで大きな価格下落は起きないと判断した。
「理想の家を叶えたいから」と回答した方々の実際の声
まさに、エンジニアらしい回答ですね!(笑)
エンジニアにおまけ調査
せっかくの機会なので、エンジニアのみなさんに「働き方」と「雇用形態」に関するアンケートも集計してみました。
①エンジニアとしての働き方について


②雇用形態について
雇用形態については、現在「正社員」として勤務されている方の中でもフリーランスとして働きたいと思っている方が多少いるということもわかりました。


総括
いかがでしたか?
持ち家派のエンジニアは、「資産を形成したい」という理由が最多で経済合理性を重視する方が予想通り多かったのに加え、「理想の家を叶えたい」という経済合理性ではない点を重視する方も多いという結果となりました。
賃貸派のエンジニアは、「転居の自由」を確保したい方が圧倒的多数となり、中でもキャリア形成を重視して身軽でありたいと考えているエンジニアの方々が多いということがわかりました。
エンジニアがどういった価値観で住宅と向かい合うのかがわかり、非常に興味深い結果となりました。