
売れない期間は、不安に感じる方も多いでしょう。売れない期間が長引くだけ、焦りも出てきたり、精神的負担が大きくもなってくるかと思います。
そこで今回は、中古マンションが売れないと悩んでいる方に向けて、よくある原因とその対策を具体的に解説していきます。
「売れない」理由は、様々な要素が絡みます。まずは状況を一つずつ整理しながら、売れない原因を把握し、しっかりと対策していきましょう。
目次
最初の判断ポイント:まずは内覧があるか、ないか?
まず、以下2つのケース別で理由を考えましょう。
- 内覧がない・少ない
- 内覧はあるが申し込みがない
やみくもに売れない理由を考えるのではなく、まずはご自分の状況を一歩ずつ見直して把握していくことが必要です。その方がより早く原因を見つけ出すことができ、より具体的な対策を行うことができるからです。
中古マンションが売れないケース【1】内覧がない・少ない
まずは内覧がない・少ないときには、以下の6つの理由が考えられます。
- 価格設定を間違えている
- ポータルサイトなどに広告を出稿していない
- 掲載している写真の質・量に問題がある
- 担当者との連絡に問題がある
- 依頼先の仲介会社に囲い込みされている
- 売却の依頼をした不動産会社が、レインズの広告掲載許諾を出していない
価格設定を間違えている
内覧が来ないということは、購入検討者が中古マンションが売却していることを告知するためのチラシやネット情報などを見ても「興味がある」という状態にならないということです。その最も大きな理由として考えられるのが「価格が高すぎる」という点です。
仮に、中古マンションの検討者が広告を見て価格が高いと思えば、内覧を検討しないでしょう。内覧が来ない状況が続いた場合は、同じマンション内や周辺の似ているマンションの成約価格を改めて確認することが重要になります。
そのような過去の成約価格よりも、自分の中古マンションの売り出し価格が明らかに高いのであれば、中古マンション内や周辺の成約価格を参考に価格改定を検討しましょう。
ポータルサイトなどに広告を出稿していない
次に、中古マンション広告でポータルサイトなどに出稿していないかを確認しましょう。ポータルサイトとは、SUUMOやHOME’Sなどのような、不動産情報がたくさん掲載されているサイトのことです。前項では、「広告を見ている」前提の話でしたが、広告がないまたは広告が少ないために購入希望者の目に触れていないケースも多いです。
そもそも、マンションを売却するときの広告展開は、基本的には仲介会社が決めます。一般的には、売却価格が高くなるマンションの方が仲介手数料も高くなるので、広告量も多くなります。ただ、ポータルサイトは広告全般の中でも掲載料金が高いので、マンションによっては掲載されません。
しかし、前項のように売り出し価格を検証した結果価格が適正でなのであれば、広告量が少ない点が内覧に来ない原因と考えられます。そのため、仲介会社に交渉をして、集客力のあるポータルサイトへの掲載を頼んでみると良いでしょう。
掲載している写真の質・量に問題がある
前項までの検証で、価格も適正で広告量も適正であれば、次は広告の「質」が売れない原因かもしれません。たとえば、広告に掲載している図面や写真の質、または情報量が足りない可能性があります。
広告には、中古マンションの外観写真や室内写真などを掲載し、その「写真」は購入検討者が唯一中古マンションをイメージできる大切な要素です。そのため、その写真の質が悪かったらもう一度撮りなおしてもらったり、プロのカメラマンに撮ってもらったりするように依頼しましょう。
また、特にネット広告はたくさんの写真を掲載できるので、できるだけマンションのイメージが沸くような写真をたくさん掲載することも重要です。
>>マンション売却成功の鍵!買い手がつく物件情報・集客のコツとは
担当者との連絡に問題がある
上述した点に問題がなければ、次は担当者との連絡が上手くいっていないケースが考えられます。内覧の予約受付は、営業担当者が購入検討者と売主の予定を調整します。しかし、営業担当者と中々連絡がとりにくい状況だと、連絡がすれ違ってしまい、結局内覧日程の調整ができないことも考えられます。
そのようなことを防ぐために、以下の対策をしましょう。
- メールやLINEなどを中心に連絡する
- 内覧OKな日程を事前に伝える
電話だとすれ違いが生じやすくなるため、できるだけメールやラインでやりとりしましょう。また、事前に内覧して良い日程を伝えておくのも効果的です。
依頼先の仲介会社に囲い込みされている
囲い込みとは、仲介会社が他社からの顧客紹介をシャットダウンする行為です。仲介会社が囲い込みをする理由は、仲介を依頼されている仲介会社自身が買主を見つけてくることで、売主・買主の両方から仲介手数料をもらいたい(これを「両手仲介」と呼びます)からです。
他の仲介会社があなたの物件情報を見て、「ちょうどぴったりの条件で探している買主のお客さんがいるので、見学をしたい」と問い合わせをしてきたとします。
それに対して、「すでに契約が決まってしまった」などと嘘の回答をして、物件を他社に紹介しない。そうして、自分で買主を探して仲介手数料を両者からもらおうとする・・・これが、囲い込みです。
他社から紹介されて成約すると、買主から仲介手数料をもらえないので「紹介を断る」というわけです。しかし、売主にとって囲い込みはデメリットしかありません。
アメリカやシンガポールでは両手仲介が法律で禁止されているため囲い込みはありません。しかし日本では禁止されていないため、囲い込みが見られるケースがあります。
囲い込みを防ぐ為には、以下の対策を取りましょう。
- 囲い込みの存在を知っていることを伝える
- レインズの売主用ログインID・PWをもらい、レインズに「図面」「物件写真」が登録されているか確認する
上記でも完全に囲い込みを防ぐことはできませんが、一定の抑止力にはなるでしょう。もしあなたがマンションの売却依頼をした不動産会社「以外」の会社からの内覧数が少ない場合は、囲い込みを疑った方が良いでしょう。
囲い込みをしない、売主本位な不動産会社の選び方については下記の記事をご覧ください。
>>中古マンションを高く売ってくれる不動産会社の見抜き方とは
普通の割合(囲い込みをされていない時の割合)としては、「売却依頼をした不動産会社の内覧数」と「他の不動産会社の内覧数」の割合は「1:5」ぐらいの割合になります。
売却の依頼をした不動産会社が、レインズの広告掲載許諾を出していない
買主を見つけてくるのは、何もあなたがマンション売却を依頼した不動産会社だけではありません。世の中の全ての不動産会社は、買主を見つけてくれる可能性があります。
その為には、あなたがマンション売却を依頼した不動産会社だけでなく、他の不動産会社にも不動産広告を出してもらう事が重要です。
これは難しいことではなく、どの不動産会社も喜んで自社ホームページや、チラシ、ポータルサイトに広告を載せてくれます。その為には、あなたが売却の依頼をしている不動産会社が、売却物件をレインズ(不動産会社だけが利用できる会員制サイト)に掲載する際にレインズの広告転載部分を「広告可」と入力すれば良いだけです。
「1-5.依頼先の仲介会社に囲い込みされている」でご説明した様な「囲い込み」をする会社ですと、ほぼ例外なくこの「レインズの広告転載部分」を「不可」にしています。
他の不動産会社からの内覧数が少ない場合は、囲い込みを確認すると共に「レインズにおける広告転載部分を「広告可」にしてもらえますか?」と不動産会社に依頼する様にしましょう。
なおレインズの「広告転載部分」の項目には
- 広告可
- 一部可(インターネット)
- 一部可(チラシ・新聞広告)
- 広告可(ただし要連絡)
- 不可
の5つの選択肢があります。「一部化(チラシ・新聞広告)」などでは意味がないので、必ず「広告可」にしてもらうようにしましょう。
これは非常に強力な方法で、逆にやらないとマンション売却は失敗すると言っても良い程のポイントです。
>>中古マンションを高く売ってくれる不動産会社の見抜き方とは
マンションが売れないケース【2】内覧はあるが、申し込みがない
つづいて、内覧は一定数あるものの申し込みに至らないケースです。その売却は以下の理由が考えられます。
- 掃除やハウスクリーニングをしていない
- 物件の良さを内覧時にうまく伝えていない
つまり、住んでみてわかるお部屋の魅力を購入検討者に伝え切れてないということです。
掃除やハウスクリーニングをしていない
内覧があるものの申し込みに至らないということは、「広告効果はあるけど実際に見学したら評価が下がった」ということです。その理由として考えられるのは、購入検討者が見学をした後に「部屋の印象が悪い」という状況です。
そのため、部屋の掃除やハウスクリーニングを検討しましょう。フローリングやクロスはもちろん、水まわりの汚れは目立ちます。一度自分で大掃除をしてみて、それでも落ちない汚れはハウスクリーニング業者への依頼も検討してみると良いです。
ハウスクリーニング業者に依頼するかどうかは、仲介会社と相談しながら決めることをおすすめします。仲介会社の経験上、部屋の印象が悪くなるほど汚れているときは、クリーニング依頼する方が無難です。
またお部屋の荷物を極限まで減らす事、部屋の電気を全てつける事も重要です。
壁紙の痛みや変色が激しい場合は、壁紙のリフォームを行う事も効果的です。
ペットの匂いがする場合は、換気を行うと共に、ルームフレグランスを置く事も有効です。
物件の良さを内覧時にうまく伝えていない
次に考えられる理由は、仲介会社が上手く物件のアピールができていないという点です。対策としては以下の点になります。
- 居住者として感じる魅力を伝える
- レインズで登録状況を確認
まずは、実際に住んでいる居住者としての立場で、「実際に住んでみて良かった点」を伝えましょう。
さらに、売主もレインズ(物件が登録されているサイト)を確認できるので、レインズにて物件の登録状況を確認※しましょう。仮に、物件のステータスが「公開中」になっていない場合は、仲介会社の怠慢か、囲い込みの危険性があるので指摘しましょう。
※公益財団法人東日本不動産流通機構( https://system.reins.jp/common/sell_request.pdf )
売却を依頼する仲介会社を変更するのも1つの選択肢
前項までで、マンションの売却が上手くいかない理由と、それぞれの対策を解説しました。しかし、理由が分かったとしても、誠実に対応してもらえない場合があるかもしれません。また、どうしても担当者と反りが合わない場合もあるでしょう。
そのときは、媒介契約が切れた時点で、思い切って仲介会社を変更してみるのも選択肢の1つです。
まとめ
マンションが売れないとき、まずは
- 内覧が少ない
- 内覧はあるが、申し込みがない
のどちらかのケースに該当するか、から見極めましょう。
内覧が少ないケースの主な原因
- 価格設定を間違えている
- ポータルサイトなどに広告を出稿していない
- 掲載している写真の質・量に問題がある
- 担当者との連絡に問題がある
- 依頼先の仲介会社に囲い込みされている
- 売却の依頼をした不動産会社が、レインズの広告掲載許諾を出していない
また、
内覧があるが、申し込みがないケースの主な原因
- 掃除やハウスクリーニングをしていない
- 物件の良さを内覧時にうまく伝えていない
まずは、これらの原因をご自分で予測を立てた上で、契約している不動産会社や担当者の方に相談してみましょう。それでもあまり売れない、もしくは誠実に対応してくれる様子が見られない、という場合は、仲介会社を変えることも考えましょう。
また、業者による買取は早期に売却できるというメリットがあるとはいえ、買取価格が通常の売却相場を下回ってしまうので最後の選択肢として認識しておきましょう。
早く・確実に売却するためには?
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2022年現在、中古マンションの価格が上昇している点に注目が集まっています。
が、実はその一方で、悲劇も起こっています。「今ならば高値でも売れるはず」と考えて強気の価格をつけたところ、買主からまったく振り向いてもらえず売れ残り続け泥沼の長期戦に・・・というような事例が少なくないのです。
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