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【新築マンション業界経験者が語る】新築販売のオモテとウラ

【新築マンション業界経験者が語る】新築販売のオモテとウラ

綺麗で、新しい豪華な設備の新築マンション。誰もが一度は憧れを持つでしょう。

しかし、一歩立ち止まって考えて見てください。人生で一番高い買い物をするわけなので、情報収集を徹底的に行なった上でも遅くはありません。

そこで本記事では「新築マンションを購入したい!」と決めている方や「新築マンションを購入するべきか、中古マンションを購入するべきか」悩んでいる方にとって、ぜひ知っておいて頂きたい「新築マンション販売の裏話」をご紹介します。

この記事の重要ポイント

  1. 新築マンションは最初価格未定で売り出され、お客様の声を聞きながら上限価格を決める
  2. 新築マンションは、青田売りをしないと事業として成立しなくなってしまう
  3. モデルルームにはオプションが多く付けられており、標準設備とは大きく異なる
  4. 商談スペースが個室なのは、閑散期の客足の少なさを隠すという意図もある
  5. 建設コスト高騰を受け、新築マンションの専有面積がますます縮小してきている

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新築マンション業界の慣例とは

新築マンションの広告に「価格未定」との記載を見た経験のある方は多いのではないでしょうか?

新築マンション業界では、販売当初に価格未定の状況でお客様を呼び始めるのが慣例となっています。

中古マンションの売買は売り出し価格を決めてからお客様のご案内をします。賃貸も、家賃を決めてお客さんをご案内します。

新築マンション業界だけは、価格未定の状況でお客様のご案内をする「特異な業界」と言えるのです。

新築マンションの販売当初が価格未定の時期となります。

この時期は、デベロッパーが「事前案内会開催」と告知し、モデルルームにお客様を呼び込みます。

「事前案内会」は、デベロッパーが新しく販売するマンションに『この土地に、こういう企画のマンションを作ります』とお客様にご案内する期間に行われます。

この期間中にデベロッパーが最も気にしていることは、この新築マンションが一体いくらで売れるかです。

デベロッパーは事業として新築マンションを販売するため、可能な限り利益を追求していくのが基本スタンスです。

事前案内会から6週間程度かけて呼び込んだお客様の声を聞きながら売れる上限価格を見極め決定し、最初の販売(これを“第1期”と言います)をしていきます。

新築マンションが青田売りされる理由とは

新築マンション販売は「青田売り」が基本です。

「青田売り」とは、マンションの完成前にモデルルームにて販売する手法のことです。

青田売りの時期は、マンションが完成する1年程度前から販売するのが一般的です。

そもそも、何故新築マンションは青田売りをするのかと疑問をお持ちの方も多くいらっしゃることでしょう。

それには、デベロッパーの新築マンション事業における事業スキーム(資金回収)が深く関係しています。

新築マンション事業には数十億、事業規模よっては数百億単位のお金がかかります。

そのため、デベロッパーは金融機関から融資をしてもらわなければ、事業をすることができません。

新築マンション事業でデベロッパーが資金回収できるタイミングはマンションの引き渡しの時となります。

デベロッパーは融資してもらったお金の利息負担を軽減するためにも、マンションの引き渡し時に可能な限り融資金を返したいことから青田売りをしているのです。

このようなデベロッパーの事情で青田売りはされているわけですが、モデルルームを作るのにも多額のお金がかかるため、用意されているモデルルームは小〜中規模(50~100戸台)で1タイプ、大規模(200戸超)で2~3タイプしかありません。

ほとんどのケースでは自分が購入したいお部屋は売買契約のタイミングでは確認できません。

購入したお部屋が確認できるのは引き渡し前の内覧のタイミング(引き渡しの1ヶ月程度前)まで待たなければならないのです。

新築マンションは最新設備が備えられ、お住まい後の居住者同士のコミュニティも新たに作られるという良さはありますが、売買契約前に購入するお部屋を確実に現地で見て確認できる中古マンションとどちらが良いでしょうか。

これからマンションを購入される方には良くお考え頂きたいところです。

モデルルームはオプションだらけ

新築マンション販売の青田売りは上述の通りですが、その青田売りで用意されている数少ないモデルルームがオプションだらけなのをご存知でしょうか?

モデルルームを見学後、結局何が標準の間取り・設備仕様だったのかよくわからなかったという方も多いのではないでしょうか。

※標準とはパンフレット・図面集に記載されている間取り・設備仕様のことです。

デベロッパーは何故モデルルームをオプションだらけにするでしょうか?

それは、数少ないモデルルームで全戸を完売させなければならないからです。

新築マンション販売では、モデルルームが販売上の最大のプレゼンテーションの場であり、モデルルームを気に入ってもらえるかがお客様に契約してもらえるかどうかの分かれ道と言っても過言ではありません。

お客様に「このマンション自体を買いたい、欲しい」という気持ちになってもらうため、デベロッパーはオプションだらけのモデルルームを用意しているのです。

さらに大規模マンションのモデルルームでは、シアターやジオラマを用意し、モデルルームを見学する前のお客様に見せ、高揚感を煽った上でモデルルームを案内します。「このマンション良い」と思った上でモデルルームを見てもらえれば、モデルルームのオプション効果はより高いものになります。

新築マンションのモデルルームは綺麗で夢はありますが、くれぐれもマンション自体、そしてご購入されるお部屋自体の本質を見落とさないようにご注意ください。

モデルルームの商談スペースを個室にする理由

新築マンションのモデルルーム見学された方の中には、モデルルームの商談スペースが個室であった経験をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

個室の商談スペースをどう感じられたでしょうか?「高級感があっていい」、「プラバシー性が高くていい」と感じられたでしょうか?

もちろんデベロッパーも「高級感」や「プライバシー性の高さ」は意識していますが、個室の商談スペースを用意するのにはもう1つの理由があるのです。

それは、販売中盤から後半にかけた閑散期にお客様が少ないのを隠すことができるということです。

新築マンションの販売当初は、多くのお客様がモデルルームへお越しになられますが、販売中盤から後半にかけてはお客様自体が少なくなります。

販売当初だけで考えれば、個室の商談スペースよりもオープンな商談スペースの方が、すぐ隣の席で申込していたり、契約をしていたりと煽り効果は高いと言えます。

しかし、販売中盤から後半にかけお客様が少なくなってくると、オープンな商談スペースではモデルルーム内が閑散としてしまいお客様に『不人気物件』というイメージを持たれてしまいます。

『不人気物件』のイメージを持たれたお客様が果たして購入いただけるかと言いますと答えは当然「ノー」です。

それを回避するため、お客様が少なくなる販売中盤から後半にかけ『不人気物件』というイメージをお客様に持たれずに、粛々と販売を進めるため閑散とした雰囲気にならない個室の商談スペースを用意するのです。

モデルルームの雰囲気に惑わされず、気に入った物件であればなおさら、「本当に人気物件なのか」、「本当に売れているのか」を確認するためにも行く曜日や時間を変更して、複数回にわたって行ってみることをお勧め致します。

新築マンションの専有面積はどう変化しているか

現在の新築マンション価格はバブル期と同水準まで上昇しているとのニュースを耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか?

新築マンション価格の大幅な上昇は、建築費の上昇だけではなく、デベロッパー同士のマンション用地取得の競争激化により土地の仕入価格も上昇しているためです。

大幅な価格上昇により、新築マンション市況は好不調の目安と言われる契約率70%を下回って推移しております。

このような市況の中、これ以上販売価格を上げると売れないということはデベロッパーもわかっています。

では、価格上昇時代の中で新築マンションを売るためにデベロッパーは何をするでしょうか。

専有面積を小さくし販売価格を抑えるのです。

3LDKといえば70㎡をイメージされると思います。

しかし、新築マンション価格の上昇にともない数年前より3LDKの専有面積は70㎡から67~68㎡が主力となり、現在では62~63㎡と、さらに一回り小さい専有面積が主力になりつつあります。

例えば、平米あたり100万円の新築マンションであった場合、70㎡は7,000万円ですが、67~68㎡ですと6,700~6,800万円となり、さらにもう一回り小さい62~63㎡では6,200〜6,300万円となります。

70㎡のお部屋との販売価格差は700~800万円と大きな差となります。平米10万円上昇しても、62〜63㎡であれば見た目の販売価格は変わらないということになります。

しかし、単純に面積を小さくし居住空間が狭く感じるようなものでは売れませんので、62~63㎡と面積を小さくしつつもリビング・ダイニングは約10帖、洋室(1)は約6帖、洋室(2)・(3)は各約5帖を確保していることがほとんどです。

面積を小さくした分のしわ寄せは水回り(キッチン・浴室)の住設機器サイズが70㎡よりも一回り小さいサイズのものになっている点に注意が必要です。

現在の新築マンションは面積を小さくすることで見た目の販売価格は、価格上昇分を吸収しておりますが、面積を小さくしているだけです。

モデルルーム見学の際には、営業マンに「70㎡も必要ない」、「62~63㎡が効率の間取り」と説明を受けるかもしれませんが、ご予算内に収まり、かつ、面積は広い方がゆったりと生活できることは言うまでもありません。

最後に

住宅購入は、楽しいもので、夢が溢れると思います。しかし、ほとんどの住宅購入者の方が住宅ローンを組むわけなので、購入の失敗は避けたいものです。

楽しいと感じている時こそ厳しい目で見極めることが重要だと思います。

中古マンションにも、新築マンションにはない魅力がたくさんあるので、ぜひ比較して検討して見ることをおすすめします。

著者について

株式会社Housmartマンションジャーナル編集部
中古マンションの専門会社「ハウスマート」のスタッフが、中古マンションの物件探し、リフォームやリノベーションに役立つ情報、街の魅力、インテリアやDIYのテクニックをお伝えします。

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