
豪華な共用施設やホテルライクな内観が魅力的なタワーマンション。街のランドマークとなっていることも多く、とくに首都圏の中古マンション市場では根強い人気を誇ります。
タワーマンションは共用施設やサービスが売りであるため、通常の中古マンションよりも見極めるべき項目が多くなります。
そこで本記事では、どのタワーマンションを選ぶべきか、どんな項目で物件を見極めていけばよいのかを整理し、解説したいと思います。
監修者:針山昌幸
株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)
目次
タワーマンションを見極める「5つの視点」
- 居住者向けサービスの質
- 災害対策の充実度
- 共用施設の魅力度
- 設備の使い勝手
- 眺望の永続性
①居住者向けサービスの質
コンシェルジュサービスは、まさにタワーマンションならではの定番サービスです。
- クリーニングの取次
- 宅配便の発送や受け取り
- タクシーの手配
- 設備故障の際の業者紹介
- レンタカー手配
- ゲストルーム、フィットネスジムなどの利用管理
タワーマンションによって、コンシェルジュのサービス内容は異なるので複数のタワーマンションを比較検討する際は、サービス内容の違いに注目してみてください。その際、あなたにとって使い勝手の良いサービス内容なのかどうかしっかりと見極めましょう。コンシェルジュは無料のボランティアではなく、入居後に毎月支払う「管理費」から支払われています。
>>>マンションコンシェルジュとは?賛否両論の理由について徹底解説
②災害対策の充実度
災害に強いタワーマンションを見極める項目は、下記です。
- 定期的に防災訓練が行われているか?
- 医療品や食料品などの備蓄がされているか
- 非常時の災害行動マニュアルは整備されているか?
- タワーマンションの耐震性は問題がないか?
中でも、タワーマンションの耐震性は気になるポイントですよね。実際には戸建と違い、マンションを建てる際には支持層と呼ばれる強固な地層に何十〜何百もの杭を打ち込み、建物を固定しています。詳細は、下記記事をご確認ください。
>>>免震、制振、耐震の違いとは?タワーマンションの耐震性や地震対策を徹底解説!
また、いざという時の備蓄や災害行動マニュアル、定期的な災害訓練などの実施は防災意識の高いマンションであれば行っているはずです。
内覧時に、仲介会社の営業担当を通じてヒアリングしてみることをおすすめします。
③共用施設の充実度
タワーマンションの共用施設は、マンションによって様々です。
エントランスやラウンジだけのシンプルなマンションから、プール付きのマンション、温泉付きマンション、ジム、フィットネススタジオ、キッズルーム、音楽室、ゴルフレンジ(シミュレーションゴルフ)、ライブラリー、勉強スペース、テニスコート、バーベキュースペース、バー、プラネタリウム、敷地内公園、噴水など、マンションによって本当にいろいろな種類があります。
様々な共用施設があることで、毎日の生活が豊かなものになるというのは間違いないでしょう。ですが、それだけ毎月支払う管理費が高額になってきます。当然、施設が少ないほど維持するために必要な管理費は安くなります。どこまで共用施設を求めるか、それはライフスタイルによって異なるので、自分にとって大切な施設を見極めることが大事です。
また、入居前にある程度、「共用施設の利用状況」を確認できると良いでしょう。例えば、ゲストルームに親戚や家族を呼びたいと思っていてもなかなか予約が取れないということがよくあります。
>>マンション共有施設ランキング!実際役に立つのはどの施設?
④設備の使い勝手
エレベーターの混雑度はどの程度か?
タワーマンションなど大規模マンションの場合、一般的に「100戸に1機」の割合でエレベーターが備えつけられています。
また、最近のタワーマンションでは階数ごとに利用できるエレベーターが分けられている物件も多くなってきています。
特に、朝の通勤時間帯の混雑度は気になりますよね。仕事のない休日に物件の内覧に行かれる方が多いと思いますが、本命の物件を購入する場合は平日朝にどの程度混雑するのかを体験してみても良いでしょう。また、購入を希望している物件が低層階に位置していれば、階段の有無を確認しましょう。
ゴミ出しは各階で可能か?24時間可能か?
タワーマンションのゴミ出しに関して、下記2点を確認しましょう。
- ゴミステーションは各階にあるか?
- 24時間可能か?
24時間、各階のゴミステーションを利用できるのは、タワーマンションならではのメリットの1つと言えるでしょう。中には、各階にゴミ捨て場がないタワーマンション、ゴミ捨て時間の限定されているタワーマンションも存在していますので、チェックが必要です。
快適な「内廊下」か?コストを抑えた「外廊下」か?
タワーマンションのアピールポイントとしてよく語られるのが「ホテルライクな内廊下」です。内廊下の場合、雨や風の心配がなく、エアコンが効き、快適に移動することができます。
実際にマンションの内廊下を歩いてみると、確かに「ホテルのようだ」という印象を受けます。内廊下型のタワーマンションの場合、マンションの中心部にエレベーターホールがあり、中心を取り囲むように廊下が配置されています。
一方、タワーマンションの中には、外廊下のものも数多くあります。外廊下のタワーマンションは中心が吹き抜けになっており、エレベータはマンションのどこか1箇所に配置されています。外廊下の場合、吹き抜け部分は雨の影響を受けるので、築年数によっては廊下に汚れが出てきます。
外廊下は内廊下ほどの高級感はありませんが
- 内廊下の場合にかかるエアコン代(電気代など)がかからない
- 廊下側の部屋も通気性が良い
などのメリットがあります。
快適な内廊下にこだわるか、一方外廊下でも全く気にならないかはひとそれぞれです。実際に内覧して、どちらか良いかを検討してみましょう。
駐車場は空いているか?車のサイズは問題ないか
自家用車を所有している場合、タワーマンション選びで気をつけるべきポイントが2つあります。それは「空きがあるか」「駐車できるサイズか」という2点です。
各マンションによって、駐車場利用率は異なります。必ず内覧時に駐車場の空きがあるかどうかを仲介会社の担当に確認しましょう。
また、サイズに関する規約も同時に確認しておきましょう。マンションの駐車場は、機械式駐車場、平置き駐車場、自動式駐車場の3タイプがあります。
特に機械式駐車場はサイズの制限が厳しく、海外製の車種など大きい車の場合は駐車できない可能性があります。サイズの規定に合わない場合、近隣の月極駐車場を利用する手段もありますので、不動産仲介会社の営業担当にも相談してみましょう。
⑤眺望の永続性
タワーマンションの魅力は、なんといっても眺望ですよね。
ただ、タワーマンションが立っているのは、高い建物が建設できるエリアでもあります。準工業地域など、元々工場があったエリアも少なくありません。高層マンションの大きな価値の一つは「眺望」ですが、この眺望は後から建てられる建物によってふさがれる可能性があります。
部屋から周辺を見回した際に、「空き地があるか」「工場があるか」は必ず確認しましょう。空き地や工場は、所有者が変わると真っ先にマンションになりやすい土地です。工場でなくても、プレハブの建物や、低層の商業施設などは、取り壊しが容易なように、その形で作られていることがあります。
眺望がふさがれてしまっては、残念に感じる方が多いはず。将来、建物が建つ可能性がある敷地が周りにないか、しっかりチェックするようにしてください。
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