
紙、木、布など、さまざまな素材に文字や絵を書いたり、印をつけたりすることができる油性ペンはとても便利です。持ちものなどに名前を書くときなどに欠かせないアイテムですが、一度書くと簡単に消えないため、うっかり手や洋服などにインクをつけてしまうと、汚れを落とすのが大変…。
しかし、汚れが落ちないとあきらめることはありません。実は、身の回りのモノを使って、油性ペンのインク汚れを落とす方法があるのです。今回はその方法を紹介します。
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手や顔に付着した場合
油性ペンを使っているときに、誤って汚してしまいやすいのは、やはり“手”なのではないでしょうか。また、イタズラで顔に落書きをされてしまった、といったケースもよくあるので、皮膚にインク汚れがついたときの対処方法をおぼえておくと便利です。
石けんをよく泡立てて、ぬるま湯で洗う
手にインク汚れがついても、お風呂に何度か入るうちに自然に汚れが消えていた経験はありませんか?
実は、手や顔などの皮膚についたインク汚れは、よく泡立てた石けんで丁寧に洗い、ぬるま湯で洗い流すと、少しずつ落ちていきます。石けんは、手・体洗い用のものを使用しましょう。
ただし、汚れが完全にとれるまで時間がかかるため、急いで汚れを落としたい場合には不向きかもしれません。
汚れ落としに効果のあるものを塗って、ふき取る
汚れた部分に以下にあげるいずれかのものを塗り、しばらくの間放置してから、ふき取ります。特別なものを用意する必要はなく、家にあるもので汚れを落とすことができます。
食用サラダ油・クリーム類
料理に使うサラダ油やごま油など、食用油を使って汚れを落とすことができます。
また、ベビーオイルやクレンジングオイル、油分を含むハンドクリームや日焼け止めクリームなどでも同じ効果があります。
口紅
口紅に含まれる“乳化剤”が汚れを浮き立たせます。口紅を使用するときはそのまま塗らず、指を使って汚れた部分に馴染ませるようにしましょう。
重曹・歯みがき粉
重曹や歯みがき粉には“研磨成分”が含まれており、汚れ落としに効果があります。
このほか、マッチにも“研磨成分”が含まれているため、水をつけたマッチで汚れた部分をこすって落とすという方法もあります。
洋服・布に付着した場合
洋服や布製品にインクがついてしまったとき、以下のようなものを使うと、汚れが落ちやすくなります。完全に落とすのは少し難しいようですが、汚れを目立たなくすることが可能です。
汚れを落とす前には、生地が色落ちしないかどうかを確かめるようにしましょう。
消毒用エタノール
ほとんどの油性ペンにはアルコール系の溶剤が使われているため、汚れ落としにはエタノールが効果的です。汚れた部分に消毒用エタノールを含ませ、裏側にあて布をして、上から古布や雑巾などでたたいて汚れをふき取ります。
消毒用エタノールは、ドラッグストアや薬局などで購入することができます。
除光液
マニキュア落としに使用する除光液を使って、汚れを目立ちにくくすることができます。
消毒用エタノールと用途は同じです。裏にあて布をしてから汚れた部分に除光液を含ませ、古布や雑巾などでたたいて汚れをふき取るようにします。
除光液を使用する場合は“プロピレングリコール類”という成分が含まれるものにしてください。
ちなみに、シンナーやベンジンなどの石油系溶剤では油性ペンのインク汚れは落とせないため、使用しないようにしましょう。
机・床に付着した場合
机や床の素材がわかっている場合は、それに合った方法で汚れを落とすようにしましょう。ここでは、木材からできている机、フローリングなどの床の表面についたインク汚れを落とす方法を紹介します。
たばこの灰
たばこの灰は粒子が細かいため、研磨剤の代わりになります。水で濡らした古布や雑巾などにたばこの灰をつけ、汚れた部分をこするようにして汚れを落とします。
たばこの灰のほか、線香の灰などを使っても効果は同じです。
柑橘系果物の皮
ミカン、レモン、グレープフルーツといった、柑橘系の果物の皮を使って、汚れた部分をこすります。食物なので、小さい子供がいる家庭でも安心して使用できます。
わさび
わさびのチューブをインクで汚れた部分に塗り、浮き出た汚れをふき取るという方法もあります。わさびには、油性ペンに含まれる有機溶剤と同じ性質を持つ成分が含まれているため、汚れ落としに効果的です。
ラッカーシンナー
とにかく早くきれいにインク汚れを落としたい場合には、ラッカーシンナーが効果的です。汚れた部分に直接ふきかけるか、古布や雑巾にしみこませてからインクをふき取ります。。
ラッカーシンナーは塗料に使われる有機溶剤で、引火性が強いため、注意が必要です。また、臭いも強いので、使用する際はよく換気をしておきましょう。
プラスチック製品に付着した場合
消毒用エタノール・除光液
洋服や布製品にインク汚れが付着したときと同様、消毒用エタノールや除光液の使用が効果的です。消毒用エタノールまたは除光液を布にしみこませて、汚れた部分をふき取ります。
プラスチック消しゴム
汚れた部分にプラスチック製の消しゴムをかけて、汚れを消すこともできます。
ガラス製品に付着した場合
プラスチック製品と同様に、消毒用エタノールや除光液を使ってふき取る、またはプラスチック消しゴムをかける、といった方法で汚れを落とします。ガラス製品のほか、瀬戸物や金属製品、ビニール系の壁紙にも効果があります。
油性ペンのインク汚れが落ちない素材
最後に、油性ペンのインク汚れを落とすことができない素材を紹介します。以下のようなものに汚れがついてしまった場合は、あきらめるしかなさそうです。
- 紙
- 革(合成皮革含む)
- 石
- レンガやブロック
- 木材(奥に入り込んでしまったもの)
(参考:http://www.zebra.co.jp/zebra/ball10.html)
まとめ
一見厄介に思える油性ペンのインク汚れですが、一部素材を除き、家にある身近なものを使って汚れを落とせることがわかっていただけたのではないでしょうか。
これまで、油性ペンのインク汚れが落とせずに困っていた、汚れ落としをあきらめていた、といった方は、ここで紹介した方法を試してみてください。。
また、油性ペンを使用するときは、汚したくないものを近くに置かない、汚れから保護するなど、あらかじめ防止することもお忘れなく!