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長期優良住宅のメリットとデメリットって?

長期優良住宅のメリットとデメリットって?

「長期優良住宅」という言葉をご存知でしょうか。この言葉が誕生したのは2009年9月のことです。長期優良住宅には、税制面や住宅ローンの金利面で一般の住宅よりも優位になる特例措置が設けられており、2015年度には約104,000戸、制度開始からは約696,000戸が認定されました。

多くの住宅が認定を受けていると感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、2015年度の1年間で着工した住宅数は約909,000戸であり、まだ認定を受けているのは9戸に1戸程度という状況です。

長期優良住宅には認定を受けた場合のメリットも多くありますが、一方でデメリットと感じてしまう部分もいくつかあります。今回は長期優良住宅の概要や、この制度のメリット・デメリットをまとめました。

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長期優良住宅とは?

前段でご説明の通り、2009年6月に「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が施行され、住宅を長期にわたり良好な状態で保つために必要な基準が設けられました。この基準を満たして認定を受けた住宅を長期優良住宅と呼びます。

少し古いデータではありますが、「平成8年建設白書」では日本の住宅の平均寿命は約26年という結果が示されています。これに対してアメリカは44年、イギリスは75年と日本に比べて長寿命となっています。建物寿命が短い理由は、国土の狭い日本では土地を所有することに重きが置かれてきたことや、戦後急激な経済成長が続いたことで質より量を重視して住宅が建築されてきたことなどが挙げられます。

人口が減っていく時代に入った日本では、量を重視した住宅供給は不要になりました。今後は他国と同様に質を求めた中古住宅を流通させる方向性から、一定の基準が設けられ、長期優良住宅が誕生いたしました。

長期優良住宅でチェックされるポイント

前述の通り、住宅を長寿命化することを目的とした制度であるため、新築後の維持管理・メンテナンスの容易さなどが考慮された住宅でなければなりません。また、多様なライフスタイルに対応できるような設計が求められています。

構造躯体等の劣化対策

建物で一番重要な部位は構造躯体です。柱などが弱ってしまっては、住宅の長寿命化は見込めません。木造であれば、床下や小屋裏に点検口を設置することや床下の高さが定められています。継続した点検を行いながら、将来補修をしなければならなくなったときのために床下の作業スペースを確保することを目的としています。

鉄筋コンクリート造では、鉄筋のかぶり厚が定められています。鉄筋コンクリートは、引っ張る力に強い鉄筋と押す力に強いコンクリートを組み合わせて強度が生まれます。空気や水分が触れると鉄筋が錆びて耐久性が低下してしまうため、鉄筋が露出せぬよう鉄筋のかぶり厚を定めています。

耐震性

長期優良住宅は、住宅性能評価における耐震等級2に相当する耐震性を求められます。これは建築基準法で想定している1.25倍の地震でも倒壊しないレベルです。建築基準法では、あくまで地震で倒壊しないことを想定しており、地震が発生したときに建物が無傷で維持できることは想定していません。地震が発生したときに建物の倒壊から人命を守ることや地震後に建物が復旧できることを前提としています。

維持管理・更新の容易性

長期優良住宅認定制度の目的は、建物を長く使用していくことです。建物は完成後の維持管理や設備更新などを重ねながら使用していくものであるため、設計段階で将来的にこれらが容易に出来るように配慮することが求められています。

可変性

マンションの場合には、間取りの可変性も求められています。水回りの位置の変更や3LDKから2LDKへの変更など、その時代で求められるライフスタイルに合わせられるような可変性が必要になります。

高齢者対策

高齢者も居住しやすいようにバリアフリー対応が求められます。車いすが利用できるように廊下の幅が定められている他、戸建では階段の幅や勾配についても基準が設けられています。

居住環境

建物を長く使用していくということは、近隣環境へ長く影響を及ぼすということであり、この観点から地域への配慮が求められています。景観への配慮など建物単独ではなく、地域への影響に配慮した建物設計が必要です。

住戸面積

過去に多量に供給された団地タイプのマンションは、2DKや3DKなど間取が小さく現在の住宅ニーズに合わないという現実があります。長期優良住宅では、将来の住宅ニーズにも柔軟に対応できるよう住戸の最低面積を定められており、一戸建は75㎡、マンションは55㎡が最低面積となっています。(地域事情に応じて変更されている場合があります)

維持保全計画

長期優良住宅は完成後に維持保全する計画を策定することが求められており、柱など構造耐力上の主要な部分、屋根など雨水の浸入を防止する部分、給排水設備について点検の実施時期や内容を計画しておく必要があります。この保全計画とともに、少なくとも10年毎に各所の点検を実施する必要もあります。長く使用していくためには、完成後の定期的な点検及びその点検で見つかった不具合のメンテナンスが必要になるからです。

長期優良住宅だとどんなメリットがあるの?

さまざまな水準をクリアすることが求められる長期優良住宅ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。建物を長く維持していくことを目的とした水準であるため、長期優良住宅は、安全性の高い住宅に長く居住できることや資産として長く考えていくことができるというメリットがあります。

しかしながら、この水準をクリアするために柔軟な間取設計が出来ない場合や耐震性を向上させるために追加費用がかかる場合があるなど手間や費用面において負担が発生する可能性もあります。

前述のメリットだけでは長期優良住宅の普及は難しいため、現在では減税の特例など様々なメリットが享受できるようになっています。

住宅ローン控除の対象限度額が増える

税制における最大のメリットが住宅ローン控除です。2014年4月1日以降に居住を開始した方の場合、年間の最大控除額が一般住宅の場合40万円であるところ、長期優良住宅では50万円まで引き上げられます。住宅ローン減税は10年間適用になるため、最大で100万円のメリットが生まれることになります。

ご注意いただきたいのは、住宅ローン減税はあくまで所得税の減税(還付)であり、相応の所得税を納税していなければメリットを享受できる金額も少なってしまうことです。

扶養家族や生命保険や地震保険の所得税控除など所得税に関してはさまざまな軽減がありますので、年間どのくらいの所得税を納めているか源泉徴収票などでご確認してみた方が良いでしょう。共働きでペアローンを組む場合など債務が夫婦で分割される場合などはとても有効な減税です。

所得税の投資型減税

住宅ローンを利用しないで長期優良住宅を建てた場合に適用できる減税です。長期優良住宅は性能を強化するために投資をしたという考え方から、標準的な性能強化費用相当額650万円の10%を所得税から控除する減税措置です。こちらも住宅ローン控除同様に所得税の減税です。その年の所得税が控除額よりも下回る場合には、翌年の所得税が控除されます。

登録免許税が安くなる

登録免許税とは、住宅の登記に関する税金です。現在、個人の不動産売買を促進するため、一般住宅においても軽減税率が定められています。完成した建物の所有権を保存する登記の税率は0.4%ですが、一般住宅の場合は0.15%に軽減され、長期優良住宅では更に0.1%に軽減されます。評価額が1,000万円の場合、所有権保存登記の登録免許税は一般住宅が15,000円であるところ、長期優良住宅では10,000円です。

また、不動産の所有権を移転する登記においても軽減税率が適用されます。通常2.0%ですが、一般住宅では0.3%に軽減され、長期優良住宅では更に0.2%(マンションの場合は0.1%)に軽減されます。

評価額が1,000万円の場合、所有権移転登記の登録免許税は一般住宅が30,000円であるところ、長期優良住宅では20,000円(マンションの場合は10,000円)です。建物の建築費用や土地の売買価格は数千万円にも及ぶため、小さい金額に見えるかもしれませんが、差額で小さなインテリアや雑貨などを新居に新しく用意できると思うと嬉しい減税です。

不動産取得税の控除額が増える

長期優良住宅では、一般住宅の控除額が1,200万円であるところ、1,300万円に引き上げられています。しかしながら、建物の固定資産税評価額が1,200万円を超えたときに初めて効力を発揮する特例ですので、小規模の住宅などでは効果が得られない場合もあります。

不動産取得税の税率は3%と定められているため、固定資産税評価額が1,300万円以上の住宅の場合には、最大30,000円(100万円×3%)の減税効果が得られる計算になります。

固定資産税の減税措置適用期間が延びる

毎年課税される固定資産税について、新築住宅の場合には一定期間税額が1/2になる減税措置が受けられます。一般住宅の場合は、その期間が戸建3年・マンション5年ですが、長期優良住宅では、各々2年ずつ延長されます。

固定資産税の税率は1.4%と定められておりますので、評価額が1,000万円の住宅の場合は年間14万円が課税されます。新築住宅ではこれが1/2になりますので年間7万円に減税されます。長期優良住宅では期間が2年延長されるため、評価額1,000万円の場合は14万円の減税効果が得られることになります。

金利が安くなる

長期優良住宅は、住宅金融支援機構のフラット35の金利引き下げプランであるフラット35Sに該当します。借入期間の当初10年間の適用金利が0.3%引き下げられるメリットがあります。

住宅金融支援機構の試算(ケース:融資率90%以下、借入金額3,000万円、返済期間35年、元利均等返済、金利1.47%)では、フラット35と比べて約174万円の利息が減るメリットが得られます。大きな削減効果であり、これによって民間金融機関との比較も変わってくる場合もありますので、住宅ローンの借入先の決定はしっかりと考えてから決定しましょう。

長期優良住宅のデメリット

長期優良住宅のメリットを述べてきましたが、長期優良住宅のデメリットについても触れておきます。デメリットは大きく「時間」と「コスト」に分かれます。

長期優良住宅の認定を受けるためには、それを前提とした打合せや行政への手続きなどに時間を要します。通常住宅の場合から1ヶ月程度が追加期間と考えて下さい。

また、手続きに要する追加費用も発生します。ハウスメーカーや工務店によって異なりますが、数万円~数十万円が追加コストとしてかかります。完成後においても前述の通り、定期的な点検を実施する必要があるため、相応のコストを要します。

まとめ

長期優良住宅は、安心安全について一定水準を満たす住宅に居住できたり税や金利の優遇を受けられるというメリットと、申請の時間や点検費用などのデメリット、両面を長い目で考える必要があります。

2009年に長期優良住宅の認定制度が誕生してからまだ10年も経過していません。今後、長期優良住宅として認定された住宅が中古市場で流通する量も増えていくことが想定されます。長期優良住宅が一般住宅と比べて、売買価格や成約までの期間など売買時で優位性を保つことができるのか注目していきましょう。

著者について

株式会社Housmartマンションジャーナル編集部
中古マンションの購入・売却仲介手数料が最大無料になるWEB不動産「カウル」を運営するスタッフが、物件探し、リフォームやリノベーションに役立つ情報、街の魅力、インテリアやDIYのテクニックをお伝えします。

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