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注目のホームインスペクションについて、売主側に立って考えてみる

注目のホームインスペクションについて、売主側に立って考えてみる

2016年2月に実施された宅地建物取引業法(宅建業法)の改正によって、不動産売買検討者に広く認知されることになった「ホームインスペクション」。どんなものかご存知ですか?

ホームインスペクションは売主・買主どちらも実施することができますが、今回は売主の立場から、つまり買主から「ホームインスペクションがしたい」と言われたときの対応についてお話します。

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ホームインスペクションとは

ホームインスペクションとは、簡単にいうとその名の通り「建物(ホーム)調査(インスペクション)」のことです。つまり、中古不動産を取引する前に買主の安心感を高めるために行われる、建物の調査です。

ホームインスペクションが注目されている背景

冒頭で触れたように、2016年2月に宅建業法が以下のように改正されました。

  • 買主、売主と媒介契約を結ぶときに不動産業者は告知義務がある
  • 告知内容は「自社でホームインスペクション業者をあっせんできるかを明示する」である

この改正によって、売主・買主はホームインスペクションという業務の存在を知ることになりました。

この宅建業法改正の背景には、昨今建物に対しての信頼性が失われつつあることがあります。たとえば2014年には、横浜市のマンションで築7年経過時点でマンションを支えるくいが足りないことが発覚した「くい打ち偽装事件」がありました。

そのため、特に第三者の調査が義務化されていない中古不動産の売買時は、ホームインスペクションをすることを国として推奨することにした、というわけです。

ホームインスペクションの調査内容

ホームインスペクションでは、具体的に以下のような調査をします。

  • 室内や建物の設備が欠損していないか?
  • その設備に動作不良はないか?
  • 室内や建物外観部分で変色している箇所はないか?
  • 外壁などにクラック(ひび割れ)はないか?
  • 配管に破損や異常はないか?
  • 土台や基礎部分に問題はないか?

上記以外にも、オプションで床下・天井裏調査を実施する業者もあります。ただマンションの場合、基本的に床下・天井裏の調査は一部を解体しなくてはならなくなります。そのため、床下・天井裏調査は一戸建てのみが対象です。

上記の調査は基本的に目視での調査です。例外として、木材の水分含有量などを調べる場合は専用の機器を利用するので、多くの場合オプションプランになります。

ホームインスペクションの費用は一般的に5~6万円程度ですが、上記オプションを付けると10万円を超える場合もあります。また費用は調査を依頼した方が負担します。

調査するのはどんな人?所要時間は?

結論からいうと、特定の資格がないとホームインスペクションができないわけではありません。ただし建築の素人が行っても意味がないので、プロと認定される正しい知識と技術を持った人が行う必要があります。ホームインスペクション業者はたくさんありますので、複数の業者を見比べて選択すると良いでしょう。

ホームインスペクション調査をする人

ホームインスペクション調査をする人には、建築士の資格を所有している人や、設計事務所出身の人がいます。

最近では、「NPO法人日本ホームインスペクターズ協会」「建築士会インスペクター」「既存住宅状況調査技術者」などの機関もできました。上記の機関で認定されると、「公認インスペクター」を名乗ることができます。公認インスペクターの肩書きは、ホームインスペクションに関する知識がある証拠なので、業者選びの参考にすると良いでしょう。

ホームインスペクションの所要時間

ホームインスペクションにかかる時間は、2~3時間程度です。上述したように目視調査がメインになるので、調査時間は建物の広さによって異なります。また、床下・天井裏の調査を追加したり、専用機器での調査を追加したりすると、さらに時間がかかります。

居住中の場合、家具などはどうするのか?

ホームインスペクションは、中古不動産を売り出しているタイミングで行われる場合が多いです。つまりその家に売主が居住しているので、当然家具・家電があります。

こうした場合でも、ホームインスペクションは問題なく行えます。上述したように内容は目視中心なので、家具・家電があっても調査には支障がないからです。ただ、あまりにも室内が散らかっていて設備の目視ができない場合には、調査に支障がない程度に室内を整理しておく必要があります。

ホームインスペクションは断れる?申込・契約解除はどうなる?

中古不動産を売却するとき、買主が「ホームインスペクションをしたい」と主張したとしましょう。売主はこの提案を断ることも可能です。ただしホームインスペクションを断ったことにより、買主側の不信感は増し、検討取りやめになることもあります。

ホームインスペクションの調査結果による申込・契約解除については、以下のことを理解しておきましょう。

  • 申込キャンセルはペナルティなし
  • 契約解除は調査結果による

申込キャンセルはペナルティなし

中古不動産の購入は、まず申込をしてから売買契約を結びます。その「申込」の時点では、手付金の支払いも発生していませんし、キャンセルしても何のペナルティもありません。そのため、ホームインスペクションをした結果が気に入らなければ、買主は問題なく申込キャンセルができます。

契約解除は調査結果による

一方、ホームインスペクションの結果を受けて売買契約の解除を買主が申し出たとき、ペナルティがあるかどうかは調査結果によります。たとえば主要構造部分(屋根や床など)の欠陥があれば、そもそも瑕疵担保責任があるので売主は補修義務などを負います。

このとき売主が補修などを行わない場合には、買主はペナルティなしでの契約解除が可能です。

一方、見つかったのが外観の小さいクラックなどのみで居住に大きな問題がない場合は、建物の瑕疵とは認められない可能性があります。瑕疵と認められなければ、買主が契約解除するとき手付金を違約金として没収されます。ただ瑕疵かどうかの判断は難しいので、売主・買主間で揉める可能性がある点は覚えておきましょう。

ホームインスペクションをする売主の対応

上述した点を踏まえて、ホームインスペクションをするときに売主は以下の点を認識しておきましょう。

  • 買主からのホームインスペクションの申し出は断れるが検討取りやめリスクがある
  • 買主がホームインスペクションをする場合は申込前が良い
  • 宅建業法の改正もありホームインスペクションは主流になりつつある

結論からいうと、売主は買主の要望があればホームインスペクションは原則受けた方がいいでしょう。前項のようにキャンセルリスクはあるものの、申込前に受けるのが賢明です。なぜなら契約後にホームインスペクションをすると、買主と揉めて無駄な時間を過ごす可能性があるからです。

さらに、宅建業法の改正から分かるように、ホームインスペクションは今後主流になってくると考えられます。そのため仮にホームインスペクションをして申込キャンセルになっても、その後はホームインスペクション済み物件として検討者へのアピール材料になります。

まとめ

以上のことから、売主側の視点に立つと、ホームインスペクションは以下のように捉えられます。

  • ホームインスペクションは主流になりつつあるので買主は気にする
  • 買主が希望したら今後の売却活動のためにもホームインスペクションを受け入れる
  • ・ラブル防止のために申込~契約の間で受け付けると良い

これから避けては通れなくなるホームインスペクション。正しく理解することで、うまく活用していきましょう。

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著者について

株式会社Housmartマンションジャーナル編集部
中古マンションの購入・売却仲介手数料が最大無料になるWEB不動産「カウル」を運営するスタッフが、物件探し、リフォームやリノベーションに役立つ情報、街の魅力、インテリアやDIYのテクニックをお伝えします。

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