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中古マンションは買い時?それともバブル?不動産コンサルタント長嶋修氏に聞く、今こそ求められるマンション探しの極意とは

中古マンションは買い時?それともバブル?不動産コンサルタント長嶋修氏に聞く、今こそ求められるマンション探しの極意とは

新築信仰が強い日本において、最近は空前の中古マンションブームと言われています。新築マンションよりもリーズナブルな価格で購入出来る中古マンションですが、どのようなポイントに注意すれば良いのでしょうか?

今回は、第3者性を堅持した不動産コンサルタントの第一人者であり、国土交通省・経済産業省委員やNPO法人日本ホームインスペクターズ協会理事長を歴任、TV等メディア出演、講演、出版・執筆活動等でも活躍中の「長嶋修」氏に、最近の住宅トレンド、資産価値を保ちやすい住宅、マンション管理、リノベーションマンション、ホームインスペクションなどの重要ポイントをインタビューしました!

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中古マンションが人気の理由とは

スタッフ:「最近では中古マンションの人気が高まっているという声を良く聞きます。中古マンション人気の高まりには、どのような背景があると長嶋さんは思われますか?」

長嶋修様:「何と言っても、新築マンションと中古マンションの価格差が大きくなりすぎていることが原因だと思います。

アベノミクス以降、新築マンションの価格は激しく高騰しました。現在、新築マンションは販売戸数自体が少なく、成約率も70%を割り込むような苦しい状況が続いています。

ただ、現在はマンションデベロッパーの40%が大手という、いわば「大手寡占」の状態ですから強気の販売姿勢をとり、かつてのような大幅値引きをしないことも多いです。

以下は、首都圏の新築マンションと中古マンション平均価格の差を表したグラフです。

首都圏新築マンションと中古マンションの価格差

新築マンションと中古マンションで1500万~2000万もの価格差がついてしまっていることがわかると思います。

ここまで価格差があるのであれば、中古マンションを購入してフルスケルトンリフォームをしても、リフォーム費用は1000万円程度となりますから、新築マンションを購入するよりは中古マンションを購入した方が安上がりになります。

また、立地を重視すると必然的に中古マンションになるでしょう。リフォーム・リノベーション業界の会社がここ3年くらいでかなり増えた印象を受けます。それに伴い、徐々に中古マンションをリノベーションするということに対して抵抗がなくなってきているのだと思います。

それこそ、10年前は、「中古」そのものに抵抗があった人が大半でした。「人が使ったものでしょ?」というようなイメージがあったと思います。しかし、だんだんとそのような抵抗感も薄れてきていますね。

2016年度は、東日本不動産流通機構(レインズ)の発表で新築マンションの販売戸数を、中古マンションの成約数が上回ったというニュースが流れていましたが、実際にはレインズの登録成約率は首都圏では10%程度ですので、実はとっくの昔に中古マンションの成約数が新築マンションの販売戸数を上回っているんですよね。」

資産価値を保つマンションの条件とは

スタッフ:「2016年は日本の人口が33万人も減ったことがニュースとなりました。今後、日本全体の人口が減っていく中で、どのような中古マンションが資産価値を保つと長嶋さんは思われますか?」

長嶋修様:「実は、すでに日本の不動産市場は3極化しています。

日本の不動産市場

  1. 価格を保つ、上昇するマンションが全体の15~20%
  2. 価値を下げていくマンションが70%
  3. 無価値、マイナス価値に向かうグループ15%~20%

というようになっています。

その中で、上位15%~20%に入るような「価値を保つ、あるいは上昇する」マンションの条件は、なんといっても立地条件の良さです。

関連記事:【資産価値の高いマンション選び】資産価値は立地で決まる!

駅前・駅近のマンションと駅から遠いマンションの資産価値の格差はこれからはどんどん拡大していくでしょう。

ただ、この立地条件に関しては、都心の駅前・駅近に限定されているわけではありません。仮に郊外のベッドタウンだとしても、駅前・駅近であれば価値を維持できる可能性が高いと言えます。

これは柏市の中古マンション価格において「駅から徒歩1分遠くなるごとにどれだけ価格平米単価が安くなるか」ということについて表したグラフです。

柏市の駅距離とマンション価格の関係

実際に、今は駅から1分離れるごとに、平米単価が1万6千円も下がってしまうことを示しています。

ある検索サイトでは、5年前は「駅徒歩10分」の条件で検索する人が9割でしたが、最近は「駅徒歩7分」の条件で検索する人が9割となっています。

ますます駅距離に対するニーズが厳しくなってきていると言えます。」

関連記事:【プロが解説!】資産価値の高いマンションを購入するための3つの視点とは?

マンション管理の今

長嶋修様 アップ

スタッフ:「中古マンション市場が盛り上がってくるとすると、必然的に管理のリテラシーも上がってきていると長嶋さんは思われますか?」

長嶋修様:「昔のマンション管理と比較すると、非常にリテラシーや関心が高くなってきていると思います。

さくら事務所では、マンション管理コンサルタントを管理の専門家が不在のマンションに派遣したり、大規模修繕にかけるコストの見直しなどのサービスを提供しているのですが、今非常に問い合わせが多く、ニーズが高まって来ていることを感じています。

マンションの建て替えは基本的に出来ませんそれゆえ、管理、修繕が大事になってきます。

世の中にはマンションのストック数が30万戸あるにもかかわらず、建て替え事例は250くらいしかないのです。

建て替えができるのは容積率が余っているマンションで、建て替えの際に建物を大きくして、その余剰容積分を販売することで建て替え費用を捻出しています。

こういったやり方が出来ないと、マンションの居住人で多額の建て替え費用を負担しなければならなくなってしまいます。

建て替えの際にはマンションデベロッパーの協力が必要ですが、仮にマンションの容積率が2倍、3倍余っていたとしても、マンションデベロッパーが事業化するほどの魅力がないマンションも多いのが実情です。増えた分の部屋を売りに出しても、売れる見込みがないのです。

このような背景も影響して、管理会社任せにならず、あくまでもマンション所有者が主体となってマンション管理を行っていくという意識が高まってきているということですね。

中古マンション購入者を検討していらっしゃる方には、管理組合が所有している総会の議事録の閲覧を請求することをお勧めします。

議事録にはいろいろなことが書いてあります。例えば、管理費・修繕積立金の滞納者の有無であったり、建物の修繕計画に関することが議論されています。マンションは共同住宅ですから所有者になるのであれば是非議事録は確認しておきたいところです。

しかし、議事録を開示してくれるマンションはそう多くはなく、全体の10%程度しか開示してくれないのが現状です。

ですから、議事録を開示してもらえないのであれば基本的なマンションの共用部分をしっかりとチェックすることをお勧めします。エントランス、ゴミ置場、駐輪場などは荒れていないかなどをチェックすることで管理状態がはっきりとわかります。

また、マンションの外壁のひび割れなどはよくあるのですが、その事実を管理組合として把握しているのか、どのような姿勢で捉えているのかを確かめることは重要です。」

日本の不動産市場はバブルか?

スタッフ:「中古マンションの値上がりが、バブルだという声も聞きます。日本の不動産市場はバブルなのでしょうか?」

長嶋修様:「世界と比較すると、日本の不動産市場は全くバブルとは言えません

アジアと比較してみた場合

アジアの不動産価格の比較

利回り換算で物件価格分の年間賃料を表したグラフですが、日本は平均約3.4%となっていて真ん中くらいに位置し、香港、シンガポール、インド、台湾の方が不動産価格が高いという状況になっています。

他の先進国の高級住宅価格を比較してみた場合

世界の高級住宅価格の比較

東京を100とした時、明らかに他の先進国よりも高級住宅価格が安いと言えます。他のヨーロッパの先進国は金融緩和の影響でマネーが流入しているからこのような住宅価格になっているという要因も考えられますが、日本の不動産価格に相対的な割安感があることは事実だと言えます。

リノベ済みマンション購入の注意点

スタッフ:「最近ではリノベーション済のマンションが、新築に比べリーズナブルでな価格により人気を集めていると聞きます。こういったリノベーションマンションを購入する際に気をつけるべきことはあるでしょうか?」

長嶋修様:「リノベーション済マンションを購入する際に注意する点としては、瑕疵(かし)保険が付いているからといって、物件が長持ちするとは限らないということです。

「瑕疵保険」はあくまでも保証期間中に瑕疵が見つかった場合に保証する、というものでしかないのです。保険の保証期間終了後に建物に不具合が出ると事前に予測できても、保険はついてしまいます。

さらに、リノベーション済マンションを手がける業者には新規参入者も多いために、ずさんな工事も存在します。

リノベーション工事前と工事後の写真を見せてもらうなどしてチェックすると良いでしょう。根拠のない営業トークに惑わされないよう、知識を身につけておくことも重要です。」

関連記事:リノベ済みマンションを購入するメリット・デメリット

ホームインスペクションの魅力

スタッフ:「宅地建物取引行法の一部を改正する法律の成立で、不動産取引の重要事項説明時などに、ホームインスペクションに関する説明が義務付けられることになりました。中古マンションにおいては、ホームインスペクションをやったほうが良いケース、やらなくても良いケースなどがありますでしょうか?」

長嶋修様:「マンションの築年数に関係なく、行ったほうがいいと言えます。新築マンションだからと言って、設備も優れているとは限りません。反対に、中古マンションでもコンディションが良いものあります。

マンションのホームインスペクションの対象は専有部分なので、共用部分は含まれず範囲は限定的ではありますが、インスペクションは人間の定期検診のようなものです。

ぱっと見では見えないところに問題があることもあります。費用はかかりますが、ホームインスペクションを利用することで安心を買えるという意味でも、おすすめします。

【取材協力】長嶋修様

長嶋修様 取材協力

1967年(昭和42年)東京都墨田区生まれ。広告代理店を経て、1994年(平成6年)ポラスグループ(中央住宅)入社。営業、企画、開発を経験後、1993年から営業支店長として幅広い不動産売買業務全般に携わる。日々の不動産取引現場において『生活者にとって本当に安心できる不動産取引』『業界人が誇りをもてる仕事』『日本の不動産市場のあるべき姿』を模索するうちに、『第三者性を堅持した不動産のプロフェッショナル』が取引現場に必要であることを確信。1999年、『人と不動産のより幸せな関係』を追求するために、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『不動産調査 さくら事務所(現 株式会社さくら事務所)』を設立する。以降、様々な活動を通じて『第三者性を堅持した不動産コンサルタント』第一人者としての地位を築く。マイホーム購入・不動産投資など、不動産購入ノウハウにとどまらず、業界・政策提言や社会問題全般にも言及するなど、精力的に活動している。著書・マスコミ掲載やテレビ出演、セミナー・講演等実績多数。著書は、不動産格差(日経プレミアシリーズ)など多数。

長嶋修公式ホームページ(外部サイト)

株式会社さくら事務所(外部サイト)

『不動産格差』(日本経済新聞出版社)

2017年5月に発売された長嶋さんの近著『不動産格差』(日本経済新聞出版社)(外部サイト)

日本の不動産の現状についての概論が述べられています。センセーショナルな帯コピーに一瞬驚くかもしれませんが、マンションジャーナル編集部が特に注目したのは、「第3章 住宅の評価に革命が起きる」と「第6章 中古住宅に賢く住む」の箇所。丁寧に手入れしてみんなで良く住むことが、自分たちのマンションの資産価値を保つことにつながるのだという思いを新たにしました。

著者について

株式会社Housmartマンションジャーナル編集部
中古マンションの購入・売却仲介手数料が最大無料になるWEB不動産「カウル」を運営するスタッフが、物件探し、リフォームやリノベーションに役立つ情報、街の魅力、インテリアやDIYのテクニックをお伝えします。

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