マンションジャーナル

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【プロだけが知っている】中古マンション値引き成功マニュアル!

【プロだけが知っている】中古マンション値引き成功マニュアル!

新築マンションに比べ割安な価格や、立地条件の良さで人気が高まっている中古マンション。しかし、いくら新築マンションに比べリーズナブルだからといって、なるべくお得に購入したいですよね。そこで気になるのが、中古マンション購入の値引き交渉術。普段の買い物では中々しない値引き交渉ですが、中古マンションは人生最大の買い物ですから、なんとか上手く値引きを引き出したいものです。果たして、中古マンションはどのくらい値引きすることが出来るのでしょうか?

そこで今回は、値引き交渉を開始する前にチェックしたいポイントから、価格交渉の必勝法と具体的な方法、把握しておきたい売却理由の種類や物件状況、是非ともやっておきたい住宅ローン事前審査などの前準備などについて徹底解説します。

折角気に入ったマンションを見つけても、値引き交渉を失敗したせいで、買い逃してしまっては元も子もありません。不動産仲介業者を味方に付け、人生最大の買い物を成功させる秘訣をお伝えします。

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中古マンションの値引きはそもそも可能なのか?

世の中には「定価」というものが存在します。例えば特定のメーカーやブランドが作っている商品の中で、決して定価から値引きされないものも世の中には存在します。

一方、中古マンションは、メーカーというものが存在せず、必ず「売主(マンションの所有者)」がいます。そして中古マンションの販売開始時に、売主によって売り出し価格が決められます。

最終的には、売主と買主の交渉の結果、合意形成に基づいて価格が決まるため、中古マンションに定価は存在せず、値引き交渉は可能なのです。実際に筆者も、1,000万円以上値引きをして、マンションの売買契約を締結したことがあります。

値引き交渉をする前に考えるべき2つのこと

「それでは出来る限り値引き交渉をしてマンション購入をした方が得だな!」と思われる方もいらっしゃると思います。確かに間違いではないのですが、その前に知っておきたい2つの事実があります。

1.あくまでも住み心地と資産性という2つの軸で物件選びをすることが大事!

マンションは買って終わりではなく、買った後に実際にその部屋で生活することになります。賃貸と違い、中古マンションは一度購入すると、おいそれと売却したり、貸しに出したりすることが出来ません。大きな値引きが出来たからといって、住み心地が悪かったら元も子もなくなってしまいます。

また「資産性」という視点を持つことも大事です。「資産性」とは、将来そのマンションを売却する際に「いくらで売れるのか」ということ。資産性が高いマンションは値崩れせず、長期に渡って価格が保たれ続けます。「今安く買える」という視点だけでなく、「将来高く売れる」というという視点で物件を見ることが不可欠です。

関連記事:【プロが解説!】資産価値の高いマンションを購入するための3つの視点とは?

2.「値引きできるから購入する」という思考回路にならないように注意する

不動産を複数回、売買したことがある人が陥りやすいのが「値引き出来たから購入する」という思考回路です。初めて家を購入するときは、人間「この家に住みたいだろうか?」と本気で考えるものです。

しかし家の売買に慣れてくると、少しでも気になった物件が見つかると「とりあえず500万値引き出来るか交渉してみてよ」と気軽に不動産会社の営業マンに依頼する方が稀にいます。

このような家の探し方では、後にご説明するようにトラブルに見舞われたり、単に値引き交渉に成功したから家を購入する、という本末転倒な事になってしまいます。

中古マンションの「2つの価格」とは

中古マンションには、2つの価格が存在します。それが「売り出し価格」と「成約価格」です。

売り出し価格と成約価格の関係性

売り出し価格とは、その名の通り、最初に売主がマンションを売りに出した価格のことです。この売り出し金額で、あなたが「マンションを買う」と言えば、売主は間違いなくマンションを売ってくれます(後ほどご説明する住宅ローンの事前審査や、手付金の準備などは必要です)。

一方、成約金額とは、売り出し価格から値引き交渉を行い、実際に売主と買主が売買契約を結んだ金額のこと。基本的には値引き後の金額の事を指します。

状況によっては値引き交渉が行われず、売り出し価格=成約価格となるケースもあります。

どのように売主は売り出し価格を決めるのか

それでは売主は、どのように売り出し価格を決めるのでしょうか。大前提として、売主は不動産仲介会社から、マンション価格の査定書を受け取ります。査定書とは、直近の周辺の成約事例、その成約事例に比べて売主のお部屋が「どのような点が優れ」「どのような点がマイナスになるか」をまとめたもの。「成約事例」「プラスポイント・マイナスポイント」を総合的に不動産会社の営業マンが分析し、「いくらであれば売れる」と価格査定をするのです。

売主は、その査定金額を元に売り出し金額を決めるのですが、その決め方には3つの種類があります。

1.端数だけ値引きされる事を想定して値付けをする

端数(はすう)とは、例えば「5980万円」というマンション価格の中の「80万円」部分こと。つまり、100万円未満の部分を指します。この端数部分は値引き交渉の対象となることが多いので、最初から端数部分は値切り交渉を受けることを想定して売り出し価格設定をする売主が大半を占めます。「不動産会社の査定金額+端数」でマンションを売りに出す、というイメージです。

2.全く値引き交渉を受け付けない想定で値付けをする

たまに見られるのが、最初からリーズナブルな価格で売り出し価格を設定し、全く値引き交渉を受け付けない想定で値付けをしているケースです。最初から相場に比べ安い金額で売りに出しているので、値引きをしなくてもお得な物件となっています。こういう物件は、スピード勝負になります。

また「本日から300万円値引きして売りに出します」というような物件も、元々の金額から値引きをすることによって、より多くの人に訴求をしようという目的で金額を下げていますので、更なる値引き交渉は難しいケースが多いです。

3.数百万値引きされることも想定して値付けをする

稀にあるのが、最初から大きな値引きをされることを想定して値付けをしているケースです。あまり売主が売り急いでいないため「万が一、この高い金額で売れればラッキー。値引き交渉されたら、その都度考えよう」というケースがありえます。

このような場合、販売されてから1〜3ヶ月は値引き交渉をするのが難しく、大きな値引きが期待出来るのは販売開始から4ヶ月〜ぐらいのタイミングです。

3-2.売主自身が相場を把握していないケースは、値引き交渉が難しい

上記の「数百万値引きされることも想定して値付けをする」ケースの変化系として、そもそも売主自身が相場を勘違いしているケースがあります。売り出し金額が相場とかけ離れているのにも関わらず、売主は「その金額で売れる!」と勘違いをしているのです。

なぜ、このような事が起きるのかというと、売却の相談を売主から受けた不動産会社のせいです。売却の相談を売主から受けた不動産会社は「他の不動産会社に売却の依頼を奪われてはいけない!」と焦り、しっかりと売主に相場金額を伝えることを怠り、現実味のない高い査定金額を売主に提出してしまうケースがあります。

高い査定金額を真に受けた売主は「こんなに高い金額で売却出来るのか!そうであればお宅に任せよう!」と言ってマンションの売却を、査定書を出した不動産会社に依頼します。

こうなってしまうと、マンションの値引き交渉をしたところで、売主が「そんなに相場よりも低い金額では売らないよ」と、本当は良い金額の購入申し出に対して、見向きもしなくなります。このような物件は、いつまでたっても売主が夢を見続けているので、別の物件を検討した方が無難です(稀に、売主が現実に気づいて価格変更する場合もあります)。

値引き交渉の具体的な方法

それでは具体的な値引き交渉の方法をお伝えしましょう。中古マンションの値引きは①購入申込書に値引き後の金額を記入し、②不動産仲介業者が交渉する、という2ステップで行います。

1.購入申込書に値引き後の金額を記入

まず一つ目のステップとして、購入申込書を記入します。この購入申込書は買付(かいつけ)とも呼ばれ、購入の意志を売主に提示するものです。

購入申込書

値引き交渉は、この購入申込書(買付)によって行います。購入申込書の中に「購入(希望)価格」を記載する部分があるので、この「購入(希望)価格」の部分に値引き後の金額を記載するのです。

値引き交渉をする以上は、そのマンション購入に対して本気であるということが大前提です。値引き交渉をした後に「やっぱり購入を止めます」ということは不動産取引の慣行上、基本的に出来ませんので、注意してください。

2.不動産仲介業者が交渉する

購入申込書を記入したら、不動産仲介会社に購入申込書を渡しましょう。その後は、あなたが使っている不動産仲介会社が、売主側の不動産仲介会社と価格交渉をしてくれます。最終的に値引き交渉を受けるかどうかを決めるのは売主ですが、売主側の不動産仲介会社が交渉の窓口に立つのです。

価格交渉の結果、値引き金額が希望通り通ることもありますし、希望に届かないケースもあります。

ただどのようなケースであっても、価格交渉の2ステップは変わりません

価格交渉をした際、中古マンションを購入出来る人が決まる仕組みとは

価格交渉自体は上記でご説明した2ステップで決まるのですが、人気物件の場合、こちらが価格交渉をしている最中に他から別の購入申し込みが入って来てしまうというケースが良くあります。このような場合、誰に中古マンションを購入出来る権利があるのでしょうか?

1.基本は「住宅ローンの事前審査を通過した上で購入申し込みをした人」順

まず基本となる考え方は、「購入申込書を提出した順」に交渉権が発生する、ということです。ただ「購入申込書」を提出する際に、購入申し込みをする物件で、住宅ローンの事前審査が通過していることが必須となります。住宅ローンの事前審査が通過していないと、売主側の不動産仲介会社に購入申込書を受け取ってもらうことが出来ないのです。

関連記事:済ませておけば安心!住宅ローンの事前審査とは

住宅ローンの事前審査は、念のため値引き後の金額ではなく、値引き前(満額)の金額で申請するようにすると良いでしょう。

2.他の人が満額を提示した場合

仮に6,000万円のマンションに対して、あなたが住宅ローンの事前審査を通過した状態で5,800万円(200万円の値引き)で購入申し込み書を入れたとしましょう。あなたの使っている不動産会社は、売主側の不動産会社に購入申込書を提出し、価格交渉をスタートします。

その2日後、他の不動産会社から満額6,000万円で購入申し込み書が入って来た場合、どうなるのでしょうか。

交渉権は、基本は「住宅ローンの事前審査を通過した上で購入申し込みをした人」順で決まりますので、このような場合、あなたに対して売主側の不動産会社が「他社から6,000万円で購入申込が入りました。もし同じ条件である6,000万円で購入申し込みをするのであれば、あなたを優先しますが、どうしますか?」と話を持ってきます。

つまり、あくまで他の買主よりも、あなたに優先権があるので、他の人と同条件であればあなたが優先されるという訳です。

3.物件が奪われてしまう、こんなケースは要注意!

ただし、上記のような「住宅ローンの事前審査を通過した上で購入申し込みをした人」順が通じず、他の人に購入権が行ってしまうケースがあります。

3-1.ほぼ同時に購入申し込みをした場合

例えば、あなたが購入申込書を提出した1時間後に、他の人が購入申込書を提出した場合、「同時に提出された」と売主側の不動産仲介会社は考えます。このような場合、あなたに優先権が発生することはなく、もし他の人の方が購入申込書の金額が高ければ、そちらが1番手となります。

3-2.先着順のルールを採用していない不動産会社の場合

売主側の不動産仲介会社の中には、先着順のルールを採用していない会社もあります。そもそも先着順のルール自体、不動産取引における昔からの慣行でしかなく、法律で決まっていることではありません。

最近出来た会社や、大手不動産会社の中には、この先着順のルールを良しとせず、売主に自由に選んでもらうというルールを採用している会社があります。売主側の不動産仲介会社がこのような会社だった場合、他の人がより高い購入申込書を入れてきた瞬間に、その人に購入権が発生することになります。

3-3.何らかの事情で売主が他の人を選んだ場合

3つ目のケースは、何らかの事情で売主が他の人を優先してしまうケースです。良くあるケースとしては、こちらの値引き希望金額があまりにも大きく「そんな金額で申し込みをしてくる人には売りたくない」と売主が怒ってしまうケースがあります。売主も人間なので、無茶な値引きは気分を害してしまいます。

また他の人の購入申し込み内容が、あまりにも魅力的なケースもありえます。例えば売主の親族が買いたいと言っていたり、現金で購入するので住宅ローンの手続きが無く、明日には支払い・引き渡しが出来る買主、などの場合です。

価格交渉成功のポイント

それでは価格交渉をする上で、絶対に抑えておきたいポイントをお伝えしましょう。

1.売主の売却状況を把握する

兵法書「孫子」の言葉で「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という有名な言葉があります。マンションの価格交渉も、これに通じるところがあります。つまり、なぜ売主がマンションを売却したがっているか、どういう状況で売却活動をしているかを知ることが出来れば、必然的に値引き交渉の余地が分かるのです。

売主が値引き交渉に応じやすい売却状況には、下記のようなものがあります。

1-1.既に新しい新居を住宅ローンで購入し、住み始めている

これは最も値引き交渉が効きやすいケースです。今まで住んでいたマンションを住み替えのために売却する場合、新しい住宅も基本的には住宅ローンを組んで購入する人が殆どです。

既に新しい新居に住んでいるということは、住宅ローンの支払いが「新しい新居」と「これまで住んでいた家」のダブルになっているということです。そして「これまで住んでいた家」の住宅ローンの支払いについては、金利部分は完全な捨て金ですし、所有している期間は管理費・修繕積立金に加え、税金も支払う必要があり、これらの支払いのお金は家計にとって重くのしかかって来ます。

このような状況にあると「少しぐらい値引きしてもいいから、早くマンションの売却活動を終わりにしたい」と売主は考えます。住宅ローンの支払いがあるマンションの売却活動は、精神的にハードなものなのです。

1-2.既に新しい新居を住宅ローンで購入し、新しい新居の入居時期が迫っている

上記の「既に新しい新居を住宅ローンで購入し、住み始めている」に近いケースです。売主が、今はまだ売却中のマンションに住んでいるものの、もうすぐ新しい新居の入居時期になるというパターンです。

特に売主が購入した住宅が新築マンションの場合、新築マンションが完成して入居するまでには、かなりの時間があります。それだけの期間販売を成功させることが出来ず、いよいよ住宅ローンの支払いがダブルでかかってくるという重圧は大きいものです。

このようなタイミングでは、中古マンションの値引きが成功する確率が高いと言えます。

1-3.海外転勤が決まっており、日本国内に親族がおらず、転勤までに売却を済ませたいと思っている

意外と多いのがこのケースです。グローバル化が進む中で、海外転勤を命じられ、それであればマンションを売却しようとするケースです。この場合、売主の親族が日本にいれば、委任状を用意することで、その親族にマンション売却を依頼することも出来ます。

しかし親族がいない場合、基本的には海外赴任に出発する日までに引き渡しをしなければいけません。

1-4.離婚が決まっており、早期にマンションを売却したい

残念ながらマンションを売却するの理由の一つには「離婚」があります。離婚が決まった場合、夫婦で一緒に暮らしていたマンションは売却するケースが殆どです。マンションを売却して現金化し、財産を分配するのです。

離婚でマンションを売却する場合、「多少安くてもいいから、一刻も早くマンションを処分したい」と考える方もいます。

1-5.少人数で相続しマンション件を売りに出している場合

売主が親から相続したマンションを売りに出すケースも狙い目です。相続物件の場合、物件に思い入れがなく、なるべく早く現金化したいと考えるケースがあります。また相続人が売主1人だけや、2〜3人程度の少人数で相続した場合、値引きの申し出を受け入れるかどうかの意見がまとまりやすいという傾向があります。

1-6.販売開始から半年以上、時間が経っている場合

中古マンションの平均的な販売期間は3〜6ヶ月程度。6ヶ月を越えると、売主も相当焦ってきます。このようなタイミングでは、値引き交渉が、販売当初と比べると効きやすくなっています。

1-7.新しい新居の入居まで、極端に時間がある

売主の新居が新築マンションなどで、入居まで時間があり、かつ売主が「早く売ってしまいたい」と考えているケースです。買主にとってみると、早く住めることが中古マンション購入のメリットなので、引き渡し日が極端に遠いことはマイナスポイントになります。このマイナスポイントは売主も分かっていますので、価格交渉の材料となります。

逆に売主が値引き交渉に応じにくい状況には、下記のようなものがあります。

1-8.新しい新居が居住費用がかからない

売主がマンションを売却して、実家に帰るケースなどです。この場合、売主は新しい新居でランニングコストがかかりませんので、気持ちに余裕があります。新居に住宅ローンを支払わなくてはいけないケースと異なり、金銭的な余裕があるので、値引き交渉にも強気に出てくる可能性が高いでしょう。

1-9.賃貸募集も同時にしている

賃貸ニーズが高いエリアでは、売却活動と同時に賃貸募集を行うケースも良くあります。「下手に安く売却するぐらいなら、賃貸に出して家賃収入を得よう」と売主が考えている場合、大きな値引きは期待出来ません。

1-10.多人数で相続しマンション件を売りに出している場合

4人以上など、多人数の親族でマンションを相続した場合も、値引き交渉は難航します。相続人のうち、一人が値引きに応じたとしても、他の相続人が「そんな安い金額で売ることはない」と反対意見を出すケースがあるからです。

1-11.販売開始から時間が経っていない

マンションが売りに出されてからまだ日にちが経っておらず、マンションに見学者が多数入っている場合も、値引きが難しいケースが殆どです。「値引きなどしないでも、満額で売ることが出来る」と売主が考えている状況では、値引きが難しいのです。

1-12.販売価格を下げた直後

上記の「販売開始から時間が経っていない」ケースと似ていますが、以前の販売価格から価格を下げた直後も、値引き交渉は難航します。「せっかく値引きをしたのに、これ以上値段を下げるのか!」と売主が思ってしまう為です。

1-13.住宅ローンの残債がたくさん残っている

売主の気持ちではなく、経済的な理由でマンションの値引きが出来ないのが「住宅ローンの残債がたくさん残っている」パターンです。例えば住宅ローンの残債が5000万円ある場合、5000万円以下で売ってしまうと、不足分を売主が現金で銀行に支払わなくてはなりません。

住宅ローンの残債が残っているケースと似ていますが、売主に住宅ローン以外の借金がある場合も、値引きが難しいケースがあります。いわゆる「任意売却案件」などと呼ばれるケースで、今売りに出している金額以下で販売してしまうと売主の借金が返済出来ない為、値引きが出来ないのです。

1-14.売主が相場を勘違いしている

上記でご説明したように、不動産会社があまりにも高い金額の査定書を提出し、売主が相場を勘違いしている場合も、価格交渉は難航します。このような物件は売主が「一括査定サービス」に問い合わせをし、複数の不動産会社が「ウチに売却活動を任せてください!」と営業攻勢をかけた時に起こりがちです。どの不動産会社も「ウチならこんなに高い金額で売れますよ」と営業をしかけるので、査定金額が相場とかけ離れたものになるからです。

1-15.売主が売る必然性がない

売主がマンションを売却する際には、殆どの場合、何らかのマンションを売らなくてはいけない理由が存在します。しかし稀に「高い金額で売れるのであれば売ろうかな」と、半ば冗談のような気持ちで売却活動をしている売主もいます。

このような場合、売主にマンションを売らなくてはいけない理由がないので、価格交渉をしかけたところで軽くあしらわれてしまいます。

2.購入希望のマンション相場を調べる

中古マンションの値引き交渉を成功させる2つ目のポイントは何と言っても、マンションの相場を調べることです。マンションの相場を抑えれば、売主にいくら値引きをしてもらえば適正金額で購入することが出来るのかが分かります。早い話、適正金額以下で売りに出ていることが分かれば、値引き交渉などせずに満額で購入申込書を入れても良いわけです。

中古マンションは一軒一軒、築年数や広さ、駅距離、グレードが違う為、比較検討が難しいのですが、カウルを使えば過去に販売されたマンションの価格を知ることが出来、さらにそれら売買事例を元にした人工知能による適正金額もすぐに知ることが出来ます。カウルは無料で利用することが出来ます。

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3.物件の痛み度合い・設備を確認する

値引き交渉で一番上手くいく方法は、リフォームや設備設置を理由に値引きを交渉するやり方です。例えば、壁紙(クロス)が汚れやペットで痛んでいた場合、壁紙のリフォームにかかる費用を理由にして値引き交渉が出来ます

「お部屋は大変素敵で、好きになりました。ただクロスだけはリフォームしたいので、大変申し訳ないのですが、その分の費用だけ、なんとか値引きして頂けませんか?」

という形で交渉をするのです。これは壁紙(クロス)以外に、キッチンや浴室など水回りのリフォーム、フローリングのリフォームなどにも同じことが言えます。またエアコンが無い場合は、その設置も理由に使えるでしょう。

ただ気をつけたいのは、最初にご説明したように中古マンションには「定価がない」ということです。売主が「室内が痛んでいることは知っている。だからこそ、これだけ安い金額に設定したのだ」と思っており、実際に相場よりも安ければ、室内の状況は値引きする理由にはなりません。売主の考え、実際の相場金額と照らし合わせて値引き交渉することが重要です。

4.住宅ローンの事前審査、資金準備を済ませる

4つ目のポイントは、住宅ローンの事前審査をしっかりと終わらせておくこと、手付金などの資金準備をしておくことです。

解説の前半で「中古マンションは住宅ローンの事前審査を通過した上で、購入申し込みをした人順」で購入出来るとお伝えした通り、住宅ローンの事前審査は何よりも大事なポイントです。

最終的には、購入申し込みをする物件で住宅ローンの事前審査を通過させる必要がありますが、別物件で通過させた住宅ローン事前審査結果が、価格交渉材料に使えるケースもあります。住宅ローン事前審査結果(通常、銀行から紙で送られて来ます)は、大事に取っておくようにしましょう。なお、交渉材料に使う住宅ローンの事前審査は、インターネットで完結するものではなく、銀行の窓口で実施したものである必要があります(インターネットで完結するものは、収入証明書類を確認しないため)。

また売買契約時には、手付金という「先払い金」を支払う必要があります。手付金は物件金額の5%以上が目安ですが、金額が多ければ多いほど売主に本気度を伝えることが出来ます。

逆に手付金を用意出来ないと、価格交渉どころか、売買契約自体を締結出来ませんので、しっかりと準備するようにしましょう。

5.不動産仲介業者の営業マンを味方にする

中古マンションの値引きにおいて、最大の味方はなんといっても不動産仲介会社の営業マンです。彼らに、いかに動いてもらうかが勝負になります。

不動産仲介会社の営業マンも、購入申込書を受け取ったからには、基本的に頑張って値引き交渉をしてくれます。しかし交渉をする前に、こちらが「実際は値引きが出来たとしても買うかどうかは分からない」という態度を取ってしまうと、不動産会社の営業マンは交渉に本腰を入れることが出来ません

大抵の場合、あなたが購入申込書を提出した営業マンは、売主側の不動産会社と知り合いであったり、これから先も何度も取引する可能性があります。あまり非常織な事や、相手の不動産会社に迷惑をかけると「出入禁止」になる可能性もあるので、あなたの購入に対する本気度合いによって、不動産会社の営業マンも交渉の本気度合いを変えるのです。

値引きの交渉は、決して簡単なことではなく、まさに売主側の不動産会社との「交渉」です。営業マンが交渉をしている最中に、味方から撃たれることがあれば、営業マンも動いてくれなくなります。

逆に営業マンを味方につけ、住宅ローンの事前審査を早く通過させたり、手付金の増額や、引渡し時期の融通など、営業マンに武器を渡してあげると、彼らは交渉がしやすくなりますし、「この買主様の為に頑張ろう!」という気持ちになるものです。

また価格交渉は1日から、長いと1週間にも及びますので、その間はなるべく営業マンからの電話にすぐ出れるようにすると良いでしょう。営業マンと小まめに連絡を取ることで、こちらの本気も伝わりやすくなります。

6.売買契約は早めにできるように予定を空けておく

中古マンションの値引き交渉における、意外と見落としやすいポイントが「売買契約日を設定出来るように空けておく」というポイントです。

仮に日曜日に中古マンションを見学し、その日の内に購入申込書を提出したとします。合わせて住宅ローンの事前審査を実施し、翌週の火曜日に住宅ローン事前審査結果が出たとすると、火曜日から値引き交渉がスタートする事になります。

水曜日は不動産会社の定休日のため、木曜、金曜日と値段交渉をすることになります。そうすると、金曜日の夜に売主から値引き交渉の返事が来るパターンが多いのです。

この時、あなたとライバルがいた場合「今週の土日に契約出来る買主と契約する」と売主がいう事があります。売主にとっては「一刻も早く契約を確実なものにしたい」と思う為、すぐに契約出来る相手を選びたいのです。

念のため、購入申し込みをした翌週の週末は空けておくようにしましょう(手付金の準備も忘れずに!)。

7.物件の悪口を言うのは絶対NG

値引き交渉のテクニックとして「物件の悪い点を見学の際に言って売主に価格を下げて貰いましょう」という事を書いてあることがありますが、これは絶対にやってはいけないテクニックです。
人間誰でも、欠点を指摘されると、その相手に対して嫌な印象を受けるものです。
中古マンションの売主は、電気店の店員ではなく、個人なのです。物件自体の欠点ではなく、あくまで
  • 相場
  • リフォームの必要金額
  • あなた(買主)の事情
というポイントから、価格交渉をするようにしましょう。

8.仲介手数料の値引きをするのも一つの方法

少し中古マンションの値引きから話はそれますが、物件購入の総額を抑えるという意味では、仲介手数料の割引を行っている会社を利用するもの一つの方法です

物件金額を100万円安くする為の交渉を成功させるのは大変ですが、仲介手数料を半額にし、100万円安くすることは意外と難しくありません。

近年では、AIなどの最新のテクノロジーを活用して営業コストを削減し、その削減した分を「仲介手数料を半額・無料」という形でお客様に還元しているサービスも出てきています

実際どのくらい値下げできる?値引き相場金額

気になる値引き金額の相場ですが、中古マンションの「定価」が決まっていない以上、値引き相場はあってないようなものというのが実情です。

売主に一般的に受け入れてもらいやすい値引き金額は端数(100万円部分)金額です。

また物件金額ごとの値引き金額の目安は下記のようになっています(あくまで目安なので、物件の金額設定によって異なります)。

  • 2,000万円以上〜4,000万円未満・・・30〜90万円
  • 4,000万円以上〜6,000万円未満・・・90〜290万円
  • 6,000万円以上〜8,000万円未満・・・90〜390万円

実際の交渉のセリフの例

実際の値引き交渉は不動産仲介会社がやるので、あなた自身が売主と価格交渉することはありません。ただ、不動産会社に頼む時になんと言って頼めばいいかは意外と難しいですよね。不動産会社へ価格交渉をお願いする際のセリフ 例としては、下記のようなイメージです。

「とてもマンション自体は気に入りました!是非購入を検討したいと思います。ただ壁紙のリフォームと、エアコンの購入だけはしたいと思っているので、その分の金額、端数の80万円だけ、何とかお値引きをお願い出来ないでしょうか。」

「良いマンションなので、購入を検討したいと思っています。ただ同じマンションで売りに出ている30階のお部屋も気になっていまして、そのお部屋と比べてこのお部屋が200万円高いので、何とか同じ金額にならないでしょうか。もし同じ金額になれば、是非こちらのお部屋を購入したいと思いますので、なんとかお値引きをご相談出来ないでしょうか」

まとめ

中古マンションの値引き必勝法、いかがでしたでしょうか。色々テクニックはありますが、中古マンションの売主も人間ですので、節度を越えない範囲で交渉するのがポイントです。不動産会社の営業マンを味方につけ、相場を踏まえた上で、是非価格交渉を成功させて頂ければと思います。

著者について

(株)Housmart(ハウスマート)代表取締役針山 昌幸
一橋大学で経済学を学ぶ。大学卒業後、大手不動産会社で不動産仲介、用地の仕入、住宅の企画など幅広く担当。顧客の利益が無視された不動産業界の慣習や仕組みを変えたいと志す。  
2011年、楽天株式会社に入社。大手企業に対し、最新のマーケティング・ビックデータ・インターネットビジネスのノウハウを元にコンサルティングを行う。
2014年9月株式会社Housmartを設立し、代表取締役社長に就任。最新のマーケティング手法を駆使した中古マンションの売買を行っている。
著書「中古マンション本当にかしこい買い方・選び方」がAmazonランキング・ベストセラー1位(マンションカテゴリー)を獲得。Housmartの経営を執り行う傍ら、テレビや雑誌への出演など、マンション専門家としての活動も行う。

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