中古マンション値引き交渉成功の鍵とは?【不動産取引のプロ針山が語る】

中古マンション値引き交渉成功の鍵とは?【不動産取引のプロ針山が語る】
この記事の重要ポイント!
  • 中古マンションは売主との交渉で価格が決まるため、値引き交渉が可能!
  • 値引きを成功させる最大のポイントは、住宅ローンの事前審査を早く済ませておくこと
  • 値引き額の相場は、物件価格の端数程度と想定しておく
  • 大幅な値引き交渉をしてしまったがために、他の購入希望者に売主との交渉権が移る可能性がある

新築マンションに比べ割安な価格や、立地条件の良さで人気が高まっている中古マンション。しかし、いくら新築マンションに比べリーズナブルだからといって、住宅ローンで支払う事ができる物件金額と違い、諸費用のことまで考慮すると、なるべくお得に購入したいと思うのではないでしょうか?

そこで気になるのが、中古マンション購入の値引き交渉術。普段の買い物では中々しない値引き交渉ですが、中古マンションは人生最大の買い物ですから、なんとか上手く値引きを引き出したいものです。果たして、中古マンションはどのくらい値引きすることが出来るのでしょうか?

そこで今回は、値引き交渉を開始する前にチェックしたいポイントから、価格交渉の必勝法と具体的な方法、把握しておきたい売却理由の種類や物件状況、是非ともやっておきたい住宅ローン事前審査などの前準備などについて徹底解説します。

折角気に入ったマンションを見つけても、値引き交渉を失敗したせいで、買い逃してしまっては元も子もありません。不動産仲介業者を味方に付け、人生最大の買い物を成功させる秘訣をお伝えします。

針山昌幸(不動産コンサルタント)

この記事を書いている人:株式会社Housmart代表取締役 針山昌幸

一橋大学で経済学を学ぶ。大学卒業後、大手不動産会社で不動産仲介、用地の仕入、住宅の企画など幅広く担当。顧客の利益が無視された不動産業界の慣習や仕組みを変えたいと志す。株式会社ハウスマートを設立し、代表取締役社長に就任。顧客本位の不動産サービスを多数展開している。著書「中古マンション本当にかしこい買い方・選び方」がAmazonランキング・ベストセラー1位(マンションカテゴリー)を獲得。会社経営を執り行う傍ら、テレビや雑誌への出演など、マンション専門家としての活動も行う。

中古マンションをお得に買えるサービスはカウル

中古マンションの値引きは可能か?

ブリリア有明スカイタワー

新築マンションには、販売価格が存在します。マンションデベロッパーは、コストの合計に利益分を上乗せして、新築マンションを販売します。

一方、中古マンションは、メーカーというものが存在せず、必ず「売主(マンションの所有者)」がいます。そして中古マンションの販売開始時に、売主によって売り出し価格が決められます。

最終的には、売主と買主の交渉の結果、合意形成に基づいて価格が決まるため、中古マンションに定価は存在せず、値引き交渉は可能なのです。実際に筆者も、1,000万円以上値引きをして、マンションの売買契約を締結したことがあります。

値引き交渉をする前に考えるべき2つのこと

タワーマンションのイメージ画像

「それでは出来る限り値引き交渉をしてマンション購入をした方が得だな!」と思われる方もいらっしゃると思います。確かに間違いではないのですが、その前に知っておきたい2つの事実があります。

1.住み心地と資産性で物件を選ぼう

マンションは買って終わりではなく、買った後に実際にその部屋で生活することになります。賃貸と違い、中古マンションは一度購入すると、おいそれと売却したり、貸しに出したりすることが出来ません。大きな値引きが出来たからといって、住み心地が悪かったら元も子もなくなってしまいます。このような住み心地のことを「居住性」と言います。

また「資産性」という視点を持つことも大事です。「資産性」とは、将来そのマンションを売却する際に「いくらで売れるのか」ということ。資産性が高いマンションは値崩れせず、長期に渡って価格が保たれ続けます。「今安く買える」という視点だけでなく、「将来高く売れる」というという視点で物件を見ることが不可欠です。

マンション購入は居住性と資産性という2つの視点を持つことが大事なのです。

2.「値引きできるから購入する」は危険

不動産を複数回、売買したことがある人が陥りやすいのが「値引き出来たから購入する」という思考回路です。初めて家を購入するときは、人間「この家に住みたいだろうか?」と本気で考えるものです。

しかし家の売買に慣れてくると、少しでも気になった物件が見つかると「とりあえず500万値引き出来るか交渉してみてよ」と気軽に不動産会社の営業マンに依頼する方が稀にいます。

このような家の探し方では、後にご説明するように中古マンション特有のトラブルに見舞われたり、単に値引き交渉に成功したから家を購入する、という本末転倒な事になってしまいます。

中古マンションの「2つ」の価格とは

中古マンションには、2つの価格が存在します。それが「売り出し価格」と「成約価格」です。

売り出し価格と成約価格の関係性

売り出し価格とは、その名の通り、最初に売主がマンションを売りに出した価格のことです。この売り出し金額で、あなたが「マンションを買う」と言えば、売主は間違いなくマンションを売ってくれます(後ほどご説明する住宅ローンの事前審査や、手付金の準備などは必要です)。

一方、成約金額とは、売り出し価格から値引き交渉を行い、実際に売主と買主が売買契約を結んだ金額のこと。基本的には値引き後の金額の事を指します。

状況によっては値引き交渉が行われず、売り出し価格=成約価格となるケースもあります。

売主は売り出し価格をどのように決めるのか

マンションの売主がどうやって売り出し価格を決めるのか

それでは売主は、どのように売り出し価格を決めるのでしょうか。大前提として、売主は不動産仲介会社から、マンション価格の査定書を受け取ります。査定書とは、直近の周辺の成約事例、その成約事例に比べて売主のお部屋が「どのような点が優れ」「どのような点がマイナスになるか」をまとめたもの。「成約事例」「プラスポイント・マイナスポイント」を総合的に不動産会社の営業マンが分析し、「いくらであれば売れる」と価格査定をするのです。

売主は、その査定金額を元に売り出し金額を決めるのですが、その決め方には3つの種類があります。

1.端数だけ値引きされる事を想定して値付けをする

端数(はすう)とは、例えば「5980万円」というマンション価格の中の「80万円」部分こと。つまり、100万円未満の部分を指します。この端数部分は値引き交渉の対象となることが多いので、最初から端数部分は値切り交渉を受けることを想定して売り出し価格設定をする売主が大半を占めます。「不動産会社の査定金額+端数」でマンションを売りに出す、というイメージです。

2.全く値引き交渉を受け付けない想定で値付けをする

たまに見られるのが、最初からリーズナブルな価格で売り出し価格を設定し、全く値引き交渉を受け付けない想定で値付けをしているケースです。最初から相場に比べ安い金額で売りに出しているので、値引きをしなくてもお得な物件となっています。こういう物件は、スピード勝負になります。

また「本日から300万円値引きして売りに出します」というような物件も、元々の金額から値引きをすることによって、より多くの人に訴求をしようという目的で金額を下げていますので、更なる値引き交渉は難しいケースが多いです。

3-1.数百万値引きされることも想定して値付けをする

稀にあるのが、最初から大きな値引きをされることを想定して値付けをしているケースです。あまり売主が売り急いでいないため「万が一、この高い金額で売れればラッキー。値引き交渉されたら、その都度考えよう」というケースがありえます。

このような場合、販売されてから1〜3ヶ月は値引き交渉をするのが難しく、大きな値引きが期待出来るのは販売開始から4ヶ月〜ぐらいのタイミングです。

3-2.売主自身が相場を把握していないケースは、値引き交渉が難しい

上記の「数百万値引きされることも想定して値付けをする」ケースの変化系として、そもそも売主自身が相場を勘違いしているケースがあります。売り出し金額が相場とかけ離れているのにも関わらず、売主は「その金額で売れる!」と勘違いをしているのです。

なぜ、このような事が起きるのかというと、売却の相談を売主から受けた不動産会社のせいです。売却の相談を売主から受けた不動産会社は「他の不動産会社に売却の依頼を奪われてはいけない!」と焦り、しっかりと売主に相場金額を伝えることを怠り、現実味のない高い査定金額を売主に提出してしまうケースがあります。

高い査定金額を真に受けた売主は「こんなに高い金額で売却出来るのか!そうであればお宅に任せよう!」と言ってマンションの売却を、査定書を出した不動産会社に依頼します。

こうなってしまうと、マンションの値引き交渉をしたところで、売主が「そんなに相場よりも低い金額では売らないよ」と、本当は良い金額の購入申し出に対して、見向きもしなくなります。このような物件は、いつまでたっても売主が夢を見続けているので、別の物件を検討した方が無難です(稀に、売主が現実に気づいて価格変更する場合もあります)。

著者について

(株)Housmart(ハウスマート)代表取締役針山 昌幸
一橋大学で経済学を学ぶ。大学卒業後、大手不動産会社で不動産仲介、用地の仕入、住宅の企画など幅広く担当。
2011年、楽天株式会社に入社。大手企業に対し、最新のマーケティング・ビックデータ・インターネットビジネスのノウハウを元にコンサルティングを行う。
2014年9月株式会社Housmartを設立し、代表取締役社長に就任。不動産×ITサービスを数多く開発・運営する。
著書「中古マンション本当にかしこい買い方・選び方」がAmazonランキング・ベストセラー1位(マンションカテゴリー)を獲得。Housmartの経営を執り行う傍ら、テレビや雑誌への出演など、マンション専門家としての活動も行う。

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