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住宅ローン金利の仕組み ~損をしないための基礎知識~

住宅ローン金利の仕組み ~損をしないための基礎知識~

マイホームを購入したい!と思うとき、避けて通れないのが住宅ローン。でもどんな種類があるのかわからなかったり、敷居が高く苦手意識を持つ人もたくさんいらっしゃいます。

マイホームの購入で後悔しないためには、住宅ローンの金利の仕組みや基礎知識について、事前にしっかりと把握しておくことが大切です。

今回は、損せずマイホーム購入をするための重要なポイントとなる、住宅ローンの種類と金利の仕組みの基礎知識についてご紹介します。

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1.住宅ローンの仕組み

まずは住宅ローンの仕組みと金利の種類についてご紹介していきます。

1-1.リスクの対価としての金利の支払い

ここでは、住宅ローンで支払う「金利」についてご説明します。

住宅ローンとは、住宅の購入やリフォームに際して銀行などの金融機関から借り入れるお金のことです。

金融機関から住宅ローンの融資を受けると、支払期間に応じて月々の返済額が決定し、毎月の返済を行うことになります。

毎月の返済を行う際には、金融機関から借入れたお金の毎月の返済額と合わせて、「金利」というお金を一緒に支払うことになります。

この「金利」とは、金融機関からお金を借りて返済をするときに、金融機関に対して支払う「お金のレンタル代」のようなものです。

一般的に銀行などの金融機関は、個人へのローンの貸付や企業への投資など、お金の運用して利益をあげています。お金の貸し主である金融機関は、お金の借主である個人や企業から、貸したお金に加えてこの「金利」を受け取ることで、利益を上げているのです。

また、金融機関がローンの貸付などの資金運用をする際には、融資したお金が回収不能になる等のリスクを抱えることになります。

この「金利」の支払いは、金融機関がリスクを引き受けてくれる対価としての役割を果たしています。

毎月の支払い時に適用される「金利」は、1年間でどの程度の利息を取るか基準を設けて計算されます。1年間に支払う「金利」のことを「年利」と呼び、この「年利」を借入残額に掛け合わせた金額を1年間の「利息」として金融機関が受け取ります。

例えば100万円を1年間借りて返済をするとしましょう。1年間に3%の利率で金利が掛かるという内容の契約を行った場合は「年利3%」となり、元本100万円の場合は1年間に3万円の利息を払えば良いということになります。

この「年利」の利率は、景気の状況やローンを紹介している金融機関、契約する住宅ローンの種類によって異なります。

「年利」の数字が少ないほどローン返済時に「利息」として支払う額が少なくて済むため、より利率が低いローンを組むことで支払い総額を減らすことができます。

住宅ローンの種類と「金利」の特徴を把握して、賢くローンの活用をしていきましょう。

1-2.住宅ローンの種類

ここからは、住宅ローンの種類についてご紹介していきます。

住宅ローンには、大きく分けて「長期固定金利」「短期固定金利」「変動金利」という3つの金利タイプがあります。

ここではそれぞれの金利タイプについての説明をしながら、メリットとデメリットについてご紹介していきます。

1-2-1.長期固定金利

ここではまず、「長期固定金利」の住宅ローンについてご説明します。

1-2-1-1.どのようなものなのか

「長期固定金利」は、住宅ローンを組んだ契約時点から借入額の返済が完了するまで、最初から最後まで金利が一定に設定され、変更が発生しない金利タイプのことを言います。

この金利タイプの特徴としては、ローン完済までの全期間を通して金利が一定で変わらないため、月々の返済額が変わらないことがあげられます。

そのため返済額の把握がしやすく、完済までに必要なトータルの支払い額も借入れを行った時点で把握できるため、返済計画が立てやすいというメリットがあります。

一般的に、発生する金利の利率は市場経済の影響を受けて変動します。ただし、長期固定金利タイプの場合、ローンを組む時点での金利を基準にして金利設定が行われます。このため、将来的に好景気などによって金利が上昇した場合でも影響を受けることなく、金利率や支払い額が上昇しない点も大きなメリットの一つです。

一方で、「長期固定金利」のデメリットとしては、支払期間中の金利率がローン完済まで変わらないため、市場の資金量の増加により金利が下がったとしても、ローンの金利に影響が出ることがなく、利息の支払額が減らない(経済状況と比較すると実質的には増えてしまう)ことが挙げられます。

また、「長期固定金利」の場合は金利を契約時点から完済時点まで一定に固定できる代わりに、「短期固定金利」や「変動金利」といった他の金利タイプと比べて金利が高く設定されているのもデメリットの一つです。

メリット
  •   全期間で金利が一定で返済総額が計算できるため、返済計画を立てやすい。
  •   市場の金利が上昇しても、月々の金利が一定で増えることがない。
デメリット
  •   市場の金利が下がっても、金利が一定で月々の返済額が減らない。
  •   他の金利タイプと比べて、金利が高めに設定されている。
1-2-1-2.支払いのシステム

それでは実際に「長期固定金利」を利用して住宅ローンを組んだ場合の返済例をご紹介します。

今回の例では、住宅購入のために銀行から「長期固定金利」で3000万円を借入れ、年利2%、「元利均等返済」で毎月10万円ずつ返済するケースを例にご説明します。

長期固定金利の支払い例:
  • 金利タイプ:長期固定金利
  • 借入額:3000万円
  • 年利:2%
  • 返済方法:元利均等返済
  • 月の支払額: 10万円

住宅ローンで支払う毎月の利息額は、現時点の借入残額に対し1月あたりの月割利率を掛けて算出します。返済1ヶ月目の場合を例にすると、借入残額が3000万円あるため「3000万円×月割の利率」で計算を行い、1ヶ月目の利息額は49,315円となります。

続いて元金の返済額の算出を行います。返済方法に元利均等返済を選択した場合、元金の返済額は月々の返済額10万円から今月分の利息額を引いた差額となるため、50,685円が返済1ヶ月目の元金の返済額となります。

上記の計算の通り、返済1か月目の支払いでは支払額10万円に対して元金:50,685円、利息:49,315円の内訳で支払いを行います。

その後続いていく翌月以降の返済についても、「借入残額」に対して同様の計算を行い、その月の利息額と元金返済額を計算します。

例えば返済2ヶ月目の場合は、借入額の3000万円から前月の元金返済額である50,685円を引いた金額「2,994万9,315円」が借入残額となるため、この金額を対象に利息額と元金の計算を行います。

このように、住宅ローンでは借入を行った元金の返済が完了するまで、「借入残額」を対象に同様の計算を繰り返し、毎月の支払額の算出と返済を行っていきます。

「長期固定金利」の金利タイプを選択した場合では、金利率は全期間を通じて固定されているため返済初月から最終月まで金利の年率に変化はありません。

ただし、毎月の利息額は「借入残額」を元に算出するため、元金の返済を重ねて「借入残額」が減るほどに月々の利息額は少なくなっていきます。

支払い開始から5年が経過した6年目(61ヶ月目)の支払いを例に見てみると、月々の支払額10万円に対して元金は55,935円、利息は44,065円となり、支払い1か月目の場合よりも利息額が5,250円少なくなっていることが分かります。

月間支払額のシミュレーション:
  • 返済1ヶ月目 :支払額10万円(元金:50,685円、利息:49,315円)
  • 返済61ヶ月目 :支払額10万円(元金:55,935円、利息:44,065円)

また、1年あたりの支払い総額を見ても、返済1年目では年間支払総額120万円に対して元金は613,755円、利息は586,245円となるのに対し、返済6年目の場合では、年間支払総額120万円に対して元金は677,322円、利息は522,678円と、1年の支払いに対する元金と利息の割合に変化が生まれており、元金の割合が増加し、利息の割合が減少していくことが分かります。

長期間に渡る支払いを行う場合、できるだけ前倒しで借入額の返済を行うことで、最終的な利息の支払額を減らせることを覚えておきましょう。

年間支払額のシミュレーション:
  • 1年目支払総額=120万円(元金総額:613,755円、利息総額:586,245円)
  • 6年目支払総額=120万円(元金総額:677,322円、利息総額:522,678円)

「長期固定金利」の金利タイプを選択した場合、利息額には大きな変動はありませんが、全期間一律の金利が適用されることで毎月安定した元金と利息の支払いができ、数年先の支払額とトータルの支払額を見通して安心感を持った返済を行うことができます。

1-2-2.短期固定金利


ここでは、「短期固定金利」の住宅ローンについてご説明します。 

1-2-2-1.どのようなものなのか

「短期固定金利」は、ローンの契約時にまず期間の選択を行い、選択した期間に応じた一定の固定金利が適用される金利タイプです。

金利が固定できる期間は、2年、3年、5年、10年と選ぶことができ、選択した期間ごとの固定金利が反映されて利息の計算が行われます。

「短期固定金利」では、この金利の固定期間が長いほど高い金利が設定されるシステムになっています。

選択した固定期間が終了すると、次にどの程度の期間で金利を固定したいか再び選択できます。この際、短期の固定金利を選択するだけでなく、「変動金利」を選択することも可能となっています。

例えば、新規で「短期固定金利」を契約する際に、2年、3年、5年の固定期間があり、2年で1%、3年で1.3%、5年で1.5%の金利が設定されているとします。

この場合、当初契約時に「3年」を指定すると、3年の間は1.3%の固定金利が適用され、固定期間が終了する4年目に再度金利の固定期間の選択を行うことができます。

続いて、4年目以降の期間として「5年」の固定期間を選択すると、4年目から次の5年間は1.5%の固定金利が適用され、指定した期間の間は安定した金利でローンの返済を行うことができます。

「短期固定金利」を利用するメリットは、指定した期間内に限定されるものの固定の金利で返済を行うことができるため、短期間で金利が上昇しても市場の金利に影響されず、月々の返済額を把握して安定した返済が行える点が挙げられます。

また、固定期間が終了して次の固定期間の見直しを行う際に、その時点の市場の状況や金利を確認して「短期固定金利」と「変動金利」のどちらを指定するか判断できるため、「長期固定金利」と比べて柔軟な対応が取れることもメリットの一つです。

「短期固定金利」は「長期固定金利」と比べて金利が安くなるため、金利分の出費を抑えながら、安定性と柔軟性を求めた返済を行いたい方にはおすすめの金利タイプとなっています。

一方「短期固定金利」のデメリットとしては、借入時に全期間を通しての金利と返済額が分からないため、最終的な利息額がいくらになるのか判断ができない点が挙げられます。

また、選択した期間内で市場の金利が下がっても、固定金利のために金利低下の影響を受けないことや、固定期間終了のタイミングで金利が上昇した場合には、次の期間選択の場合に金利が上昇してしまうなどのデメリットも存在します。

メリット
  • 指定した期間内は金利が固定されるため、固定期間内の月々の支払い額が事前に把握でき、返済計画が立てやすい。
  • 市場の状況を確認してから「固定金利」や「変動金利」の選択ができるため、「長期固定金利」と比較して柔軟な対応ができる。
  • 「長期固定金利」と比較して金利が安く設定されている。
デメリット
  • 借入時に全期間を通しての金利が分からないため、最終的に利息額がいくらになるのか分からない。
  • 選択した期間中に市場の金利が下がっても、金利が固定されているため、月々の返済額が減らない。
  • 固定期間が終了したタイミングで金利が上昇した場合、次の期間指定の際に金利が上昇してしまう。
1-2-2-2.支払いのシステム

それでは「短期固定金利」を利用して住宅ローンを組んだ場合の返済例をご紹介します。

今回は、住宅購入のために銀行から「短期固定金利」で3000万円を借入れ、初年度は5年間で年利1.5%の返済期間と金利を選択し、6年目に3年間で年利1.3%に期間と金利の見直しを行って、「元利均等返済」で毎月10万円ずつ返済するケースを例にご説明します。

短期固定金利の支払い例:
  • 金利タイプ:短期固定金利
  • 借入額:3000万円
  • 当初年利(5年間) :1.5%
  • 6年目年利(3年間) :1.3%
  • 返済方法:元利均等返済
  • 月の支払額: 10万円

「短期固定金利」の金利タイプを選択した場合は、まずは返済期間の選択を行います。

金利は返済期間に応じて設定されており、指定する期間が長ければ長いほど金利が高くなっていきます。

今回の例では、当初は5年の期間で年利1.5%を選択しているため、返済1ヶ月目の利息額は36,986円となります。

また、元金の返済額は元利均等返済の場合、月々の返済額10万円から今月分の利息額を引いた差額となるため、返済1ヶ月目の元金返済額は63,014円となります。

上記の計算の通り、本ケースの返済1か月目の支払いでは支払額10万円に対して元金:63,014円、利息:36,986円の内訳で支払いを行います。

「短期固定金利」の場合、最初に選択した期間内は固定の金利が適用されます。今回のケースでは5年の間は1.5%の金利が適用され、同様の計算で支払金額の算出を行います。

最初に選択した固定期間が経過したら、次の固定期間の選択を行います。今回のケースでは、5年間の固定期間が経過した6年目(61ヶ月目)に、3年間の固定期間で年利1.3%を選択しているため、年利1.3%を基準に毎月の利息額と元金の返済額を計算します。

見直しを行った1.3%の金利で6年目(61ヶ月目)の計算を行うと、月々の支払額10万円に対して元金は72,136円、利息は27,864円の内訳で返済を行うことになります。

返済1か月目の支払額と比較すると、当初の年利1.5%よりも低い金利が適用されているので利息額を少なく抑えることができ、より多くの元金が返済できていることが分かります。

月間支払額のシミュレーション:
  • 返済1ヶ月目 :支払額10万円(元金:63,014円、利息:36,986 円)
年間支払額のシミュレーション:
  • 1年目支払総額=120万円(元金総額:761,320円、利息総額:438,680円)
  • 6年目支払総額=120万円(元金総額:870,736円、利息総額:329,264円)

このように、「短期固定金利」の金利タイプを選択した場合、選択した固定期間が完了する度に固定期間と利率の見直しが行えるため、市場の状況に合わせて柔軟に対応できます。

1-2-3.変動金利

続いて、「変動金利」の住宅ローンについてご説明します。


1-2-3-1.どのようなものなのか

「変動金利」とは、短期間の資金のやり取りに利用される「短期金利」に連動して金利率の見直しが行われる金利タイプのことです。

「変動金利」の金利タイプは、半年に一度のタイミングで金利の見直しが行われ、その都度金利が変化します。

「変動金利」で適用される金利率は「長期固定金利」や「短期固定金利」などの「固定金利」タイプよりも安い金利が設定されており、市場の状況によっては月々の返済額をより安くできる可能性があります。

「金利が安い」という点は魅力的に思えますが、「変動金利」タイプは市場経済の流れによって金利が左右されるため、仕組みやメリットとデメリットをしっかりと理解し、市場の動向を読み取った上で契約を行う必要があります。

より正確に「変動金利」タイプについて理解して頂くために、「変動金利」の住宅ローンに対して持たれやすい5つの誤解についてご紹介します。

誤解1.金利が急上昇するかもしれないので変動金利は危険

「変動金利」が市場経済に連動すると聞いて、金利が急上昇した場合は月々の返済額が大幅に増えてしまうのでは、と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

よくある誤解のひとつに、「金利が急上昇するかもしれないので変動金利は危険」だというものがあります。この誤解は、現在の金利の設定額と、過去数の金利の設定額について見ていくことで解くことができます。

まず、「変動金利」タイプの住宅ローンでは、市場経済と連動する「短期プライムレート」という数値を基準にして金利の決定を行っています。

日本銀行のホームページで公表されている過去の「短期プライムレート」の数値を確認すると、2017年7月現在の値は1.475%となっています。

この値が大幅に上昇すれば利息額の上昇に繋がりますが、過去の実績を確認すると、この「短期プライムレート」の数値は2009年1月9日から2017年までの約8年の間、1.475%のまま一度も変わっていません。

もう少し視野を広げて2000年代の当初からの数値を確認してみても、「短期プライムレート」は1.375%~1.875%の間を推移しており、数値の振れ幅は0.5%の範囲に収まっていることが確認できます。つまり、約20年にわたって金利の急上昇も急下落も発生していないのです。

また、金利が上昇する状況というのは、市場経済の景気が非常に良く、金利を高く設定して金融資産の流動を制限する金融引き締めが必要な場合です。

現在の日本の経済状況では引き締めが必要なほど景気が過熱する可能性はほとんどないため、金利の急上昇についてそれほど深刻に考える必要はなさそうです。

誤解2.変動金利は上限なく変動する

良くある誤解の2つ目は、「変動金利は上限なく変動する」というものです。

万が一金利が急上昇してしまった場合、「変動金利」の額は際限無く上昇してしまうのではないかと思われがちです。しかし「変動金利」タイプの住宅ローンでは、金利が急上昇した場合へのリスクに備えて「5年ルール」と「1.25倍ルール」という二つのリスク対策制度が設けられています。

まず一つ目の「5年ルール」は、短期間での金利の変動に対するリスク対策制度です。

「変動金利」で住宅ローンの契約を行った場合は、その後に金利率に大幅な変化があったとしても、「5年ルール」により5年の間は最初に適用した金利が適用される仕組みになっています。

そのため、5年以内に金利の急上昇や急下降があったとしても、少なくとも5年間は月々の支払額に変化は発生しません。

次回に適用する金利については、5年の期間が過ぎて6年目に突入した時点の金利に応じた金利率が適用されるため、短期的な金利の変動を心配することなくローンの返済を行うことができます。

二つ目の「1.25倍ルール」は、金利見直しのタイミングで大幅な金利の上昇が発生した場合に対するリスク対策制度です。

この「1.25倍ルール」は、金利の見直し時に大幅な金利の上昇が発生した場合に「金利がどんなに上昇しても、これまでの返済額の1.25倍の金額までを支払い額の上限とする」制度です。この制度により、金利の見直しタイミングに伴い、急に高額な利息を払う心配をする必要もなくなります。

このように、「変動金利」では「5年ルール」と「1.25倍ルール」の2つのリスク対策制度の適用により、金利に急激な変化があった場合にも家計が過剰に圧迫されないように配慮した仕組みが用意されています。

「固定金利」程の安定性はありませんが、「変動金利」の場合でもある程度の安心感を持ってローンを組むことができるようになっているのです。

誤解3.未払い利息が出るので危険

良くある誤解の3つ目は、「未払い利息が出るので危険」というものです。

「未払い利息」とは、金利の急上昇が発生した際に、毎月の支払額の内、返済額よりも利息額の方が多くなってしまう現象を言います。

「未払い利息」が発生した場合、返済金額を上回った部分の利息はその月に請求されることはなく、元金の返済が終了するまで累積されていきます。

そのため、複数回に渡って「未払い利息」が発生してしまうと、本来は完済するはずだった期間を超えても継続して累積した利息分の支払いを行うことになります。

ただし、この「未払い利息」は「変動金利」タイプの仕組みから言えば発生する可能性はゼロではありませんが、「誤解1」の解説でご紹介した通り、現時点の日本経済では金利を急上昇させるような市場の急激な加熱が発生する可能性は低いため、「未払い利息」が発生する可能性もほとんどないといってよさそうです。

また、「誤解2」でも解説した通り、「5年ルール」と「1.25倍ルール」の適用によって、金利の短期的な上昇や大幅な金利の上昇についてもリスク対策が施されているため、この問題についてもそれほど深刻に頭を悩ませる必要はなさそうです。

誤解4.国債が暴落したら金利が上がるので変動金利も上昇する

良くある誤解の4つ目は「国債が暴落したら金利が上がるので変動金利も上昇する」というもの。

「誤解1」で解説した通り、「変動金利」は「短期プライムレート」という基準を利用して金利の決定をしているため、国債が暴落しても変動金利が上昇することはありません。

「変動金利」を選択する場合には、「短期プライムレート」を意識し、国債の額は「変動金利」タイプの金利には影響しないことを覚えておきましょう。

誤解5.変動金利は固定金利に変えられない

良くある誤解の5つ目は、「変動金利は固定金利に変えられない」というものです。

「変動金利」を選択した場合には、「長期固定金利」や「短期固定金利」の金利タイプに変更できないと思われがちですが、実際は「変動金利」タイプの住宅ローンを組んでいても、返済期間の途中で固定金利タイプに変更することは可能です。

市場状況を確認していく中で、この先金利が上昇して「変動金利」では利息額が高くなりそうだと判断した場合は、「固定金利」タイプの住宅ローンに変更することでお得に住宅ローンの返済を行うことができます。

ただし、金利タイプの変更を行う場合には、「借入残額」が多く残っているタイミングで金利タイプの見直しをするように注意すべきです。

金融機関に支払う利息額は「金利」と「借入残額」を元に算出するため、金利タイプを変更するタイミングが遅くなるほどに「借入残額」が少なくなり、最終的に支払う利息額への影響が少なくなってしまうのです。そのため、金利タイプの変更を考えている方は、できるだけ早めに変更をすることをおすすめします。

ここまで「変動金利」に関する5つの誤解について解説してきました。

これまでの解説内容から変動金利のメリットについてまとめると、「変動金利」は「固定金利」と比較して金利が低く設定されているため、より安い利息額でローンを借りられることや、市場経済の影響で金利が下がると利息額も減少する点がメリットとして挙げられます。

また、短期間で金利の変更があった場合にも、「5年ルール」で5年間は金利が固定されること、金利の見直しタイミングで金利の急上昇が発生した場合でも、「1.25倍ルール」により支払額の上限は過去の支払額の1.25倍で固定されるなどのメリットがあります。

一方のデメリットは、金利の見直しタイミングで金利が上昇すると利息額が増加してしまうことや、金利が急上昇して利息額が月々の元金返済額を上回った場合に「未払い利息」が発生してしまうことが挙げられます。

また、「変動金利」の場合は月々の支払額を決定する金利を5年ごとに見直すため、最終的にいくらの利息を払うのかが完済するまで把握できないという点もデメリットの一つです。

メリット
  • 「固定金利」と比較して金利が低く設定されている場合が多く、より安い利息額で有利にローンが借りられる。
  • 市場の影響で金利が低下すると、月々の利息額を減らすことができる。
  • 「5年ルール」の適用により、5年間は安定した金利でローン返済が行える。
  • 「1.25倍ルール」の適用により、金利の急激な上昇があっても過去支払額の1.25倍までの支払額となり、家計に急激な圧迫を与えることがない。
デメリット
  • 金利の見直しタイミングで金利が上昇すると利息額が増えてしまう。
  • 金利が急上昇して元金の返済額を上回ると「未払い利息」が発生してしまう。
  • 5年おきに金利の見直しが行われるため、最終的に支払う利息額の総額が完済するまで把握できない。
1-2-3-2.支払いのシステム

それでは、「変動金利」を利用して住宅ローンを組んだ場合の返済例をご紹介します。

今回は、住宅購入のために銀行から「変動金利」で3000万円を借入れ、初年度は年利1%、6年目に0.8%、11年目には1.5%に金利が推移し、「元利均等返済」で毎月10万円ずつ返済するケースを例にご説明します。

変動金利の支払い例:
  • 金利タイプ:変動金利
  • 借入額:3000万円
  • 当初年利(5年間) :1%
  • 6年目年利(5年間) :0.8%
  • 11年目年利(5年間) :1.5%
  • 返済方法:元利均等返済
  • 月の支払額: 10万円

まず利息額についてですが、今回の例では当初の金利は年利1%が適用されているため、返済1ヶ月目の利息額は24,657円となります。

また、元金の返済額は元利均等返済の場合、月々の返済額10万円から今月分の利息額を引いた差額となるため、返済1ヶ月目の元金返済額は75,343円となります。

上記の計算の通り、本ケースの返済1か月目の支払いでは支払額10万円に対して元金:75,343円、利息:24,657円の内訳で支払いを行います。

「変動金利」の場合、当初の5年間は引続き1%の金利で月々の返済を行い、5年間が経過したタイミングで金利率の見直しを行います。

今回のケースでは、5年間が経過した6年目(61ヶ月目)に金利の見直しを行ったところ、年間の金利が0.8%に減少している例で引続き計算を行います。

見直しを行った0.8%の金利で6年目(61ヶ月目)の計算を行うと、月々の支払額10万円に対して元金は83,320円、利息は16,680円となります。

金利が下がったことにより、最初の5年間よりも利息額が減少し、より多くの元金を返金できていることがわかります。

続いて、さらに5年が経過した11年目(121ヶ月目)に金利の見直しを行い、金利が1.5%に上昇していた場合の例で計算してみます。

見直し後の1.5%の金利で11年目(121ヶ月目)の計算を行うと、月々の支払額10万円に対して元金は75,009円、利息は24,991円となります。

10年間の支払いを続けたことで元金の残額は減っていますが、金利が当初の年利よりも0.5%上昇していることから、利息額がこれまでで最も高くなっていることがわかります。

月間支払額のシミュレーション:
  • 返済1ヶ月目  :支払額10万円(元金:75,343円、利息:24,657 円)
  • 返済61ヶ月目  :支払額10万円(元金:83,320円、利息:16,680円)
  • 返済121ヶ月目 :支払額10万円(元金:75,009円、利息:24,991円)

更に1年あたりの支払い総額から見てみると、年利1%が適用された返済1年目では、年間支払総額120万円に対して元金は908,215円、利息は291,785円であるのに対して、年利0.8%が適用された返済6年目の場合では、元金は1,003,465円、利息は196,535円、年利1.5%が適用された返済11年目の場合では、元金は906,240円、利息は293,760円となります。

年利が最も低かった6年目では利息の支払額が最も安くなり、元金の返済総額が100万円を超えているのに対して、11年目では金利が 1.5倍になっていても、月々の返済額の内訳は初年度と同程度の金額に収まっていることがわかります。

年間支払額のシミュレーション:
  • 1年目支払総額  = 120万円 (元金総額:908,215円、  利息総額:291,785円)
  • 6年目支払総額  = 120万円 (元金総額:1,003,465円、利息総額:196,535円)
  • 11年目支払総額 = 120万円 (元金総額:906,240円、  利息総額:293,760円)

このように、「変動金利」の金利タイプを選択すると、市場の金利が低い場合には有利に元金の返済を行うことができますが、市場の動向によっては金利が上昇して多くの利息を支払う可能性があり、最終的に支払う利息の総額が見通せないという特徴があります。

「変動金利」の金利タイプを利用する際は、市場状況をよく確認して利用の有無を判断する必要があります。

2.住宅ローン金利の決定要因

ここまでは、住宅ローンの種類や特徴についてご紹介してきました。

ここまでの説明で住宅ローンの種類については理解できたと思いますが、住宅ローンを契約する際、どのような時にどの金利タイプを選択すれば良いのでしょうか?

損をせずに最適な金利タイプを選択するためには、金利のメカニズムをしっかりと知る必要があります。

これまでご紹介した「長期固定金利」「短期固定金利」「変動金利」の金利タイプにはそれぞれ異なった特徴がありましたが、3つの金利タイプの共通点として「金利は社会情勢に影響を受ける」ことがあります。

特に「長期固定金利」や「短期固定金利」などの「固定金利」は「国債の利回り」の影響を受け、「変動金利」の場合は「短期プライムレート」の影響を受けて金利の利率が決定されます。

ここからは、住宅ローンの金利のメカニズムを理解するために、銀行が収益を上げる仕組みや、住宅ローンの金利に影響する「国債の利回り」と「短期プライムレート」の仕組みについてご紹介します。

2-1.銀行の収益システム

ここでは、住宅ローンの金利率を決定づける要因となる、銀行の収益システムについてご紹介します。

銀行は預金したお金を安全に保管してくれるありがたい存在ですが、ただお金を預かるだけでなく、一般消費者や企業から預かったお金を運用し、発生した利鞘を取ることで収益を得ています。

銀行のお金の運用手段は多数あり、国債等への投資や一般消費者や企業への貸付などを行っていますが、住宅ローンも資金運用の手段の一つとして利用されています。

銀行が資金を運用する際に重視するポイントとして「利回り」があります。

銀行が国債の購入等の投資を行う際は、どのくらいの「利回り」があるかを事前に確認して投資対象を決めています。また、一般消費者や企業に貸し出しを行う際にも、市場の金利を確認したうえで、市場の金利より銀行に多くの「利回り」が出るように、市場の金利に少し上乗せした利率でローンの貸し出しを行っています。

一般的に、物やサービスなど市場で流通するものは需要と供給によって適正価格が決まります。金利についても同様に、需要と供給のバランスで利率が決定しています。

銀行では、「長期的な投資」と「短期的な投資」の性質別に異なった指標を確認し、住宅ローンの金利をどの程度に設定するか判断しています。

「長期的な投資」の場合は「10年物国債」の利回りを元に金利の設定を行い、「短期的な投資」の場合は「短期プライムレート」と呼ばれる指標を元に金利の設定を行っています。

ここからは、「10年物国債」と「短期プライムレート」が住宅ローンの金利決定にどのように影響するかについてご説明します。

2-2.長期/短期固定金利と10年物国債

ここでは、「長期/短期固定金利」の金利に影響を与える「10年物国債」についてご説明します。

「長期固定金利」や「短期固定金利」などの「固定金利」ついては、この「10年物国債」の利回りに連動するようになっています。

国債とは、国が発行する債券のことで、取引量や取引の流れも良く信頼性が高い投資対象として広く流通しています。「10年物国債」は10年に渡って投資と運用を行う国債を指し、「10年物国債」と「住宅ローン」は、銀行にとっての長期の資金運用手段である点が共通しています。

「10年物国債の利回り」は一般的に「長期金利」と呼ばれており、住宅ローンの「固定金利」はこの「長期金利」を基準にして設定されます。

投資を行う銀行の立場からすると、一般消費者や企業に貸し出すよりも、国債を購入した方が安全性と信頼性が高いため、「10年物国債」の利回りが良ければ国債に投資を行う方が有利にお金を運用することができます。

しかし、「固定金利」タイプの住宅ローンの場合、「10年物国債の利回り」に上乗せした「利率」で「金利」の設定をしています。これにより、「10年物国債」と「固定金利」の住宅ローンを比較した場合、住宅ローンの方が銀行としての利回りが良くなるため、「固定金利」の住宅ローンの貸し出しを行っているのです。

この「長期金利」は、市場経済などの影響で金利が上下します。

このため、「固定金利」タイプの金利の動きが気になる方は、「10年物国債」の推移を確認することで、「固定金利」タイプの住宅ローンの金利動向を読み取ることができます。

2-3.変動金利とプライムレート

ここでは、「変動金利」の金利に影響を与える「短期プライムレート」についてご説明します。

「短期プライムレート」とは、銀行が優良だと判断した企業を対象に「1年以内の短期の貸出し」を行う際に設定する、最も優遇した金利のことを言います。

「短期プライムレート」は、銀行が資金調達に必要となったコストや、市場の状況などを総合的に判断して決定されます。一般的に、資金調達に必要なコストは各銀行によって異なるため、銀行ごとに発表するプライムレートにはある程度の差はありますが、大手の銀行が発表したレートを基準に各地方銀行もそれに従ってレートを発表する流れとなっています。

この「短期プライムレート」は、銀行が資金調達をする仕組み上、日本銀行が実施する「政策金利」の影響を受けます。「政策金利」とは、金融機関同士でお金のやり取りをする際に適用される金利のことをいいます。

「政策金利」は日本銀行が市場景気の状況を確認してコントロールしており、景気が良い時には金利を高く設定して景気の引き締めを図り、景気が悪い時には金利を低く設定して経済の活性化を促すように調整を行っています。「短期プライムレート」は銀行が資金調達に必要となったコストが反映された金利であるため、「短期プライムレート」の金利は「政策金利」の影響を大きく受けることになります。

各銀行が発表する「変動金利」の利率は、この「短期プライムレート」の金利に上乗せをする形で決定されます。「短期プライムレート」は各銀行が資金調達に使用したコストや市場状況を考慮して適用した数値ですが、「変動金利」タイプの住宅ローンの場合、銀行の利回りを得るために、この「短期プライムレート」の金利に1%程度上乗せした金利を基準として設定しています。「変動金利」に適用される利率は、「短期プライムレート」の発表に合わせて半年に一度の周期で見直しが行われます。

このため、「変動金利」タイプの住宅ローンの金利の動きが気になる方は、「短期プライムレート」の推移を確認することで、「変動金利」タイプの住宅ローンの金利動向を読み取ることができます。

3.住宅ローンを選ぶ上で注目すべき情報

ここまで、住宅ローンの種類や金利決定のメカニズムについてご紹介してきましたが、住宅ローンを選ぶ上で注目すべき3つの情報が存在します。

ここでは、住宅ローンを選ぶ上で注目すべき3つの情報、「社会情勢」「日本銀行の金融政策決定会合」「長期国債利回り」についてご紹介します。

社会情勢

注目すべき情報の1つ目は「社会情勢」です。

これまでご説明した通り、金融商品などの「金利」は、住宅ローンの金利に限らず市場景気や社会情勢による影響を多大に受けます。

景気の波は常に揺れ動いていますが、金利は景気の状況に追従して上下します。景気が良くなると市場の消費活動や投資が増えるため、金利が上昇していく傾向にあります。また、景気が悪くなり市場の支出や消費活動が減ると、金利も下がっていく性質を持っています。

住宅ローンをうまく選択して最大限に活用するためには、日頃から積極的にニュースや新聞などから情報収集を行い、現在の社会情勢が好景気なのか不景気なのかを把握し、時代の流れに乗ることで今後の金利の流れを掴んでおくことが重要となります。

日本銀行の金融政策決定会合

注目しておくべき情報の2つ目は「日本銀行の金融政策決定会合」の動向です。

「金融政策決定会合」は年に8回開催される日本銀行の会合で、金融政策の運営について協議して政策内容の決定が行われる場です。この会合の中で市場の動向などについて協議が行われ、物価の高騰や景気の過熱がある場合は、金利を引き上げて景気の引き締めが行われ、逆に景気が落ち込んでいる場合は金利を下げて消費を促すなど、「政策金利」を利用した対応が取られます。

日本銀行の「政策金利」は「変動金利」の金利を決定する基準となる各銀行の「短期プライムレート」に大きな影響を与えるため、「変動金利」タイプの住宅ローンを検討している方や、金利タイプの切り替えを検討している方は注意して動向を確認する必要があります。

長期国債利回り

注目しておくべき情報の3つ目は「長期国債利回り」の動向です。

「長期国債利回り」の動向は、銀行が「長期固定金利」や「短期固定金利」などの「固定金利」タイプの金利を設定する際の指標となっているため、非常に重要な情報です。

「固定金利」タイプの住宅ローンの場合、「長期国債の利回り」に金利が連動しています。そして「長期国債の利回り」は、買い手と売り手の需要と供給のバランスで決まっています。

一般的に、長期国債の買い手がおらず需要が少ない場合は債権の値段が下がり、国債の利回りは上昇して住宅ローンの金利も上昇します。また、買い手が殺到して需要が多い場合は、国債の利回りが低下して住宅ローンの金利も下がります。

「長期国債利回り」は「固定金利」タイプの住宅ローンの動向に大きな影響を与えるため、この需要と供給の仕組みについて理解し、日頃から積極的に情報収集をして「固定金利」タイプの金利動向の確認を行いましょう。

まとめ

今回の記事では、住宅ローンの「長期固定金利」「短期固定金利」「変動金利」のそれぞれの金利タイプと、各住宅ローンの金利が決定される仕組みについてご説明しました。

住宅ローンは、住宅という高価な品物を手に入れるための資金調達の手段であり、住宅を私たちの手の届きやすいものにしてくれる便利なシステムです。

住宅ローンで損をせず、その時の景気状況に合った最適な金利タイプの選択ができるように、住宅ローンの種類や特徴と現在の景気動向をしっかりと把握しておきましょう。

著者について

株式会社Housmartマンションジャーナル編集部
中古マンションの購入・売却仲介手数料が最大無料になるWEB不動産「カウル」を運営するスタッフが、物件探し、リフォームやリノベーションに役立つ情報、街の魅力、インテリアやDIYのテクニックをお伝えします。

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