不動産売買の仲介手数料とは?計算式とその目的【今更聞けない不動産用語】

2017.07.07
不動産売買の仲介手数料とは?計算式とその目的【今更聞けない不動産用語】
不動産売買の諸経費において、最も高い不動産仲介手数料。この仲介手数料はそもそも何のために支払うお金なのでしょう。

<> 今回は仲介手数料が何のためのお金なのかという説明から、仲介手数料の計算方法、そして計算方法の背景まで分かりやすく解説していきます。

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)

仲介手数料とは

新築マンションとは異なり、中古物件の売買が成立すると不動産仲介業者に対して、仲介手数料を支払う必要があります。不動産の取引には、不動産の土地や建物の情報の確認や、契約書の作成、契約内容の確認など、多くの手順が必要であり、そのためには不動産の取引を行うには、専門の知識や経験が必要です。

通常、個人同士で取引を行う中古物件の売買では、売主と買主の間にそのような専門的な知識や経験を持った不動産仲介会社が入り、不動産の取引を行うための手順を行ったり、必要な情報を提供したりすることで、不動産の取引を安全に成立させることができるようになります。

不動産の仲介手数料とはそのための対価として支払われる費用です。

仲介手数料の計算方法とは

仲介手数料には、実は物件価格の 3% + 6万円までという上限金額が設定されています。多くの人にとって不動産取引というものは馴染みのない取引であるため、そこにつけ込んで不動産業者が過剰な手数料を請求しないように、つまり消費者保護のために宅地建物取引業法という法律で明確に定められている上限になります。

しかし、どんな物件であっても、物件価格の 3% + 6万円の上限が適用されるわけではなく、400万円以下の物件については、仲介手数料の上限を決めるために別の計算式が使われます。 具体的には200万円以下の場合 、200万円より高く400万円以下の場合、400万円より高い場合の3つのパターンで異なり、それぞれ以下の表の通りとなっています。
物件価格 仲介手数料
200万円以下 5%
200万円より高く400万円以下 4%+2万円
400万円より高い 3%+6万円

なぜこのような上限設定になっているかというと、低価格の物件においても3%を適用してしまうと手数料が少なくなり過ぎてしまうために、このように傾斜をかけているのではないかと考えられます。

6万円の謎

最後に、仲介手数料の計算式の中にある3%+6万円の「6万円」がどこから出てきたものかについて解説します。
① 200万円以下の場合、② 200万円より大きく400万円以下の場合、③ 400万円より大きい場合で、それぞれ仲介手数料のパーセンテージは5%、4%、3%となっていました。
② については、4% + 2万円で計算されていましたが、この2万円は実は以下のように計算されたものとなります。

200万円 * (5%-4%)= 2万円

200万円を超えると仲介手数料の上限は5%から4%に下がってしまうのですが、200万円部分については、5%で計算してあげようねということで、差分の1%を200万円にかけた2万円を足すことで調整しているのです。
③ についても同様で、400万円以上の物件では以下のように6万円という固定額が算出されているのです。

200万円 * (5%-3%)+ 200万円 * (4%-3%)= 6万円

まとめ

中古の不動産取引は個人間での取引になるため、安心して取引を行うために、不動産仲介業者が間に入る必要があります。
その結果として新築不動産の購入にはない仲介手数料という高額な経費が発生します。仲介手数料の金額を取引の前にきちんと把握することで、交渉時のトラブルも避けることができます。【おすすめ記事】中古マンション購入のメリット・デメリットについて売買のプロが徹底整理!
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マンションジャーナル編集部

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