【固定金利】フラット35と民間金融機関の35年固定、どっちがお得?

2017.06.10
住宅ローンをどこで借りるのかを検討するのは、住宅購入時の大きな悩みの一つになります。数千万円単位でお金を借りる機会があるのは、普通の人にとっては家を買う時ぐらいですから、人からのアドバイスを貰うことはできても、自分の経験に頼ることはできません。銀行、ネットバンク、信用金庫、そしてフラット35など非常に多くの選択肢がありますが、仮に固定金利を選ぶとしたら、フラット35と銀行が融資してくれる35年間固定金利のローン、どちらのほうが良いのでしょうか。

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)

フラット35の強みは「安心感」

最近利用者も増えているフラット35ですが、まずどういった期間がこの住宅ローンの融資を行っているかを確認しておきましょう。フラット35の融資を行っているのは住宅金融支援機構と、そこと協力体制を持つ銀行などです。住宅金融支援機構だけではなく、大手のメガバンクやネットバンクでもフラット35の融資を行っている金融機関は数多くあります。フラット35は金利を固定にすることで、返済計画を個人が立てやすくし、質の良い住宅を国民が買いやすくすることを主眼においた住宅ローンとなっているのが最大の特徴です。一般的な金融機関は、利益の追求のために活動を行っていますが、住宅金融支援機構は、利益の追求ではなく、融資をできるだけ多くの人に行うこと自体が目的なのです。そのため融資が一般的な住宅ローンよりも受けやすいと言われています。普通の住宅ローンの場合、金融機関が最も重視するのは、債務者の返済能力です。返済されなかった場合は、損失が発生するので、利益を追求する組織としては当然と言えるでしょう。しかし住宅金融支援機構は、利潤よりもできるだけ多くの人に融資をすることが存在意義となっているので、融資に関する審査条件は比較的ゆるいと言われています。債務者の収入、勤務歴、担保力などもちろん一定の審査がありますが、そういった条件よりも「質の良い住宅であるかどうか」が最も重視されます。それだけに一定の条件を満たす住宅を購入するのであれば、審査も通りやすく、金利も固定なので買う方にとっても安心です。また住宅金融支援機構の運営が半官半民的な組織であるという背景も、買う方にとっては倒産のリスクを考えずに済むというメリットがあります。

民間金融機関の強みは「柔軟性」

一方でメガバンクや地方銀行、そしてネットバンクなどで35年固定ローンの融資を受けるメリットには何があるでしょうか。まずフラット35とは審査基準が違い、その人自体を見ます。フラット35は長期優良住宅などに優遇がありますが、個人の属性をあまり見てくれないために、高い年収や資産があったとしても、住宅が容積率オーバー、耐震基準を満たしていないと言った、技術基準に満たないものには融資をしてくれません。一般の金融機関が使えない時に、フラット35を利用することが多いですが、その逆もまた然りと言えるでしょう。また銀行などの場合は、大変フットワークが軽く、新規商品の開発にも積極的に取り組んでいます。フラット35は団体信用生命保険への加入が必須ではありませんが、その分団信を付けるとかなりの保険料となりますし、繰り上げ返済も100万円単位でしか行えないなど、実は不自由な面が色々とあります。団信が最初から就いていないのは、その分の保険料を削減できるともいえますが、万が一の家族のことを考えると大抵の人が付けたくなるものでしょう。フラット35という半官半民の住宅ローンならではの融通の利かなさと比べれば、民間の住宅ローンのほうが固定金利でも柔軟な運用をしやすいといえるのです。

まとめ

フラット35は安心感、民間の住宅ローンは柔軟な返済や運用といったメリットがあります。どちらが良いのかは個人の志向や、勤務先、収入の状況によっても変わってくるでしょう。それぞれの説明をファイナンシャルプランナーなどにしっかりと聞いて、自分にあったものを決めるようにしましょう。
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マンションジャーナル編集部

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