マンションジャーナル

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世帯課税方式が実現されると、マンション売買にどんな影響があるのか?

世帯課税方式が実現されると、マンション売買にどんな影響があるのか?

近く自民党の有志議員で勉強会がスタートする「世帯課税方式」。将来、この税方式が導入されると、シングルやDINKS用のマンションの売却は難しくなるかもしれません。

課税方式がマンション売却に影響を及ぼすとはどういうことか?意外と思われるかもしれませんが、編集部ではこんな仮説を立てて、これからのマンション購入について考えてみました。

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世帯課税方式とは

世帯課税方式とは「N分N乗方式」とも呼ばれ、自民党の有志議員が近く勉強会をスタートさせる予定の新たな課税方式です。

日本の所得税の課税方法は、所得が大きいほど税率が高くなる累進課税方式です。

税率は5%~45%まで7段階あり、課税所得195万円以下の場合は税率が5%、所得が上がるほどに税率が上がって、4000万円以上の課税所得に対しては45%の税率となっています。

今後検討される世帯課税方式では、所得を世帯で合計して家族の人数で割った(N分)金額で税率が決まります。そして、その税率で一人当たりの税額を決めてから、家族の人数をかけた(N乗)金額が世帯全体の税額とるものです。これが「N分N乗方式」といわれる所以です。

どのような違いがあるのか、実際に800万円の世帯所得がある家庭を例に、今の方式と世帯課税方式で計算して比べてみましょう。

累進課税方式

800万×0.23=184万

※800万円の所得に対する税率は23%です。

※扶養・控除制度は無視した単純計算をしています。

世帯課税方式(4人家族の場合)

800万÷4人=200万

200万×0.10=20万

20万×4人=80万

※200万円の所得に対する税率は10%です。

※扶養・控除制度は無視した単純計算をしています。

800万円の所得がある場合、現在は単純計算で184万円が税額ですが、世帯課税方式ですと家族が4人であれば税額は80万円になり、104万円も減額されます。一方で、単身者の場合は、家族の人数で割ることができませんので、世帯課税方式でも現在と同じ184万円が税額となります。

このように、世帯課税方式では家族の人数が多いほど所得税が軽減されるため、少子化に歯止めがかかる新しい課税方式として期待されているのです。

実際、フランスではこの課税方式が1946年に導入され、少子化に歯止めをかけたといわれています。フランスも第二次大戦後、深刻な少子化現象に悩まされていました。しかし、長年にわたる少子化対策の成果で、フランスの合計特殊出生率は2014年には1.98となり、1.42の日本を大きく上回っています。このフランスの少子化対策のひとつが、世帯課税方式だったのです。

狭い物件は敬遠される?

もし、世帯課税方式が日本で採用されたら、マンション市場はどうなるでしょうか。ここからが、編集部の仮説です。

税金対策だけで結婚するカップルや子どもを持つカップルが増えるというのは言い過ぎですが、結婚や出産に躊躇していたカップルが一歩を踏み出すきっかけになるとは考えられないでしょうか。

子どもを産むカップルが増え、また一人っ子だった家庭がもう一人、あるいはさらにもう一人と子どもを持つことになれば、より広いマンションが人気となるでしょう。

そうなると、単身者用や夫婦二人にちょうど良いDINKS用のマンションの需要は今よりも減り、ファミリー世帯向けのマンションがより一層人気になるかもしれません

世帯課税方式の今後の課題

この世帯課税方式にも課題はあります。この課税方式は、もともと税率が少ない中低所得世帯への効果は低いといわれています。

また、専業主婦が就業すると課税率が上がって不利になるという面もあり、世帯所得を増やさないために働くのを躊躇する主婦も増えるかもしれません。

これは、政府として女性の就労を進めている中で逆行した政策になるのではないかという意見も聞かれています。

勉強会がこれらの課題をどのように解決して、今の時代にふさわしい世帯課税方式を提案できるのか、今後の流れを見守りたいと思います。

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著者について

株式会社Housmartマンションジャーナル編集部
中古マンションの購入・売却仲介手数料が最大無料になるWEB不動産「カウル」を運営するスタッフが、物件探し、リフォームやリノベーションに役立つ情報、街の魅力、インテリアやDIYのテクニックをお伝えします。

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