マンションジャーナル

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超人気マンションブロガー・のらえもんインタビュー!!不動産テックによって不動産業界はどう変わるのか?

超人気マンションブロガー・のらえもんインタビュー!!不動産テックによって不動産業界はどう変わるのか?

新築マンションの値上りや品薄を背景に中古マンションの需要が伸び、大きく状況が変化している不動産市場。また不動産のみならず、それを扱う不動産会社にも「不動産テック」という新しい動きが出て来ました。

人気ブログ「マンション購入を真剣に考えるブログ」を運営し、消費者目線から有益な情報を発信し続けている超人気ブロガー・のらえもんさんに、前回に引き続き、不動産市場の動き、マンション購入の成功ポイントについてインタビューさせて頂きました。

前回記事はこちら >【のらえもんインタビュー!!これからのマンション購入に求められるものとは】

>>マンションを買うなら知らないと損するサービスとは?

不動産テックとはそもそも何か?

カウルスタッフ:のらえもんさんから見て、不動産テックに対するイメージはどのようなものですか?

のらえもん:不動産テックとは、IT技術によって不動産売買や賃貸、投資の仕組みそのものを変革しようとする取り組みのことです。

SUUMOやHOME’sなどの不動産ポータルサイトの出現により、住宅情報誌は無料誌を除いて姿をほとんど消しました。いまや家探しのスタートは折込チラシやDMの他は、ポータルサイトを見て決めるのは社会常識です。

ただ、ポータルサイトは物件の比較をスムーズに行えるようにしましたが、従来の不動産企業が顧客ですので不動産取引そのものを変革するという流れではありません。不動産テック企業はこれをもう一歩先にすすめて、情報の非対称性解消や内見/取引の効率化、意思決定スピードの迅速化などを進める企業でしょう。

いままで不動産業界はマンパワーをかけることにより収穫逓増を狙う社会でしたが、ネットとテクノロジー、そして社会的ニーズが合致すればマンパワーをかけずとも大幅な収穫逓増が狙えます。

現状は優秀な仲介マンほど、顧客からの問い合わせに対して忙殺されています。高い買い物ですから顧客側もさまざま細かい質問をしがちです。

こうした現状に、ITの力で仲介マンがすべて答えるのではなく簡単な質問や内見予約などはAIが代わって回答するなど、仲介マンの負担軽減とレスポンスを早めることにより、業界全体のサービスが向上するようになるといいですね。

どちらにしろ「いまよりもっと便利に・早く」という流れは止められないでしょう。

一方で、不動産はどこまでも「リアル」なものですから立地・人・対象物すべては実地に行かないとわからない部分もあります。また土地や家は日本人のプライドと強く結ぶついている部分でもあります。そのあたりを、どううまく折り合いをつけるかが求められているのだと思います。

不動産テックの課題点

カウルスタッフ:のらえもんさんは、不動産テックの課題はどのような点にあると思いますか?

のらえもん:不動産テック企業のインタビューでこれを言うのもどうかと思いますが、、、私が見えているのはあくまでも一面でしかないことを前置きして、不動産テックってなんとなく冷たくないですか(笑)?

たとえば、家を買ったときのことを想像してください。

家を購入する、これはとてもおめでたいことです。引っ越した後は、親・親戚・友人から祝福されて、記念品をもらったり新居に呼んで自慢する場所となります。そこに経済的な合理性がいるかといえば、、、実はさほどないのですよね。

となると、いま売買仲介系の不動産テックで多い、地域やマンション、もっといえば部屋単位で価値のスコアリングして一覧表示させているって行為そのものが、日本人にとって実に不都合なものではないかなぁと思ってしまうのです。人気か不人気か、もっといってしまえば価格ってのは買うとき売るときには必要なものですが、それ以外のときはまったく必要ない情報なんですね。

同級生から来る年賀状で目新しいマンション名が書いてある、どれ検索してみようとしたら「この部屋の時価はいくらです!」とばばーんと載ってたら・・・それはあまり気持ちのいいものではないんですよ。表示させるにも見せ方の問題ってのはあると思いますね。

また現状では重要事項説明は対面であることを義務付けられていますが、これはネット企業にとってはコストアップの原因となります。不動産テック企業はITによるコスト削減の果実を仲介手数料の割引や定額制として消費者に提供しているので、なるべく対面回数を減らさないと、既存の不動産仲介店に比べてコスト負けしてしまいます。このあたりの法整備やIT流通が可能な仕組みが整うといいですね。

不動産テックとマンションのこれから

カウルスタッフ:のらえもんさんが今後、不動産テックに期待したいことを教えてください

のらえもん:上記指摘させていただいたことを踏まえると、まずはじめの段階で立ち上がってくるのは1取引単価が安く永住目的ではない「一人暮らし賃貸マーケット」と「トランザクションコストを下げたい個人向け不動産投資マーケット」がまず有望ではないかと考えてます。この2つは従来のポータルとはまた違った形態でも、一定以上の合理性があれば馴染みやすいでしょう。

また、VRリフォーム・VR家具配置などの、内覧業務などが無く、かつ出来上がりを予想しにくいけど失敗できないワンメイクの業界とも非常に相性が良いでしょう。リフォームは失敗できませんが、発注段階では完成が目に見えません。VRはこの差を吸収できますし、更なる売り上げにも繋げられそうです。

売買仲介の部門で考えるなら、宅地建物取引業法で定められた上限額が低すぎて、取引が低調となりがちな低価格帯マーケットがまず有望かもしれません。地方や郊外の中古マーケットがなかなか成立しないのは、手数料が低すぎて優秀な人がやっていられない現実があって、そこをネットを使うことにより取引が成立するようになれば活用方法も産まれてくると思うのです。底辺が固まれば次第に高額のマーケットにも応用できる気がします。

高所得のサラリーマン層がメインターゲットになる4000~7000万円くらいの首都圏中古マンションマーケットにおいて最大の課題は、新築物件に対して中古物件は物件そのものの情報が圧倒的に不足していることです。

この辺りの価格帯になると、判断材料をマイソク1枚(不動産屋の窓に貼ってあるA4一枚の資料のこと)で決定できる人は元々情報を持っている地元の人以外はなかなかいません。

不動産テックが進み、新築並みの情報や過去の取引履歴が一般消費者の立場からも確認できるようになれば、意思決定しやすくなると考えます。

そして不動産テック企業一番の課題は、知名度や消費者がサービスにたどり着くまでのIT障壁ですが、そのあたりはぜひ突破して欲しいですね。

のらえもんさんにとって「マンション」とは何でしょうか

カウルスタッフ:のらえもんさんはなぜ、マンション購入のブログを始めようと思ったのでしょうか?

のらえもん:もともと、私は掲示板サイト「マンションコミュニティ」に書き込む一人でした。ある日、匿名で書き込んでも自分の行動記録として残らないなぁ、そう考えていた時にあの震災がありました。

震災後の湾岸タワーマンションに対する世間の目は大変厳しいものでした。世の中すべてが僕のことを否定している、そう感じたので自分で肯定するメディアを作ったのです。

単純に湾岸地域ブログを書いても良かったのですが、モデルルーム行くの大好きですし、マンション購入と結びついていた方が注目も集まります。

書いた当時を思い出してみると「プラウドタワー東雲」「バンベールルフォン辰巳」「湾岸タワーレックスガーデン」「シティータワーズ豊洲ザ・シンボル」「ザ・パークハウス晴海タワーズ クロノレジデンス」「ブリリア辰巳キャナルテラス」「ブリリア有明スカイタワー」「ブランズ東雲」こうしたマンションが震災前後で売り出されていたものですから、ネタにまったく困らなかったという理由もあります(笑)

マンションを取り上げれば、湾岸を選ぶ住民も増える。湾岸を選びたい人はたぶん、僕のブログも見る。その時に安心材料の一つになればいいんじゃないか、そんな気持ちですね。

どこかのタイミングで卒業すると思っていたのですが、いつの間にか5年経ってしまいました。でも、永遠に続くわけではないのでどこかで卒業しないとなぁとは思っています。

購入のビフォー・アフター

カウルスタッフ:マンションを購入する前後で、のらえもんさんの中で変わったことはどんなことですか?

のらえもん:うーん、なんでしょう?とりあえず自分の家に早く帰りたくなりましたね。

以前住んでいた賃貸マンションは駅徒歩1分で交通利便性は申し分なかったんですよ。でも、自分の家という感覚は無かったですし、それよりも飲みに行きたかったですね。購入したら家に帰るのは早くなりましたよ。良質な部屋は健康にもいいですし、生活のレベルが確実に1段あがるんですね。冬は床暖房付けっぱなしで過ごしていますが、本当に快適なんですよ。カーテンは基本あけっぱなしですしね。

あと、タワーマンションの中でいろんな人に出会えることも魅力的です。学校や会社とはまた別の人付き合いですよね。

カウルスタッフ:それでは最後の質問になります。ズバリ、のらえもんさんにとって「マンション」とは何でしょう?

のらえもん:それ、案外難しい質問だな、、、これをお聞きした編集の方にとって意外かもしれませんけど、私にとって「マンション」って単なる自由研究とか趣味の一つなんですよ。細かく見ていけば、相当奥が深いものですけどね。

マンション選びって資産性とか利便性だけでなくて、ライフスタイルとかプライドとか、そういう人生のエッセンスみたいなものがぎゅっと詰まったものだと思うんですよね。だから絶対的な正解はないし、満足してしまえばそれでOKなんですよ。酒飲みながら一晩中語れる、そういう趣味です、はい。

カウルスタッフ:のらえもんさん、この度は貴重なインタビューありがとうございました!

前回記事はこちら >【のらえもんインタビュー!!これからのマンション購入に求められるものとは】

【取材協力】のらえもん

湾岸妖精、住宅ブロガー。震災後の湾岸タワーマンションへの風評被害をきっかけに、東京湾岸地区を中心とした不動産総合ブログ「マンション購入を真剣に考えるブログ」を2012年1月に運営開始。以降、湾岸地区およびマンションに対する一貫した姿勢は多くの賛同者とフォロワーを生み、現在の湾岸回帰世論の一助となる。2015年、消費者の立場からマンション購入を論じた『本当に役立つマンション購入術』(廣済堂新書、2015年)を刊行。前掲ブログをはじめ、他サイトへの寄稿多数。2017年3月、消費者のための住宅購入応援活動「住まいスタジアム」のプロデュースを開始。

マンション購入を真剣に考えるブログ:http://wangantower.com/

住まいスタジアム:https://sumai-stadium.com/

著者について

株式会社Housmartマンションジャーナル編集部
中古マンションの購入・売却仲介手数料が最大無料になるWEB不動産「カウル」を運営するスタッフが、物件探し、リフォームやリノベーションに役立つ情報、街の魅力、インテリアやDIYのテクニックをお伝えします。

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