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マンションの耐震性について徹底解説!

マンションの耐震性について徹底解説!

マンション購入を検討する中で、必ずと言っていいほど話題に上がるのが「耐震性」です。

周知の通り日本は地震大国であり、気象庁のデータによると、震度1程度の小さなものも含めると、2016年の1年間で6,587回もの地震が起きています。

さらに、その中で震度6以上の大地震は10回発生しており、2016年は過去10年間で2番目に地震の多い年となりました。

《参考:気象庁HP

最近はニュースなどで、首都圏に大きな地震が起きる可能性が高いと言われており、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

首都圏直下型の地震については、「マグニチュード7クラスの地震はいつ起こってもおかしくない」「マグニチュード7クラスの地震は30年以内に70%の確率で起こる」と言われており、今から十分な対策と心構えが大切です。

地震によって自宅が壊れてしまうのか、どれくらいの揺れであれば耐えられるのか、物件の耐震性をあらかじめ理解しておくことで、地震による倒壊リスクを軽減することができます。

そこで今回は、来るべき日に備えるために、物件の「耐震性」についての考え方についてご紹介します。

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築年数と耐震性の関係

耐震性に関する判断軸はいくつかありますが、まず挙げられるのは「建築年(≒築年数)」です。

築年数が新しい方が耐震性も優れているようなイメージがありますが、結果的にその通りです。

ご存知の方も多いかと思いますが、1981年に耐震基準が改正され、より耐震性の高い建築が義務付けられました。

この法律改正前の物件を「旧耐震物件」、改正後の物件を「新耐震物件」と呼ぶようになりました。

また、「旧耐震」と「新耐震」の間には、1968年の十勝沖地震を契機に1971年に「改正旧耐震基準」も施行されました。

「改正旧耐震基準」では、建築物の柱の強度に関しての基準が定められ、阪神淡路大震災では、「改正旧耐震基準」によって倒壊を免れた建物がたくさんあったそうです。

「旧耐震」と「新耐震」の明確な違いは、震度5で倒壊しない基準が「旧耐震」、震度7で倒壊しない基準が「新耐震」と位置付けられている点にあります。

地震に対するリスクヘッジを考えるのであれば、「新耐震基準」で建設されたマンションを選ぶことをオススメします

ただし、この時に注意しなければいけないポイントがあります。

建築物は建てる前に設計図を役所に提出して建築確認申請を行うため、198161日の改正案が施行された後に申請が行われた物件かどうかを判断しなければいけない場合があります。

例えば、販売図面に「完成年:1982年」と記載があった場合、改正が行われる前に建築確認申請を出していたのか、改正が行われた後に建築確認申請を出したのかを確認することが重要になります。

これは、仲介会社の担当者に聞けば詳しく調べてくれますので、念のため、1982年~1985年くらいに完成したマンションについては、本当に新耐震物件かどうか確認してもらうようにしましょう。

また、耐震性とは別のお話になりますが、新耐震物件は『住宅ローン控除』の対象となるケースが多いため、その点においても選ぶ価値があります。

住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りて住宅を購入した際に、一定の条件を満たせば、毎年度末のローン残高の1%が所得税から控除される制度で、一定の条件というのは、①築25年以内であること②床面積が50㎡以上であることの2点になります。

耐震性が高くて安心な上に、減税措置も受けられるため、やはり新耐震物件が魅力的ですね。

建物構造と耐震性の関係

当然ながら、「建物の構造」も耐震性に深く関わっています。

まず、マンションの構造にはいくつか種類があります。

2-1 マンションの構造

マンションの構造で最も多いのはRC(鉄筋コンクリート造)です。

これは、圧縮力に弱い鉄筋と圧縮力に強いコンクリートを組み合わせて互いに補強し合うことで、強度の高い構造を実現するものです。また、コンクリートをメインに使っているため、建物の形状の自由度が高いのが特徴です。

また、S(鉄骨造)というのは、鉄骨で骨組みを作った後に、それに合わせて床や天井などを構成していく構造を指します。

建物強度が非常に強くなるのに加え、RCに比べて軽量で工期が短く済むのも特徴です。

そして、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート造)とは、鉄筋コンクリートと鉄骨コンクリートの長所を足し合わせたような構造で、中高層マンションに多く使われています。

関連記事:【意外と知らない!】RC造、SRC造とはどんなものか?

また、築年数が経過しているような物件で、躯体にヒビが入っている場合も要注意です。

雨水などが浸水し、内部の鉄筋が錆びやすく、結果として躯体や骨組みの老朽化が進むため、耐震性が弱くなってしまうからです。

2-2 マンションの形状

上記の建物構造に関連して、「建物それ自体の形状」も耐震性と関連があります。

一般的には、箱型のシンブルな形状のマンションが最も耐震性に優れていると言われていますが、最近のデザイン性に富んだマンションには、形状が独特なものもたくさんありますね。

また、「斜線制限」という法律によって、真上に建物を伸ばせないために斜めに伸ばしている(=セットバック)マンションも近年では増えてきています。

そのマンションを真上から見た時に、四角形ではなく、T字型やコの字型になっているマンションは、耐震性に優れているとは言えません。

(出典)建築家のための耐震設計教本(日本建築家協会都市災害特別委員会編)

また、「ピロティ」と呼ばれる1階部分に壁がなく、柱のみで支えている構図もありますが、中には緻密に設計されて一定の耐震性があるピロティもあるようですが、一般的には耐震性が脆弱であると言われています。

阪神淡路大震災や熊本地震の際には、ピロティ形式のマンションの倒壊が特に目立ち、その脆弱さが露呈する形になりました。

築年数の若い、新耐震物件であっても被害は多かったようです。

一方で、東日本大震災の際、ピロティ形式のマンションは津波による崩壊がほぼ見られなかったそうです。

1階部分が吹き抜けになっていることで、水の通り道となり、建物が受ける衝撃が緩和されたのです。

沿岸部においては一種のリスクヘッジになりうるピロティですが、都市部では耐震性に不安が残りますね。

《1階部分を通用口や駐車場として使用しているピロティ》

2-3 「免震」「制震」「耐震」

マンションの地震への強さを表す言葉として、「免震」「制震」「耐震」の3種類があります。

それぞれの違いは下記です。

「免震」:地震の揺れを受け流す

「制震」:地震の揺れを吸収する

「耐震」:地震の揺れに耐える

「免震」や「制震」は、高層マンションで採用されているケースを除いて、一般的なマンションではあまり使われていません。

建物に揺れを伝えないような設計がなされている「免震構造」が最も室内の揺れが小さく、震度6レベルの地震が起きても、室内の家電製品が倒れることも少ないほどの耐震性能を誇ります。

地盤と耐震性

ここまで「建物」に焦点を当てて耐震性をチェックしてきましたが、意外と見落としがちなのが、「地盤の強さ」です。

マンション自体の耐震性が十分でも、地盤が弱ければ、元も子もありません。

地盤の良し悪しは、その地盤の固さで決まります。

固い地盤の方が地震による揺れを軽減できる一方で、柔らかい地盤(軟弱地盤)だと揺れを増幅させてしまうため、耐震性の観点から見ると、優れているとは言えません。

また、東日本大震災においては、「液状化」が大きな問題として取り上げられたことも記憶に新しいですが、実は液状化の起きやすい砂質土は、通常時は比較的良い地盤だとされているため、非常にややこしい問題なのです。

砂質土は、普段は十分に建物を支える力があるものの、地震の揺れによって砂と砂の結合が弱まり、地下水と混じり合うことで、泥水となってしまい、それが液状化の原因となります。

海辺や埋立地では特に液状化は起きやすいため、不安な方は避けた方がいいかもしれません。

耐震性をチェックする方法

これまで耐震性について、建物と地盤の観点から述べてきましたが、個人で耐震性をチェックできるような知識を持っている人はほぼいません。

では一体、どうチェックすればいいのでしょうか?

4-1 耐震基準適合証明書

耐震基準適合証明書とは、その名の通り、建築物が耐震基準を満たしていることを証明する書面です。

耐震診断を行い、基準を満たしている住宅に対して発行されるものなので、基準を満たしていない住宅は耐震改修工事が必要だということです。

耐震診断には、大きく分けて「構造部材」と「非構造部材」の2種類に対する耐震診断があります。

構造部材とは、柱や梁、壁などの建物を形作る部材であり、部材ごとに耐震性を備えているかをチェックします。

一方で非構造部材とは、地震によって外壁などが剥がれ落ちて落下した際に、直接人を傷付けたり、避難経路を塞ぐことがないかをチェックします。

建物の設計図や竣工図、建築確認申請書、構造計算書などを揃えた上で、まずは図面から読み取るレベルの簡易的な一次診断を行い、そこから二次診断、三次診断と進んでいくわけです。

こうして、マンション全体の耐震性を測ることによって、そのマンションが耐震基準に適合していた場合、「耐震基準適合証明書」が発行される流れとなります。

耐震基準適合証明書は、マンションの販売元の不動産会社がすでに証明書を取得しているケースもあるので、まずは仲介会社の担当者に依頼してみてください。

不動産会社が取得していない場合、買主が個人的に取得せねばならず、およそ6万円の費用がかかります。

こちらの費用をかけても、下記のようなメリットがありますので、是非取得して頂くことをオススメします。

・登録免許税の減額

・不動産取得税の減額

・旧耐震物件でも住宅ローン控除の対象になりうる

関連記事:住宅ローン減税・住宅ローン控除を使う為の条件とは

4-2 構造計算書の再検証

構造計算書とは、建築物などの構造上の計算結果・概要・仮定条件などをまとめた書類のことです。

建物を建築する際の建築確認申請時に提出する必要があり、構造物の安全性や使用上支障のないことを証明する書類となります。

多くの場合、耐震基準適合証明書を使いますので、こちらはあまりメジャーではありません。

築古マンションの行く末

4050年などの築古マンションの場合、注意しなければならないのが「マンションの寿命」に関わる問題です。

マンションの寿命についてはよく議題に上がり、30年や50年など様々な意見が存在します。

関連記事:30年のマンションを買ったら何年住めるのでしょうか?

築年数が古くなるにつれ、耐震性には不安が募りますが、実際に古くなったマンションはどうなるのでしょうか?

築年数が古くなったマンションが辿る道は、「継続的な大規模修繕」「建て替え」2択になります。

ほとんどの場合、「継続的な大規模修繕」が選択され、根本的な課題解決には至っていません。

理由としては、「建て替え」には非常に高いハードルがあり、実現するには相当な労力がかかるためです。

具体的には、まず住民の5分の4の賛同が必要になり、ここで大半のマンションがつまづきます。

「建て替えをして安心して暮らしたい」という人と、「お金もかかるし面倒だから嫌」という人の利害が衝突し、なかなか賛同が得られないのです。

反対理由としては、「費用負担」「引っ越しなどの手間に対する不満」などが圧倒的に多いようです。

それもそのはず。建て替えに要する費用は莫大で、そのマンションにもよりますが、60㎡のマンションで1,000~2,000万円ほどかかります。

国からの建て替えに関する助成金などの制度はありますが、住宅ローンの支払いも残る中で、個人にとってこの負担額は非常に重く、なかなか賛同できないのが実情なのです。

ちなみに、日本において「建て替え」が実施された例はごくわずかであり、平成284月現在で工事中を含めても250件にも満たないのです。流通している中古マンションの約2割が築30年以上のマンションと言われている中で、この件数がいかに少ないかが分かるでしょう。《参考:国土交通省HP》

耐震診断は義務ではない?

築年数のある程度経過しているマンションであれば、耐震診断は義務のように思われがちですが、実は耐震診断は必ずやらなければいけないという義務がありません

あくまで努力義務であり、耐震診断を実施していないマンションも多くあるのが実情です。

中古マンションの中でも築年数の経過している物件だと、耐震診断をしてもほぼ間違いなく既存の基準に対して「不適格である」という診断結果が出ます。

そうなると、耐震補強工事をやる必要があるわけですが、この工事には莫大なお金と手間がかかります。

関連記事:【必見!】多くのマンションで耐震診断が行われない本当の理由

また、既存不適格という診断結果が出ても、補強工事はこれまた努力義務であるため、診断だけして終わりというマンションも少なからず存在します。

莫大な費用がかかるにあたり、お金が足りなくて補強工事ができない(もしくはお金はギリギリあるものの、他に優先すべきことがある等)マンションもありますので、そもそもそのマンションにどれほどの修繕積立金が溜まっているのかも重要なポイントになります。

しかし、中には耐震診断が義務づけられているマンションもあります。

それは、平成23年に施行された「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例」によって定められました。

これは、災害時の緊急輸送道路や幹線道路に面したマンションが地震によって倒壊し、道を塞いでしまうような事態が起こると、避難・救助活動・消化活動・支援物資の搬送などに支障をきたすため、幹線道路沿いのマンションに対しては耐震診断を義務付けるという内容になっています。

条例施行の背景としては、1995年に起きた阪神淡路大震災の際に、幹線道路沿いの大型建築物が次々に倒壊して道路を塞いでしまい、救助活動や搬送などに大きな影響を及ぼしたことがあります。

例)国道246号線沿いのマンション

しかし、この耐震診断が行われても、やはり耐震補強工事は “ 努力義務 “ と位置付けられています。

しっかりと修繕積立金が溜まっていて、かつ修繕計画等が明確なマンションであれば、管理組合の議論の結果、耐震補強工事が行われる可能性もありますが、あくまでそのマンション次第というのが現状です。

幾度に渡る大震災を受け、人々の耐震に対する意識が変化しているのは確かですが、実際に工事を行うまでには高いハードルがあるのです。

まとめ

今回は耐震性についてご紹介しました。

あらかじめ概要を知っておくだけでも、耐震性の弱い物件を選んでしまうリスクは多少なりとも軽減するはずです。

地震の多い国に住むからこそ、軽視できない問題だと思いますから、不安な方は仲介会社の担当者に詳しく聞いてみてくださいね。

著者について

コンサルティングセールス谷鴻佑
仲介手数料最大無料の中古マンションWEBサービス「カウル」にて、中古マンションの購入・売却のコンサルティング営業を担当。
不動産に関する広範囲な知識を元に、分かりやすい情報提供と、お客様とって最高の家探し、マンション売却のお手伝いをしています。

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