サービスルームとは?エアコンはつけられるの?活用方法を解説します【今更聞けない不動産用語】

2017.05.02
サービスルームとは?エアコンはつけられるの?活用方法を解説します【今更聞けない不動産用語】
マンションの間取り図をみていると、「2LDK+S」という表示の部屋に気づくことがあります。
この「S」はサービスルームをあらわしています。サービスルームとはどのようなものでしょうか?
サービスルームのある物件のメリット・デメリット、その活用例をみていきます。

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)


サービスルームとは?

間取り図
photo by okayama
サービスルームとは、建築基準法において「居室」として認められていない部屋を指します。
建築基準法では、「居室」について、生活や仕事のために人が長い時間過ごす部屋であるとしており、居室の要件として、「採光に必要な窓などの開口部が床面積の1/7以上」「換気に必要な開口部が床面積の1/20以上」とかなり具体的に定められています。
サービスルームとはこの2つの条件を満たさない空間のことを言います。
また、同一マンションで全く同じ間取りの部屋でも、上層階では「3LDK」、下層階では「2LDK+S」と表示されていることがあります。
これは、上層階では十分な採光を得られる窓が、下層階では隣接建物の影になってしまうことで、採光を得ることができない窓とみなされてしまうケースがあるためです。
ちなみに、サービスルームと同じように建築基準法において「居室」に該当しないものとしては、使用時間の短いトイレ、洗面所、浴室、キッチン、収納、玄関、廊下等があります。

サービスルームのメリット

サービスルームのある物件の最大のメリットは価格です。
サービスルームがある場合、同じ間取りでも、3LDKが2LDK+S、2LDKが1LDK+Sのように、一部屋少なく表示されます。
採光や風通しの関係で、サービスルームは使用用途が限定されてしまうことから、同様の面積であってもサービスルームがある部屋の方が値段が安くなる場合があります。この差額は数十万円から数百万円になることもあります。
サービスルームを十分に活用できる場合においてはこの金額差は大きなメリットとなります。

サービスルームのデメリット

一方でサービスルームは建築基準法上の「居室」ではない、つまり快適に生活するための環境ではないことから、建物の設計段階でサービスルームには居室と同じように長時間過ごすことを前提とした設備を設けないように行政指導されるという話が出回っています。
あくまで行政指導ですのでそのような設備が整っていても違法ではないですし、今現在、本当にそのような指導が行われるかは疑問ですが、物件によってはサービスルームにテレビや電話回線、エアコンを設置する専用のコンセントやダクトが設けられていないということがあります
そのため物件を探す際に、「サービスルーム」という表記を見つけたら、まずは、どれだけの設備を設置可能なのか確認してみましょう。
エアコンについては、窓型のものを設置できる場合もありますし、内側のドアを開けて通風、換気を確保できる場合もあります。
また、除湿器を設置することで湿気対策とともに室内の空気の循環を作り出すといった工夫もできます。
サービスルームがある物件の購入を検討する際には、必ず設備の設置の有無などを含めて、利用できるイメージが湧くかをしっかりと確認することが大事です。

サービスルームの活用例

①収納スペース

新居を購入して生活を始めると、徐々にモノが増えてきます。これらを収納するための家具を購入するにしても、結局、保管スペースは必要になります。
であれば、当初からある程度の収納スペースを確保するという見立てのもと、サービスルームを収納スペースとして活用することを前提として、物件購入を検討することもできるのではないでしょうか?
採光が十分でなく薄暗い部屋だとしても、日焼けが気になる衣類や書籍、直射日光を避けたい食品などを保管するスペースとしてむしろ、適しているとみることもできます。

②書斎

ある程度の広さのあるサービスルームであれば、書籍の収納とあわせて、机・椅子を設置することで、書斎としての活用もできます。
量販店で安価に購入できる、スライド式の書籍ラックを活用することで、収納スペースを有効活用すると同時に、本格的な書斎の雰囲気を作り出すこともできます。
本を読んだり、調べ物をしたり、PCで作業をしたり、ちょっと贅沢な空間にすることも可能です。

③子供部屋

リビングと接しているサービスルームなどを、子どもの遊び部屋として使う方も多くいます。
子どもにとっては、のびのびと遊べる空間を持つことができますし、親にとっても目の届く範囲で、おもちゃの収納場所を兼ねることになりますので、リビングをすっきりした状態で生活できるようにもなります。
子どもの成長にあわせて、他の利用目的に変更していくこともできます。

④趣味・娯楽

オーディオルームやシアタールームなど、趣味のための部屋として使うこともできます。
例えば、窓がないサービスルームの場合、光や音を自分の思い通りにできるという点では、居室よりも向いているケースがあります。
お気に入りの機材や調度品を揃えることで、落ち着いた空間を演出することができます。

まとめ

サービスルームは、採光や換気などについて制約がある部屋ではありますが、ライフスタイルに合わせ十分に活用することできるスペースであることを確認してきました。
価格面でのメリットを判断するためにも、物件の購入前には、実際に現地を確認をして、どのような設備が設置可能か、どのような利用をするのか、十分に検討をするようにしましょう。
株式会社Housmart
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マンションジャーナル編集部

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