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差押と仮差押えってなにが違うの?6つのポイントで解説!

差押と仮差押えってなにが違うの?6つのポイントで解説!

購入しようとしている不動産に仮差押えがついていた。

仮差押えが不動産購入の障害になることはなんとなくわかるが、かといって「仮差押え」と「差押え」との違いすらわからない……。

そもそも「仮差押え」は「差押え」と、どのように違うのでしょうか。

今回は差押えとの違いをポイントにして、仮差押えを解説します!

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「仮差押え」とは?

差押え(さしおさえ)とは、債権回収をするための強制執行にそなえて、国家権力によって私人の財産や権利の処分を禁止する手続きです。

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仮差押え(かりさしおさえ)は、「差押え」への移行を前提とする手続きです。債務者が財産を動かせないようロックする、という点では差押えと仮差押えの効果は同じです。

それでは、「差押え」と「仮差押え」の違いをチェックしてみましょう。

根拠となる法律が違う!

 

差押えと仮差押えでは根拠となる法律が違います。

差押えの手続きは民事執行法に、仮差押えの手続きは民事保全法に定められています。

ただし、差押えには他に「行政法上の差押え」も「刑事法上の差押え」も存在しています。

刑事法上の差押えは「押収」の一種ですが、行政法上の差押えは民事執行法の差押えと同じく債務者の財産のロックを目的としています。

※押収:裁判所や捜査機関が証拠物や没収の対象となる物を確保し占有すること。

今回は特に、民事執行法上の差押えと仮差押えとの違いについて解説します。

民事訴訟法、民事執行法と民事保全法の違い

では、「民事執行法」と「民事保全法」とはどう違うのでしょうか。民事訴訟法と合わせて確認しましょう。

  • 民事訴訟法:権利の確定
  • 民事執行法:(国家による)権利の実現
  • 民事保全法:権利の実現にそなえ現状を維持・確保

例えば、私人間でお金の貸し借りがあったとします。

借りた側(以下、債務者とする)が支払いを滞納したとしても、貸した側(以下、債権者とする)は債権の支払いを債務者に自力で強制することはできません。

私人同士の事案である民事事件は「自力救済禁止の原則」が働くからです。

そんな場合、債権者はまず権利を確定する必要があります。民事訴訟法は、事実関係から権利の有無を認定する手続法です。

ですが、裁判で勝訴し権利が確定したとても、債務者が債権者の権利を実現する方向に動かなければ、債権者が債権を回収できないことに変わりはありません。

逃げ得を許さないための法律が民事執行法とも言えます。

執行権を持たない私人のかわりに、司法機関(国)が債権回収のための執行をします。

民事執行法は、民事訴訟で確定した権利を実現させる執行手続きを定めています。

ただし、民事執行は債務者にとって重大な権利侵害にあたるので、厳格な手続きを必要とします。

しかし、厳格ゆえ債務者の権利は尊重されるものの迅速性に欠けてしまう。

裁判に時間がかかっている間に、債務者の行方がわからなくなったり、財産を処分されたりすると、債権者が満足に債権を回収できなくなる可能性が出ます。

債権者にとってそのような権利侵害が起こらないよう、予防的・暫定的に現状を保全する手続きを定める法律が民事保全法です。

執行手続きが違う!

  • 差押え:競売開始決定
  • 仮差押え:仮差押命令

民事執行法上の差押えは競売手続きの一部です。抵当権者または債務名義を取得した債権者が競売を申立て、競売開始決定が出た時点で裁判所の嘱託で差押え登記がなされます。

仮差押えは、債権者が仮差押命令の申立てをし、裁判所から仮差押命令が発令された時点で、こちらも裁判所の嘱託により登記がなされます。

差押えは債務名義が必要、仮差押えは不要

「債務名義」とは、民事執行によって実現されるべき債権の存在、範囲を表示した公の文書のことです。

執行の根拠となる債務名義には厳格な要件が求められます。

債務名義の種類は民事執行法22条に定められています。

確定判決

  • 仮執行の宣言を付した判決(確定前でもOK)
  • 抗告によらなければ不服を申し立てることができない裁判
  • 仮執行宣言付支払督促
  • 執行証書(公正証書のうちで民事執行法22条5号の要件を備えたもの)
  • 確定した執行判決のある外国裁判所の判決・仲裁判断
  • 確定判決と同一の効力を有するもの(裁判上の和解調書・調停調書など)

競売申立は債務名義を必要とします(ただし、担保権にもとづく競売申立の場合は債務名義を必要としない)。

一方、仮差押えでは、債務名義がなくても財産を差押さえることができます。

その後、債務名義を獲得次第、本差押えに移行し競売手続きに入ります。

仮差押えは疎明資料があれば申立ができる

仮差押えをするには以下の要件を必要とします。

  • 被保全債権
  • 保全の必要性

「被保全債権」とは、債権者の債務者に対する債権のことです。

「保全の必要性」とは、緊急に保全の手段を採らなければならない状況にあることです。

仮差押えをするには、裁判所にこれらの要件に関する証拠を提出することとなるわけですが、これらの要件に関しては疎明すればよいとされています。

疎明とは、「一応確からしい」との推測を裁判官が得た状態、またそれを得させるような証拠を提出することです。

つまり、仮差押の申立で提出する証拠は、裁判官が「一応確からしい」と推測できる程度でよいということなのです。

差押えには、厳格な要件が求められる債務名義を必要としますが、迅速性や密行性をその性質とする仮差押えは疎明資料で足りるのです。

仮差押申立の疎明資料の例

  • 被保全債権の疎明:金銭消費貸借契約書、約束手形など
  • 保全の必要性の疎明:内容証明郵便、報告書や陳述書など

差押えに担保の供託はいらない、仮差押えには必要

仮差押えの手続きでは通常、債権者(申立人)に保証金(担保)の提供を求められます。

民事執行と比べて、保全手続きはその目的からいささかラフでスピード感のある手続きだと言えます。それは債権者の権利を守るためでもあるのですが、裏返すと債務者の権利がそこなわれる可能性があると言えます。

保全手続きは民事執行に比べると厳格さに欠けるので、裁判所に認められた債権者の主張が誤りである可能性も高くなります。すると、債務者が不利益をこうむるおそれが出てしまいます。

よって、仮差押えは不利益をこうむった債務者が損害賠償を確実に受けられるように、保証金の提供が求められるのです。

不動産登記簿の記載内容の違い

不動産に対する差押えや仮差押えが行なわれた際、不動産登記簿に差押えまたは仮差押えの記載がなされます。

登記簿は「表題部(土地の表示)」「権利部(甲区)」「権利部(乙区)」の3つで構成されています。

2016y11m15d_161137252出典:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Touki_zenbu.jpg

差押え・仮差押えの記載がなされるのは、甲区(所有権に関する事項)です。甲区は以下の内容で構成されています。

  • 順位番号
  • 登記の目的
  • 受付年月日・番号
  • 権利者その他の事項(登記の原因、債権者等)

「登記の目的」に記載される内容

  • 差押え→差押え
  • 仮差押え→仮差押え

「登記の原因」に記載される内容

  • 差押え→競売開始決定or強制競売開始決定or(国や自治体等の)差押
  • 仮差押え→仮差押命令

「登記の原因」とは、登記をする原因となる事実です。権利の変動等が起こる理由や法律行為のことで、日付とともに記載されます。

滞納処分による差押えの場合は、差押え・仮差押えをした国、自治体、税務署等の名称のあとに「差押」と記載されます。

「債権者」に記載される内容

差押え、仮差押えともにその手続きの債権者(申立人)の名称が記載されます。民事執行による差押えは金融機関等の私人、滞納処分による差押えは国、自治体等が記載されます。

まとめ

差押えとどう違うのかという観点から、仮差押えをご説明しました。

債務者が滞納した。債権者は債務者から債権を回収したい。

債権を回収するための執行手続きには時間がかかる。時間がかかっている間に債務者が財産を処分してしまうおそれがある。

仮差押えは、それを防ぐために「急ぎで」「とりあえず」財産をロックする、という手続きなのです。

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