マンションジャーナル

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デベロッパーがマンションを建てるとき意識している事とは?

デベロッパーがマンションを建てるとき意識している事とは?

駅や新聞、あるいはネット等の広告で見かけるマンションの広告には素敵な文言が踊っています。

「武蔵野にそびえたつ全戸南向の大邸宅」「静かな文京地区にたたずむ安らぎの住まい」等々。

これらの文言を見ていると、マンションデベロッパーがそこに住む人の事を考えてマンションを作ってくれているように思えてきますが、残念ながらそうではありません。

マンションデベロッパーがマンションを建てるときにまず考える事は、立地とその土地に存在する各種規制から考えて最も高く売れるような物件は何か?という事です。

総合的に一番高く売れそうな構成を企画設計段階で検討し、その結果としてメリットとなりそうな部分を宣伝コピーに使うわけです。

実際にマンションを建設するときには、当然ですが取得した土地に自由に好きな建物を建てられるわけではないのです。

その土地に存在する各種規制をクリアしてその中でデベロッパがベストと思われる建物を建てなくてはなりません。

今回はデベロッパーがマンションを建てるときに特に意識している指標について考えてみます。

>>マンションを買うなら知らないと損するサービスとは?

マンションの容積率とは?

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多少なりにも不動産に興味のある方であれば、「容積率」という言葉をお聞きになった方もいるかと思います。

特に一戸建てであれば「建蔽率」と「容積率」はその土地にどういう家が建てられるかを決める重要な要素ですから、一戸建て購入者であれば知っている方は多いと思います。

一方でマンション購入者には直接自分とは関係がないために、この容積率などを意識する事は普通ないのですが、しかしマンションも共同住宅であり建物ですから、当然「容積率」や「建蔽率」の影響を受けています。

そしてマンションの場合には、中でも特に「容積率」が重要になってきます。

「容積率」というのはある面積の土地にどれだけの延べ床面積の建物を建てられるかを定めているものです。

たとえば「容積率」が200%であれば土地面積の2倍までの延べ床面積を持つ建物を建てる事ができます。

例えば500坪の土地であれば1000坪の延べ床面積の建物を建てる事ができるわけです。

ところが実際にマンションを建てようとすると容積率一杯に建物を建てられない土地というのが都内には多数存在しています。

それは容積率以外の規制、たとえば日影規制や斜線制限、窓先空地、土地の用途地域によってはそこに高さ制限がある場合もありますし、道路の幅が狭いところではマンションの容積率を落とす必要があるなど、特に都内であればいろいろな規制が存在するため、なかなか容積率一杯のマンションを建てる事ができないのです。

別に容積率一杯に建てなくても容積率に見合った大きさのマンションを建てればいいんじゃないの?そう思われるかもしれません。

しかし考えてみて下さい。

同じような立地で一方で容積率100%で100戸が分譲できるマンションがあるのに、もう一方で同じような土地面積なのに容積率一杯のマンションが建てられず90戸しか分譲できない物件だった場合。

土地面積が同じであれば、総コストはそれほど変わりません。しかし90戸のマンションはそれだけ販売戸数が減ってしまいますから、当然利益も減ってしまいます。

つまり商売にならなくなってくるのです。

というわけで、容積率を使いきれないような土地は、マンションの建築に不向きであるためデベロッパーがそこにマンションを作る事はありません。

新築マンションの見学に行って「この地域でこの規模のマンションを建てられるのはここが最期」などと説明された経験をお持ちの方もいるかもしれません。

実際にある程度の面積の土地があっても「容積率を使い切れる土地」でなくてはマンションは建てられないため、マンションが建てられる土地は意外と限定されているのです。

そして、これはそのマンションの希少性にもつながってきます。

人気のある土地でもマンションを建設する土地が少ない地域であれば、そこに建っているマンションの希少性は増し結果として長期にわたり資産価値が落ちないのです。

このような土地や物件は都内の随所にありますが、その場所が「○○駅南側」等かなり細かい条件になっているためあまり知られていません。

一例をあげれば仙川にある「パークスクエア武蔵野」です。

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仙川にはここ数年だけでも「プラウドシティ仙川」や「ブリリア仙川」さらにこれから建設される「シェフルール仙川」等の新築マンションが建てられているので希少価値があるように思えないかもしれませんが、実はこれらはすべて駅の北側に建てられています。

仙川で人気のあるエリアは駅の南側エリアであり、こちらには新築マンションを建てる土地も計画もなく、そこで既存の唯一の大型分譲マンションである「パークスクエア武蔵野」の希少価値が高まり資産価値が落ちないようになっているのです。

マンションのレンタブル比とは?

容積率に次いでマンションデベロッパが気にするのはマンションの「レンタブル比」です。

と言っても「レンタブル比なんて聞いた事がない」という方がほとんどではないでしょうか?

レンタブル比とは、販売する住戸の専有面積の合計を延べ床面積で割った値です。

もっと具体的に言えば、家として売られる部分とそれ以外のエレベータや階段、エントランスなどの共用部分の比率の事です。

もっとありていに言えば「売れる部分と売れない部分の比率」ですね。

当然ですが、レンタブル比が高いほどデベロッパにとってお得になるわけで、特にコストにうるさい物件であればエレベータスペース周囲を小型にするとかエントランスを小さくするとか、いろいろな方法でレンタブル比を上げる努力をします。

逆に言えば、それらの共用部分、つまり売れない部分にゆとりがあるマンションの場合、余裕のあるいい物件だと言えまます。

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そういう物件は当然販売価格が高い傾向にあり新築であれば予算の都合で狙えない事もあるでしょうが、中古であれば、基本的には販売価格は住戸の専有面積で一律に決まってくるためレンタブル比の高い物件も低い物件でも同じような価格で販売されます。

そのときにレンタブル比の低い物件、つまり共用部に余裕のある物件を選ぶ事で、よりお得な物件を買う事ができると言えるでしょう。

また立地によっても異なり土地代の高い都心部のマンションほどこのレンタブル比は重要になってきます。

実際に、都心部のマンションと都下のファミリータイプのマンションを比較すると、知恵と工夫でいろんな物を詰め込んだ印象のある都心部のマンションと比べ都下のマンションでは明らかに全体がゆったりとした作りになっているのがわかるかと思います。

これは土地代の違いによるもので、坪50万円の土地であれば多少土地を遊ばせる形になってもあまり影響はありませんが、坪300万円の土地で土地を遊ばせるのは死活問題になるため都心のマンションではレンタブル比を高める必要があるのです。

マンションの施工床面積とは?

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マンションの「施工床面積」とは、住戸以外のバルコニーやエントランス、階段からゴミ捨てや駐車場まで、なんらかの施工を行う必要がある総床面積の事です。

この数値は先のレンタブル比とは逆で、工事をする面積が少ないほど工事原価が下がる事になります。

そのため、特に土地代の高い都市部のマンションでは「駐輪場を作らない」「バルコニーを半分のサイズにする」等を行い施工床面積を小さくして建築コストを下げる努力が行われる事になります。

特にマンション建築コストが上がっている今のような時期であれば、デベロッパにとって施工床面積を減らす事は重要であり、これにより建築コストが上がってもマンションの販売価格があまり上がらないようになっているのです。

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