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【東京の名建築】巨匠・黒川紀章が手がけた中銀カプセルタワービルを知っていますか?

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【東京の名建築】巨匠・黒川紀章が手がけた中銀カプセルタワービルを知っていますか?

独創的なデザインで日本国内のみならず、海外にも多くのファンを持つ「中銀カプセルタワービル」。銀座8丁目という都心にあり、メタボリズムを体現したその建築物の魅力に迫ります。

巨匠・黒川紀章とは

黒川紀章

日本を代表する建築界の巨匠、黒川紀章氏。1934年に愛知県海部郡蟹江町に生まれ、1957年に京都大学工学部建築学科を卒業。その後、東京大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程へ進学し、丹下健三研究室に所属します。

丹下健三氏は「世界のタンゲ」と呼ばれ、広島平和記念資料館や、東京カテドラル聖マリア大聖堂国立代々木競技場、東京都庁などでも有名です。

丹下 健三↑「世界のタンゲ」として有名な丹下健三氏広島平和記念資料館 国立代々木競技場 東京カテドラル聖マリア大聖堂↑丹下健三氏の代表作

黒川紀章氏は丹下健三氏の弟子として頭角を現し、東大在学中に「株式会社黒川紀章建築都市設計事務所」を設立。1959年には建築理論である「メタボリズム」を主張し、メタボリズム・グループとして世界デザイン会議に出席しました。

1986年に建築界のノーベル賞と言われるフランス建築アカデミーのゴールドメダルを受賞しています。

代表作品

黒川紀章氏の代表的な作品をご紹介します。

スクリーンショット 2016-04-27 13.47.46 スクリーンショット 2016-04-27 13.46.58出典:Casa

初期の代表作といえるのが、黒川氏が丹下氏の事務所から独立してすぐの1967年に竣工した山形県の寒河江市役所庁舎。1、2階よりも3階から上が外に大きく飛び出した独特の形が特徴の庁舎です。建物の吹き抜け空間には、岡本太郎氏がデザインした「生誕」と言う名前の照明が設置されています。

スクリーンショット 2016-04-27 13.54.59出典:ARC STYLE

1998年には、マレーシアの首都クアラルンプールに世界2位を誇る大きさの国際空港を設計しました。熱帯雨林を切り開いて造られたクアラルンプール国際空港は、「Airport in the forest, forest in the airport」(森の中の空港、空港の中の森)というコンセプトで、南国の熱帯雨林の力強い森と調和した美しい空港です。そのロビーにはガラスで取り囲まれた熱帯雨林の庭園があり、熱帯特有のスコールもすぐ近くに感じられる、まさに森と一体化した空港です。

スクリーンショット 2016-04-27 14.04.23 スクリーンショット 2016-04-27 14.04.59 スクリーンショット 2016-04-27 14.04.44

晩年には、六本木の国立新美術館(2007年)を設計。正面を覆うガラスのカーテンのような壁が特徴的で、これが美術館としては氏の最後の作品となりました。

黒川紀章とメタボリズム

メタボリズム

黒川紀章の提唱した考え方の一つに「メタボリズム」があります。これは1959年に黒川紀章や菊竹清訓といった、日本の若手建築家・都市計画家グループが展開した運動で、新陳代謝(メタボリズム)から名をとり、彼らは世の中の変化や都市人口の拡大に合わせて有機的に変化、成長する都市や建築を提案しました。

彼らがメタボリズムを提唱した背景にあるのが「高度経済成長」。それまでの機能主義建築、合理主義建築としてのモダニズム建築に陰りが見え、従来の固定した形態や機能を支える「機械の原理」ではなく、空間や機能が変化する「生命の原理」が将来の社会や文化を支えると提唱しました。

メタボリズムの都市・建築計画では、無数の生活用ユニットが巨大構造物に差し込まれ、生物において古い細胞が新しい細胞に替わるのと同じように、古くなった部屋などのユニットをまるごと新しいユニットと交換することで、世の中の変化に対応していくことが計画されました。

メタボリズムの代表作品

メタボリズムの代表的な作品を見ていきましょう。

ヒルサイドテラス

ヒルサイドテラス3 ヒルサイドテラス2ヒルサイドテラス1出典: wikipedia

ヒルサイドテラスは代官山駅が最寄り、旧山手通り沿い位置する集合住宅、店舗、オフィスなどの複合施設です。建築家の槇文彦により設計され、1969年から1998年まで30年の歳月をかけて完成しました。

国立京都国際会館

国立京都国際会館出典: wikipedia

建築家・大谷幸夫の設計による代表作。日本で最初の国立の会議施設として開設されました。1998年には、公共建築百選に選定され、1999年「日本の近代建築20選」にも選定されました。

中銀カプセルタワービルとは

スクリーンショット 2016-04-27 13.41.05

そんなメタボリズムの代表的な作品が「中銀カプセルタワービル」。小さな積み木、あるいは鳥の巣箱を積み重ねたような独特のデザインのこのビルは、1972年、黒川氏が38歳の時に手がけたものです。

スクリーンショット 2016-04-27 14.53.25 スクリーンショット 2016-04-27 14.54.38出典:未来住まい方会議

140個のカプセル型の集合住宅をエレベーターなどが入った2つの尖塔に固定させた造りで、10㎡ほどのカプセルの室内はビジネスマンのセカンドハウスをイメージし、ベッドや机、テレビやユニットバスなど必要最低限のものがコンパクトにまとめられていました。

中銀カプセルタワービルも、カプセル部分を必要に応じて交換したり追加できるようにと考えられて設計されたそうです。その評価は今も高く、ドコモモインターナショナル(Docomomo International)という近代建築の記録と保存を目的とした国際的な学術組織から世界遺産候補とされ、また2006年にはDocomomo Japanによって日本近代建築125選にも選ばれました。今でも建物の前で写真撮影をする海外の方が数多くいます。

110921_2↑完成当時の中銀カプセルタワービル

現在、このビルはセカンドハウス、あるいは事務所としてだけではなく、実際に住居として使っている人も多くいるそうです。黒川紀章のメタボリズム建築の代表作に住むというのは、建築好きな人にとってはたまらないことなのですね。このビルが好きで住んでいる人たちなので、大都会の中にありながら横のつながりも深く、懇親会なども盛んなのだそうです。賃貸の場合は空き待ちをしている人もいうのだそうです。

ぜひこの黒川氏の代表作を、実際に訪れて見ていただきたいです。

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