不動産ポータルサイト「SUUMO(スーモ)」を使うなら知らないとマズい7つの真実

2016.03.01
不動産ポータルサイト「SUUMO(スーモ)」を使うなら知らないとマズい7つの真実
住宅の売買や賃貸をする際に、多くの方が不動産ポータルサイトを利用します。その不動産ポータルサイトの最大手といえば、ご存知SUUMO(スーモ)。大変便利なサイトですが、活用する上で「これだけは絶対に知っておきたい!」というポイントをまとめてご紹介致します。※本記事の情報は記事執筆当時(2016年)のものを含んでおります。

監修者:針山昌幸

針山昌幸 プロフィール写真

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)

実は不動産会社ではない

SUUMO(スーモ)と聞くと「不動産の情報をたくさん掲載しているサイトだから、不動産会社が運営しているのだろう。」と思っていらっしゃる方々は少なくないのではないでしょうか(私もこの業界に入るまでは、不動産会社だと思っていました)。しかし、実際に調べてみると不動産会社ではありません。運営しているのは、広告や人材紹介などの情報サービスを手がけているリクルート(正確にはリクルートグループの株式会社リクルート住まいカンパニー)です。確かにTVCMの最後に「リクルートから」という音声が入っていますね。

リクルートは超巨大企業

リクルート1リクルートといえば、ベンチャー気質溢れる会社としても有名ですが、実は超巨大企業でもあります。2015年の売上は約1兆3,000億円。経常利益で1,256億円を叩き出す超優良企業です。新卒採用のリクナビや転職サービスのリクナビネクスト、派遣サービスのスタッフサービス、タウンワーク、はたらいくなど人材分野や、ホットペッパーなどの飲食分野、じゃらん、エイビーロードなどの旅行分野、ゼクシィなどのブライダル分野、そしてSUUMO(スーモ)などの住宅分野など幅広い事業展開を行っています。最近ではAirRAGIなどの新規事業でも注目を集めていますね。SUUMO(スーモ)が所属する住宅分野の売上だけでも2015年に839億円の売上と、1部門で東証一部上場企業並の売上。凄まじい影響力を持っています。

リクルートは元々不動産との繋がりが強い

実はリクルートは元々不動産業界との繋がりが強い会社でもありました。創業当時のリクルートがオフィスを構えたのは港区芝の2森ビル。4階立てのビルの屋上に2坪半ほどの物置部屋に近いものでした。リクルート創業者の江副さんが所属していた東大新聞の先輩で、当時森ビルの取締役だった森稔氏の好意で、破格の値段で事務所を借りていたそうです。後に戦後最大の贈収賄事件とされるリクルート事件が起きてしまいますが、この事件はリクルートグループの不動産会社・リクルートコスモス社の未公開株式をめぐってのものでした。コスモス社はマンション開発を行うディベロッパー。現在はコスモスイニシアという名前に改名しています。また創業者の江副さん自身が『不動産は値下がりする!』などの著書を持つほど、不動産好きとしても有名です。晩年はドバイの不動産開発にも携わっていたという噂もありますから、とてつもないバイタリティですね。

運営の仕組み

スーモビジネスインフォリクルートがSUUMO(スーモ)を運営しているというのは先ほど説明しましたが、ビジネスとしてはどのような構造になっているのでしょうか。SUUMO(スーモ)を運営しているリクルートは不動産会社ではないので、不動産の賃貸や売買の実務はまったく行っていません。では、どのようになっているかというと、住宅を直接取り扱いする不動産会社から広告費をもらっているのです。つまり、不動産会社がお金を支払うことによって、マンションなどの物件情報をSUUMO(スーモ)に掲載してもらうのです。その代わりに、サイトを見て資料請求などをしたお客さんの個人情報を不動産会社に提供し、販売促進の協力をしているのです。

なぜ同じ物件が掲載されているのか?

住宅情報 のコピー実際にWEBサイトを見ていると、全く同じ物件が掲載されていることがあります。「あれっ、何で同じマンションが載っているんだろう?」という感じですが、これはビジネスの流れを考えると分かりやすいです。WEBサイト上に物件の広告を掲載するのは、あくまでもお金を払う不動産会社。例えばあるマンションの一部屋を複数の不動産会社が売却活動依頼を受けている場合、それぞれの会社が広告を掲載します。すると同じ部屋の情報がサイト上に掲載されることになるのです。また売却の依頼を受けた不動産会社から許可を得て、他の不動産会社が自分達でもお客さんを集める為に、そのマンションの広告活動を行うケースがあります。WEBサイトを使うユーザーから見ると分かりづらいのですが、このような理由で同じマンションが多数広告掲載される場合があるのです。

お金の流れ

SUUMO(スーモ)は不動産会社から物件を掲載する権利を渡す代わりに広告費を受け取るのですが、どのくらいの費用を支払えば掲載してもらえるのでしょうか?実は広告は枠ごとに1ヶ月単位で販売されています。掲載のされ方や目立ち方によって、数万〜数十万まで様々なプランがあるのです。

広告を流す理由

スクリーンショット 2015-10-13 22.54.58実は10年程前までSUUMO(スーモ)は「住宅情報」という別ブランドでした。しかし今では新しいブランド名で認知されています。それというのも、リクルートが積極的な広告展開を行ってきたからです。確かにTVCMや、電車内広告などでもよく目にしますね。ある「広告媒体」の認知度やブランドイメージを上げるために、TVや他の雑誌で広告展開を行うことは良くあることです。一時期ニュースアプリGunosy(グノシー)も積極的にTVCMを行っていました。広告展開を行うことで媒体としての価値が上がり、お客さんがたくさん来るようになれば元が取れる、というわけです。

ブランドチェンジの影響も

ましてSUUMO(スーモ)のようにブランドチェンジを行うと、一般の方々に認知されない限り媒体としての価値が著しく下がってしまいます。では、認知度を上げるためにリクルートはどれくらいのお金を使っているのでしょうか?テレビCMの料金は、テレビ東京を除いたキー局だと15秒1本当たり広告費が40万円~75万円となっています。ある発表では、SUUMO(スーモ)が2013年の一年間の内にテレビ東京を除いたキー局で流したTVCMの数は約560回。単純計算で2億2400万~4億2000万円を関東のCM料で使っていることになります(実際には5秒、10秒、15秒、30秒、60秒、120秒のCMなので値はあくまで目安です)。その他にもCM制作費や、他媒体での広告などを考えると相当な金額を費やしていることになります。839億円もの売上があるので、これぐらいの広告費は何てことないですね。

展開している媒体

SUUMO(スーモ)のサービスは大きく分けて次のようなものがあります。
  • SUUMO(WEBサイト)
  • SUUMOマガジン(フリーペーパー)
  • SUUMO新築マンション(フリーペーパー)
  • 都心に住む(市販雑誌)
  • スーモカウンター新築マンション(店舗)
元々リクルートは雑誌、フリーペーパーに圧倒的な強さがありました。30代以上の方であれば「住宅情報タウンズ」「住宅情報マンションズ」などの以前のブランドを覚えていらっしゃる方もいるのではないのでしょうか。リクルートの特徴である、お店や駅構内などに置いてあるラックに紙の冊子として置いておくスタイルで発行部数を伸ばしていきました。住宅情報タウンズこの中では「都心に住む」だけが300円と有料になっています。他のフリーペーパーはほとんどのページが不動産広告ですが、「都心に住む」は様々なテーマでのコラムやエッセイ、不動産の豆知識、住宅購入のノウハウ、税金の知識などが大半を占めています。ページ数は100ページ程度で、もちろんマンションの広告も載っていますが、読み物として魅力的な冊子になっています。紙媒体を強みとしてきたリクルートですが、インターネットが普及してきたことによって、雑誌やフリーペーパーにはあまり注目されなくなってきました。そこでWEBサイトの開発に力を入れ始め、それまであった住宅関係のサイト・情報誌を全てSUUMOブランドに統一したのです。

集客力と掲載物件数

スクリーンショット 2015-10-13 23.02.47統一化によってブランドの認知度も高まり、WEBサイトのPV数も伸びていきました。2013年時点で月間PV数はなんと1億5,000万、月間ユニークユーザー数900万強。他の大手サイト言うと、食べログ 5億6,800万PV、ウィキペディア 4億2,200万PV、ぐるなび 2億9,600万PVなどには劣りますが、「家を借りたり、買ったりしたい!」というライフイベントが起きている「限定された人たち」に使われるメディアとしては圧倒的な強さを持っています。現在媒体に掲載されている物件数は224万件となっており、HOME'Sの409万件に続いて2位となっています(2014年3月31日時点)。HOME'Sの物件数はSUUMO(スーモ)に比べて圧倒的に物件数が多いのです。「なんで1位より2位のHOME'Sの方が掲載物件数が多いの?」と疑問に思われる方も多いのではないでしょうか。

HOME’Sの掲載物件数が多い理由

ホームズなぜこんなにも掲載されている物件数が違うのかというと、HOME’Sが新しい広告形態をとったからです。従来、大手の不動産ポータルサイトに不動産会社が物件を掲載させてもらうには、その都度掲載料を支払う必要がありました。そして掲載料が高額であったため、限られた数の物件しか掲載されませんでした。しかしHOME’Sは掲載する物件の量に応じて料金を取る方法から、問い合わされた分だけ料金が発生するという方法に料金体系を変更したのです。これによって不動産会社は何のリスクもなく物件を掲載することができ、HOME'Sは他を寄せ付けない圧倒的な物件掲載数を獲得するに至りました。

TVCM戦略

スクリーンショット 2015-10-13 23.08.23出展:株式会社ネクスト決算発表資料より

この料金プランはHOME'Sにとって利点もありました。問い合わせが発生すれば不動産会社に料金を請求することが出来るので、HOME'Sの認知度アップの為の広告を打ちやすくなったのです。TVCMを流し、ポータルサイトの認知度が上がれば一般顧客からの問い合わせ数が増えます。顧客である不動産会社の数を増やさなくても、広告の問い合わせ数を増やしていくことで売上を増加させられるようになったのです。枠売り方式の広告の場合、TVCMで媒体の価値を高めたとしても、顧客である不動産会社を獲得し、多くの広告を掲載してもらわなければ売上は上がりません。この方式では営業力の勝負になってきますので、強力な営業力を武器に昔から多くの顧客を獲得してきたリクルートに有利。そこでHOME'Sは別の土壌で戦おうとしたのです。最近では嵐の二宮くんを使ったCMでも注目を集めましたね。SUUMOはキャラクターを使ったCMが多いですが、HOME'Sは芸能人を使ったCMが多いような印象を受けます。

それでも強いリクルートの牙城

問い合わせ課金型の料金モデルで掲載物件数を大きく伸ばしたHOME'Sですが、2016年のHOME’S予想売上は187億円。リクルートの839億円に比べると4分の1以下と、まだまだ規模では及びません。HOME'Sを運営するネクストの社長は井上高志氏。実は同氏もリクルートグループであるリクルートコスモス(現コスモスイニシア)の出身。最近では海外展開や新サービスの発表、さらにトップページデザインも大幅に変更など動きが激しく、今後の動きに注目です。

中古マンションをお得に購入するための活用方法

元麻布ヒルズ3中古マンションを買おうとしている方々の中には、値段がとても安い激レア物件を買おうと考えている方もいらっしゃると思います。しかし、数多くある中古マンションの中で激レア物件に出会う確率はとても低いです。そこで、どのようにしたら激レア物件に出会う確率が上がるのでしょうか?実は、激レア物件を見つけるのにもSUUMOは役立つのです。では、どのように利用するかというと、中古マンションの掲載誌ではなく、あえて「SUUMO新築マンション」というフリーペーパーを活用します。このフリーペーパーには新築マンションが数多く掲載されています。この新築マンションが数多く掲載されているエリア程、激レア物件が見つかる可能性が高くなるのです。なぜかというと、不動産会社はマンションが売れ残るのを避ける為、周辺のマンションのリサーチを徹底的に行います。そして、新築マンションの値段を決める際に、周辺の中古マンションに負けないような価格を設定します。そうすると、中古マンションの売り主も新築マンションの値段に負けないように更に値段を下げる可能性があるのです。つまり、新築マンションが次々と建設されるエリアは、値下がりしている中古マンションが存在する可能性が高まるのです。競争が起きれば起きるほど、お買い得なマンションが出てくるということですね。

スーモ君の物語

スクリーンショット 2015-10-13 22.58.01最後にマスコットキャラクターであるスーモ君のご紹介をしたいと思います。彼は一体何者なのでしょうか?調べてみたところ、出身地はスーモ星という惑星。地球に引っ越してきました。年齢はなんと10030歳、地球でいうところの30歳のようです。可愛い見た目とは裏腹に、結構年行ってますね。キャラクターの元はマリモから来ているようですが、片思いの女の子や両親、ライバルなどかなり細かい設定があるようです。数多くの動画が公開されていますので、お時間がある方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

中古マンションを比較検討するなら「カウル」が便利!

カウルアプリ画面写真物件を幅広く調べるにはSUUMOは大変便利なサービスですが、掲載されている内容は限定的であり、不動産会社に問い合わせないとわからない情報もたくさんあります。特に難しいのが、中古マンション。一軒一軒、築年数や広さ、駅距離、グレードなど諸条件が異なるため、比較検討が難しいのです。SUUMOやHOME'Sなどのポータルサイト上の情報だけでは、判断しきれない部分も少なくありません。その一つが、「適正価格か?」という点。「定価」が存在せず売主が売り出し価格を決める中古マンション購入では、「提示されている価格が適正か」を見極める必要があるのです。そんな中古マンションの相場を誰でも簡単にわかるようにしたアプリが、「カウル」です。 カウルでは、過去の売買事例を元に、人工知能(AI)によって現在の適正金額と将来の価格推移を予測。現在の市場価格の目安、過去の売買事例、新築時の価格、購入時の必要費用、購入後のランニングコストなどを算出して提示しています。初めての購入でも、住み替えでも、あなたの頼もしいパートナーとして活躍してくれるはずです。>>アプリ「カウル」についてもっと詳しく&ダウンロードはこちらから>>
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マンションジャーナル編集部

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