マンションジャーナル

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リフォーム済物件を購入するメリット・デメリット

リフォーム済物件を購入するメリット・デメリット

最近の中古マンション市場では「リノベーションマンション」が一つの流行になっています。実際に中古マンションを探した事がある方の中には「リフォーム済」や「リノベーションマンション」と書かれたマンションをご覧になった方も多いと思います。

ちなみに「リフォーム」と「リノベーション」という違う言葉が使われていますが、これには明確な定義がなく現時点ではほぼ同義で使われていますので今回は同じ物として扱います。

さて、一口に「リフォーム済」「リノベーション物件」と言っても、その改装の中身はさまざまです。壁のクロスを張り替えて室内をクリーニングをしただけのような簡単なリフォームもあります。

キッチン、トイレ、バス等を全交換するような本格的リフォーム、はては間取り自体を変更したりバリアフリーに対応する等の大がかりなものまで、一口に「リフォーム済」と言ってもその工事内容は物件ごとに異なっており一つとして同じ物はありません。実際にその物件を購入する場合には、リフォーム内容についてよく吟味検討して購入する必要があります。

さて、このようにすでにリフォームが行われて販売されているマンションを購入する場合、自分で中古マンションをリフォームする場合と比較してのメリットとデメリットが存在します。今回はリフォーム済物件を購入する際のメリットとデメリットについて解説したいと思います。

リフォーム済物件を購入するメリット

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リフォーム済物件を購入するメリットにはどのようなものがあるでしょうか?

まず考えられるメリットが「物件引渡し後すぐに入居できる」事です。

中古マンションを購入し自分でリフォームする場合の事を考えてみましょう。つい忘れがちになりますが、購入したマンションに対しリフォーム工事を実際に開始できるのは「物件引渡し後」からになります。購入契約を行っていても、物件の引渡しを受けるまではリフォーム工事にかかることができません。

そしてリフォーム工事中は、例えばトイレを改装中にはトイレが使用できませんし、お風呂を交換している間はお風呂を使うことはできません。また、たとえば部屋のクロスを張り替えるのであればそもそも引越しの荷物を部屋に入れる事もできません。

つまり、物件を引き渡された後であっても、リフォームが完了するまではその物件に住む事ができないのです。一方で、購入した物件がリフォーム済みの物件であれば、そのような問題は発生しません。引渡し直後からすぐに引越しを行いそこでの生活を始めることができます。

次に考えられるメリットは費用です。自分で中古物件を購入して同程度のリフォームを行う場合と比較すると、リフォーム済み物件は金額面で有利な場合が多いのです。

東日本大震災や東京五輪の影響により、マンション等の工事費用が値上がりしている事はご存知の方も多いと思います。リフォームについても同様で、10年前であれば200万円程度で行えたようなリフォーム工事が、今現在は300万〜400万円かかる場合もざらです。少し凝ったリフォームを行おうとすれば、軽く500万円以上かかるようなケースもめずらしくありません。

一方でリフォーム済として売られているマンションの価格を見ると、同程度の中古マンションの価格+(200万円〜500万円)程度で販売されている物件が多く見られます。そしてそのリフォーム内容を見ると、とても個人ではその差額分で行えないような凝ったリフォーム工事が行われている場合がほとんどです。

これは、リフォーム物件を販売している多くが法人である事、法人であれば複数の物件をリフォームする事を前提に建築資材に共通のものを大量に仕入れることで安く仕入れる事ができる事。工事業者の間でも大口の契約により安く工事を頼む事ができる事など複数のマンションをリフォームする法人だからこそ可能となるのです。

筆者が実際に見学した物件でも、ほとんど1000万円近くかかるような大掛かりなリフォームが行われているにも関わらず、通常の中古マンション相場+200万円程度で売られている物件がありました。このような物件は相当にお買い得だと考えられますから、もしそのような物件を見つけたときは積極的に購入を考えてもいいかもしれません。

ちなみにその物件の場合、たとえば廊下の床が総大理石張になっている等かなり高級感のあるリフォームが行われていたのですが、一方でその仕様が自分にとって必要か、という問題が発生します。

たとえば、廊下の床が総大理石張になっていると見た目は非常に高級感があるのですが、一方で、水に濡れると廊下で転ぶ可能性がありますし、冬は冷たくてスリッパ等が必須になる等のデメリットもあり、仕様が決まってしまっているリフォーム済み物件の場合、細かい仕様を自分で決められないデメリットもあります。

しかし、「自分で細かい仕様が決められない」という事は一方では「自分でリフォームの仕様を決めなくてもいい」という事にもなります。

自分でリフォームを行う場合は、当然ですが、リフォーム工事全ての仕様を自分で決められるのですが、逆に言えば全てを自分で決めなくてはいけなくなります。実際にリフォームを行うとわかるのですが、ちょっとしたリフォームであっても、細かくいろいろ決めなくてはいけない事がありこの作業がなかなか大変です。

壁のクロス一つを決めるだけで、分厚いサンプル本を何冊も見なくてはいけませんし、たとえばユニットバスであればどのグレードのものにするか…以外に、各種オプションのどれを採用するかを決めて、はては壁の色やタイルの色、浴槽の色など多彩な組み合わせバリエーションが可能になっているため、それらも全て決めなくてはいけません。

トイレ、システムキッチン等についても決める事は沢山あるため、それらを細かく決めていく作業は楽しい反面なかなか大変な作業になります。(これらの具体的な作業については、メーカーのモデルルーム訪問なども含めて別の記事で詳しくご紹介したいと思います。)

リフォーム済み物件であれば、それらを無難な形で実装してくれているため、購入者がリフォームで細かく悩む必要はなくなるわけです。

また、リフォーム費用がマンションの購入費用に含まれているという事は、住宅ローンだけでリフォーム費用が全部まかなえる事になります。住宅購入費用とは別にリフォーム費用が発生する場合、どうしてもリフォーム用の現金の準備や、リフォームローンを別途組む必要が出てくるわけですが、リフォーム済物件であれば通常の住宅ローンだけでその問題を解決できるため、予算が少ない方にはありがたい物件だという事ができます。

リフォーム済物件を購入するデメリット

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一方でリフォーム済物件を購入するデメリットとしては何があるでしょうか?

最大のデメリットとしては、リフォームされる事でリフォーム前の状況が分からなくなる事、またリフォーム中に発見された瑕疵がきちんと改修されているかを確認できない事があげられます。リフォーム前に何かの不具合箇所等があっても、それがリフォームされる事でわからなくなってしまいますし、リフォーム工事中には新しい瑕疵が発見される事も多いのですが、それに対してきちんと補修されているかどうかを確認する方法がありません。

たとえば、リフォームのために壁や天井等のクロスをはがしてみるとそこに大きなシミが発生していたような場合です。工事中にその原因を調べて対応していれば問題ありませんが、しかしその上に単に新しいクロスを張る事でそのシミを隠すことも可能になります。

もちろんほとんどの業者はそのような状態があれば問題がなくなるように対応していますし、本当に問題の箇所であれば重要事項として購入者に説明する義務があるのですが、そこまでいたらないような些細な問題などであればリフォームの際に隠されてしまい、購入者がそれを知る事ができなくなってしまいます。

リフォーム物件を検討する場合、つい綺麗にされたリフォームに目を奪われがちになりますが、そのリフォームの裏に見えない瑕疵が隠されている可能性がある、という事は頭の隅においておくようにしましょう。

また、デメリットとは少し違いますが、リフォームに詳しくない人が見たときにそのリフォームがどの程度の質のリフォームかがわからない可能性があげられます。もし質のよくない資材を使ったリフォームが行われていても、一見して綺麗であればその綺麗さに騙されてしまうかもしれません。

たとえば壁のクロスひとつとっても、実際にクロスのカタログを見ると賃貸グレードの安いものから高級品まで質の面でも価格の面でも本当にピンキリです。システムキッチンやユニットバス、トイレにしても汎用グレードから高級グレードまで様々な商品が販売されており、リフォームに詳しくなければその品質まではわからない場合が多いと思います。

と、そう聞くと不安になるかもしれませんが、実際に目に付くシステムキッチンやユニットバスにある程度の品質のものが使用されていれば、おそらくリフォーム全体にそれなりの材料が使われていると考えられるのでそれほど心配はいりません。「そもそもある程度の品質のものが自分にはわからない」と心配になるかもしれませんが、「これはどう見ても分譲マンションにはおかしいだろう」と明らかにわかるようなグレードのものでなければ、標準以上の物が使用されていると考えて問題ありません。

とはいえ「今までただの一度も分譲マンションを見た事がない」というような方ではさすがにリフォームの簡単な良し悪しすら判断できないかもしれません。しかし、そもそもそういう方の場合、リフォーム以前に物件自体の良否の判断も難しくなりますから、家探しのときにはできるだけ多くの物件を見学して目を肥やす事がとても重要になってきます。

前の居住者が自分でリフォームしている物件もある

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ほとんどのリフォーム済物件は、リフォームを行い販売しているのは業者(法人)なのですが、個人が売主の物件の中にも「○○年リフォーム済」と記載されている物件が存在します。

これは、法人が販売している販売するためにリフォームした物件ではなく、前の居住者が自分のためにリフォームを行ったものであり、販売広告中にリフォームの内容が詳細に記述されています。このような物件は「まっさらなリフォームではないけれど、築年数等から想像するよりははるかに新しい状態」の物件であるため特に価格差がなければお買い得の場合もあります。またリフォーム内容が「そこに住んでいた人が自分のために行ったリフォーム」であるため、リフォーム内容が実際の生活者目線になっていて使いやすいものである場合も多いのです。

このような物件の場合、他の同じくらいの築年数の物件と比べてもお買い得である場合が多いので、実際に物件を確認して気にいれば購入を考えてもいいと思います。仮に追加で自分でリフォームを行うような場合でも、たとえば「システムキッチンは今のもので十分だから交換しない」等という判断ができるので、リフォーム費用も抑える事ができます。

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