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不動産オーナーは必読!不動産活用4つのM~「AM」「PM」「BM」「FM」

不動産オーナーは必読!不動産活用4つのM~「AM」「PM」「BM」「FM」

ひと口に不動産業(宅建業)と言っても、売買、賃貸、管理などの業務に分かれ、さらにそれぞれの業務は細分化されています。なかでもこの10数年の間で、「不動産管理」に関する業務が広範かつ細分化され、管理業務だけを行う不動産会社もあるほど、管理の需要は高まってきています。今回は、不動産管理についてお話ししていきますが、不動産オーナー業界の方だけでなく、一般の会社勤めの方や、ビジネスを立上げて独立起業される方などにも参考になるかと思いますので、興味のある方は是非ご一読ください。
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不動産の維持管理を目的とする「PM・BM」

不動産経営では物件の保全や収益を維持継続していくため、付帯するさまざまな管理業務があります。ただ、それらは技術的・法律的な知識と経験が必要となるため、多くの不動産オーナーは管理業務を不動産会社に委託することになります。管理業務として挙げられるおもな内容は以下の通りです。

一般的な管理業務とされている内容

  • 空室の募集業務、案内活動(リーシング)
  • 賃貸借契約締結業務
  • 賃料回収、滞納督促
  • クレーム対応
  • 入退室立会い、修繕工事手配、敷金精算

これらの業務は、業界内で「PM(プロパティマネジメント)」と呼ばれ、その目的は「資産の物理的な維持管理をソフト面から行う業務」と定義されます。昔は、不動産会社と大家さんとの長年の付き合いから、臨時的に業務を受けることもあり、その線引きが曖昧になっていましたが、近年では正式に「管理業務委託契約」を締結し、日常業務の一環として専門部署を置く会社が増えてきています。さらに、ソフト面から行うPMに対し、ハード面から資産の維持管理を目的とするBM(ビルマネジメント・ビルメンテナンス)」と呼ばれる業務があります。BMの具体的な業務内容はこちらです。

BMに該当する内容

  • 日常の営繕、清掃、植栽の剪定など
  • 巡回、防犯業務
  • 設備の保守、点検業務
  • 消防、防災設備の管理

などが挙げられます。PMとBMの区別をわかりやすく言うと、PMが対象とするのは人(入居者、オーナーなど)で、BMが対象とするのはモノ(物件、付帯設備など)ということになります。

PMにおけるリーシングの位置付けは、わかりやすく言うと賃貸客付け営業で、来店やネット反響の顧客への情報提供、物件の案内がメインの業務となり、実務では契約業務を行ったりもします。一方、リーシング以外の業務では、工事費用の見積りや発注、工事業者の手配など一定の知識や経験が必要とされ、ある程度BMのノウハウが必要とされます。BM部門を社内に置く会社は少なく、外注で委託するのがほとんどになります。

「AM」は資産状況の見張り番!

PMがしっかりしている会社に管理業務を委託すれば、より高い入居率を維持することが可能となります。ただ、アパート・マンション・貸家などの建物は経年とともに必要な資産管理が必要になってきます。これは、単にリフォームすれば済むという問題ではなく、入居状況や経年などによる収支バランスの変化に対応していくことが求められるのです。

Ⅰ.減価償却費が減ることによってキャッシュフローが圧迫される!

新築の時は目一杯利用できた減価償却の恩恵も、経年によって家賃収入から控除される金額が減っていきます。そうすると、不動産収入としては黒字でも、手元に残るお金(キャッシュフロー)が赤字になる可能性が出てくるのです。

※減価償却費については、【不動産投資とリノベーション】損しないために気を付けたい「税金」「必要経費」「空室対策」についてをご参照ください。スクリーンショット 2016-01-18 14.32.38上記でもわかるように、減価償却費が減ってしまうと、課税される金額が大きくなり、キャッシュフローを圧迫することになるのです。

Ⅱ.ローン残債が減ることによってキャッシュフローが圧迫される!?

各種控除費用にもあるように、ローンを組んでアパートなどを建てた場合、ローンの利息は、必要経費として認められています。通常、ローンは元利金等返済とすることが多く、返済当初は利息部分の比率が高く、年数を経るに従い元本部分の比率が高くなってきます。つまり、ローン返済開始時(=新築時)は必要経費である利息が多かったものの、建物が古くなり始めるローン完済時になると利息はほとんどなくなるため、減価償却費同様、キャッシュフローが圧迫されてしまうのです。

Ⅲ.不動産経営を資産の収支状況から見張るのがAMの仕事!

減価償却費やローン利息の変動等に伴う収支バランスの変化を把握し、適切なアドバイスを行っていく専門家の存在が、不動産経営においては必要です。一般的には、会計士や税理士が財務面に関するアドバイスをするのがほとんどでしょう。ただ、財務面だけで打てる対策では「出るものを減らす」のがベースとなるため、不動産経営のマネジメントとしては限界があると言えます。そこで、不動産の経営状況をオーナーに代わって分析し、必要なアドバイスを行って対策を講じるAM(アセットマネジメント)」という業務の必要性が高まっています。

AMが扱う事例としては、収支バランスが悪くなった物件のリーシング強化やリノベーションによる収益向上、仮に収益改善が見込めない物件であれば、解体して現代風の建物への新築や、売却して他の物件に買い替える“資産の組み換え”などの提案が挙げられます。日々、不動産の現状に触れているからこそ“プロのアドバイス”ができる訳です。不動産会社が、業としてAM部門を置く場合は、宅建業の免許とは別に「不動産投資顧問業の登録」が必要となりますが、時代のニーズとともに徐々にその数は増えてきています。

「FM」~不動産を所有する人と利用する人のことを考える仕事

「PM」「BM」「AM」の役割をひと言でまとめると、「資産の維持・保全・コンサルティングによって、収益の向上を目指して行くこと」になります。それに対して、不動産収益の枠に捉われず、各事業者が保有・使用している不動産を、より最適な方法で活用・維持して行こうとする「FM(ファシリティマネジメント)」という業務手法があります。FMが対象とする不動産は、企業・国・地方自治体・団体などが所有する業務用不動産が主体とされてきましたが、近年はその範囲が拡大し、病院・学校・官公庁などの公共施設にも及んでおり、将来的には、個人が所有する一般住宅にも適用範囲が広がると見られています。つまり、市場で流通しているものに限らず、遊休状態のものも含めたすべての不動産が対象ということになります。スクリーンショット 2016-01-18 14.46.21
ここで、FM活動に関するいくつかの具体例をご紹介します。

Ⅰ.空きスペース、余剰スペースの問題解決を目的としたFM活動

このところ、Amazonや楽天などのネット通販の市場拡大に伴い、高機能型物流倉庫の新設によって従来型倉庫の利用が減少し、倉庫を所有する企業側の収益・維持・管理が課題になっています。

そんな中、空き倉庫を間仕切り壁で区分したレンタルオフィスが話題となっており、所有企業側はもちろん、まとまった資金準備が困難なベンチャー企業など、借主側からも好評を博しています。

また、使用頻度が少ない企業の会議室を、事務所面積の小さなベンチャー企業向けにミーティングルームとして貸し出したり、一般個人向けにセミナー会場として貸し出すサービスも行われるようになっています。

他にも、分譲マンションの販売用モデルルームがその役目を終えて解体される前、使用期間を数ヶ月間延長して、異業種の企業どうしでコラボイベントを開催したケースがあります。最近のモデルルームは、高級感のある家具や窓に高層階をイメージした写真を張り込むなどの演出が為されており、新しいスタイルのイベント会場として話題になっています。本来なら解体を待つだけの施設ですが、スペースを有効に活用し、利用者にも喜んでもらえる画期的なアイディアと言えるでしょう。

FMによって、これら施設の過不足をマッチングすることが可能になります。

Ⅱ.業務効率の向上を目指したFM活動

企業などが所有または使用しているオフィスを、より効率的に活用することにより、本業の業務効率の向上を図ろうとする活動があります。具体例として、社員どうしのコミュニケーション形成を目的に社内レイアウトを変更する企業が増えており、中にはオフィスの一角にカフェスペースを設ける企業もあります。また、レイアウト変更に合わせたオリジナルのオフィス家具を設置する会社も増えていて、デスクを機能重視の既製品からデザイン性のあるオーダーメイドデスクに変更し、情報交流の活性化を促すことなども行われています。これらは、業務効率をオフィスの環境面から向上させていこうとするFM活動であり、さらに社員の意見も採用され、コストも低く抑えられることから、取り組む企業が増えています。

参考:5TSUBO CAFE

Ⅲ.企業・行政・個人が一体で行うFM活動

不動産の所有者である企業・行政・個人が抱える維持管理や収益面の問題を、社会インフラ面から解消しようとするFM活動が、身近なところで動きを見せています。

廃校になった地方の小学校校舎は、自治体の維持管理費用を圧迫しており、解体するにも費用が掛かります。そこで、校舎をリノベーションし、保育所や老人福祉施設などに再利用したり、個人や企業などの民間が運営を譲り受けてアートギャラリーやカフェ、ペンションなどに転用したりする活動が各地で行われています。

他にも社会インフラ面のFM活動に区分されるものとして、各地で法整備されつつある“民泊”があります。ビジネスとして確立されてきた民泊も、立上げ当初は、国体や高校総体、お祭りなど地方でイベントが開催される際に、宿泊場所を確保するのが困難という来場者の声が多かったことから、自治体と地元住民がタッグを組み、自宅を開放して宿泊客を受け入れたことがきっかけと言われています。

まとめ

不動産活用では、収益や維持管理が第一の関心事になります。その一方で、利用者あっての不動産活用という考え方が定着し始めており、その試みが各方面で実施され、成功事例も数多く報告されています。人口減少によって不動産が余ることも予想されている昨今、役に立つスペースづくりが、今後の不動産活用のテーマと言えるかも知れません。

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