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不動産投資をするなら絶対に知っておきたい価格決定のメカニズムとは

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不動産投資をするなら絶対に知っておきたい価格決定のメカニズムとは

不動産に限らず、物の値段は基本的に需要と供給のバランスによって決まります。でも、そんな理屈は中学生でも知っていますよね。ところで、需要と供給はどんな要因で変動するのでしょう。価格を決定する要因を単純に量的な指数で判断すると、価格変動のトレンドを見誤ることになります。

では、量的要因以外に何が価格変動に影響を与えているか、それが問題ですよね。現実的には、国の政策や供給側の思惑、ユーザーの価値観など様々な要素が入り混じって需要のボリュームが左右されます。つまり、単純な量的要因に加えて意図的要因が需要を作り出しているということです。
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人口の増減で需給動向を見るのは間違い

住宅を求める人が多いと住宅需要が増加するのであれば、人口が減れば需要も縮小するという理屈になります。だとすると、日本は人口が減る傾向にあるので住宅需要は減少し、それに対して供給が上回れば住宅価格が安くなるということになります。そうなると、バランスをとるために供給も減っていくと考えるのが常道。

ところが、空き家が820万戸もあるというのに、新築住宅が供給され続け量的には明らかに供給過多。にもかかわらず、首都圏では新築マンションの価格が高止まりしています。価格が上がるということは需要が供給を上回っているわけで、この現象は需要と供給のバランスで価格が決まるという理屈から逸脱しているように見えますよね。

実はこの現象というのは、実需とは別のファクターが不動産価格に影響を与えていることを証明しているのです。日本は欧米に比べて中古住宅市場の規模が極端に少なく、新築信仰が根強い傾向にあります。マイホームを持つなら中古ではなく新築、そういった需要が新築住宅の供給を下支えしている大きな要因です。そしてこれは、単にユーザー志向というより国の政策や企業の思惑が大きく作用した結果なのです。

住宅産業が経済全体に与える影響は大きく、住宅を作り販売するという商行為は経済成長に欠かせません。だから、デベロッパーは新築物件を作り続けなければならないわけですね。そして、それを国も率先して誘導してきました。そういった背景が、日本人の新築信仰を煽った大きな要因ということです。

不動産投資需要と大都市への人口流出

そもそも、住宅需要はその住宅に住むという実需だけではありません。投資目的で住宅を購入する企業や個人がいるわけで、単純に一家に一つの住宅という図式は当てはまりません。しかし、いくら投資用とはいえ、住宅ですから誰かが住まなければ空き家になりますよね。

物理的な人口は減っているのですから、賃貸であれ住まいを求める需要は限られているはず。それでも投資物件に入居者がいるということは、古い住宅から新しい住宅、そして地方から東京を中心とした大都市へ人がシフトしていることです。なので、新築住宅が供給される一方で空き家が増え続けているわけです。

このトレンドは、地方と首都圏で不動産価格が大きく異なるという格差を招きました。総体的なボリュームに於ける要素ではなく、一極集中によるメカニズムが不動産価格に大きく影響しているということですね。

なぜ東京に集中するかは単純な理由で、東京が政治経済の中心で富と権力が集中し様々な施設が揃っているから。そして、成功の可能性を秘めているからです。より良い生活の利便性や高いクオリティを望む人にとって、東京はその欲求を満たしてくれる場所ですからね。そして、そういった欲求が強いのは若い世代で、特に単身者が多いので単身者向けの住宅需要がある。なので、大都市圏では単身者向けのワンルームマンションが投資物件として流通しているのです。

人口は減っているが世帯数は増えている

人口が減っているのに世帯数が増えている、これは一体どういうことなのか。早い話、家族がバラバラになっているということ。地方では高校を卒業すると、東京や大阪といった大都市の大学や企業に行ったきり地元には帰ってこない。これは故郷に戻っても仕事が無いので、都会で頑張るしかないという切実な事情もあります。

その結果、夫婦二人とか高齢者の一人暮らしが増えるわけですね。例えば、三人兄弟がそれぞれ独立して暮らし始めると、一つの世帯が4世帯に増えることになります。そして非正規雇用で所得が少ないと、結婚しない、もしくはできないケースが多いので独身世帯が減らず存続したまま。そういった現状が、大都市圏の住宅需要を支える要因のひとつです。

住宅市場の偏り

ここ数年、住宅ローンは史上空前の超低金利が続いているので、住宅の購入をしやすい環境にあります。しかし、いくら低金利といっても、年収200万円前後で収入が不安定な派遣など非正規雇用という属性では、住宅ローンを組むのは難しいのが現実です。住宅ローンを組めない、もしくは敢えて借家住まいを選択する若い世帯が賃貸住宅の需要を生んでいるのです。

一方で、複数の住宅を所有する層が存在しています。それは特に富裕層というわけではなく、一般的な給与所得者で金融機関に受けの良い属性の階層です。金融機関が好むのは年収400万円以上の正規雇用で、しかも大手企業の社員か公務員といった属性。

当然、そういった金融機関が好む属性のユーザーボリュームは限られています。しかし金融機関はお金がダブついているので、優良な属性の顧客には投資物件用の融資も積極的にしてくれます。ですので、超低金利という要因も重なって、属性の良い個人が投資家となって複数の住宅を所有することになります。これが個人の不動産投資ブームの構図で、ワンルームマンションを中心にした需要を生み出しているのです。

こういったトレンドが、大都市圏における住宅需要を創出する要因になります。人口減によりマーケットの裾野は狭くなっているのに、需要そのものは減らないという現象が起きているわけですね。

住宅を供給するデベロッパーの思惑

最も極端な例は、都心における高級タワーマンションの供給。大手デベロッパーは国内外の富裕層にターゲットを絞り、数億円もする高級マンションを供給しています。そしてこれが飛ぶように売れているのですから、止められないでしょう。それが結果として、首都圏の新築マンション価格の平均値を押し上げているわけです。

少なくとも今のところは、都心にあるタワーマンションの資産価値が高くなっています。都心にあるマンションは資産価値が高い、だから購入希望者が絶えないという構図ができ上がっているのです。まさに大手デベロッパーの思惑通りの展開になっているわけですね。

しかし都心の駅近という立地は希少で、用地取得は年々困難になっています。そうなると、それこそ需要が供給を上回りますから用地価格は上昇します。もちろん、それは供給価格に反映されるわけで、都心の駅近物件は益々高騰するということになります。

とはいえ、いつかは天井に達するはずなのですが、しかし東京の不動産は海外に比べてまだまだ割安感が強い。なので、外国人投資家にとっては当分の間は価格高騰も許容範囲でしょう。ということは、暫くは価格高騰が続く要因があるということになりますね。そして当然のことながら、大手デベロッパーはそのことを見越しているでしょう。

不動産投資信託の動き

少なからず不動産投資に興味をお持ちの方なら、J-REITはご存知でしょう。これは不動産を対象にした投資信託のことですが、この中でも住宅型J-REITは東京の物件に集中的に投資しています。

東京は物件価格が高いので利回りは低いのですが、空室や賃料の値崩れといったリスクが小さいので安定した利回りが確保できます。そして資産価値が高いので、将来的に売却しやすく長期的な利益確保が可能というメリットがあるからです。

J-REITの投資額は年々増えており、マンションだけでも2013年には2,300億円を超えています。そして投資の全体比では、東京の比率は件数で6割強、評価額で7割強を占めているのです。これだけの巨額の資金が東京に投資されているのですから、都内のマンション価格に及ぼす影響は軽視できません。

J-REITは投資ファンドですから、そこに住むという目的でマンションを購入しているわけではありません。つまり実需とはまったく異なる次元で巨額の資金が動き、不動産価格を決める要因になっているということです。

まとめ

原理としては、不動産価格を決める要素は需要と供給のバランスです。しかし、肝心の需要の中身が複雑な要素によって構成されているのです。供給側は社会情勢の動向を見ながら、需要を創出、もしくは刺激する戦略を立てマーケットをコントロールしようとします。そして、そういった戦略の実情は決して表に出ることはありません。だから、不動産価格の動向は複雑怪奇というわけです。

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