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横浜マンション傾斜問題のその後!全棟建て替えで決まり?!

横浜マンション傾斜問題のその後!全棟建て替えで決まり?!

暫く影を潜めていた感のある、横浜のマンション傾斜問題。ところが年明けて、今月の14日に新たな動きが出てきたようです。フジテレビ系の報道によると、住民アンケートの結果は、全世帯の9割近くが「全棟建て替え」を希望するという回答だったそうです。

大方の予想に反する住民の強い意思表示

昨年中は、住民間では様々な思いがあり、全棟建て替えにはなかなか至らないのではと報じられていました。しかし管理組合が実施した2回目のアンケートの結果は、そういった大方の予想を覆す結果になったのです。

アンケートに回答したのは、全世帯705戸のうち685戸。そのうちの628戸の住民が「全4棟の建て替え」を希望するという結果でした。これは全705戸の89.1%に当たり、建て替えに必要な5分の4を上回る数字です。

1回目に実施されたアンケートは無記名で、「全棟建て替え」を希望していたのは約7割。しかし2回目のアンケートは記名式で、約9割が「全棟建て替え」希望の意思表示をしたということです。これは、住民が「全棟建て替え」に対する強い意志を表したことを意味します。これを受けて、マンションの管理組合は2月の通常総会で全棟建て替えの方針を決める予定。

昨年12月に三井不動産レジデンシャルが住民に対して買い取り価格を提示していましたが、2回目のアンケートでは売却を検討していると答えたのは60戸だけでした。全棟建て替えを希望する住民が9割近くに達したということは、三井側が買い取るという選択肢はなくなったということになります。これにより、この問題は「全棟建て替え」の方向へ一気に向かっていくでしょう。
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国も見過ごせなくたった業界の体質

今月13日には、国土交通省が元請けの三井住友建設、1次下請けの日立ハイテクノロジーズ、2次下請けの旭化成建材3社に業務改善を命令。三井住友建設は同省発注工事の指名停止1カ月、日立ハイテクノロジーズと次下請けの旭化成建材は15日間の営業停止という行政処分をしています。

建設業法では、請負業者が下請けに丸投げすることを禁じています。また、一定の規模を超えた工事の場合、専従の「主任技術者」を配置することが義務付けられています。今回は、何れの会社もこれに違反していたことに対する処分。

これらの処分は建設業界の怠慢に対する国のお仕置きですが、見方によっては今更という感があります。国土交通省が業界の体質をまったく知らなかったとは考えにくく、仮に本当に知らなかったとすれば、それはそれで監督省庁として怠慢だったと言わざるを得ません。つまるところ、ここまで問題が大きくなってしまったので、もう見てみぬ振りができなくなったというのが実態ではないでしょうか。

しかし、今回の処分は形だけのことで、実際は会社としては痛くも痒くもない。痛みを伴うとすれば、社内で責任を取らされる担当者だけでしょうね。

三井不動産レジデンシャルは逃げ場を失った?

三井不動産側は、意外と早い段階から住民に対して「全棟建て替え」案を提示していました。その他の解決方法として、杭に不備があるウェスト棟だけを建て替える、補修で乗り切る、三井に売却して転出するといった3つの案も提示。

しかし、本気で全棟建て替えを考えていたかは疑問の残るところです。住民の間でも、三井側は全棟建て替えに必要な5分の4の賛成は得られないと踏んでいるのではという声があったようです。事実、一回目の住民アンケートでは、全棟建て替えに賛成したのは約7割で5分の4には達していませんでした。

おそらく三井側は、全棟建て替えは回避したいというのが本音だったのでしょう。全棟建て替えではなく、ウェスト棟だけを建て替える、補修で乗り切る、三井に売却して転出するといった案の組み合わせで乗り切るというのが三井のシナリオだったのではないでしょうか。しかし今回のアンケート結果で、その目論見が脆くも崩れた格好ですね。

管理組合が総会で全棟建て替えを決議すれば、その案を提示していた三井は受け入れるしかありません。つまり、退路を断たれるわけですね。とはいえ、三井不動産の資金力であれば全棟建て替えは不可能ではないし、その資金的な負担が経営そのものに致命的なダメージを与えることはないでしょう。それよりも、社内的には誰がその責任を取るかの方が重要な問題なのではないでしょうか。

著者について

マンションジャーナル編集部TAKAHASHI
不動産ライター。元不動産会社勤務。長年の業界経験を生かし、かしこいマンションの選び方から不動産投資、住宅ローンなど幅広いテーマで執筆中です。

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