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社会情勢から見る2016年のマンション市場の動向

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社会情勢から見る2016年のマンション市場の動向

2015年は新築マンションの価格が高止まりし、それに伴って中古マンション価格も上昇しました。2017年4月に予定されている消費税引き上げや、2020年の東京五輪に向けて2016年のマンション市場はどんな展開を見せるのか。

単に住宅需要という観点からでは、マンション市場の動向は測れません。政治や経済などの社会情勢が直接的、あるいは間接的に不動産市場に影響を及ぼします。では、世界の社会情勢による株価や為替などの動きがどのように不動産市場、特にマンション市場に影響を及ぼすのかを検証してみましょう。
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年明けの株価はいきなり下落

2016年の干支は「申」、株式相場の干支にちなんだ格言は「申酉騒ぐ」だそうです。つまり、今年と来年にかけて株式相場は上下に振れて騒がしくなるということのようですね。科学的な根拠はないものの、不思議に良く当たるようで年明けの相場は格言通り、まずは下振れから始まりました。

株価下落の直接的な要因は、中国株の急落による世界同時株安。中国では年明けの4日から導入されたサーキットブレーカーが発動され、中国市場は早速に取引停止状態。これは価格が一定以上の変動を起こした場合に適用される制度で、これが発動されたということは中国市場で異常な値動きがあったことを意味しています。その他にも、サウジアラビアとイランの国交断絶により中東情勢の緊張が高まったこともあるようです。まさに、2016年は騒がしい幕開けになりましたね。crash-215512_640

株から不動産へ資金が流れる?

株価が下落するのを嫌って、比較的安定した不動産に資金が流れこむ可能性もあります。そうなると、不動産市場は活発になるかもしれませんが、住宅供給という点では好ましくない状況になるでしょう。実需に関係なくマンションの価格が上昇すれば住宅としての需要が減り、主に富裕層による投資の対象になってしまいますからね。

都心に建設されている億単位の高額なタワーマンションでは既にそういった傾向にあり、デベロッパーもはじめから純粋な住居用ではなく投資物件として計画している感があります。億を超える物件が飛ぶように売れるのですから、ビジネスとしては魅力的なのでしょう。しかし、そういったマンションが将来どのような使い方をされるかは、現時点では誰にも分からないことですが一抹の不安はありますね。

中国人による不動産投資の動向

中東情勢もさることながら、やはり中国経済の動きが日本に及ぼす影響は大きいといえるでしょう。では、中国株の下落は中国の富裕層にどんな影響を及ぼすのか。2016年は、東京を中心にした中国人による不動産投資に陰りが見えるのでしょうか。

一時的に件数が減ることはあるかもしれませんが、おそらく金額的には増える傾向にあると予想されます。株高による利益を当てにしている層は投資を手控えるでしょうが、既に多くの資金を持っている富裕層の動きは異なるでしょう。リスクの高い中国株から、比較的安全な日本の不動産に資金をシフトさせることが考えられるからです。もっとも、中国人観光客による爆買いは減るかもしれませんけどね。

中国経済が失速しても、政治家や高級官僚は経済活動とは別の収入源を持っています。経済成長の失速による多少の目減りはあるにしても、国家が存続している以上は収入源が絶えることはありません。この収入源は正当な経済活動によるものではないので、国内に現金で持っているわけにはいきません。ですから、国外の投資に向けることになります。その対象が、日本の不動産ということです。少なくとも、東京五輪の開催直前までは投資先として有望ですからね。shanghai-992435_640

株価下落に伴う円高傾向

4日の大発会に於ける日経平均は一時600円超安と崩れ、為替も1ドル119円大前半の円高に傾きました。しかしドル売りの要因については株安というより、今年になって利上げが4回実施されるはずのシナリオに疑問符が付いたことが大きく影響しているようです。一旦利益を確保しようとするドル売りが主な要因ですから、この円高は一時的なものと考えて良いでしょう。ただし、株価や原油価格の影響を受けて為替も乱高下する可能性はあります。

為替相場が不安定になると、建築用の輸入資材の価格も不安定になります。建築費に影響を及ぼすまでにはある程度のタイムラグはありますが、建築費は高値に合わせて見積もる必要が出てきます。となれば、建築コストの上昇に拍車がかかる可能性がありますね。

原油高の影響

為替もそうですが、中東情勢の緊張が高まり原油高になることも懸念材料になります。原油が高くなれば様々な分野でコスト高になり、当然のことながら建築コストにも影響を及ぼします。このところマンションの建築コストは上り気味ですが、更に原油高による資材価格の上昇が加わる可能性があるということです。oil-106913_640

建築コストの異常な上昇がもたらす負のスパイラル

住宅としてのマンション市場が正常に機能するには、需要と供給のバランスが取れていることが重要です。購入資金のキャパを供給価格が上回ると、ユーザーは買いたくても手が出なくなります。そうなると供給過多になり在庫が増える一方で、やがては叩き売りしてでも処分せざるを得なくなるでしょう。そして、大手のような資金力のないデベロッパーは資金ショートして倒産するというシナリオが考えられます。

しかしそういった事態になれば、資金力のある大手であっても無傷ではいられないでしょう。単に分譲価格が下がるだけならユーザーにはメリットになりますが、事はそんなに単純ではありません。経営が厳しくなれば、必ずどこかに歪みが生じます。経費を削るために、サービス水準や品質の低下は充分起こり得ることです。

それに、横浜のマンション傾斜問題のような事態になっても対応できなくなる可能性があります。その結果、マンションの資産価値が急激に下ることになります。そうなると、マンション市場は大混乱に陥るでしょう。もっとも、そういう事態になる可能性は限りなく低いのですが、絶対にないとは言えないところが怖いですね。

まとめ

年明け早々、波乱含みの社会情勢ですので、株価や為替の動きに注意をする必要があるでしょう。幸い、不動産は経済情勢の影響が価格に反映されるまでにある程度のタイムラグがあるので、株や為替のように一瞬にして価値がなくなるということはありません。

社会情勢による株価や為替の動きを注意深く観察することで、ある程度の予測ができるのでリスクヘッジがしやすいという特徴があります。ですので、直接関係していないからといって見過ごすのではなく、間接的な影響を想像しながら状況を見極め賢明な対応をすることをお薦めします。

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