マンションジャーナル

マンションジャーナル

プロ直伝!マンションの新築と中古を賢く比較するポイントとは?

マンションジャーナル最新記事

More
プロ直伝!マンションの新築と中古を賢く比較するポイントとは?

「新築と中古はどちらがいいのか?」という疑問は「賃貸と購入どちらがいいのか?」と並んで不動産関係でもっともメジャーなテーマの一つです。

実際、不動産を購入しようと考えた人であれば一度ならずそれについて考えたことがあると思いますし、実際に住宅関連の雑誌やサイトで調べても「新築と中古」のメリットデメリットについての情報は数多く見つかります。

しかし、その内容については意外とばらばらであり、切り口もレベルもさまざま。
筆者が読んでも「そんなわかりきった事を書かれてもなぁ」と思う事や「それはこじつけだよね」と思うような事はしばしばあります。(もちろん、わかりきった事であってもそれを知らない人にとっては重要な知識であるため、そういう情報の重要性は否定しませんが。)
>>マンションを買うなら知らないと損するサービスとは?

という事で、ここでは筆者が個人的に考える新築マンションと中古マンションのメリットデメリットについて筆者ならではの切り口で考えてみます。

日本の不動産市場は特殊である

ただ単に「家を買う」と聞いたとき、普通の日本人であれば「新築の家」を思い浮かべます。
しかし、実はそれは日本特有の事情なのです。

世界的に見れば、不動産流通の主流は中古物件なのです。

たとえばハリウッドの映画を見ていると、その劇中で家を売買するシーンがある、あるいは売買がきっかけになり始まっている映画は結構存在しますよね。
しかしそういう映画の中で「新築の家を購入する」映画はほとんどないはずです。
筆者が思いつく限り、新築の家を購入する事がきっかけになっている映画はスピールバーク製作の「ポルターガイスト」(1982)くらいしか思いつきません。

ほとんどの映画では、たとえば「中古で購入した家に引っ越すとそこに謎の地下室が発見されて…」なんて感じで、劇中で購入される家のほとんどが中古住宅です。
築50年や60年という物件も珍しくありません。

また自分の家や農場を売るために家の前に自分でSELLの札を付けたりするシーンもときどき見かけます。
そういうシーンを映画で見かけるという事は、アメリカでは中古不動産の売買が気軽に行われている事を表しています。
そして、そのようなシーンからわかる通り、アメリカでの不動産流通の基本は「中古」であり、これは例えば欧州でも同じです。

具体的な数字で言えば、アメリカで1年間に売買される住宅のうち中古住宅が占める割合は75%、イギリスであれば実に88%が中古住宅の売買で占められています。
中古住宅の売買が全体の3割以下だと言われる日本とは間逆の数字であり、世界中で、ほとんど日本だけが「新築中心」で不動産を売買してるのです。

これは日本人の「新しい物好き」という国民性によるところが大きく、実際に中古と聞くと「新築より落ちる」「新築が買えないから中古を買う」というイメージを持っている方も多いと思います。

もちろん、不動産における新築と中古の関係はそう単純なものではなく、中古には中古のメリットが沢山存在しますし、必ずしも「中古が新築に劣る」わけでは全くありません。
逆に言えば、新築物件は中古物件と比べていくつかのデメリットがあるのです。
実際、筆者の場合、その新築のデメリットが怖くてあえて中古物件を選ぶ場合がほとんどです。

では新築にはどのようなデメリットがあるのでしょうか?

新築マンションの青田売り

筆者が新築を怖くて買えない最大の理由は、特にマンションの場合ですが、日本独特の「物件が完成する前に予約で販売してしまう」、いわゆる「青田売り」の習慣の存在です。

マンションの販売ではそれが当たり前になりすぎていて、いまや疑問をもたない方もいるかと思いますが、ちょっと考えてみてください。
たとえば自動車や電化製品を買いにいったとき、まだ実物は存在せず、図面や運転シミュレータだけ見せられて「これから作る予定の商品です」と説明されたときに、それを買う人はいるでしょうか?
よほど魅力的で独創的な商品や限定商品でもない限り、まだ完成していない海のものとも山のものともわからないものを購入する人はいないでしょう。

普通の車や電化製品の販売ではそんな販売方法は考えられません。
しかし、他の製品ではありえない販売方法が、なぜか新築マンションの販売では至極当然のように行われているわけです。
まだモノが存在しない状態で、図面やモデルルームを見せるだけで何千万円もの契約を行ってしまうのが日本の新築マンションの販売方法の主流です。

筆者は臆病なので、実物が一切存在しないにも関わらず数千万円の契約が結べる人は素直にすごいなぁと思います。
建築途中でなんらかの天変地異等でマンションが完成しないかもしれませんし、実際に出来たマンションに入居してみると自分が想像していたのとは違うモノができているかもしれないのです。
たとえば窓から見える風景や匂いや騒音等の周辺環境は、マンションが完成して実際に住んでみない限り絶対に確認する事ができないため、入居してから「思っていたのと違う」という可能性があります。
また、もっと極端な例としては、建設会社や不動産会社がマンション建築途中で倒産してしまうかもしれません。

実際に、つい最近(11月)も文京区で、ほとんど完成していたマンションが建築中止になり(厳密には建築確認が取り消しになり)購入予定者に全額返金するという問題が発生しています。
もちろんお金は返ってくるので最悪の事態は避けられているわけですが、住居という重要な問題がからむだけにお金だけの問題ではすまない厳しい状況に追い込まれている人も出てきています。

例えば件のマンションでは、来年2月から入居開始だったものが直前の11月に急に販売中止になったため、入居予定者の中には「すでに今の家は売る契約をしてしまっているのに、金だけ返されても住む家がないし急に家なんか探せない」とショックを受けていた人もいらっしゃると聞いています。

新築マンションの販売で普通に行われている青田売りには、現実にそういうリスクが伴っているわけです。

この不動産の青田売りですが、本来であれば完成してから実物を見てもらって販売する方がいいに決まっています。
しかし、実際には建築開始したばかりのマンションをその時点で積極的に販売してしまう。まさに青田売りが行われています。

その理由はなぜか?

実はその理由のほとんどは販売側の都合なのです。
販売側から見た青田売りのメリットは簡単に言えば資金的な問題、これにつきます。

マンションの販売主は、土地取得時に元の土地所有者に土地代を支払う必要があり、マンション完成時に今度は建設会社にマンションの建設資金を払う必要があります。
そしてこの資金は、銀行等から事業用に借り入れる事でまかなわれています。
もし、マンションを完成後にしか宣伝販売できないのであれば、マンション販売会社は多額の借金を抱えたままでその物件を販売することになり、当然、別のマンションの用地取得や建築への資金も滞ることになり、運転資金に苦しむことになります。

しかし、マンションの建設開始にあわせて(厳密には建築確認がとれてから)販売活動が開始でき実際に販売できるなら、マンション完成後引渡し時にすぐ代金が回収できる事になり借入金を返済する事ができます。
しかも、販売開始早々にマンションが完売あるいは完売に近い状態になれば、次の事業計画も立てやすくなりますし、銀行から次の融資を受けることもできるでしょう。

それがマンションが青田売りされる理由であり、まさに販売側の都合だけでマンションの青田売りは行われているのです。

他にも些細な理由はありますが、それらはすべて2次的なメリットにすぎず、実際に青田売りが行われている理由は販売側の資金的事情だけだと断言できます。

もちろんデベロッパー側も完成後に販売する方がいいという事はわかっていますし、実際に10年以上前ですが、某大手デベロッパーが「当社はこれからは施工販売にする」と宣言した事があります。
しかし残念ながら、他の会社と比べて資金的に苦しくなり、結局その会社も元の青田売りに戻してしました。
また上手くいかなかった別の理由としては、一社だけが施工販売にする事でそれを「売れ残り」と誤解する客が多かったというのも一因としてあげられます。

本来であれば正しい販売方法ではない「青田売り」が一般化しているため、客の方でそういう誤解が生まれてしまうというのも悲しい話ですが、しかし青田売りが一般化している以上この誤解は避けられないかもしれません。

そういう理由で新築マンションは基本的に青田売りで販売されているわけですから、それを購入する場合には「販売している物件はまだこの世に存在しない。あくまでもこれから建てる予定の物件である」事をよく念頭に置いて購入する事をおすすめします。
実際に、先の文京区の物件の場合、周囲の住民の反対運動がずっと続いていて、マンション周辺には建築反対の看板やのぼりが存在していたので、実際に現地の見学をきちんと行っていれば、購入する前に「何か問題があるのかも」という判断ができたはずの物件なのです。

新築マンションの品質や環境に対する不安

10年前に世間を騒がせた耐震偽造問題やそれにあわせて発覚した手抜き工事、最近でも、たとえば昨年横浜であったマンションの傾き問題や、今年話題の「杭打ち偽造」問題など、マンションの品質について疑問を抱かせるような報道はあとをたちません。

そういう状況の中で、これから新しくマンションを購入しようと考える人がその品質等に不安を抱くのは当然の事だと思いますが、さて、実際にいままで建築後に施工不良等で問題が発生した物件等の多くを見ると、多くの初期不良は最初の10年以内(多くは5年以内)に問題が顕在化している事が多いのです。

実際、建築後20年以上もたったマンションで「傾いた」などの報道を見かける事はあまりありませんよね。
報道されるほど大きな問題ではなくても、「壁に大きなクラックが入った」「謎の水漏れが発生した」等の問題が発生するマンションは多く、その多くは施工後10年以内に問題が顕在化しています。
逆に言えば、すでに建築されてから10年20年と大過なく建っているマンションの場合、「実際にその立地で雨風地震等に耐えながら問題なく建ち続けている」という実績自体が、ある意味でそのマンションの信頼性をある程度担保していると考えられます。

また、マンションというものは、それまで存在していなかった大きな建築物がそこに建ち、多くの新規居住者が住み始めるわけですから、完成後に周辺住民とのトラブルが発生する事が意外と多くあります。
駐車場からの車の出し入れやマンション住民のゴミ出し、マンションが与える日照等いろいろな理由で、それまで普通に周囲に住んでいた方ともめるケースは想像以上に多いのです。

またマンションの外ではなく、購入したマンション内の他の購入者に問題がある場合も当然ながら存在します。
たとえば、最近は不動産も海外からの爆買いの対象になっている事については頻繁に報道されているのでご存じの方も多いかもしれませんが、その結果として、特に都心部のタワーマンション等において購入者の半数以上が中国人に代表される外国人、というような物件も存在しています。
当然ながらそのようなマンションは将来的にマンションの管理等において問題が発生する可能性があり、「事前にそれがわかっていれば」できれば避けたい物件です。
しかし新築であれば他の購入者情報など教えてくれるわけもありません。買ってはじめてわかる事なのです。

これが中古マンションであれば、それらの事については販売している不動産会社経由でマンション管理会社等に問い合わせる事で、現在の管理状況や住民の状況について確認する事ができます。
そのマンション自体が近隣の方とうまくいっているか、そのマンション内のコミュニティ等はどうなのか、それはすべて「今そこに実績として」存在しているのです。

資産価値下落に対する不安

これは特にマンションに特化した話ではありません。
マンションに限らず服でも車でも電化製品であっても、いったん誰かが購入し使用したものは「中古」になります。
そして「中古」になった途端、その資産価値は下落します。

しかし元々購入したものが「中古」である場合、そこで発生する資産価値の下落を最小限で留めることが可能です。
中古が中古になるだけですからその点での資産価値の下落が発生しないためです。

なんであれ「資産価値」という面で見たときに「新品」の購入はその行為自体が「自分の資産を減らす」行為である事になるわけですが、一方で、そもそもそれは「その物品を売る」という行為があってはじめて「資産が減った」と認識できる類のものでもあります。
ずっと着続ける服や使い続ける電化製品と同様、そのマンションにずっと住み続ける限り、この「資産価値の減少」については気にする必要はありません。
資産価値の減少は、現金化しようとしたときにはじめて表面化するという、ある意味で量子物理学で言うシュレディンガーの猫と似たようなものです。
ですからそのマンションを現金化することがなければ、その資産価値など気にする必要はありません。

ただし、なんらかの事情でそのマンションを売る必要が出たときには新築マンションを購入した事を後悔する可能性があるという事は頭の片隅に覚えておいてください。
実際、「販売価格が住宅ローンの残額より安くなってしまうためマンションを売りたくても売れない」という話は、本当によく見かける話です。

新築マンションのメリット

では新築マンションを購入するメリットとはなんでしょうか?

まず、新品好きの日本人の国民性から「そもそも新築以外は選択枝にない」という価値観の方が一定数います。
「家を買う」と言う言葉の中に暗黙で「新築の」という枕詞がついてる方々です。
それ自体は日本人の国民性として一般的なものですし、その価値観はもちろんそれはそれで構わないわけですが、そのような価値観の方にとって、そもそも新築物件にはメリットが存在しません。デメリットも存在しません。
なぜかというとメリットデメリットを比較する相手が存在しないため、そもそもメリットデメリット自体が発生しないためです。

ですから、ここではあくまでも「新築」と「中古」を両方検討している方に対してのみ発生する新築マンションのメリットについて考えてみます。

「新築のメリットとは何か?」もしそう聞かれたとき、多くの方が一般に思い浮かべるのは「まっさらでピカピカの最新仕様のマンションが手に入る事」ではないでしょうか?

ではほかにどんなメリットがありますか?
そう聞かれたときに、多くの方は困ると思います。
そう、基本的に新築マンションを購入するメリットはまさにそれにつきるのです。

しかし、実はもっと重要なメリットがあると筆者は考えます。

それは「誰でも簡単にマンションが買える事」です。

新築マンションが新しく建築されるとき、最寄り路線の電車には車内広告が貼られ、近場の駅では大きな広告ポスターやチラシの配布が行われてその存在をアピールします。
普段マンションにあまり興味がなく情報収集を行っていないような方でも、近くにマンションが建設されるときはそれを容易に知る事ができます。
(まさに一般の方に告知するために広報活動を行っているからそれは当たり前の事ですが)

もし、たまたまそのタイミングで家を買う事に興味を持った人がいれば、その広告に従ってショールームを訪ねれば、そこには綺麗なモデルルームやパンフレットや説明用のビデオが用意されていて、販売員が懇切丁寧に物件のメリットを説明してくれますし、わからない事があっても真摯に回答してくれます。
それまでマンション購入にあまり興味がなかったような方であれば、マンションの購入については右も左もわからない状態だと思いますが、そういう方に対して手取り足取り販売員の方が対応してくれるわけです。

ですから、新築マンションの場合、マンションにまったく興味がないような方でも、特に何の勉強も準備もしていない状態からでも安心して素敵なマンションを購入する事ができるのです。

一方、中古マンションを購入する場合はそうはいきません。
そもそも販売するときにいちいち広告などがうたれませんから、まずどこかの不動産を訪ねて自分の希望を伝えて調べてもらうか、マンション売買の専門サイトで物件を自分で調べる必要があります。
それを行わないと、そもそもどんな物件がいくらで売られているのか、そういう基本的な事すら知る事ができないのですが、そもそもマンション購入を深く考えたことがないような方であれば自分の希望自体がおそらく曖昧模糊とした状態のはずで、物件を探すという行動に出る事自体が困難です。

しかも中古物件の購入にあたってはその購入に関する判断を基本的にすべて自分で判断する必要があります。
もちろん担当する不動産屋さんもある程度力になってくれるでしょうが、何しろ新築ではない中古マンションです。
新築マンションのようなわかりやすいパンフレット等は一切存在しません。例えば周辺類似物件との価格比較などというわかりやすい資料は誰も用意してくれないのです。
基本的に目の前にある物件そのものを見て、その購入の是非を自分で判断しなくてはいけません。
その価格が適正であるかどうか、どこかに問題がある物件なのかどうか?
不動産の売買に詳しくなければ、そもそもどこをどう調べて判断すればいいかすら迷うかもしれません。

普段から興味をもって不動産情報を眺めているような方からすれば想像できないかもしれませんが、実は中古マンションは「なんとなくマンションを買う」人にとってはとてもハードルが高いものなのです。

「なんとなくそこそこのマンションを買いたい」人にとって見れば、何か困った事があっても至れり尽くせりで対応してくれる新築マンションは本当にありがたいものなのです。
新築マンションの真のメリットはまさにそこにあると筆者は考えます。

実際、筆者の友人知人の多くは「新聞のチラシに広告が入ってた」「たまたま近くに手ごろなマンションが建った」等の理由で深く考えずマンションを購入したような人がほとんどです。
そしてそんな友人知人を見ている限り、特に自宅に対して大きな不満もなく暮らしています。

日々のニュースを見ていると、マンションに関して不安を覚えるような色々な報道が行われていて、どうしても過剰に心配してしまいがちですが、一方で今の日本のマンション業界は何も知らない人が難しい事を考えずにマンションを購入しても、ほとんど不満を持たずに済むくらいには成熟しているのです。
住居についてあれこれ悩んでムダな時間を使うくらいなら、さっさと近場の新築マンションを購入して幸せな家庭を築くというのは立派な一つの見識だと思います。

【永久保存】殿堂入り人気記事

Return Top