マンションジャーナル

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住友不動産が民泊禁止マンション発売!?どうなる?マンションの資産価値!

住友不動産が民泊禁止マンション発売!?どうなる?マンションの資産価値!

このところ注目されている、個人の住宅に観光客が宿泊する「民泊」。東京都大田区が「民泊」を認める条例案が可決したことにより、今後は都心のマンションを中心に「民泊」が普及していくことが予想されます。しかしその一方で、不特定多数の人間がマンションに出入りすることに懸念を示す住人も多くいるのも事実。

住友不動産グループの管理会社にも、「ゲストルームをホテル代わりに貸し出している人がいる」と住人から苦情の声が届いているとのこと。そこで同社では、「民泊」を禁止する新築マンションを発売するというのです。
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これは、マンションの管理規約に「民泊」を禁止する文言を入れるというもの。更に既に販売された自社開発物件でも、「民泊」に否定的な住人が多い場合は管理組合の総会で事実上「民泊」を制限する条文を入れる手続きをするよう提案するとのことです。

民泊で需要が高いのは都心のタワーマンション

そもそも、何故「民泊」が注目されているかというと、背景に東京都内の宿泊施設不足があるから。特に東京五輪に際しては、大幅な宿泊施設不足が指摘されています。とはいえ、五輪のためだけにホテルなどの宿泊施設に設備投資するのは非現実的。五輪終了後のことを考えたら、とてもじゃないけどそんなリスクの高い投資できないですからね。

ということで、立地が良くてホテル並みの設備を整えたタワーマンションが「民泊」の最有力候補になるわけです。特に湾岸エリアのタワーマンションは東京五輪の会場に近く、都内の観光地へのアクセスも良いので「民泊」にはもってこいの存在。そして中国人を中心に外国人投資家がタワーマンションの販売好調を下支えしており、彼らの購入目的は住居用ではなく投資が主です。というわけですから、彼らが購入した住戸は「民泊」に利用される可能性が高いということになりますね。

江東区の「ブリリアマーレ有明」の例

5ブリリアマーレ有明

湾岸エリアにある分譲マンション、「ブリリアマーレ有明」では2014年4月に管理規約にシェアハウスを禁じる条項を設けています。そして改めて、住人に「民泊」も含む旨を周知しています。その根底には、マンションの資産価値を保つという切実な事情があるようです。

このマンションは自分の住戸まで、4回鍵を使わないと入れないようになっています。しかし民泊利用者が鍵を持ってしまうと、不特定多数の人間が容易にマンション内に入れるようになりますね。それでは、セキュリティの担保ができなくなる恐れがある。もし何らかの犯罪が起きた場合、誰が責任を取るのかという問題があります。

また共有施設の運営や管理は、原則として住居者とそのゲストしか利用しないという前提で人員を配置しているので、不特定多数の利用には対応できないということもあるようです。仮にそういう状況に対応するとなると、人員を増やす必要があり費用面で住人の負担が大きくなります。それに、そもそもこのマンションの充実した設備は、高価な住戸を購入した特定の人だけが利用できるプレミアム。なので、宿泊者が安価に利用できることになれば、その付加価値が保てなくなる。その結果、マンションの資産価値が落ちてしまうという懸念があります。というわけで、「民泊」を制限する必要があるということになったようです。

管理規約で「民泊」を規制できるか?

管理規約というのはあくまでもローカルルールで、いわば紳士協定のようなもの。法律とほぼ同じという位置付けであるという専門家の見解もありますが、それでも民法上の規定にとどまります。なので、管理規約が法律に優先することはありません。管理規約で「民泊」を実質的に禁止する条文を入れても、区分所有者もしくは住人の誰かが規約違反したからといって強制的に住戸を没収するとか退去させることはできません。せいぜい、裁判沙汰にするのが関の山。それに、この手の判例は殆どないので、どういう判決がでるのかやってみないと分かりません。少なくとも、所有権や居住権は法律で保証されていますからね。実際に裁判になっても、相当難航するでしょう。

それよりも厄介なのは、「民泊」の利用者です。彼らには管理規約の対象外ですし、何より住戸の所有者と宿泊契約した「善意の第三者」だということです。つまり管理規約がどうあれ、法律を犯すようなことをしない限り、彼らを退去させることは誰にもできないのです。ましてや、区分所有者が外国人で日本にいなければどうしようもありませんね。つまり、管理規約だけでは限界があるということです。

まとめ

初めから「民泊」を禁止する条項のある新築マンションなら、それに同意する人が購入するでしょうから一定の歯止めにはなるかもしれません。しかし、観光に適した立地にあるマンションであれば、数年後に「民泊」に転用される可能性は捨てきれず、それを排除するのは難しいでしょう。

今のところ「民泊」による犯罪などの大きな社会問題は起きていませんが、今後そのようなことが起きれば警察も放置はできないでしょう。そこまで至る前に、何らかの法的な規制がかかることは十分予測できます。単に排除するだけではなく、良い形で住人と観光客が共存できるようなルールができることが望まれますね。

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