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マンションで簡単に楽しむホームシアターのすすめ

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マンションで簡単に楽しむホームシアターのすすめ

日本でホームシアターが普及しはじめたのは30年ほど前のこと。

それまでは「自宅で映画を見る」といってもせいぜいテレビで放送している洋画劇場やレンタルビデオくらいしかなかったのですが、1980年代後半からレーザーディスクが手軽に購入できるようになり、自宅でも高画質の映像ソフトを鑑賞する事ができるようになったからです。
それでも本格的なホームシアターというと三缶式と呼ばれる数百万円もするようなプロジェクタを使った大掛かりな設備が必要で、とても一般の人がおいそれと手を出す事ができないものでした。
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それから30年、今は安価な液晶プロジェクタでも十分な画質が得られるようになりました。全ての映像ソースはハイビジョンになり、当時とは比較にならないクオリティのホームシアターを安価で手軽に構築する事が可能になっています。

今回はホームシアター歴20年の筆者が、実際の経験からマンションに簡単にホームシアターを構築する場合の注意点などについてご説明したいと思います。

何よりも音に気をつける

PAK93_otonarinokoebacchiri20140322-thumb-815xauto-16856あちこちでよく見かけるホームシアターガイドを見ると、ホームシアターの魅力は「迫力の大画面」と「迫力の音声」だと喧伝されています。
また実際に、ホームシアター用に「迫力のサラウンド」等と称したスピーカーセットが多数市販されていますが、実際に特に防音工事もせずにマンションにホームシアターを構築する場合、それらのスピーカーセットが本来の力を発揮する事は少々難しい話になります。宣伝文句にあるように「映画館のような大迫力音声を自宅で再現」した場合、確実に隣の部屋への迷惑になるからです。

普段、映画館で映画を観る方であれば、あの映画館の効果音をマンションの部屋で再現する事はかなり無理である事が容易に想像できると思います。

また、ホームシアター用として売られているスピーカーシステムには「5.1チャンネル」や「7.1チャンネル」と記載されているものが多くあります。「5チャンネル」や「7チャンネル」についてはスピーカーの数である事がなんとなくわかると思いますがそれに付随している「.1」とは何でしょうか?
実はこの「.1」の部分は、低音専用のスピーカーを表しています。
映画の再生では、特にダイナミックなアクションシーンでの爆発等で重低音の効果音がよく使われるわけですが、その重低音用に特別にスピーカーが用意されているのです。

一方で防音という面から考えたときに一番扱いが難しいのが低音です。
たとえば隣の部屋に人がいるとき、おしゃべりなどの普通の声が聞こえないようなときでも床や壁をどんどんとたたく音は聞こえたりしますよね?

これは低音が壁等を振動させる事で周囲に伝わりやすい性質を持つからなのですが、その「周囲に音が伝わりやすい」という低音の特性があるために「.1チャンネル」スピーカーを本格的に稼働させると間違いなくご近所迷惑になります。
よく宣伝文句にある「地響きがするような大迫力」の低音は、まさに「地響きのよう」であるがためにマンションではあまり活躍させる事ができません。本格的な防音工事を行わないお手軽なマンションホームシアターでは、音に関しては少し我慢が必要になります。

自宅でホームシアターの魅力とは?

07251734_51f0e3081f1caそもそもホームシアターの魅力とはどこにあるのでしょうか?
実際にホームシアターを体験していただくと実感できるのですが、部屋自体を暗くして画面のみに集中する環境を用意する事で映画館にいるような独特の雰囲気が味わえる、まさにその雰囲気こそがホームシアターの魅力です。
言ってみれば「非日常感」という言葉がぴったり。真暗闇の中で自然に画面に集中して映画に浸りきる。
これこそがホームシアターの楽しみだと言えます。

そういう意味でホームシアターにとって一番大事なのは、立派なスピーカーシステムでもなければ大画面プロジェクタでもありません。
「外からの光を防ぐための遮光カーテン」と「非日常感の邪魔にならない片付いた部屋」が一番大事になります。

「遮光カーテン」は特殊なものである必要はありません。
日中であっても部屋が十分に暗くなる程度の通常の遮光カーテンであれば十分です。
実際に購入する場合、遮光カーテンのグレードはJISで以下のように定められているので、グレードを確認する事でどの程度の遮光が可能かを判断することができます。

1級遮光: 遮光率99.99%以上
2級遮光: 遮光率99.80%以上
3級遮光: 遮光率99.40%以上

これだけを見てもピンとこないと思いますが、ホームシアターであればできれば1級、最低でも2級の遮光カーテンを選びましょう。
1級と2級の違いですが、窓からの直射日光ですらほぼ通さないのが1級、わずかに明るく見えるのが2級です。
言い方を変えると、カーテンを引いた状態では昼なのか夜なのかがわからないのが1級、カーテンを引いた状態でも朝や昼になればなんとなくそれがわかるのが2級です。

価格的には大きな違いがないため、ホームシアターを考えているのであれば2級以上の遮光カーテンを購入しましょう。

「ある程度片付いた部屋」の方ですが、これは「部屋に物をあまりおかない」という事につきます。
暗闇の中で映画を観る場合、画面からの明るさで部屋全体がぼんやりと照らされる事になります。
暗闇に慣れた目で見るとこのときに意外なくらい室内のものが見えるのです。

たとえば、それがティッシュの箱一つであっても、目の端にそれがあるだけで意外なくらい気になるものですし、集中への阻害になります。
とはいえ、部屋に全く物を置かないというのは非常識です。
実際には、画面から見て前方部分、自分から画面を見たラインの中に物がほとんどないような状態にしていただければほとんど問題はありません。

ちなみに「画面の光が部屋の中を照らす」事をホームシアターでは「迷光」と呼び、本格的なホームシアターではこの迷光対策が非常に重要になります。

ただ、通常のマンション等でのお気軽ホームシアターでは「目に入るところに物を置かない」程度の注意を行えば十分だと思います。

プロジェクターって必要?

9feb007ea6424816d52504bf9c754dce_sホームシアターというと「プロジェクタとスクリーンが必要」だというイメージがありますが、実際にそれらは必要なのでしょうか?
プロジェクタとスクリーンというと何十万円もするような高額なものだというイメージがありますし、その扱いも面倒くさそうです。
さらに最近は通常のテレビでも40インチ以上は当たり前で50インチ級のテレビを使用している方も多いと思います。
別に面倒なプロジェクタを使わなくても、大型テレビを使ってホームシアターを実現しても十分ではないか?そう思われる方も多いと思いますし、実際にそれを入門用に推奨している記事なども多く見受けられます。しかし、私は経験上、プロジェクタとスクリーンの導入をオススメします。

まず価格面ですが、最近は十分以上の性能のプロジェクタであっても10万円以下で購入可能です。
たとえばエプソンの最新機種であるEH-TW5350。家庭用の液晶プロジェクタとして画質面では10年前の最高級機種にも匹敵する性能を有し、しかもその実売価格は10万円程度です。これに数万円のスクリーンを足しても15万円程度で、50インチ級のテレビを購入するのと費用面で違いはありません。

そしてその金額で得られるのは100インチや120インチといった大画面での高画質映像です。

実際に部屋で実物で体験していただくのが一番理解しやすいのですが「50インチのテレビの映像」と「100インチのプロジェクタの映像」は全くの別物です。本当に「映画館のようなホームシアター」を目指すのであれば、プロジェクタしか選択枝はないと断言できます。

理由は2つあります。

1つは単純に画面サイズの違いです。
50インチと100インチ、単純にサイズだけ見れば2倍に見えますが実際には「面積」の違いですから画面サイズとしては4倍になるわけです。
この違いは本当に大きく6畳程度の部屋であれば100インチ8畳以上あれば120インチ程度の画面サイズがあって、はじめて「映画館のような」感覚を得ることができます。

もう一つの理由、それは「発光方式」の違いです。

テレビは「テレビ自身が光を発していてその映像を見る」つまり直接光で映像を見る構造になっています。
一方、プロジェクタはどうかというと「プロジェクタが発した光をスクリーンで反射させた映像を見る」つまり反射光で映像を見る構造になっています。

そして、映画館の映像はというと、ご存知の通り「映写機の映像をスクリーンで反射させる」形態のものが一般的ですから、つまりプロジェクタ+スクリーンと基本構造は同じで反射光で映像を見せているわけです。そしてこの違いは、実際に映像を見たときに予想以上にその印象を変えます。

簡単に言えば、一般の人は、直接光の映像はテレビの映像だと無意識に認識し、反射光による映像は映画館の映像だと無意識に認識するのです。
実際、反射光による映像なんて普通は映画館でしかお目にかかれないものですから、人は自然にそういう映像を映画館特有のものだと認識します。「映画館のようなホームシアター」を目指す場合、この印象の違いは地味ながらも大きな違いとなってきます。

実際に暮らしているスペースに、プロジェクタとスクリーンを導入する行為には、それなりに苦労がともないますが、必ずやそれに見合う結果を出してくれると思います。

簡単ホームシアター実現には何を用意すればいいのか

OZP_tukaihurushitahanma1188-thumb-815xauto-16342それでは、実際にホームシアターを実現しようとしたとき最低限何が必要になるでしょうか?
もちろん本当に最低限であれば「テレビ」さえあれば問題ありません。テレビで放送されている映画を普通に楽しむことができるからです。
しかし、これでは「普通にテレビで映画を観ているだけ」であり、さすがにホームシアターというには語弊があります。

実際には、以下の物が必要になります。

  • 音を出すための「スピーカーシステム」
  • 映像を見るための「プロジェクタ+スクリーン」
  • そして映像を再生する「BDレコーダー」

の3つです。

BDレコーダーはもちろんプレイヤーでもかまいませんが、BDレコーダーであればテレビ放送される映画やスポーツ、音楽番組等を見る事も可能ですし、もちろん録画した番組も見られます。そして、忘れてはいけない「遮光カーテン」。これだけがあれば十分です。

そして、この構成であればそれぞれに安い機種を選べば15万円もあれば全部を購入可能です。
ブルーレイレコーダーについては、すでにテレビの録画用にお持ちの方も多いでしょうし、そうであればさらに費用は安く収まりますし、ブルーレイ再生可能のPCをお持ちの方であればそれを使用する事も可能です。

例として具体的な機種で一例をあげれば

  • BDレコーダー 「パナソニック DMR-BRS500」 29295円
  • スピーカーシステム「DENON DHT-S313」15500円
  • プロジェクタ 「BENQ TW526」 47000円
  • スクリーン 「オーエス SMH-100HN」 12463円

(※価格については記事執筆時点での価格コムでの値段)

この4つで合計104,258円です。実際にはこれに加えて遮光カーテンと接続用のケーブル類が必要になりますが、それを加えても15万円を超える事はないでしょう。

もちろん、それぞれの機種について上を見ればキリがないですが、この程度の構成でもとりあえずマンションでのお手軽ホームシアターには十分な性能ですし、試しに自宅にホームシアターを設置してみよう…と考える方にはこの程度の構成でも十分だと思います。
実際に購入するのであれば、例えば配線不要なワイヤレスに対応したものであるとか、いろいろな構成が可能になりますので、できれば専門ショップに相談して商品を選択することをおススメいたします。

マンションで本格的なホームシアターを作るときの注意点

21731ad65f5a1c5459f56a17e58eb544_sさて、実際に映画が好きで、あるいはホームシアターに興味があり、マンションでの本格的なホームシアター導入を考えている方もいるかと思います。しかし、簡単ホームシアターにはやはりいくらかの制限がともないます。

たとえば、最初に書いたように通常のマンションでは大きな音を出す事ができず、本格的な映画サウンドの再生を行う事ができません。
もし本格的な音響システムを導入したい場合、部屋自体に防音工事が必要となります。また、スクリーンも実用性や見た目などを考えると、天井に設置するような電動式のものをできれば導入したいところですし、当然プロジェクタも邪魔にならないように天釣りにしたいところです。

配線等まで考えるとこのような本格的な設置工事を素人が行うのはかなり困難です。

また防音工事ですが、本格的な防音を考えれば通常のリフォーム業者等では対応できず、防音の専門業者に頼む必要があります。
音というのは周波数毎に特性が違うため、防音をきちんと考えたときに低音、中音、高音とそれぞれに対策を考えなくてはならず、また完全に防音しきると今度は室内で聴く音質が悪くなるという困った面もあるため非常にその調整が難しいのです。

ですから、本格的にホームシアターを考えられている場合にはホームシアター専門の業者が全国にあるため、それらに相談することをおススメいたします。

一点、注意する点としては、これらの工事を行おうとする場合には、まずはマンションの管理規約を確認してください。
例えばマンションによっては、天井に穴を開けるような工事を制限しているマンションも存在します。
当然ながらそのようなマンションではスクリーンやプロジェクタを直接天井に取り付ける事はできませんから、別の方法を考える必要があるわけです。

専門のホームシアター業者であればそのあたりはぬかりないと思いますが、やはり依頼するより先にマンションの管理規約等をご自分で確認する事が重要になります。

ちなみに私個人の場合ですが、マンションで工事を行わなずにスクリーンやプロジェクタを天井に設置するために、天井まであるメタルラックを用意し、スクリーンもプロジェクタもその最上部に設置するようにしていました。この方法であれば、プロに工事を頼まなくても個人でなんとか設置が可能ですし、何よりローコストですみます。もちろん強度的にも問題はないように配慮し、東日本大震災のときでも、自作の天釣スクリーンもプロジェクタも全く問題ありませんでした。

終わりに

実際にご自分の部屋に設置を行う場合、部屋の状況等に応じていろいろな方法が考えられると思いますので、ご自分の環境に応じて最適な方法を考えてみてください。それを考えるのもホームシアターの楽しみの一つだと思います。

映画やスポーツ、あるいは音楽等、大画面で楽しむ事で全く違う世界が味わえるものは世の中に沢山あります。
せっかくですから、簡単ホームシアターを導入してみてはいかがでしょうか?

photo by LOHAS

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