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不動産投資における“リスクプレミアム”とは?

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不動産投資における“リスクプレミアム”とは?

不動産投資で重視すべき指標に「利回り」があります。これは単純に表記すると、「年間収入÷購入金額」で算出します。また、不動産投資に携った経験がある方であれば、「表面利回り」と「実質利回り」の違いをご存知の方も多いかと思います。

〔利回りの計算式〕

  • 表面利回り=年間収入÷購入金額
  • 実質利回り=(年間収入-諸経費)÷(購入金額+購入時の諸経費)

収益不動産の価格を見極める方法とは?

収益不動産の収支を算定する際に通常使用される「利回り=年間収入÷購入金額」の算式を、「購入金額=年間収入÷利回り」に置き換えてみます。そうすると、某収益不動産の年間賃料収入をベースに、投資家が妥当と判断した利回りで割ることで、購入金額をはじき出す算式として利用できます。仮に、その物件に投資するにあたり5%程度の利回りを求める(期待利回り)場合、レントロール表(賃料明細)などの収支情報があれば、提示されている価格が高いか安いかはひと目で判断出来ることになります。
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高い収益=高いリスク!?

さて、本テーマであるリスクプレミアムという言葉をみなさんはご存知でしょうか?不動産投資では、物件取得と同時に空室や賃料下落等のさまざまなリスクも抱えることになりますが、そのリスクの代償に見合うよう上乗せされたリターンを“リスクプレミアム”と言います。

リスクプレミアムに着目すると、利回りの高い物件は、ハイリスク要因があると言うことになります。例えば、東京都心の物件と比べて、交通機関もない山村にある物件は高いリスクを背負うため、そのリスクに見合ったリスクプレミアムを加算します。加算の対象としては、最もリスクの少ない金融商品(10年物国債等)の利回りに上乗せするのが一般的です。

ちなみに、この考え方は不動産投資に限りません。金融市場において、ハイリスクの金融商品には他の安定運用型の商品と比べて期待リターン率が高く設定されます。また、カード会社や消費者金融などのローンは、一般の銀行よりも審査が緩いため、貸し出す側としては滞納や破産等のリスクに見合うリターンとして金利を上乗せし、リスクプレミアムを担保しています。

さらに、住宅ローンにおいてもこの考えが応用されます。住宅ローンには変動金利型と固定金利型があり、金利水準は固定型の方が高く設定されます。市場金利は日々変動していますので、神経質な言い方をすれば毎月の返済額は少しずつ違うことになります。利用者が変動型を選択すれば、この金利変動リスクがカバーされやすくなりますが、固定型を選択されると、銀行側はより高い金利変動リスクを背負うことになります。そのリスクに見合うプレミアムが金利差となるのです。

金利上昇によって不動産投資にどのような影響が生じるのか?

現在、日銀の大規模な国債購入によって超低金利政策が維持されていますが、2017年の消費増税や2020年の東京五輪特需などからインフレが進み、名目成長率が向上すると金融緩和は縮小され、日銀は国債購入しなくなり、政策金利が上昇基調に入ります。では、金利上昇が不動産市場にどのような影響を及ぼすのでしょうか。

まず、不動産投資への影響を考えてみます。期待利回りを5%に設定すると、10年物国債利回り(金利)が1%ならリスクプレミアムが4%になります。仮に、国債の金利が1.5%に上昇すれば期待利回りは5.5%となり、さほど影響は少ないように感じます。が、例えば、年間賃料収入300万円の収益不動産を売却または購入するとします。先述の算式(購入金額=年間収入÷利回り)で計算してみると、

  • 国債金利1%の場合:300万円÷期待利回り(1%+4%)=6000万円
  • 国債金利1.5%の場合:300万円÷期待利回り(1.5%+4%)=5454万円

分母となる利回りの数値が小さいため、わずか0.5%の上昇で540万円以上の価格差が生じることになります。これは、売主側からすれば物件価格が10%近くも安くなることにつながりますし、買主側からすれば5454万円でなければ期待する収益が得られないことになります。加えて、買主側が融資を利用する場合は融資金利の上昇による収益減にもつながります。

金利上昇は住宅価格にも影響を及ぼす!?

金利の上昇は、マンションや住宅などの分譲物件にも少なからぬ影響を及ぼします。政策金利が上昇すれば、フラット35をはじめとする住宅ローンの金利も上昇します。すると、物件価格が変わらなくても購入者の返済額は増えるため購入は控えられ、供給物件が余る状態となり、自ずと物件価格は下落します。そうなると、分譲物件を扱う業者は今後の価格設定を見直さなければならず、分譲用地をより低い価格で仕入れる(土地の売主にとっては安く手放す)こととなり、不動産相場全体が下落することが考えられるのです。

まとめ

リスクプレミアムを知ることで、不動産投資において物件価格が妥当かどうかの基準が明確になりますし、また住宅の購入・売却価格の見極めもしやすくなります。築年数の古いアパートを、利回りが高いからという理由だけで購入したり、販売開始から間もないうちに「限定1棟特別価格」といった物件を購入したりするのは、リスクプレミアムの視点からすると注意が必要ということになります。このような物件を見つけたら、見立ての練習をしてみると良いかも知れません。

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