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【標準管理規約の改定】マンション管理費でクリスマス会や夏祭りはダメに?

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【標準管理規約の改定】マンション管理費でクリスマス会や夏祭りはダメに?

国土交通省が「標準管理規約」を年内にも改正するということが、日本経済新聞の取材でわかりました。大きな変更点としては、夏祭りなどのマンション住民の親睦を深めるための自由参加の行事や、新年会など一部の参加者だけの飲食に管理費が使えないようになるということです。区分所有者から強制的に集められている管理費が、自由参加型の行事や一部の人の飲食に使われるのはいかがなものか、という住民の批判に沿ったものになります。この変更により、来年度の管理組合の活動について、大きく影響が出そうです。

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基準管理規約って

マンションの管理規約は、区分所有されたマンション等の管理組合が持つ規約のことです。まず、国土交通省がマンションの「標準管理規約」というものを作っており、それをベースとして各マンションが実態に応じて各々の規約を作成しています。

これまでの「標準管理基準」では、管理費の使い道は管理員の人件費や共有部分の維持管理など全員のために使われることが前提となっていました。ただ、その中で、地域コミュニティにも配慮し、居住者間のコミュニケーションを良くするための費用については認めていたため、管理費を親睦会費用にしたり、子ども会のクリスマス会費用に充てることが可能でした。

しかし、一方で、このことから管理費を理事の忘年会など、ほんの一部の人の飲食に使われてしまう事例も出て来てしまい、住民から「管理費が理事会理事の飲み食いに充てられている」という批判になっていました。

本来、町内会と同じで、管理費ではなく、自治会費を別途集めるべきなのですが、これをきちんと分けて集めているマンションはどのくらいあるでしょうか。もし、集めていたとしても、町内会は任意入会であるように自治会も希望者だけが入り払うべきなのですが、管理費は強制、自治会費は任意という区別ができずに、自治会費も強制的に集めてもめてしまい裁判になったという例もあるようです。

標準管理規約の改定で何が変わるの?

今回の改定により、国土交通省では自治体や業界団体に新しい規約を通知する予定で、マンション管理組合もそれにあわせて独自の管理規約の改定が必要とあります。

「不透明な理事会で、一部の人の飲食に使われている現状が改善され、より良い管理費の使い方ができる」と歓迎する住民の声もある一方で、この改定によってマンションのコミュニティ形成にマイナスな問題も出て来ることが予想されます。

自治会の行事になり参加者が限定される可能性

たとえば、マンションによっては、子どもが楽しみにしている夏祭りやクリスマス会など、管理組合の中に組織されている子ども会や自治部会が主催する行事があります。これを任意の自治会費で開催するとなると、参加募集についても、この子は自治会に入っている家の子、この子は違う、という区別ができてしまい、声をかけづらかったり、参加しにくくなったりという風になってしまう心配があります。

これは、敬老の日にお祝いをしているマンションなどにも当てはまり、そうやって住民間が分断されることで、緊急時、災害時にマンション住民としての連帯感が失われ、協力体制が弱まる恐れがあります。

管理組合と自治会と、組織が2つでき役員も多く必要に!

また、管理組合で自治活動も可能と判断できる今の規定が変わることで、お金の集め方がまず管理組合と自治会で二通りになり、全く別の組織となってしまうと、管理組合理事と自治会役員を集めなければならず、その分人数が多く必要になってしまいます。今でさえ管理組合の理事をやろうという人が少なく、人数集めに困っているのに、人数を増やすことになっても集まるのかという心配があります。

また、理事、役員をなるべくやりたくないから、自治会は必要ない、だから行事もなくして結構!と短絡的に考えてしまう人も出て来そうで、本来、地域やマンション内のコミュニティが果たすべき役割から形が変わってしまう可能性があります。

管理組合としても大切な行事はある

「うちのマンションがある地域は、地元町内会の活動も活発で隣近所の町内会から盆踊りなどに招待を受け、マンションの子ども達は喜んで参加しています。うちのマンションでは同じような盆踊りを開くスペースはないため、駐車場などを使って夏祭りを開いて、住民ではない地域の子ども達も歓迎し、町会の役員を招いたりしてお返しをしています」あるマンションで理事を務めたKさんの話です。

「今度の改定によると、夏祭りは自治会主催となるのでしょうが、実はこの夏祭りは地域との連携を深めるための管理組合としての大切な行事でもあると思うのです。こういう行事で隣近所の町会と交流を深めることで、地域の連合町会の大がかりな避難訓練などにもマンション全体で参加させてもらったりしてますし、それがいつか起きるであろう大きな自然災害時の助け合いにもつながると思っています」とも。「“管理費ではだめ、自治会費で”と白黒はっきりと分けるのではなく、今のままの規定で“理事会の忘年会費用には充当不可”など駄目なものをしっかり示して厳格に守るという方向ではだめなのでしょうかね」と話していました。

今後の動きに注目

それでなくても自分の生活で精一杯だったり、他人に対して無関心になっていたりで、地域間やマンション内の住民のコミュニティの力が弱まってきている現代、これ以上コミュニティが弱体化してしまうのではないかと心配です。管理組合でどのような方向性を探っていくか、私自身、自分の住んでいるマンションでの動きを注目していきたいと思います。

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