マンションジャーナル

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“コンクリート打ちっぱなし”デザインは魅力的、肝心の住み心地は?

“コンクリート打ちっぱなし”デザインは魅力的、肝心の住み心地は?

スタイリッシュなデザインに多くの人が憧れる、”コンクリート打ちっぱなし”のマンション。デザイナーズと呼ばれる建物によく見られますね。しかしその一方で、「住宅には適さない」という専門家の声も耳にします。

では何故、”コンクリート打ちっぱなし”は住宅には適さないのか、そして快適に暮らす手立てはないのか。今回は、住宅には適さない理由と快適に暮らすための条件についてご紹介します。
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コンクリートの性質

コンクリート打ちっぱなしの建物が住宅には適さないと言われる要因は、コンクリートの性質にあります。コンクリートは骨材と呼ばれる砂や砂利をセメントと水の科学反応を利用して固めてあり、余分な水分が乾燥して抜けきるまでに一定の時間がかかります。配合の仕方によって異なりますが、水分が抜けきるまで2年から3年、場合によっては5年くらいかかることがあります。ですので、この間は湿気が多くなり結露しやすいということになります。つまり、新しい建物ほど湿気が多くなります。

吸水性

コンクリート打設時の水分については、時間が解決してくれます。しかしコンクリートは吸水性が高いので、打ちっぱなしで防水処理がなされていないと表面から水分を吸い込みます。また吸収した水分を表面に貯めやすく、それが白いシミが出てくる白華(はっか)やカビの原因になるわけです。

室内が打ちっぱなしだと、湿気や結露を吸い込みコンクリート内に水分が貯めこまれます。それが壁だけではなく室内の様々な場所にカビを発生させ、健康を害する原因になります。外壁の場合は汚れた水も吸収してしまうので、水アカによる汚れが目立ちます。それだけではなく、内部に侵入した水分によって徐々にコンクリートが中性化もしくは酸性化して中の鉄筋が錆びる原因になります。そして鉄筋は錆びる時に膨張するので、更にコンクリートにダメージを与えることになるのです。そういった弱点があるので、通常は表面を守るために塗装やタイル張りをするわけです。

熱伝導率

eb5c41f487f7b7b5eedb9f1e59d83760_sそして、更に厄介なのは「熱伝導率」の高さ。これが、コンクリート打ちっぱなしが住宅に適さないと言われる大きな要因なのです。熱伝導率が高いのはメリットのように思えるかもしれませんが、実はこれが快適な生活をする上で障害になってしまうのです。

熱伝導率が高いということは、熱だけではなく冷気も吸収して蓄積するということです。更に保温性が高いので、蓄積された熱や冷気はなかなか抜けません。つまり、夏の暑さと冬の寒さを貯めこむ性質があるということです。このため夏は冷房が効かないし、冬は暖房してもなかなか温まらず底冷えするという環境になってしまいます。当然、光熱費も高くつきます。

「コンクリート打ちっぱなし」で快適に暮らすには

ここまでコンクリートに打ちっぱなしのデメリットについてご紹介しましたが、今度はコンクリートの特性を活かして快適に暮らすための条件について提案します。

先程記したように、コンクリートには熱伝導率が高いという性質があります。この性質を上手く利用するために必要なのが、外断熱です。そもそもコンクリート打ちっぱなしが住宅に向かないのは無断熱状態になるからなのです。

内断熱工法が一般的


一般的なマンションなどのコンクリート住宅は、内装に断熱材を使う内断熱工法なので外側には断熱材がありません。外側が無断熱なのに室内までコンクリート剥き出しにすると、内も外も断熱材がない状態になってしまうわけです。それでは、冷暖房の効率が悪くなるのは当たり前です。なので、外か内、どちらかに断熱材を使う必要があるのです。

外断熱工法のメリット

50be93fb6b2bc996c1b9726eded7afda_s建物の寿命を考慮すれば、理想的なのは外断熱です。常に外気にさらされる外壁のコンクリートは、季節ごとの温度変化、雨風や日光による影響を直接受け劣化を早めます。しかし外壁を断熱材で覆うことで、コンクリートを保護し躯体の劣化を防げるのです。これによって、建物の寿命を大幅に延ばすことが可能になります。

何より断熱材によって外気温の影響を外側でシャットアウトできますから、蓄熱性の高いコンクリートの性質がプラスに作用して室内の温度を保ってくれるのです。つまり冷房や暖房による冷気や熱をコンクリートが蓄積するので、冷暖房の効果が持続することになります。それにより、大幅な光熱費の節約も可能になるというわけです。また、室内温度の日較差が少ないので結露を防ぎカビの発生防止にもつながります。

窓をペアガラスにすると開口部の断熱になるので、更に結露防止の効果が向上します。ただコンクリートは気密性が高いので、暖房は石油ストーブなど燃焼性の暖房機器は使わないでください。酸欠になって、二酸化炭素中毒を引き起こしてしまいます。ですから、エアコンだけにするかオイルヒーターなどの非燃焼機器を使用しましょう。

外断熱工法の課題

このように、外断熱工法は内断熱工法に比べて様々な点で優れています。それは多くの専門家も認めるところではありますが、残念なことに今ひとつ普及していないのも事実。その最大の理由は、施工費が割高になるからです。建物の寿命を伸ばせるのですから、長い目で見れば決して高くはないのですが、やはり目先の建築コストを優先するデベロッパーが多いということでしょうか。

外断熱工法には、もう一つ問題があります。外側に断熱材を使うわけですから、残念ながらコンクリート打ちっぱなしという外観は無理ということ。外断熱の施工法は「湿式工法」と「乾式工法」の2種類あるのですが、どちらも外壁の表面に加工を施します。ただ外断熱であれば、内装はコンクリート打ちっぱなしでも快適な暮らしが可能です。

まとめ

コンクリート打ちっぱなしは、デザイン性は良くても住み心地はイマイチというのが結論ですね。唯一の打開策は外断熱ということなのですが、そもそも外断熱工法で建てられたマンションが少ない。これが一番のネック。古いマンションをスケルトンリノベーションする場合、躯体のコンクリートを剥き出しにする内装は要注意です。建物が外断熱であるかを必ず確認してから、実施することをオススメします。

photo by suvaco

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