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マンション購入前に知っておきたい大規模修繕工事の実情

マンション購入前に知っておきたい大規模修繕工事の実情

戸建住宅に比べてマンションの寿命は長いと言われますが、それでも経年劣化は免れません。人間の体と同じで、たとえ目に見えなくても何かしらの傷みや不具合が生じている可能性もあります。もし何もせずに放置すれば、建物全体の劣化を加速させ資産価値の低下に繋がります。つまり、マンションの資産価値を保つためにも、一定年数が経過した時点で大規模修繕を施す必要があるのです。

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そう言われると、何となく「必要なのかな」とは思うでしょうが、実際にどんな工事で費用はどれくらい必要なのか具体的にイメージするのは難しいですよね。ということで、今回はマンションを購入すれば何時か必ず体験することになる、「大規模修繕工事」についてご説明しましょう。

監修者:針山昌幸

株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
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▼目次

  1. 大規模修繕工事を実施するタイミング
  2. 大規模修繕工事の費用
  3. 大規模修繕工事の内容
  4. 大規模修繕工事の流れ

大規模修繕工事を実施するタイミング

bsYUKI86_musimegane15141124国土交通省は、第一回目の大規模修繕は築後12年を目安にするよう推奨しています。その理由の一つとして、紫外線による劣化があります。人間のお肌と同じで建物も紫外線の影響を強く受け、徐々に劣化していくのです。そして紫外線による影響が現れるのが、大体築後10年を過ぎた頃なのです。

ということで、日当たりの良い建物、または箇所ほど紫外線による劣化が激しいことになります。屋上の防水塗装や外壁タイルは最も劣化が進みやすい場所ということですね。それらの劣化を放置したままだと、そこから雨水が浸透してコンクリートの劣化を早めてしまいます。そして、次第にその中にある鉄筋が錆びて、躯体の老朽化を加速させることになるのです。そういった最悪の事態を招かないように、築後12年を目安に大規模修繕をする必要があるというわけです。

10年以内に早期点検をするメリット

新築マンションを分譲する際には、「品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)」や「分譲会社のアフターサービス規準」による10年保証制度があります。この期間内に発見された不具合は、原則として販売会社の責任で補修することになっています。全ての不具合が対象になるわけではありませんが、この保証制度を利用しない手はないでしょう。

しかし意外なことに、10年の保証期間中に建物の点検をしてこの制度を活用しようとする管理組合は少ないようです。具体的な不具合が見つかれば別ですが、まだ10年も経ってない状態で何もないのに点検をしようとは誰も思わないのでしょう。それに、管理会社はデベロッパーの子会社、もしくは関連会社なので、親会社の費用負担が発生する可能性があることなど敢えて提案したりしませんからね。

とはいえ、管理組合はこの制度を活用すべきです。そして点検は管理会社ではなく、利害関係のない第三者のコンサルティング会社に依頼するのがベスト。ある程度の調査費用は掛かりますが、客観的な立場で検証してくれます。どのみち、近い将来に大規模修繕をする時に事前調査が必要になるので、それを前倒して実施すれば良いのです。

ついでに大規模修繕の時期や内容、費用に関する相談もできます。もし無償で修繕できるものがあるなら、保証期間内に済ませておけば後日の大規模修繕の費用を節約できますからね。

大規模修繕工事の費用

6018d0a86ea60972ab7aee1ec47e4759_sマンションの規模や修繕箇所、その内容によって異なりますが、概ね1戸当たり70~100万円程度は必要になります。このような大規模修繕工事の費用は、所有者が毎月払う修繕積立金で賄われます。では、修繕積立金でその費用が賄えるかということが気になりますよね。それについては国土交通省のガイドラインに、修繕積立金の目安が示されています。それによると、建築延べ床面積が5,000~10,000㎡のマンションの場合、1㎡当たり月額140~265円/㎡(平均202円)となっています。

全戸の専有床面積の平均が50㎡と仮定すると、月額10,100円で12年積立てると1,454,400円(1戸当たり)になります。かなり余裕のある数字ですが、実際の修繕積立金はもう少し低い額に設定されているケースが多いですね。

とはいえ月額7,000円(1戸当たり)なら12年で100万円くらいになるので、なんとか賄える金額になります。しかしギリギリでは不測の事態に対応できないので、国土交通省のガイドラインに沿った金額を積立てるのが理想ですね。

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機械式駐車場は金食い虫

ce9897d27ced4f1a3560551c675dd318_s一つ気をつけなければならないのは、機械式駐車場がある場合です。このタイプの駐車場があると、修繕工事費が跳ね上がります。これについても国土交通省のガイドラインに示されていて、2段(ビット1段)の昇降式で月額7,085円/台、4段(ビット2段)昇降横行式だと月額約1万4千円(1台当たり)の積立金が必要とあります。この費用を含めた金額を積み立てておかないと、大規模修繕の折に資金不足になってしまいます。

立地の利便性にもよりますが、入居者の高齢化に伴い車を手放すケースが増えているようです。そうなると借り手が減少して採算が取れなくなり、管理組合の収入が減るどころか赤字になってしまいます。結果として、金食い虫で無用の長物になりかねないということです。なので、修繕せずに撤去してしまうケースも少なくないようです。しかし撤去するにしても、それはそれで費用が掛かりますから金食い虫であることには変わりないですね。

大規模修繕工事の内容

db5fa6191fac8ce1efbc824eb7020f1c_s1戸当たり100万円ものお金をかけて一体どんな工事をするのか、気になるところですよね。ちなみに、大規模修繕工事は1回すればそれで終わりということではありません。第1回目の目安が12年で、その後も10~15年に1度は大規模修繕工事をする必要があります。

そして、回を重ねるごとに費用は高くなるのが一般的です。1回目が100万円(1戸当たり)なら、2回目は120万円1戸当たり)以上、3回目は更に高くなり場合によっては建替えを検討するケースもあります。古くなればなるほど、建物は傷んできますし交換する設備や修繕箇所が増えますからね。では、年数によってどんな修繕をするのか、大まかな内容をご紹介しましょう。

1回目の大規模修繕

dcedb3ba07c1c893a9d6610d0e10ac28_s1.外壁タイルの補修→2.外壁の塗装→3.屋上の防水→4.バルコニー床防水、手すりの塗装→5.接合部のシーリング

これらは一般的なケースであって、必ずしも上記のすべてということではありません。逆に、その他の修繕が必要になる場合もあります。実際には大規模修繕工事の時期や建物の構造などによって、何処を修繕するかはケースバイケース。事前の調査結果を基に大規模修繕委員会で検討し、管理組合の総会で何を修繕対象にするのかが決まるのが通例です。

外壁タイルについては事前の検査次第ですが、万が一剥がれ落ちれば重大な事故につながりかねません。タイルは耐久性が高いので施工精度が良ければ1回目の修繕対象になりませんが、施工に不備があれば事故防止のためにも張替えなどの補修が必要になります。その場合、吹き付けタイルよりも材料費と施工費が高くなります。外壁が吹き付けタイルのマンションなら、ほぼ間違いなく1回目の修繕対象になりますね。

屋上やバルコニーの防水については、雨漏りとか水漏れがなければ劣化の状況が目に見えづらいので、その必要性を疑問視するケースもあるようです。しかし雨漏りや水漏れが発覚してからでは、補修費用が格段に高くなります。ですので、目に見える不具合が生じる前に補修しておく方が結果的に安くつくことになります。

防水やシーリングの劣化は躯体に悪影響を及ぼす可能性があるので、資産価値を保つためにもしっかりした処理をしておく必要があります。バルコニーは各住戸が専用で使用していますが、これは共有部なので大規模修繕の対象になります。

2回目以降の大規模修繕

1回目が築後何年なのかにもよりますが2回目は大体築後25~35年くらいの時期になるでしょう。そしてこの年数は、ちょうど配管設備の寿命が来る時期と重なります。ですので、配管設備を交換しなければならない可能性があります。その他にも交換やリニューアルが必要な設備があるので、1回目より費用が掛かるわけです。

築年が古いマンションの場合、構造によっては配管がコンクリートスラブの中に埋められていることがあります。そういった構造だと、配管を交換するために躯体の一部を壊す必要があります。そうなると、そこまで手間と費用を掛けてまで修繕するかという話になります。ということで、そういったマンションは比較的早い時期に修繕ではなく取り壊しや建替えの対象になる可能性が高くなります。

交換や大規模な補修が必要になる設備の中で、高額な費用を必要とするのがエレベーターです。大きさや階数によって異なりますが、主要部分のリニューアルであれば1台当たり500~1,000万円新設すれば1台当たり2,000万円程度は必要になります。これは取扱業者によって大きく数字が変わりますので、必ず相見積を取る必要があります。大概の場合、管理会社に丸投げすると利益を上乗せされますから高額になるケースが多いですね。

築後30年を超えた時期に大規模修繕をする場合は、各住戸のサッシュ(窓枠と窓ガラス)、あるいは玄関ドアなどを交換する必要性が高まります。これらは専有部と思いがちですが、実は共有部なので住人が勝手に加工や交換をしてはいけないことになっています。ですので、原則として交換や補修は大規模修繕時にしかできないのです。もし交換ということになると、全戸が対象になりますから修繕費用が膨らみますね。

 

著者について

株式会社Housmartマンションジャーナル編集部
中古マンション売買アプリ「カウル」を提供する「Housmart(ハウスマート)」が、購入や売却に必要な基礎知識・ノウハウ、資産価値の高い中古マンションの物件情報詳細、ディベロッパーや街などの不動産情報をお届けします。

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