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相次ぐマンションの幼児転落事故!原因は“高所平気症!?”子供たちを守るための対策とは!

相次ぐマンションの幼児転落事故!原因は“高所平気症!?”子供たちを守るための対策とは!

後を絶たないマンションでの幼児の転落事故。マンションに住む子育て世代にとって、決して他人事ではありません。子育て中のご家庭にとって、幼児の転落事故は深刻な問題です。マンションの高層化が進む中、子供たちの安全をどう守れば良いのか。マンションの構造や暮らし方に、新たな課題が突き付けられているようです。

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実際に起きた事故

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事故が起きたのは、那覇市上間のマンション。11階にある祖父母宅に遊びに来ていた4歳の女児が、誤ってベランダから転落したとのこと。マンションの敷地内に倒れているのを通行人が発見して119番に通報。近くの病院に搬送されましたが、まもなく死亡が確認されたということです。事故直前に、母親がベランダで遊んでいる女児の姿を目撃していたそうです。きっと瞬間的な出来事だったのでしょうが、ほんの少し目を放してしまった母親はいたたまれない気持ちでしょう。

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東京都渋谷区で「女の子が上から落ちてきた」と110番通報があり、警察官が駆けつけ34歳の女児を発見。すぐに病院に搬送されましたが、まもなく死亡が確認されたのこと。母親がコンビニに買い物に行っている間の出来事だったようです。母親にとっては僅かな時間でも、子供にとっては不安で長い時間だったのでしょう。

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川崎市川崎区のマンションに住人から「人が転落した」と199番通報があり、同マンションの14階に住む4歳の男児が病院に搬送されましたが、まもなく死亡が確認されました。男児が倒れていたのは、自宅ベランダの真下だったということです。

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東京都世田谷区のマンションでは、10階付近の非常階段から4歳の女児が転落して死亡しています。

ネットのニュースを見ただけでも、今年に入ってこれだけの転落事故が起きています。おそらく大事に至らなかったケースを含めると、かなりの件数になるでしょう。親がちょっと目を放した隙に事故が起きているようですが、かといって四六時中監視しているわけにはいきません。何故こんなに転落事故が相次ぐのか、その原因と現実的な対策について検証してみましょう。

マンションの高層階で育った子供は「高所平気症」になる?

福島学院大学(福祉心理学)の織田正昭教授によると、「高所恐怖症ではなくて、高いところが平気であるという意味で、高所平気症という子どもが増えている。」ということです。
857636c5dd42f4bd1093bfb580f50454_s「高所恐怖症」はよく耳にしますが、「高所平気症」というのは聞き慣れない言葉ですよね。では何故、子供たちが「高所平気症」になるのでしょうか。

高所平気症になる環境

そもそも高いところが怖いという感覚は、後天的に養われるものだそうです。人間が高さを判断するのは、自分の目線が基準になります。マンションの高層階に住む子供たちは普段の生活で高い目線で景色を見ているので、高さに関する感覚が麻痺するというのです。
52533404ab88a1f6cb43505831136487_s例えば階段を使って上がる場合は、下を見れば高さを実感できますよね。でも、10階の自宅に帰るのに階段を使う人はいないでしょう。普通は1階からエレベーターに乗って、ダイレクトに部屋に入るわけです。ですから、幼児には高いところに登っているという実感がないのです。なので、高い場所が怖いという感覚が養われにくいということのようです。

子供は痛い目に遭って危険を学ぶ

最近の公園には、ジャングルジムとか滑り台といった遊具が少なくなりました。子供はジャングルジムや滑り台で遊ぶことで時に痛い目に遭って、恐怖心を抱き高いところが危険だということを学ぶわけです。しかし遊具で遊ぶことが少なくなり、最近はそういった感覚を身につける機会がなくなっているようです。そういったことが、転落事故につながる要因であると指摘する専門家もいます。
43366b138ab04718130bd79e4ccf4653_s子供が怪我をする危険があるという理由で、危ない遊戯は敬遠されてしまう風潮がありますよね。しかし、多少の危険は子供たちの成長に不可欠な要素なのかもしれません。親御さんは心配でしょうが、時には痛い目に遭うことも必要ということのようですね。

高いところは危険で怖いという感覚が養われるのは、4歳までだそうです。つまり、4歳までの間に身に付いた感覚は、大人になっても引き継がれるということです。大人になってしまえば、「高いところが平気」という感覚はプラス要素になるケースもあるでしょうが、成長期に於いては危険度を増す要因になります。

子供は好奇心旺盛

成長過程では、好奇心が学びの動機になります。ですから、子供は本能的に好奇心旺盛なのでしょう。しかし、その好奇心旺盛な子供が「高所平気症」ということになると、多くの危険要素を孕むことになりますね。

高層マンションのベランダで眺望を楽しむといったライフスタイルが増え、子供の目線も高い位置になり大人以上に高所に慣れています。そして怖いという感覚がないので、平気でベランダから下を覗き込むわけです。幼児の頭は重いので、ちょっと身を乗り出すだけで落下の危険が増してしまうのです。

かといって、無理に好奇心を押さえつけるのは子供の成長を阻害してしまいます。ですから、ベランダの柵を乗り越えられないような工夫をすることが必要になりますね。ある意味、子どもとの知恵比べです。でも、これは子供の命にかかわることですから、真剣に取り組む必要があります。

転落防止策

建築基準法でベランダの柵の高さは110センチ位上と定められていますが、何か台になるような物があれば簡単にベランダの柵を乗り越えてしまいます。まだ小さいから大丈夫と思っていても、子供は大人が想像しないようなことを平気でやってのけますから油断できません。ですので、子供がよじ登る足場になるようなものは、ベランダには置かないことが大切です。
8d878766d02599e38882637b55208e72_sそれと、下手にベランダに目隠しをして、外が見えないようにするのは逆効果になります。かえって子供の好奇心を煽り、なんとか外の景色を見ようとするので危険が増すだけです。ベランダの柵に透明なアクリル板を貼り付けて、外の景色は見えるけどよじ登ることはできないようにする方が転落防止には効果があります。

ベランダに植木鉢やプランターを置いて草花を育てるお宅も多いようですが、小さな子供がいるご家庭は避けた方が良いでしょう。大人にとって花壇であっても、外の景色を見たい子供にとってはよじ登る道具でしかないのです。小さな子供は、想定外の行動をするということを忘れてはいけません。

それから、エアコンの室外機の位置にも気を付ける必要があります。足場にされないように、なるべく柵から遠いところに置く事が必要です。

子供が勝手にベランダに出ないように窓に鍵をかけるのも方法ですが、先程述べたように子供は好奇心旺盛なので大人の真似をして色々なことを学びます。鍵をかけても普段から大人のしていることを見ていますから、手の届く位置なら大人の真似をして鍵を回して開けてしまいます。手が届かない位置に鍵があっても、何か台になる物を見つけてき開けてしまうこともあります。ですので、子供では開けられない形状の補助錠を取り付けることが有効な手段になります。

それから、転落の危険があるのはベランダばかりではありません。腰高の窓から転落するケースもあるのです。その場合、家具の配置が問題になります。例えば、腰高窓の直ぐ側にベッドが置いてあれば、小さな子供でも簡単に窓によじ登れてしまいます。窓の外側に柵がない構造だと転落の危険がありますので、様々な危険を想定して家具の配置を見直すことが必要です。

原則は子供を一人にしないこと

転落事故が起きるケースの大半は、親が留守をしている時です。子供は一人になると、不安になって必死で親を追い求めます。そして、ベランダの柵から身を乗り出して親の姿を探そうとします。
60490fd4a3ae114b77ff7f8ec54c14ac_s先程述べたように、鍵をかけてあるから安心ということではありません。この場合は好奇心によるものではなく、不安が動機になっていますから必死さが違うのです。仮に「高所平気症」ではなかったとしても、親を求める気持ちが恐怖心を上回ってしまいます。高いところが怖いという感覚より、親の姿が見えないという不安の方が大きいのです。親にとって僅かな時間でも、取り残された子供はとてつもなく長い時間に感じるのです。

そうはいっても、100%子供が一人になる時間をなくすというのは現実的ではありませんよね。問題なのは一人にする時間ではなく、一人になる不安なのです。ですから、止むを得ず一人にする場合は、子供が不安を感じないように安心させてあげることが大切です。

すぐ帰るからと何も言わずに出かければ、たとえ5分でも残された子供は不安になります。ですので、出かける時にはすぐ帰ってくるから大丈夫だということをしっかり伝えてあげてください。「お留守番していてね」だけではなく、何処に何をしに行って、どれくらいで帰ってくるのか具体的に話してあげることが大切なのです。

人間というのは、分からないということが不安の要素になります。ましてや小さな子供にとって、親が何処へ行ったのか分からないというのは大きな不安要素になるのです。すぐ帰るからという油断が、大切な子供の転落事故という悲しい結果を招く原因になることを肝に銘じておくべきです。

まとめ

高層階という住環境で育った子供に、「高所平気症」という危険因子が芽生えるというのは衝撃ですね。しかしマンションの高層化という流れは、今後も続くでしょう。そうであるなら、様々な観点から子供たちの安全を確保する工夫が必要になります。

物理的な転落防止の対策はもちろん、高い場所が危険であるという感覚を持たせる育て方についても考えなければなりません。一概に危ないからといって子どもの遊びを制限すれば、かえって危険な状況を生む結果になることを承知しておく必要がありますね。

著者について

マンションジャーナル編集部TAKAHASHI
不動産ライター。元不動産会社勤務。長年の業界経験を生かし、かしこいマンションの選び方から不動産投資、住宅ローンなど幅広いテーマで執筆中です。

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