マンションジャーナル

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リスクに潰されない不動産投資の心得〈その1〉~想定しておくべきリスクとは?

リスクに潰されない不動産投資の心得〈その1〉~想定しておくべきリスクとは?

メディアや書籍等でサラリーマンによる不動産投資の成功事例が多く取り上げられ、数百万円単位から人によっては億単位の副収入を得た事例も紹介されています。また、アジアをはじめとする海外の個人投資家が、円安による割安感を背景に、日本の不動産を爆買いする光景が報道されています。

昨今の超低金利政策で、預金するよりもローンを借りて運用する方が利益を生むケースがあり、その代表的な投資対象として不動産がクローズアップされています。

しかし、利益の裏にはリスクが伴うのは世の常。不動産投資のなかでも、特に現物資産の取得による投資では、様々な種類のリスクを想定しなければなりません。

今回は、不動産投資を検討するうえで想定しておくべきリスクについてお話しして行きます。想定されるリスクは、以下の3つに分類されると言って良いでしょう。心配性のパパからの、「不動産投資について理解を深めたい方」や、「実際に投資を検討されている方」へのお節介と思って読んで頂ければと思います。

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市場の動向によるリスク

景気や政策など市場動向が変動すると、投資対象である物件の取得・保有時のコストに影響を及ぼす可能性があります。変動要因にはどんなものがあるのでしょうか。

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①ローン金利の上昇

対象物件を購入するために融資を利用する場合、低金利の恩恵を最大限生かすべく、多くの方が変動金利を利用されます。そして、その変動金利での返済額をもとに将来的な収支計画を立てて行く訳ですが、現在は超低金利状態ですから、先々に金利が変動したとしてもいまよりも下がることは望み薄と言えます。ということは、金利が変動するとすれば上がる可能性の方が高い訳です。ちょっと例を挙げてみましょう。

7000万円の融資を組んで収益不動産を購入した場合(変動金利2.5%、15年返済)

現在、一般的な不動産投資ローンの金利は、変動で2.5%以上に設定されていますので、2.5%で試算してみると、月々の返済額は約46.6万円、年間では約560万円になります。仮に、返済開始から5年後に金利が1%上昇すると月々約48.9万円で2.3万円増、年間では約587万円で27万円増となり、さらにそれ以降の期間を考えれば差額は無視でいない金額にまで及びます。1%の金利上昇によって、投資計画が根底から崩れてしまい兼ねないのです。

②消費税10%

消費税が8%になる直前の2013年度後半、不動産市場にもかけ込み需要の波が押し寄せました。おもに自宅を購入する方の傾向が顕著でしたが、投資用物件にもその流れが及んでいたようです。そんな、需要増の気運や増税の不安から、心理的に煽られて購入してしまったケースもあったようです。

かけ込みも含めて、需要が多くなれば価格は上がり、それによって取得コストも上がるため、収益は下がります。場合によっては、増税後の反動で不動産価格が下落した時の方が安く購入でき、相対的に収益性が安定したのではないかとも考えられます。

③資産価値の下落

建物は経年によって資産価値が減少していきます。新築を建てたり購入するのであればその恩恵は長く享受できますが、中古物件を購入するとなると、収益物件のウマみとも言える減価償却期間が短くなり、ある時期が到来すると、手元に残る現金がガクッと減ってしまいます。

さらに、償却期間が短くなるということは、融資期間の短縮や、希望する融資額が受けられない可能性もあるのです。一方、土地については地価の下落が挙げられます。

投資用不動産の評価をする際は、通常、収益性を重視した査定(収益還元法、DCF法)が採用されるため、土地の評価に重きを置かれる訳ではありません。しかし、銀行の査定は収益性と併せて路線価などの地価動向も採用することが多いため、収益性は問題ないが地価が低いために融資の条件が合わないといったケースも考えられます。

収益の機会が失われるリスク

収益の機会とは、物件が収益をもたらす機会、転じて「効率良く収益を上げること」と理解して頂ければと思います。つまり、この項のテーマは「効率よく収益を上げることが失われるリスク」という主旨です。それに該当する要因を以下で説明して行きます。

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①入居者が決まらず空室状態

アパート・マンションなどの物件は、入居者が入らなければ賃料収入が得られず、返済や維持コストが掛かるばかりで、収益どころではなくなります。そうなると売却して清算してしまおうかと考えますが、空室が目立つ物件は売却が難しかったり、買い叩かれてしまう可能性があります。

銀行では、空室リスクによって返済が滞らないよう「一括借上げ」や「家賃保証」などのオプションをセットとすることを条件に融資を受け付けることが多いようですが、オプションを利用すると、デフォルトリスクの担保として賃料の一部が不動産会社や保証会社の報酬となり、物件オーナーは期待する収益を得ることができなくなってしまいます。

②賃料も入らない、入居募集もできない家賃滞納

不動産投資を考える時、軽視しがちなのが家賃滞納リスクです。所有する物件内で家賃滞納が発生したとして、翌月に2か月分をまとめて支払う約束をしたとしても、数万円か高くても十数万円の家賃が払えない状態ですから、2か月分一括など期待できるものではありません。

入居者によっては開き直って居座られたりします。では訴訟を起こすかと考えたところで、滞納額よりも訴訟費用の方が高く付いてしまい、結果、オーナーが滞納分の家賃を泣いて出て行ってもらうことになります。しかも、その間は入居募集もできませんから、その部屋の収入はゼロ、実質マイナスとなってしまう訳です。

また、家賃が払えず「夜逃げ」などとなってしまうと、家財などの残置物を撤去しなければなりません。ところが、然るべき措置を講じずに手を付けてしまうと、意図があってかどうか、夜逃げした人から「置いていった貴重品が無い」などと損害賠償を要求される場合があります。夜逃げはかなり厄介なリスクなのです。

③物件内で事件・事故が起きてしまった

物件内で、不幸にも事件・事故が起こってしまうと、借り手が付きにくくなる可能性が高くなります。特に自殺や殺人事件などが発生したり、火事で死者が出てしまったりすると、悪い意味で有名な物件になってしまいます。

賃貸物件を探している方にこのような物件を紹介する際は、その旨を「心理的瑕疵」として告知しなければなりません。借り手が付かなければ賃料収入はありませんし、対策として条件を緩和して募集するなど、いずれにしても大きなリスクがのしかかることになります。

物件の維持・保全をおびやかすリスク

建物は、建てた時から、天災、火災、老朽化のリスクがスタートすると言っても良いでしょう。実際、東日本大震災や、広島での豪雨災害、常総・東北での台風被害では、建てて間もない住宅が倒壊するなどの被害が報告されています。

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①天災は忘れたころに・・・

報道等でご存知のように、地震、津波、台風で痛ましい被害が報告されています。20159月には台風18号の影響で、関東・東北に甚大な被害を及ぼしましたが、近年、台風や豪雨などの災害が増大傾向にあり、その傾向は今後も続くと報告されています。地震・台風の多い日本では、保険加入など相応の対策は必要不可欠です。

②何は無くとも火災保険は必須!

火災保険では主契約はもちろん、オプションにも目を通す必要があり、契約内容によっては、水害被害や強風被害なども保障されるケースがあります。保険料が増えるからとオプションを入れなかったために、物件が無くなってローンだけが残ってしまったなどとならないよう保障内容を注視しましょう。

③老朽化に伴う修繕は、一定の時期に発生するものと突発的に発生するものがある!

自宅であれば日常の管理・清掃を行うのは当然でしょうが、アパート・マンションなどの賃貸物件では、特定の人が居住し続けるとは限らないため、損傷や劣化のスピードは速くなるでしょう。中古で購入した物件などは、多かれ少なかれ傷んだ状態でしょうから、購入して間もないうちに修繕箇所を発見することも考えられ、投資活動のスタートから出費を余儀なくされる可能性もあります。

仮に通常の使用状態であっても、一定の時期が到来すると修繕箇所が発生してきます。まず、外壁、屋根、鉄部、舗装など建物本体に関わる修繕が挙げられます。内容によっては足場を設置するなど、大規模な工事を要する場合もあります。

次に、数年に一度の上下水道配管の高圧洗浄や、年数によっては配管自体の交換工事が発生するケースも想定されるでしょう。一方、世帯ごとの給湯器やコンロなどなどは、ある日突然点火しなくなることがあるため、突発的な費用が発生するのに加え、設備会社との連携が悪ければ入居者に迷惑を掛ける事になり、想定外の出費につながり兼ねません。

まとめ

いかがでしたでしょうか。不動産に限らず、投資にはリスクが伴います。でも、リスクにはどのようなものがあるかを把握していれば、それに対応すべく、必要なリスクヘッジを講じる事ができます。そこで次回、不動産投資を行う上でのリスクヘッジについてお話ししたいと思います。

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