
新婚生活のスタート時にマンションを購入!夢が膨らみます。
でも、ちょっと待って下さい。
マンションを購入するにあたって、エリアや間取りなど具体的にイメージできていますか。
そして、そのイメージを具現化させるための資金計画はできているでしょうか。
もし漠然とマンション購入を考えているだけなら、取り敢えず踏み止まってみたほうが良さそうです。
無計画なマンション購入は、せっかくの新婚生活に水を指すことになりかねません。
監修者:針山昌幸
株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
(Amazonランキング・ベストセラー1位)
目次
夫婦の価値観やライフスタイル
ひと口に結婚と言っても、夫婦のライフスタイルは千差万別。
敢えて子供を持たないDINKSでしょうか。
それとも奥様が仕事を辞めてでも、すぐに子供が欲しいと思っているカップルなのでしょうか。
夫婦のライフスタイルの違いによって、マンション選びの基準が異なります。
子供を持たないというDINKSなら、職場へのアクセスが良い立地が最優先。
子供を産み育てることが前提なら、保育所や学校、公園など子育てに適した環境が優先されるでしょう。
でも、いくら欲しくても子供ができないこともあります。
DINKSであっても、考えが変わって子供が欲しくなることもあるかもしれません
マンションの購入より優先すべきことがある
そもそも、新婚当初から価値観を共有するのは容易なことではありません。
新婚生活は不確定要素満載、でもそれが普通なのです。
生活を共にして、はじめて見えてくることは沢山あります。
それに結婚というのは、単に男女が生活をともにすることではありません。
双方の親族とのしがらみや、社会的、法律的な縛りもあります。
そういったことが自分達の生活にどんな影響を及ぼすのか、ある程度の時間を経なければ分からないのです。
結婚によって、独身時代とは違う価値観を持つことは珍しいことではありません。
ですので、マンション購入を焦ってはいけません。じっくりと時間を掛けてお互いの価値観を理解することを優先させてください。
そして互いに違う価値観を擦り合わせて、共有できるところを見出すことが大事なのです。
マンション購入は、それからでも遅くありません。
と言うか、それからでないと後悔する可能性大です。ですから、暫くの間は賃貸で様子を見ることをお薦めします。
その間は、20代であれば将来に備えて貯蓄をしておくことをおすすめします。
マンション購入は一生に一度というのは過去の話
年齢を積み重ねるに従って、ライフスタイルも変化していきます。
勤め人であれば転勤もあり得るし、まったく違う仕事につく可能性もあるでしょう。
何かの事情で、住まいを売却するか賃貸することになるかもしれない。
子供もいずれは巣立って、夫婦二人の生活に戻ることになるでしょう。
人生における全てのシーンに適応する住居などありません。
ですので、マンションは一生に一度の買い物という概念に縛られる必要はないのです。
ライフスタイルが大きく変化したら、その時のニーズに合わせて買い替えるという考え方もあります。
買い替えを念頭に入れた物件選び
夫婦のライフスタイルに合わせてマンションを購入しても、考え方や状況の変化によって今の住まいに不満が生じることもあります。
そうなると、今の住まいを売却して買い替えを検討することになりますね。
しかし大概の場合は、売却額が購入額を下回ることを覚悟していてください。
ではその下げ幅を如何に小さくするか、それが問題ですね。
ということで、売却時の下げ幅を少なくするための物件選びのポイントと注意点をご紹介しておきましょう。
新築で購入すると下げ幅が大きくなる
新築で購入したマンションを売却する場合は、一部の例外を除いて中古で購入した場合に比べて値下げ幅が大きくなります。
新築マンションの価格には、開発・販売会社の利益が2割程度上乗せされています。
これを新築プレミアムというのですが、これは住み始めた瞬間に消滅してしまうのです。
何故なら、1日でも人が住んだ物件は新築ではなく中古扱いになるからです。
つまり新築プレミアムは、中古になった途端に物件の資産価値から除外されるということです。
売却時に購入価格を下回らないと言われているのが、今人気のタワーマンション。
その理由は駅近の好立地であることに加えて、共有部分の施設や設備が充実していて快適に暮らせる環境が整っているからです。
ただし、物件価格はそれなりに高額になりますし、人気があるので購入希望者が多く新築で入手するのは非常に困難です。
好立地で築浅のコンパクトマンション
マンションの資産価値には、立地条件が大きく影響します。
特に若い世代に好まれる物件の絶対条件は、最寄り駅まで徒歩5分以内。
しかも、都心のターミナル駅へのアクセスが良いことが必須です。
仮に最寄り駅まで徒歩1分だとしても、都心のターミナル駅へのアクセスが悪い物件だと資産価値は低くなります。
今人気なのは、都心までのアクセスが良い専有面積40~50㎡で2DKの間取りのマンション。
これはコンパクトマンションと呼ばれていて、DINKSや子供一人のファミリーに人気があります。
敢えて新婚で購入するなら、好立地で築浅のコンパクトマンションがお薦めですね。
将来に広くて子育てに適したマンションに買い換える際、好立地のコンパクトマンションは買手が付きやすく値下がり幅も小さくて済みます。
高く売れれば買い替え物件の選択肢が広がり、ローンも組みやすくなるというメリットがあります。
好立地のコンパクトマンションなら賃貸でもOK
コンパクトマンションは賃貸市場でも人気があるので、売却せずに賃貸にして家賃収入を新たに購入するマンションの返済に当てるという方法もあります。
ただし、その場合は別口で住宅ローンを組むことになりますので、金融機関の審査は厳しくなることは覚悟しておいてください。
この手法を使うなら、コンパクトマンションの購入時に頭金を多くして、借り入れを少なくするのがポイントになります。
借入が少なければその分返済も楽なので、堅実な資金計画が立てられます。
そして堅実な資金計画があれば、新たに申し込むローンの審査に通りやすくなります。
物件購入にかかる費用をきちんと把握する
いざマイホームを買うとなると、物件の値段で頭がいっぱいになりがちですが、忘れてはいけないのが、諸費用です。
マンションをはじめとする住宅の購入は、一人では行うことが出来ません。
マンションを紹介してくれる不動産会社や、購入資金を融資してくれる銀行、マンションの権利を登記してくれる司法書士など数多くの人間がマンションの購入には関係します。
そういった関係者に支払うお金が諸経費と呼ばれるのです。
この諸費用の種類や金額について把握することがとても重要となってきます。
まとめ
ひと口にマンションを購入すると言っても、色々なケースがあります。年齢や年収によってマンション購入に対する姿勢を変えなければいけません。
40代・50代であれば、年齢的に資金計画には注意する必要があります。
しかし、共通していることは、どのケースにおいても計画性が重要である点です。
夫婦にとってベストな選択をするためには、ある程度の時間を掛けて意思の疎通を図ることが大切なのです。
無計画なマンション購入は様々なトラブルを誘発し、夫婦関係に亀裂を生じさせるリスクがありますので、じっくりと時間を掛けて夫婦で将来を見据えたプランニングを楽しむことをお薦めします。