マンションジャーナル

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これからは築30年超えのマンションが人気物件になる?

これからは築30年超えのマンションが人気物件になる?

東日本不動産流通機構(通称:東日本レインズ)の2015年4~6月期サマリーレポートによると、首都圏における中古マンションの成約件数、価格共に、前年度同期を上回っています。同レポートによると、成約件数は9930件で8.4%増、平米単価の平均は45.7万円で7.0%増、そして平均価格は6.7%上昇して2878万円になっています。

これから、築30年超えのマンションが人気物件になる?

その中で注目したいのが、築年数が31年を超えている物件です。築10年以内の成約件数が成約件数全体の17.1%なのに対して、築31年以上の成約件数が25.0%に達しているのです。成約した中古マンション4件の内1件が、築31年以上の物件ということになります。築21年~25年が10.0%、26年~30年は8.4%で築年数の平均は20.2年となり、前年同期を0.4ポイント上回る結果になりました。

ちなみに、2011年では築31年以上の比率が18.2%ですから、4年で1.37倍に増えている計算になります。これらの結果を受けて、今後、築30年以上のマンション市場の動向がどうなっていくのか考察してみましょう。 >>マンションを買うなら知らないと損するサービスとは?

築年数が古いマンションに人気が集まる背景

立地が良くて価格が安い

マンションは立地の良さが重要なポイントですから、必然的に立地の良い場所で優先的に建設されていくわけです。なので、築年が古いということは、立地条件の良い場所に先に建てられているということでもあります。

中古マンションに人気が集まる最大の要因は、立地が良くて価格が安いことです。同じ立地、同程度の専有面積で、新築の半額というケースは珍しくありません。東日本レインズによる2014年のデータでは、築0~5年の成約物件の平均価格は4440万円。それに対して築16年~20年だと2517万円で4割以上安い価格になっています。更に築31年以上になると、1448万円で3分の1程度の価格で購入することができるのです。

この価格差による割安感は、東京都心で顕著になっています。都心志向の強い若い世代のマンション派にとって、築30年超えの古いマンションは魅力的な存在になっているのです。

高度成長期のマンションブームで大量に供給されている

1970年代後半から80年代にかけたマンションブームで、大量の分譲マンションが供給されました。その結果、現在の中古市場には築30年超えのスットクが大量にあるので、今のところは安い価格で購入できるでしょう。しかし、いくらストックが大量にあるとはいえ、無限というわけではありません。

経済原則で、供給量に対して需要が増えれば価格は上昇していきます。当然のごとく、通勤や買物などの利便性や周辺環境の良い物件から先に買われていくでしょう。そういった人気物件の数が少なくなれば、希少価値が増して更に価格が上がることが予想されます。そうなると、早い者勝ち的な消費者心理が働いて、更に中古マンションブームが過熱するかもしれませんね。

ホームインスペクションの活用

「中古+リフォーム(リノベーション)」というスタイルの定着が、中古マンションブームを牽引していると言って良いでしょう。しかし、中古マンションを購入する際に気になるのが、物件の不具合や欠陥の有無。これを素人が自分で見極めることは非常に困難です。

そこで注目されているのが、ホームインスペクションの活用です。ホームインスペクションとは、建築に精通した専門家が住宅の劣化状況や欠陥、不具合などを診断してアドバイスする業務です。しかし、これは住宅を診断しその結果を報告するもので、不具合や欠陥がないことを保証するということではありません。

とはいえ、「中古マンション+リノベーション」を検討する上で、専門家の診断結果を参考にして購入の是非を判断できるというのは有り難いですね。それと、最近では宅建業者が中古住宅の販売や仲介におけるユーザーに対するサービスの一環として、ホームインスペクションを活用するケースも見受けられるようになりました。つまり、「この物件は建物診断をしているので安心ですよ」、というアピールをするわけですね。

そして極めつけが、瑕疵保険の検査としてのホームインスペクションです。これは国土交通省による、中古住宅市場の活性化政策の一環でもあります。中古住宅用の既存住宅売買瑕疵保険に加入するためには、事前に国土交通省が指定する専門機関の検査を受けなければなりません。そして不具合や欠陥があれば、改修工事をする必要があるのです。

既存住宅売買瑕疵保険に加入していれば、専門家の検査によって瑕疵がないことが確認されていて、もし不具合や欠陥が発覚しても保険期間内なら補修費は保証されるのです。ですので、個人で費用を負担してホームインスペクションを依頼しなくて済むということです。これにより、築年の古いマンション購入のハードルが下がりました。そしてそれが、築30年超えのマンションの成約件数が増えている要因の一つでもあります。

ディベロッパーによるリノベ済マンションの供給

「中古+リフォーム(リノベーション)」が普及する中、ディベロッパーが中古物件を買い取ってリノベーションして販売する形態が増えています。専有部分単位と、一棟まるごとリノベーションする形態があります。

一棟まるごと購入するケースでは、物件の取得費や工事費が抑えられるので、販売価格も割安になる可能性があります。好立地の用地を取得することが難しくなった昨今、人気エリアでの効率的な物件供給手段として、デベロッパーによるリノベ済マンションの開発はこれから増えていくでしょう。

何れにしても、中古マンションを購入して一から設計して改修するのと違い、既に形が出来上がっていますから物件の良し悪しは一目瞭然です。気に入ったデザインや仕様であれば、手間なしで割安の物件を購入できるというメリットがあります。ただし、結果が見える反面、設計や施工のプロセスが分かりませんので、手抜きや不具合に若干の不安はあります。ですので、リノベ済マンションを購入するなら、瑕疵担保責任が保証される既存住宅売買瑕疵保険に加入している物件を選ぶことをお薦めします。

まとめ

中古住宅のストック市場を活性化させるという国の政策もあり、今後は更に中古マンション市場は活発な動きになることが予想されます。特に、割安感のある築30年超えのマンションのマーケットは加熱していくでしょう。しかし、築年数の古いマンションには、耐震性や管理組合機能の良し悪しなど、様々な課題やリスクがあります。事前の情報収集なしに安易に手を出すと後で大きな落とし穴が待っていますので、購入前に情報を収集し慎重に検討することをお薦めします。

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