マンションジャーナル

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街にあふれる怪しい不動産広告にひっかからないための基礎知識

街にあふれる怪しい不動産広告にひっかからないための基礎知識

街を歩いていると電柱にときどき不動産広告が張られているのを見かける事があります。

「○○駅徒歩5分 3LDK 2980万円」
「東南角部屋 ペット可 1980万円」

等々、そのあたりで不動産を探しているような人が興味を持ちそうなキーワードが並んでいます。逆に言えばキーワードしかありません。物件の詳細情報は一切なく、そもそも不動産屋の名前すらありません。あるのは担当者名と電話番号だけ。

もちろん、残念ながらこういう広告にまともなものはなく、もし広告に書いてある電話番号に電話してみても「その物件はもう売れました」と言われて別の物件を強引に勧められるか、たしかに駅5分で3LDKかもしれないけど築40年超えで天井には雨漏りの後があるとか、そういう残念な物件を紹介されるだけです。

未公開物件は存在する?

さて、こういう広告によく使われるキーワードの一つが「未公開物件」という言葉です。
「未公開物件」と聞くとなんとなく掘り出し物のような香りがしますし、普段スーモやアットホームのような不動産情報サイトで物件を探しているものの、なかなかいい物件に巡り合えてない人にとってはさながら禁断の果実。ネットに出てないような「未公開物件」にこそいい物件があるかもしれない…と思うかもしれません。

「未公開」「極秘情報」等の言葉に惹かれる人は多いようで、たとえばときどき送られてくる怪しい競馬予想会社の宣伝メールを見ても「当社だけが知る極秘情報による抜群の的中率」などというキーワードがよく出てきますが、一度でも馬主サイド調教師サイドの競馬関係者側に立った方ならご存知の通り、そんな都合のいい情報はどこにも存在しません。もしそんな情報があれば馬主や生産者はみんな馬券で大金持ちになれます。

不動産でも同様、そんな都合のいい「未公開情報」というものは現実には存在していないわけですが、ではなぜ不動産の世界には未公開物件というものが存在していないのか。その理由をお教えします。

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未公開物件が存在しない理由1:レインズ

「未公開物件」が基本的に存在しない理由の一つは、レインズ(不動産流通標準情報システム)というシステムが稼働しているためです。

レインズというのは、不動産会社が現在売りに出している不動産情報を不動産会社間で共有するためのシステムなのですが、不動産会社が売主から不動産の売却依頼を受けた際にその不動産の販売情報をこのレインズに登録するよう宅地建物取引業務法により定められています。

そのため販売中の不動産はレインズにアクセスできるすべての不動産会社間で共有されます。つまりその販売情報は公開されるのです。不動産を買いたいと思った顧客が不動産会社に赴き「こういう条件の物件が欲しい」と伝えれば、それがレインズに登録されている物件であれば見つける事ができます。

ですから未公開物件がそもそも発生するはずがない…のですが、実際には複数の理由により、すべての売却情報がレインズ登録されるわけではない事に注意が必要です。

まず、不動産会社がレインズに登録する義務が生じるのはその不動産会社と売主との間の契約が1対1の関係になる「専任専属媒介契約」もしくは「専任媒介契約」の場合に限られるという事です。売主が複数の不動産会社に売却の依頼を出す「一般媒介契約」の物件の場合、不動産会社がレインズに物件登録を行う法的義務はありません。(登録するように推奨されているだけです)

そのため「一般媒介契約」の物件の場合には、レインズに登録されていない物件、つまり「未公開物件」になる可能性があります。

もう一つ、その不動産会社が、業界団体に所属しておらずレインズを利用できない場合です。その場合、そもそもその不動産会社はレインズにアクセスできないわけですから当然登録もできません。その不動産会社が販売している不動産は事実上未公開物件になりえます。

未公開物件が存在しない理由2:販売機会の損失

未公開物件が存在しない理由その2は、不動産の売り主の立場になるとわかります。もしあなたが、自分がもっている不動産を売りたいときには「できるだけ早く高く売りたい」と考えているはずです。

では「不動産をできるだけ早く高く売りたい」場合、「広く情報を公開して、出来るだけ多くの人がその物件の情報に接するようにしたい」と考えるか「誰にも知られないようにこっそり売りたい」と考えるか。もちろん前者のはずです。

ただでさえ、なかなか自分の希望での売却が難しい不動産を、こっそり売ろうとして売れるわけがありません。自分の売ろうとしている不動産が、スーモやアットホーム等の不動産情報サイトでは検索できず、街中の電柱に貼ってある怪しげなチラシのみで販売されている。そんな状況を希望する売り手が存在するはずがありません。

不動産会社から見ても、顧客からの売却情報を故意に隠ぺいすることは顧客の不利益になる行動ですから、まっとうな不動産会社、まっとうな担当者であればそんな事を行うはずがありません。(ただ現実にはそれが有名大手財閥系不動産会社であっても、自社の営業成績をあげるために、そういう行動(いわゆる物件の囲い込み)を行う会社はいまだに普通に存在しています。これについては別記事で触れる事にします。)

不動産を売却することを誰にも知られたくない人の場合、未公開でこっそり売る事を選ぶんじゃないか?そう思われるかもしれませんが、そういう方はそもそも不動産会社自体が不動産を買取るサービスを行っていますから、それを利用するのが普通です。

いずれにせよ、不動産会社が依頼された不動産を確実に売却しようとしたとき、その案件を未公開にする理由がないのです。全くメリットがないわけですから。

以上2点により、わずかな例外を除いて不動産には未公開物件が存在しない事がわかります。未公開物件というと何か特別お得な物件のような響きがありますが、そんな禁断の果実は現実には存在しません。決して惑わされないようにしてください。

限りなく未公開に近い物件も存在する

不動産を探している人は、いまや必ずインターネットで情報収集を行っています。不動産を探している人でスーモ、ホームズ、アットホーム、このいずれかのサイトにアクセスした事がない方はほとんどいないでしょう。

しかしこれらのサイトの情報は不動産会社が任意で登録するものであり、売却を依頼された不動産会社が登録しなければそれらの不動産情報サイトに情報は掲載されないのです。特に大手ではない地域密着型の中小不動産会社にみられるのですが、販売情報をこれらの不動産情報サイトに登録しないところがあります。そのため、それらの不動産会社で販売している物件には大手不動産情報サイトには情報が存在しない物件があります。(レインズ上にはもちろん登録されています)

そういう物件の場合、当然ながら不動産情報サイトをいくら検索しても情報が出てこないわけで、一般の方から見ると未公開物件に近いとは言えます。ただし、こういう物件も、レインズの情報を特定の条件で抽出し機械的にホームページに載せているサイトにはあがってくるため、インターネットでも全く探せないわけではありません。

不動産業界では「不動産に掘り出し物は存在しない」とよく言われます。電柱に張られているような真偽不明の不動産情報には安易に騙されない事が肝心だと言えます。

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