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新国立競技場建設の犠牲者?都営霞ヶ丘アパート問題とは

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新国立競技場建設の犠牲者?都営霞ヶ丘アパート問題とは

2015年8月31日月曜、新国立競技場建設にともなって東京都から立ち退きを迫られていた都営霞ヶ丘アパート住民が、国にアパートの存続や話し合いの場などを求める要望書を提出しました。この要望書の提出相手は、五輪担当相の遠藤利明大臣と文科相の下村博文大臣。東京都ではなく国に対して要望書を提出したのは、都の対応に対する不満とアパートの取り壊し決定に国が関与したからということのようです。

建設費用問題の影でくすぶっていた立退き問題

新国立競技場の建設計画については建設費用を巡って紆余曲折があり、最終的には安部首相が「白紙に戻し、ゼロベースで見直す」と発表したことで、とりあえずこの問題に一段落ついたように見えました。ところが今回、建設予定地のアパート立退き問題が浮き彫りになりました。住民はこれまで数回にわたって東京都に要望書を提出しましたが、何の回答も得られなかったことに業を煮やしたようです。 >>マンションを買うなら知らないと損するサービスとは?

東京都の一方的な通知に住民が反発

参議院議員会館で要望書手交した後に、アパート住人が記者会見を開きました。会見の場で、住民達は「東京都から一方的な移転通知と移転先の説明があっただけ」と反発しています。新国立競技場の建設計画がゼロベースで見直しになった後、立退き問題は宙に浮いた状態になっているようです。3年前から立ち退きを迫られ、現在同アパートに住んでいるのは136世帯で、そのほとんどが高齢者。88歳になる一人暮らしの女性は、「半世紀以上このアパートに住んでおり、ここが終の棲家で一生を終える場所と思っていました。追い出されるのかと思うと夜も眠れません」。と訴えています。

霞ケ丘アパートの場所↑すぐ横は神宮前住所という好立地に位置している

東京都が示している移転先は、今より狭く家賃も上がることになるそうです。住民によると、移転先の医療や介護の環境は整っておらず、高齢者にとって身体的、精神的な不安は大きいとのこと。舛添東京都知事は、「住民の大半は早期移転を望んでいると聞いている」と話しているようですが、アパート住人は会見で、「現在残っている住民は、100%ここを動きたくないという思いであると断言できる」と反論しています。

まとめ

こういったことは、住宅地が絡む再開発に必ずつきまとう問題です。高齢化が進む今の日本社会では、高齢者の立退き問題は霞ヶ丘アパートだけに限ったことではありません。都心の老朽化したマンションにおいても、住民の高齢化が進んでいます。このまま放置すれば、都内のマンションが介護者のいない老人ホームになってしまう可能性があります。その意味で今回の霞ヶ丘アパート立退き問題は、単なる立退きではなく高齢化社会における課題として見るべきではないでしょうか。

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