マンションジャーナル

マンションジャーナル

資産価値に直結するマンションコミュニティとは一体何だ

マンションジャーナル最新記事

More
資産価値に直結するマンションコミュニティとは一体何だ

これまでマンションではプライバシーを担保することが優先され、いわゆるご近所付き合いなどの住人同士のコミュニケーションは敬遠される傾向がありました。そのため、マンションの入居人同士は「隣は何をする人ぞ」という感じで、互いに関心を持たずマンションにおけるコミュニティ形成は軽視されてきました。

しかし東日本大震災が、それまでの日本人の意識を一変させました。震災以降に住民同士の助け合いの重要性が再認識され、それに伴いマンションにおけるコミュニティのあり方も見直されるようになったのです。

コミュニティに対する意識の変化

コミュニティに対する意識変化の要因には、東日本大震災によって災害時の対応や防災に対する意識が強まったこともありますが、何にも増して多くの日本人が人と人との繋がりや絆の大切さを痛感したことが大きく影響しています。

震災後に多くの日本人が地域のコミュニティの重要性を再認識し、住人同士が助け合って生活するという暮らし方に強い関心を持ち始めました。そういった世の中全体における価値観の変化によって、マンションのコミュニティに対する考え方も様変わりしました。

そして防災や災害時の対応と言った領域を超え、新しい形のマンションコミュニティのあり方が模索する流れが生まれています。そしてそれはマンションの入居人だけではなく、マンションを開発提供する企業の戦略にも大きな影響を与えています。そして今や、マンションのコミュニティ形成は不動産業界の大きなテーマになりつつあります。 >>マンションを買うなら知らないと損するサービスとは?

快適なマンション暮らしのポイントは管理の質

快適なマンションライフを過ごすためには、管理の良し悪しが重要なポントになります。そして良質な管理を維持するために大切なのが、良好なコミュニティの形成です。しかしマンションは戸建ての住宅地と違って、一つの建物に複数の世帯が暮らしています。つまり、マンションという建物の管理を共同でする必要があるのです。

国土交通省による「コミュニティの形成状況や維持管理の状況に関するアンケート調査」によると、マンション入居者間のコミュニティが良好なほど管理の質が高くなるという結果が出ています。そして入居者間の良好なコミュニティは、高齢者への配慮や子供の見守りなどの防犯対策に活発に取り組む傾向があるようです。

良質な管理のポイントとして、区分所有者で構成する管理組合と管理業務を委託された管理会社の関係があります。入居者の管理に対する意識が高まれば、管理の業務内容の質や財務関連の数字にシビアになり改善に積極的になります。もし入居者が管理の質に不満を持てば、業務委託先の変更を検討する事になるでしょう。そうなると管理会社は管理業務委託契約を継続するために、管理業務の質を向上させることを迫られることになります。その結果、良質な管理がなされ快適な住環境の維持が可能になるという構図ですね。

コミュニティの質の良し悪しが、マンションの資産価値を左右する

共有部分やエントランスなどが、日々綺麗に清掃されメンテナンスが施されたマンションはハード面の資産価値を高めます。そして良好なコミュニティは、快適な住み心地というソフト面での資産価値を高めます。大手デベロッパーはこの点に注目し、コミュニティ形成に積極的に取り組みはじめました。その一環として、コミュニティづくりを仕掛ける専門の企業と協力し、コミュニティ形成を支援するプロジェクトを立ち上げています。

野村不動産が立ち上げた「プラウド」というマンションブランドの既契約者を対象にした「住み心地満足度調査」によると、最も現在の住まいを不満に思う要素は「コミュニティ・住民の意識やマナー」だったそうです。デベロッパーなどの不動産関連企業がマンションの販売を促進するには、顧客満足度を向上させる必要があります。そして顧客満足度を向上させるためには、良好なコミュニティ形成が欠かせないということ示す調査結果です。

益々激化する競争の中、大手デベロッパーはこれまでの建物や設備といったハード面のクオリティを高めるだけでは勝ち抜けないと考えているようです。ですので、良好なコミュニティ形成を支援することでソフト面の充実を測り、自社ブランドの価値を上げる戦略に切り替えたということですね。こういった傾向はこれから益々広がり、マンションライフの質を向上に貢献する大きな要因になることが予想されます。

少子化を意識した「子育てママ」に優しいコミュニティ形成の支援

近年、コミュニティ形成を支援するために、様々な手立てが講じられているようです。定期的な防災訓練に加えて、防災をテーマにしたグッズの展示会を開催して防災意識の向上を図るイベントの開催。また、子供たちを対象にしたスポーツ教室や各種講座など、様々なイベントを通じて良好なコミュニティ形成につなげる試みがなされています。そんな中、子育て中のママたちを支援するプログラムを導入する試みが始まりました。

三井不動産レジデンシャル(株)と大成有楽不動産(株)の入居者ママ向けソフトサービス“ママココロPROJECT”。対象になる物件は、埼玉県所沢市の「GRAND VIEW SQUARE」という分譲マンション。子育てに忙しいママたちが自分の時間を持って、ママとしてのポテンシャルを発見し育てるというコンセプトでプログラムを設計するという試みです。

具体的には、「家族の将来を考えるライフプランニング」や「ママ自身の強みを見つめなおすワークショップ」といった自己啓発的なプログラムを用意しているようです。そして、子育てママを孤独にしないというコンセプトで、ママ同士の交流を楽しむためのプログラムもあり、孤独感による育児ノイローゼの解消に役立つことが期待されます。

また月に一度、「マザーサンクスデー」と称してマンション内の共用施設でベビーシッターに無料で子供を預けられるサービスも予定しているそうです。それらのプログラムを実施するための、キッズルームやフレックスルームなどの施設をマンション内に設置するということです。

これらは個の快適さを追求する付加価値ではなく、人と人の繋がりによる快適さに重点を置いた新しい形の付加価値の創造と言えますね。こういった取り組みが多くのママたちに評価されれば、一層の差別化に繋がるマーケティング戦略として発展していくでしょう。

【永久保存】殿堂入り人気記事

Return Top