
「住宅ローンについて学ぶシリーズ」第6弾は実際の住宅ローンの支払いについてです。 住宅ローンの支払いと聞くとなんだか不安に聞こえますよね。住宅ローンを実行すると、当たり前ですが毎月の返済が始まります。この支払いは「住宅ローン」だからといって何か特別なことが必要かというと、普通のローンの支払いとなんら変わりません。
指定した口座から一定の返済金額が毎月自動で引き落とされるだけですので賃貸の支払いと同じような感覚で済みます。となると、不安なのは「毎月どれくらいの金額が引き落とされるのか?」ということですね。
監修者:針山昌幸
株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
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目次
1%の差を舐めてはいけない!
住宅ローンの支払いは、同じ金額を借りていても金利の違いで返済金額に大きな違いが出てきます。
では、金利の差によってどれくらいの差が生まれるのでしょうか?
ここで前提知識として、元利均等返済と元金均等返済の違いについて知っておきましょう。
では例を見てみましょう。
【例1:3,000万円、金利1%、35年返済、元利】
- 総支払い金額:約3,556万円
- 毎月の支払い金額:約8.5万円
【例2:3,000万円、金利2%、35年返済、元利】
- 総支払い金額:約4,173万円
- 毎月の支払い金額:約9.9万円
なんと、金利が1%違うだけで総支払い金額に617万円の差が出てしまいます。月の支払いで見ると、約1.4万円の差です。
金利の見かけ上の数字だけで判断するのではなく、「総支払い金額と月々の支払い金額が幾らになるのか?」という部分に注目して計画をたてることが大事ですね。

返済期間は短ければ短いほどお得!?
総支払い金額を考えるときに、金利と同じくらい大事なことがあります。それが「返済期間」です。つまり「住宅ローンを何年かけて返済するのか?」ということですね。
返済金額が同じであれば、返済期間が長いほど支払利息が増えるので総返済金額は増えてしまいますが、月々の返済金額は減りますのでバランスが難しいポイントです。
返済期間10年と15年では支払い利息は1.53倍。10年と35年では3.88倍にもなります。
ただ、返済期間を短く設定しすぎて毎月の支払いが滞ってしまってはもともこうもありませんので、適度な期間に設定した上で、余裕の出た都度繰り上げ返済を行うことが望ましいですね。

引き落とし口座の指定はどうなるの?
よくある質問として、「ローンを借りる金融機関で口座を作らなければいけないのか?」という質問があります。答えはYES。ローンを利用する金融会社、特に銀行の場合はその支店の口座を作る必要があります。
例えば、A銀行のa支店に給与が振り込まれるのに、B銀行でローンを組んでしまうとB銀行のb支店の口座から住宅ローンが引き落とされるといった状態になります。これですと毎月A銀行からB銀行の口座にお金を振り込まなければいけないので通帳管理が大変です。
また、「ペアローン」を使用した場合も注意が必要です。ペアローンの場合は、借り入れの比率に合わせて各々の口座から引き落としが行われます。ですので、二人とも同じ銀行・同じ支店の口座を新設する必要があります。
なぜ同じ支店に口座を作る必要があるかといいますと、住宅ローンの繰り上げ返済処理、金利の変動の反映、書手続きの処理などが理由のようです。ただ、最近では引き落とし先の口座は柔軟に対応してくれる金融機関も増えてきていますので一度確認してみましょう。