
中古マンションの魅力は、なんといってもその割安感にあります。円安による建築資材の高騰、人件費の上昇もあって新築マンションの平均成約価格は上がり気味。一方築10年前後の中古マンションであれば、新築マンションの6割前後の価格で購入出来る事も珍しくありません。
監修者:針山昌幸
株式会社Housmart 代表取締役
宅地建物取引士・損害保険募集人資格
『中古マンション 本当にかしこい買い方・選び方』
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目次
リフォーム・リノベーションなら理想の住宅を造ることが出来る
また中古マンションを購入し、リフォーム・リノベーションを行う事で、自分の理想の家造りをすることが出来ます。自分の家族のライフスタイルを反映させることが出来るというのが、住宅を購入する大きなメリットの一つです。新築マンションの場合、基本的に間取り・仕様は決まっているため自分の好みをマンションに反映させるのは限界があります。中古マンションのリフォーム・リノベーションであれば、ご自身の趣味や、家族のライフスタイル、家に求めるものを思う存分盛り込むことが出来るのです。
リフォーム・リノベーションは毎月の費用がハードルになる
一方中古マンションのリフォーム・リノベーションは今まであまり浸透してきませんでした。マンションを購入する人の主流は新築マンションだったのです。その理由の一つとして「毎月の費用」というハードルがあります。中古マンションを購入してリフォーム・リノベーションを行う場合、住宅の購入費用とリフォーム・リノベーション費用の2種類の費用がかかってきます。総額としては新築マンションよりも安くなるのですが、費用の種類が2種類に分かれてしまうというのが難点でした。
住宅の購入費用に関しては、もちろん住宅ローンを利用することが出来ます。2015年1月現在、各銀行共に住宅ローン金利の熾烈な争いを続けており、史上最低金利になっている銀行も多いので、住宅を購入する人にとってはチャンスです。しかしリフォーム費用については、別途リフォームローンを利用する必要があります。リフォームローンは住宅ローンと異なり変動金利が4%前後と高額なため、毎月の返済金額が高くなってしまうのです。リフォームローンはつなぎ融資などと同じ様に銀行にとってリスクが高いローンと見なされていました。
リフォーム一体型ローンで毎月の費用を抑える
ところが2013年頃からこのリフォームローンに新しい動きが出てきました。一部の銀行が今後の中古住宅拡大を見込み、住宅ローンと同じ金額でリフォーム・リノベーションの費用を貸し出す住宅ローンを開発したのです。日本全体における中古住宅のシェアは約13・5%(08年)で、欧米諸国の6分の1ほどしか普及していません。しかし国土交通省の2014年3月「中古住宅市場活性化ラウンドテーブル 平成25年度報告書」では新たな中古住宅の評価手法の採用・仕組みづくりを通し、リフォーム市場の拡大・活性化を宣言。政府も2020年までに中古住宅市場を2倍の規模に拡大すると言っています。今までは
新築住宅を購入→暫くして住宅が古くなったらリフォーム
という流れでしたが、今後は
中古住宅を購入→住宅の購入と共にリフォーム
という方が主流になっていくのではないでしょうか。
リフォーム一体型ローンのメリット
リフォーム一体型ローンのメリットには下記の3点があります。
- 毎月の返済金額が減る
- 借入金額を増やす事が出来る
- 住宅ローンと同時に借りる事が出来、手間が省ける
特に大きなメリットは「毎月の返済金額が減る」という点でしょう。住宅ローンと同じ金利で借りられることにより、毎月の返済額を1割以上軽減することが出来ます。
また従来のリフォームローンは最大借入金額がリフォーム単体価格で1,000万円というものが多かったのですが、リフォーム一体型ローンであれば上限金額は住宅の価格との合計で考えられます。マンション自体は価格の抑えたものを購入し、リフォーム・リノベーションに費用をかけたいと思っている方には資金の柔軟性が生まれました。
リフォーム一体型ローンを扱っている銀行
現在リフォーム一体型ローンを扱っている銀行には下記があります。
みずほ銀行
SBIモーゲージ SBIフラットリフォーム
フラット35(リフォーム一体型)
まとめ
中古マンションの市場は2014年熱い注目を集めました。大手ディベロッパーの新築マンションのブランドに魅かれ購入する方より、中古マンションをリフォーム・リノベーションし、自分達らしい暮らしを実現したいと考える方が増えていることが背景にあるのはないかと思います。2020年の東京オリンピックにおいても「既にある施設をいかに活用するか?」がテーマになっています。
既に日本には数多くの家がありますから、今ある資産を有効活用することは至って当然のことと言えるでしょう。2015年には新築マンションの供給戸数減少に伴い、中古マンションの成約数が新築マンションの成約数を上回るのではないかと予想されています。リフォーム一体型ローンはこの中古マンション活用の流れを大きく後押しする商品だと思います。
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